前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: guitar (第2期)  

Ananda Gari / T-Duality

 gari-2.jpg

Tim Berne (as)
Rez Abbasi (g)
Michael Formanek (b)
Ananda Gari (ds)

Recorded at Acoustic Recording Studio, Brooklyn - USA on March 21, 2013
AU9041 (AUAND) 2014

1. Trucks
2. Never Late
3. Are You Kidding Me? Intro
4. Are You Kidding Me?
5. Fields
6. Last Drops
7. Don't Forget to Pet Your Cat     All compositions by Ananda Gari

イタリアの若手ドラマーAnanda Gari のリーダー作ながら、パキスタン出身のギタリストRez Abbasi(B1965)目当てのゲットということで、カテゴリー
Guitarの記事といたします。

これまでAbbasiは、幼少期の米国移住以来、人生の大半を米国で過ごしてきているのだが、流れる血には逆らえないといったこともあったのか、また
感性面で通じるものもあるインドをルーツとするRudresh Mahanthappa(as)やVijay Iyer(p)との出会いもあり南アジア色も濃い音楽に多く関わって
きている。そうした音楽に含まれる要素面では、他と異質ではあるものの、大きな枠で捉えるなら典型的コンテンポラリー系のギタリストと言える。
そんなRez Abbasi は、独自性に溢れた感性とハイテクを操るギタリストとして認めていることもあり、ちょいちょいチェックはしてきているのだが、
本作に特別に強い関心を持ったのがこのメンバー、フリー寄りでシリアス、ダークな音世界も予想されるという未体験ゾーンの中で、Abbasiがいったい
どんな変わり身を見せてくれるのかといったあたり、久しぶりの私的注目作である。

常々感じていたことだが、Jazzという即興性も高い音楽においては共演者の持つ意味は極めて大きく、その相性やら刺激から、それまで内に潜んでいた
ものが顔を出し、そこから今までとは違った世界が広がるといった場面に度々遭遇してきた。
内包するポテンシャルも感じていたAbbasiに本作で期待していたのもまさにそんな部分だったのだが、そのこれまでなかった新しい刺激により、Abbasi
のギターからは、これまで聴けなかった類いの響きが感じられるのである。
初期のAbbasiのギターには、移住先の西海岸の土地柄も関係したのかはわからないが、カラッとした明るさとともにMethenyにも通じるものもあり、
そのあたりが彼の出発点であったように思う。その後のアジアンティストの色濃く出た時期など、そういった今までのAbbasiのカラーとは違ったものが
引き出されている点で、まず意味のある一枚と感じた。
単音の響きのみで張りつめた空間を演出する冒頭曲など不穏な空気を振りまくバッキング、ソロパートでの独自性に溢れたフレージングも時折入るアジアン
テイストのラインがより変態性を強調する効果もあり、また速いバッセージでの鮮やかなキメ..........等々、活き活きとそしてこのシリアスな質感の音世界に
フィットしたプレイを展開しており、これまでのコンポラ系ギタリストから一歩踏み出し、ややフリー寄り(形というよりは感性面で)といったあたりの
プレイが、見事にハマっており、この理屈抜きにカッコイイと思えるところが何よりなのである。
元々そんなところも匂わすようなところもあり、密かに隠し持っていたものが新種の触媒の刺激でジワジワと吹き出してきたような感じだが、変態フレーズ
を連発されてテンションが上がってしまうという自分も客観的に見れば病んでいるといった見方もでき、決して素直に喜べるという状況ではないのかもしれ
ないが、まあそれも良い、行き着く所まで行ってみよう、とにかくこのAbbasiに出会えたのは大きい。

ギターはjazzで一般的に使われる楽器の中でも、気軽に独学でも始められる楽器としてRock, Folk.......など他分野からの流入してくるケースも多く、ギター
人口は多く裾野が広いといった状況もあり、人材豊富な分野でもある。特に今現在の流れと連動したコンテンポラリー系には才能ある若手がひしめき合って
おり、まさに百花繚乱の様相を呈しているのだが、これが先端の方あるいは、その中間的なあたりの感性で、後に形として何かを残してくれる程の人材と
なると、ぐっと数が減ってしまう。そんなことで、このいわゆるコンテンポラリー系からややフリー寄りという微妙なエリアでAbbasiがいいシゴトを残せる
手応えを掴めたことは、彼自身の考えはわからないが、私的には極めて大きな出会いなのである。

Abbasi中心の記事になってしまったが、フリーキーに吠えたくなるのを抑えぎみにブロウする本作でのTim Berneがいつになく良い。こういったプレイを
聴くにつけ、このアルトの分野ではやはりトップレベルのプレイヤーであることをあらためて確認した。
ドラマーとしてのみならず全てのコンポーズを担当したアルバム名義人の Ananda Gari にも大きな将来性を感じる。
もちろん思索的で重量感溢れるFormanekを含め、4人それぞれの感性が良質の化学反応を起こした結果でもあり、この瞬間こそがまさにJazzに求めて
きたものでもあるのだ。

その他の Rez Abbasi 関連記事は → こちらから

             
             Rez Abbasi - Guitar, John Hebert - Bass, Satoshi Takeishi - Drums
             live at the Cornelia Street Cafe Oct 22nd, 2011

JAZZ-guitar 137
Ananda Gari
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Comments

Edit
早朝です。
おはようございます。

このアルバムは聴いてませんが
この男、かなり上手いですよね。
僕も好きです。
EditRe: タイトルなし
おはようございます。
いやぁ、Gさんもけっこう早起きなんですねぇw

この男、なかなか多彩なワザの持ち主で油断できません。
若い頃からオッサンみたいなキャラ、その辺にも親近感を感じてます。

本作のAbbasiは、別次元へのトビラを開けた感じです。



Edit
こんばんは、

ずっと昔、スウィングジャーナルを読み漁っていたころ、文章から漂う僅かな推しで良し悪しを嗅ぎ分けてCD、レコード購入を決めていた頃を思い出しました。
このCD、大推薦盤と読みました。 Tim Bernも入っているし。

あと、SheppのVinus盤、パッケージが気に入らず持っていません。 Sheppは初期だけでなくずっと好きです。 このVinus盤も悪くはなかったのですね。
EditRe: タイトルなし
tam.ra さん こんばんは

たしかにこの盤は、今年出会った中ではダントツに気に入った盤です。
というのも、本作参加のRez Abbasiが、これまでの彼の殻を破って
一歩踏み出したプレイを見せているという点、そこに惹かれ、評価しました。
なので、評価のポイントの違う人が聴いた場合、どう受け取るか?です。
でも私的には、たまにしか出会えない盤、まちがいないです。

SheppのVinus盤は何といっても「True Ballads」がベスト、
次が「True Blue」といったところですが、
いずれもジャケットは無視した方がよろしいかと思います。

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