前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: piano (第3期)  

Jasmine / Keith Jarrett & Charlie Haden



Keith Jarrett (p)
Charlie Haden (b)
Recorded March 24-25, 2007 at Cavelight Studio, NJ

私の音楽史を振り返り、それを川の流れに例えるなら、その流れを変えるきっかけともなった
節目となるようなMusicianが存在する。Keith Jarrettは、私にとっては、そんな生涯でも出会
える数少ない特別の存在であることに間違いはない。

数ヶ月前、このアルバムのリリースを知った私は、期待感でいっぱいになった。なぜなら私
は、現在のトリオとは違った美の形を見たいと思い続け、新しいメンバーでの新しい美の創出
に是非チャレンジしてほしいと心から願っていたからである。
そしてこのアルバムが、いつものトリオではなく旧知の仲であるHadenではあったが、デュオ
というフォーマットであったことで、Keithがやっと新しい冒険に旅立ってくれるのかと早計
にも大きな期待を抱いてしまったのだ。しかし後日、現在のトリオは存続し、本アルバムの
デュオは、あくまで一時的な本盤限りのものであることを知るに至り、その大きな期待は失望
に変わってしまいました。

デビュー当時のKeithと出会ってから、もうどれほどの年月が過ぎてきたのであろうか、
初めて出会った時、限られたMusicianにしか感じないただならぬものを感じ取った私は、
特別な存在として、2007年のコンサートに至るまで周期的に計6回のLiveも聴いてきました。
今のトリオ結成間もないころの厚生年金ホールでのLiveのなんとすばらしい体験であったこと
か、思い返せば、新しいものが生まれつつあることを感じることができた、この最初のLive
がベストであったとも思う。

共演者との対話の中から、その互いの刺激により新たなsomethingを生み出そうとするJazz
においては、その共演者の持つ意味は大きい。今のトリオは、あまりにも長く続いてしまっ
た。それがために新しいsomethingを生み出すための大事なものが希薄になってきているの
は否めない。

そんなことで、既に30年ほど続いている現トリオでの演奏は、現在でも常に高レベルの
piano trio jazzを演ってくれることは十分わかっているのだが、私が求めてやまないのは、
単にQualityの高い音楽ではなく、今まで出会ったことがない新しい美であり、そうした瞬間
に出会いたいがための道楽でもある。
現トリオには、期待できない新しい美の形を求める私は、ある時期から、彼らのアルバムを
あまり聴かなくなってしまいました。

前置きが長くなってしまいましたが、そんな状況の中、久しぶりのKeith盤購入です。
デュオということで、現トリオとは違ったものに淡い期待を寄せてはいたのですが、過去の
彼を知っている私には、残念ながら新しい発見ができません。常に前に進む姿勢を求めて
しまう私にとっては、生涯でも出会える数少ない特別な存在であるKeithの音に、それが
感じ取れないことが寂しくもあり、残念でもあり、辛くもあり、複雑な心境です。

今回は、"Jasmine" の記事であるはずが、特別な思いのある人 Keith の記事ということも
あり不覚にも気持ちのコントロールができず、だいぶ話が逸れてしまいました。従ってCD
購入時の参考新譜評としてこのブログをご覧いただいている方が、もしいらっしゃったら、
新譜評を目的としていない当ブログは甚だふさわしくありません。他にしっかりした評価を
されているブログがありますので、そちらをご覧ください。

Keithも年令的には新しいチャレンジができる時間がだんだん残り少なくなってきていると
いう現在、9月には、現トリオでの日本公演が予定されているなど、Keithには、そんな考え
はないようです。現トリオで、その音楽の完成度を高める方向に進んで、どれだけのものが
残せるのかを考えると、残念な気持ちでいっぱいになってしまいます。
それだけの能力と可能性を持っている希有な存在だけに.........。
新しい美創出のために、リスクを背負って荒波に向かう姿勢を失ってしまったアーティスト
Keith Jarrettには、出会った頃の輝きは、もはや私には見出せません。
さらば Keith!

休み明け最初の記事が、図らずもこんな記事になってしまうのも何かの縁というものでしょう
か。新しい門出の繰り返し、それが人生........。

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Keith Jarrett
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Comments

Edit
J worksさん、おかえりなさい。

お忙しいよですね。このアルバムはそんな忙しいときこそ、
安らぎを与えてくれそうですね。
あんまり使いたくない言葉ですが、癒し系のアルバムですかね。
キースをBGMにしちゃうのは失礼だけど、でも
最高に贅沢なBGMになりそうな作品かと思いました。

それにしても J worksさんのこのレビューはよいですね。
巧いです。感心しちゃいました。

ということで、こちらからもTBさせていただきます。
では、また。
EditRe: タイトルなし
crissさん コメントありがとうございます。 

> J worksさん、おかえりなさい。
ただいまと言っていいのかわかりませんが、とりあえず。

> 安らぎを与えてくれそうですね。
> あんまり使いたくない言葉ですが、癒し系のアルバムですかね。
変わり者のわたしは、血湧き肉踊るというような内容のものの方が、脳内が活性化されて
結果的に癒しになるようです(笑)。だからBGMと言った方が適切かもしれませんねぇ。
神KeithがBGMでは、えらいバチあたりかもしれませんが(笑)。
また、よろしくお願いいたします。
Edit
どうもお久です。相当なガッカリ度だったようですね。僕よりずっと期待度が大きかったのだと察します。しかしTestamentはこの後だし、こういうリラックスモードが器用に出来るようになったのだ
と僕は考えています。それが残念という見方もありますけどね。
今日はヘッドフォンで向き合ったのですが、旋律が甘いだけでしっかりクオリティーを感じますよ。ただし僕がKeithに痺れたきっかけはStanderds vol.1でそれ以前はそれほど聴いていません。やはり期待度が違うのかもしれませんね。ではでは。
EditRe: タイトルなし
ki-maさん コメントありがとうございます。

音楽になにを求めるかの違いが、受取り方の差になっているのでしょうね。
私の場合は、このブログタイトルにもあるように、音創りの姿勢に前向きなものを感じないと
ダメなようです。これは私自身が持って生まれた癖(ヘキ)みたいなもんで、自分では制御でき
ないような部分です。それが聴く楽しみにも繋がっているところがあるようです。
前向きって何だって話になってしまいますが、今までなかったようなものを創り出すというようなことでしょうか。だから、これが無いと私にとっては、あまり楽しいものではないようです。決まったスタイルの中で楽しく、いくらノリノリで演っていても、それだけじゃ満足できないんです。Playerの姿勢がやはり肝ということになるのでしょうか。
でも、音楽はいろんな受取方があっていいと思うし、逆にそうでないと、みんな同じで気持ちの悪い世界になってしまいますからねぇ。
このアルバム自体は、やはりとても質の高いプレイをしていると思います。でも...って
なってしまうのが、私のメンドクサイところですいません。
特別な思いを持っていた人が、自分が思っているように動いてくれなかったというようなことでしょうか。
Edit
うーん、わかります。しかし今回本音で色々言い合えるこの場が本当に良いなぁと思います。周辺の方々も本当に素晴らしいですよね。
ところでトラバさせて頂いたのですが、文字化けしちゃってますね。申し訳ありませんがこれはご迷惑をおかけしてしまうので消去して頂いても良いですか?お手数をおかけします、、、(原因は不明です)。
EditRe: タイトルなし
ki-maさん 再びコメントありがとうございます。

TBの件、了解いたしました。もしよろしければ、再チャレンジしてみてください。
Edit
いやー、駄目ですね。今後こういうパターンは無条件に消去ということでお願い出来ますか?ホントすみません、、、。
Edit
すみません。
コメントが遅くなって。

わたし、J works さまが音楽に求めているものもわかります。
わたしも、そういうものもも求めています。
話はずれますが、わたしの旦那さまは、わたしが、、
「今日は何が食べたいの?」
って、きくと、、
「今まで食べたことないもの!」
って、真顔で言うのです。

で、わたしは、、
「それは、わたしでなくて、、プロにお願いして」
って、かわすのですが、、
彼は、未知の美味しさに出会ったとき、とても嬉しい、って言います。
でも、お家の定番メニューの味を変えると、、
前のほうが、、いいなぁ。。って、言います。

って、ずれちゃったけど。。
人は、出会ったことない「何か」にとても心躍るのでしょう。。

わたしは、今回のこのアルバムにも、知らないキースの顔が見えたような気がしました。
と、実はそんな理屈抜きで、この音楽にはまってしまいました。

でも、J works さまは、、残念でしたね。

あの、、、J works さま、、ちょっと、ki-maさまにお話しさせてください。
ki-maさまへ、、
良かったら、わたしのブログにもトラバしませんか?
わたし、パソコンでgooブログにはアクセス出来ませんが、、
でも、トラバしてもらうと、、携帯から、ブログ読みに行けます。
トラバの際に、、そちらのトラバアドレスを教えていただけると、、わたしもトラバ出来ます。


EditRe: タイトルなし
すずさま こんばんわ
コメントありがとうございます。
実は、姉御..いやすずさまのブログにコメント入れたんですが、入りませんので、こちらに
入れときます。
ki-maさんには、お話しておきました。しかし彼も、私と同じビギナーでTBのやりとりが
慣れていませんので、よろしくサポートしてやってください。
彼はなかなかのクールガイです。あまりいじめないでくださいネ!
Edit
どうも、ありがとうございました。
EditRe: タイトルなし
> どうも、ありがとうございました。
こちらこそいろいろお世話様でした。ki-maさんもよろしく。
Edit
クールガイ、、、。いじめてもらっても良いですよ(笑)

トラバ完了しました。j worksさん、すずっくさんありがとうございました。
今後もよろしくです。
Edit
こちらからもTBさせていただきます。
J worksさんが書かれていることには全くの同感で、私もスタンダーズ・トリオはいいかげんに解散してほしいと思ってます。
でも何十年続けていても大会場が満員になるほどの集客力だと思われるので(=ギャラもガッポリ)、キースにしてみればこの路線を変える気はもうとうないかもしれませんね。
そんなスタンダーズ・トリオにはもうウンザリだったこともあり、ヘイデンとのデュオによる本作はそれなりに新鮮な気持ちで楽しめました。
とはいえ相変わらずスタンダードをやっているし、演奏の方も拍子抜けするほどに肩の力が抜けていたので、全面的には共感できませんでした。
自宅でのレコーディングとのことなので、所詮は遊び感覚なのだと思います。
EditRe: タイトルなし
naryさん TBありがとうございました。

Keithがいつか新進気鋭の若手と組んで.....などということを夢見てましたが、
タイムオーバーでジ・エンドになりそうですね。
しかし、最後まで何かを求めて前に進もうとしていた同じピアニストのエバンスの晩年と比べると、今後のKeithの評価にも、少なからず影響が出るのでしょうね。
残念です。
またよろしく。

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