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Category: sax (第2期)  

Tony Malaby Paloma Recio / Incantations

  Tony Malaby (ts, ss)
  Ben Monder (g)
  Elvind Opsvik (b)
  Nasheet Waits (ds)

  Recorded March 16th, 2015 at Systems Two by Joe Marciano and Max Ross.
  CF367CD (Clean Feed) 2016

  1. Glass
  2. Artifact
  3. Hive
  4. Procedure

Tony Malaby’s Paloma Recio による2009年作 “Paloma Recio” に続く2作目、メンバーも変更なし。

Opsvik の呪文のようなアルコと音数を抑えた Monder のギターで静かに入る冒頭曲、その徐々に空間が構築されていく流れにヤラれた。
その妖しさもある静寂の空間に、いつのまにかMalaby がスーッと透明感に溢れたソプラノを流し込んできて、空気感はラストに向かって徐々に冷から
微熱を帯びていく。そのゆるやかな変化の流れに美が漂うM1の冒頭曲。

4ビートで、ややハードボイルド感もあるテーマからオーソドックスに始まるM2、既成のスタイルを拒否したかのような Monder のソロがキレ、
場は、緊迫した空間と化し、めまぐるしいリズムの変化も見せる中、続くMalaby の怒濤のテナーでピークに、ラストに向かい Monder のギターが
彼方の空間に突き抜けてゆく。

循環奏法を使った(?) Malaby のソプラノから入るM3。
徐々にヒートしていく Malaby のソプラノ、しなやかに強い。Monder のギターが入り、その絡みでピークをむかえる。

イマジネイション溢れる Opsvik のベースから入る17分超のM4。
飛び道具と化した Monder のギターが飛び交い、剛柔織り交ぜてはウネりまくる Malabyのテナー、スリリングな瞬間を供給する Nasheet Waits
のドラミング、そしてビシッと決まるエンディング。ことば無用の音世界だ。

全4曲、それぞれ独立したものというより、何らかの関連も感じられる組曲仕立てといったものとも受け取れる。

耳を澄まさないと聴き取れないほどのデリカシーに富んだピアニシモから大胆なフォルテシモに至るまでフルに使ったレンジの広い表現が音楽を
ダイナミックにしており、そこでは、個々のソロは、確かに自由に溢れたものなのだが、そこに目を向けるよりも、一歩引いてグループのトータルな音楽と
して見るならば、あたかも計算されつくした上での精緻な仕上がりも見せる構成美すら感じられるのだが、それは最初から計算され予定したものというより、
あくまで自由の結果として得たものなのだろう。そこまで読んだ上での自由、Malaby の深さか。
この環境を得て、水を得た魚のごとく、生き生きとしたMonderの存在感が、やけに目につくが、Malabyのイメージする世界観は、このMonderのアシスト
抜きでは考えられないほどのフィット感もあり、彼のスペイシーなギターワークも一歩前に進んだ感もある。
感性面では、共にダークな質感を持つという共通の部分もあり、互いの刺激するポイントも心得ているところもあるのか、その相乗効果で、結果もプラスに
作用しており、理屈抜きに、ダイレクトに脳髄に作用してくる音の起伏ある流れによる刺激は、ことば不要の音世界だ。
音による表現の先に、抽象的なものではあるのだが、どれだけ豊かなイメージを投影できるのか、といったあたりをミュージシャンを計る私的判断基準の
一つとも考えているが、そういう意味では、久しぶりに骨のある一枚との出会いだった。

Tony Malaby 関連記事は → こちらから
Ben Monder 関連記事は → こちらから

JAZZ-sax 78
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Comments

Edit
Elvind Opsvikはいいですよね。本人のリーダー作はないのですが、Mike Baggetta(g)のリーダー盤の印象が良かったです。
Systems Twoスタジオも良さげです。
ただ、私的にMalabyが若干苦手なので、ネットで試聴してみます♪
EditRe: タイトルなし
怪しげなものに反応しやすい当方としては
久しぶりにガツン、いや、というよりジワジワときた一枚でした。
Monderの出来も良し!
Opsvik+Monderが創り出す怪しげな空間が、いや何とも!

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