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Category: trumpet  

Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny

 CuongVuPM-2.jpg CuongVuPM-3.jpg

Cuong Vu (tp)
Stomu Takeishi (b)
Ted Poor (ds)
Pat Metheny (g)

Rcorded February 4-6, 2015, at Avatar Studios, New York, NY
7559-79466-8 (NONESUCH) 2016

1. Acid Kiss
2. Not Crazy (Just Giddy Upping)
3. Seeds of Doubt
4. Tiny Little Pieces
5. Telescope
6. Let’s Get Back
7. Tune Blues     All music composed by Cuong Vu except “Telescope” by Pat Metheny and “Tune Blues” by Andrew D’angelo.

ベトナム出身のトランペッター Cuong Vu(B1969)の NONESUCHレーベル移籍初作。
長年続く自身のトリオに、かつて参加グループのボスだった Pat Metheny(B1954) が逆に参加しての一作。
かつて、この同じメンバーのトリオにやはり同じフォーマットでギタリストにBill Friesellが参加した “It’s Mostly Residual(2005)” を思い出す。

振り返ってみれば、かつてPMGに参加していた頃の Vu は、グループの一員として大抜擢してくれたボスの手前、そしてあくまでPMGの音楽の中で
自身を抑えていたとの感もあり、PMG以降の活動では、解き放たれたようにNYアンダーグラウンド系、フリー寄りのミュージシャンなどとの、それまでとは
違う世界での活動を積極的にこなしてきており、その音楽も怪しくもダークな世界観を秘めたものとの印象もあり、この辺が彼本来の感性ではないだろうか。
本作での興味は、そんな Vu とは異質のテクスチャーを持ったMethenyが混入し、音楽はどんな化学反応を見せるのかといったあたり。

これまでのこのトリオ関連の Vu 作では、不穏な空気を振りまきながら唸り、忍び寄る武石のebとダイナミズムに溢れたPoorのdsとが創り出す空間を
切り裂くように飛び交うVuのtp、これがこのトリオの基本のサウンドイメージであった。

さて本作、幾分、尖ったカドがとれて、アタリがよくなったといった印象もある音楽の質感。かつてのボス、Methenyに歩み寄った結果か、はたまたMetheny
もプロデュースに関わっているといった状況からなのか、いずれにしても、私的に Vu の最も魅力と感じている部分でもある先鋭性がやや薄まったと思えるのは、
ある程度予測はしていたが、まったく望まぬ方向だった。
本作の購入者は、おそらくほとんどがMetheny目当てじゃないだろうか、そういう意味では、Methenyらしいプレイもたっぷり出て、それなりに満足の
一枚ということになるのかもしれない。自分でも、漠然と聴いていると、ことさら取り上げるほどの問題もなく、まずまずの内容の一枚とも受け取れるのだが、
それでもどこか、物足りないものが残るのも事実だ。もちろんそんな受け取りをしない人も多いのかもしれないが............まあ、つまるところ単に好みの問題
ということになるのか。
度々書いてきたことだが、共演者との対話の中から、その互いの刺激により新たなsomethingを生み出そうとする即興性の強いJazzにおいては、
共演者の持つ意味は大きく、残念だが、本プロジェクトでは、私的に望む方向に化学反応は進まなかったと受け取っている。
アルバム名義人であるCuong Vu寄りに考えるならば、持っている感性の質から、どこか屈折したものを秘めたような感性の質を持ったギタリスト
例えばLiberty EllmanやらRez Abbasiのようなタイプであったなら、より魅力的な音世界の広がりもイメージできるのだが、それはもちろんMethenyから
見ても同じようなことが言えるのかもしれないが.............。
このトリオのカラーに大きく関わっている武石務のベースの響きとMethenyのギターの響きには、そこに同じ弦の響きでも、相乗効果により、より魅力ある
音世界の出現がイメージしずらいのだ。
ボーダーのスウェツトとスニーカーそして青い空が似合うMethenyには、陽のギターをイメージしてしまう。これはこれでそれが活きる世界が別にあると思う。
当初、個性として受け取っていたMethenyのギターも、それは多分にプレイ面での彼独特のクセによるところもあり、近年では個性というよりも、クセとして
気になる部分とも感じている。微妙なところだが、気になりはじめると、その小さな部分が大きくなってしまう。理屈では割り切れない感性の世界ということか。
こういった受け取りをするのは私だけなのだろうか?
Pat MethenyというギタリストがJazzギターの世界に残してきたものは大きく、Jazzギター史に刻まれるべき足跡を残しているという点で私的には、もちろん
高く評価もしているのだが、ただ道楽目線でということになると、評価よりも好みが優先してしまうのは仕方ないことか、悪しからず。

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JAZZ-trumpet 10


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