前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: guitar (第2期)  

Jostein Gulbrandsen Trio / Release of Tension


  Jostein Gulbrandsen (g)
  Ike Sturm (b)
  Ronen Itzik (ds)

  Self Release (2011)

  1. Release of Tension
  2. Dolphin Hotel
  3. Blue Ritz
  4. Slow Hymn
                     5. Pop Song
                     6. Into the Woods
                     7. Untitled
                     8. No Reason
                     9. Last Waltz

ノルウェー出身でNYを拠点として活動しているギタリスト Jostein Gulbrandsen(ヨスティン・グルブランドセン?, B1976)のリーダー2作目。
過去にデビュー作 “Twelve”(Rec.2006)、そして参加作 “Nathaniel Smith Quartet”(Rec.2007)と、いずれも Jon Irabagon 絡みで、好内容の2作を残して
いるのだが、本作は自主制作となっており、純粋に自身のJazzギタリストとして求める方向性を打ち出してくるのか、あるいは売ることを意識したつくりと
してくるのか、いずれにしても彼の音づくりの姿勢みたいなものも見えてくるといったことで、また、ダマシのきかないトリオ作となっているということで、
そういったミュージシャンとしての姿勢以外にも本作は、ギタリストとしての力量が見えてくるといった面でも、関心の向く一枚だったが、自主制作という
こともあり、流通状態も悪く入手しずらいといったことで、保留状態になっていたのもすっかり忘れていたという経緯のあった本作、晴れてのご対面である。
自主制作というのは、基本、本人の強い気持もありやっていることなので、そこに本人の考えやら姿勢などが表面に強く出る場合も多く、リスナーとしては、
それだけに、強い関心の向く対象でもあるのだが、DLは別としてCDの場合は、初回ロット分が、さばけてしまうと追加製作をしないことも多く、リリース時
にゲットしないと、その後の入手が、しばらく難しくなってしまうなど、困ったものだ。

冒頭の1曲目、スペイシーな響きと哀愁漂うラインでハートをがっちり掴まれてしまい、このアルバムとのつき合い方も、これで決まってしまったという感じだ。
一通り聴いてみて、バラエティーに富んだ飽きさせない一枚となっており、その見せてくれるいろんな表情が、このギタリストの豊かな音楽性も感じさせる。
スローな展開では、空間系響きと間を生かし、一転、M3のような速い展開では、音自体もハードにチェンジし、鮮やかにすっ飛ばし、行くべき時は行くメリハリ
を見せる。M5, M9でのアコギも単なる気分転換ではない、エレキではできない表現の1つとして前向きに使っている感もある。ラスト曲M9での哀愁は、
やはりアコギならではの表現と納得できる。

総じて、こけ脅しの速弾きに走ることもなく、空間を音符で埋め尽くすこともなく、地味な印象も残るが、それは、あまりにも多いそういった傾向の現代の
ギタリストに慣れてしまった結果とも言えるのかもしれない。優先すべきは、あくまで音楽であり、技は、その必要に応じてであるべきが、いつの間にか、
その主従の関係がおかしくなってしまい、心に響かない音に出くわすような場面に遭遇することも多いと感じている。その点で、本来あるべき真っ当な
ギタリストとの印象を持った。

さて自主制作の本作だが、冒頭に掴める曲を配し、聴き手を意識しつつも、その後の展開でも、聴き手を無視して、やみくもに突っ走るといったこともなく、
ある程度はリスナーを意識しつつも、自身のやりたいこともしっかりやっている感もあり、メリハリある展開も見せるこのギタリストは、節度とともにバランス
を備えたギタリストと言えそうだ。
それだけに、わずかに控えめとの感もあり、自主制作のトリオで勝負ということであれば、もっと我を強く押し出したものも見てみたいと思わせる隠れた
ポテンシャルも感じさせるものがある。その部分では、ある意味、わがままであるのがアーティストであるとも思うのだが。
我々、リスナーが求めるものは、彼ら自身が真にやりたいことをやった結果であり、そこに余計なものが介入した音は、結局は、そういう表情をした音になって
しまう。音はごまかせない、正直なものだ。

いずれにしても、現代における正統派として誠に魅力に溢れた感性を持ったギタリストであることには違いない。

             
             Norwegian guitarist Jostein Gulbrandsen performs with Ike Sturm on bass
             and Ronen Itzik on drums at Scandinavia House in NYC.

Jazz-guitar 149
Jostein Gulbrandsen
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