前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: sax (第2期)  

Gary Thomas / Exile’s Gate

ExileャsGate  1, 4, 7) Gary Thomas (ts) Charles Covington (org) Paul Bollenback(g) Jack Dejohnette(ds)
  2, 3, 5, 6) Gary Thomas(ts) Tim Murphy(org) Marvin Sewell(g) Ed Howard(ab)
        Terri Lyne Carrington(ds) Steve Moss(pec-6)

  Recorded at Power Station, NYC May 19 - 23, 1993
  JMT 314 514 009-2 (1993)

  1. Exile’s Gate
  2. Like Someone in Love
  3. Kulture Bandits
  4. Blues on the Corner
                     5. Night and Day
                     6. No Mercy Rule
                     7. Brilliant Madness         All compositions by Gary Thomas except 2, 4, 5

前世紀末ぐらいに何度か聴いて以来だから、長いことご無沙汰していたが、ちょっとしたきっかけもあり、久しぶりに聴いてみたので記事としておきます。
オルガンの2人をターゲットとしてのゲットだった。
Thomas のオリジナルが4曲、そして2種のユニットで、それぞれが3曲と4曲というつくりになっている。

オルガンを大胆に絡めたサウンドは、今聴いてもなかなか楽しめる。当時、大きく巾を利かせていたコテコテ系のオルガンではないのがミソだが、そのあたり
のチョイスは、Thomasのセンスでもあり、当時としては先進感もあるサウンドだった。
CDなどでは、ほとんど露出のないこの2人のオルガンで、特に近年の Covington(B1941) は、伝統も感じさせる極オーソドックスなオルガニストといった
イメージしか湧いてこないのだが、ここでの彼ら2人のオルガンから繰り出されるフレーズは、当時としては、オルガンという分野においては、なかなか新しい
感覚によるものであり、時代としては、現在のコンテンポラリー系オルガンの中心となっている Larry Goldings, Sam Yahel, Gary Versace...............と
いったオルガニストよりちょっと前の時期でもあり、同時期に同じように新しい感覚を持ったオルガニストとしては、Jeff Palmer やら Dan Wall など
Abercrombie絡みのオルガニストが思い出される。ただ Palmer や Wall にしても、その後大きな成果を残すことなく、シーンからフェイドアウトしていった
感もあるのだが、Larry Young が残したものを現在のコンテンボラリー系オルガンにつないだという点で、貴重な存在だったとも思える。
本作の2人は、この Palmer や Wall に比べるとその後のCDなどメジャーシーンへの露出は、極端に少なく、おそらくスタジオミュージシャン的な活動が
中心となっていたものと想像する。近年の伝統芸に染まったCovingtonも知ってはいたが、あらためて本作を聴き、当時としては、先進感もある感性を振り
まいていたオルガニストが、その後ほとんど露出が少なくなってしまうというのは、ただでさえ人材不足のオルガンという分野では、数少ない感性だけに、
非常に残念に思えてならない。当時のオルガンの状況を考えれば、周囲の固定されてしまっていたイメージもあり、求められるのは黒いものということで、
そこから外れた感性のオルガンには、需要が極端に少なかったという寂しい状況も関係しているのだろう。
他楽器と比べ圧倒的に絶対数が少なく人材不足も重なり、あまりにも Jimmy Smith の影響が長きに渡り続いてしまったことが、進化を送らせ、その他の
楽器、特殊分野といった位置づけとしてしまった一つの要因でもあるのだが、その流れを変えるのは、やはり革命家の出現、そこにつきるだろう。

当時のM-Baseムーブメントの立役者の一人 Thomas のアグレッシブなブロウは、スタンダードもなかなか過激に料理しており、アルバムとしても活気に
溢れた一枚に仕上げている。Dejohnette のアタックの強いドラミング、そしてファンク調ナンバーにおける Terri Lyne Carrington の粘るように糸をひく
ドラミングが印象的。

JAZZ-Sax 79
Gary Thomas
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