前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: Other Instrument  

The Steve Swallow Quintet / Into the Woodwork


  Chris Cheek (ts)
  Steve Cardenas (g)
  Carla Bley (org)
  Steve Swallow (b)
  Jorge Rossy (ds)

  Recorded November 15/16, 2011 at Studios LA Buissonne. Pernes-Les-Fontaines
  Engineers:Gerard de Haro and Nicolas Ballard
  XtraWATT/13 2798380 (2013)

Woodwork-2.jpg  01. Sad Old Candle
  02. Into the Woodwork
  03. From Whom It May Concern
  04. Back ih Action
  05. Grisly Buisiness
  06. Unnatural Causes
  07. The Butler Did It
  08. Suitable for Framing
  09. Small Comfort
  10. Still There
  11. Never Know
                     12. Exit Stage Left       Music by Steve Swallow

冒頭1曲目から、眼前にミステリアスで、ある意味、懐かしさも憶えるようなファンタジックで摩訶不思議な世界が投影される。
何かの始まりも予感されるような見事なつかみから始まるSwallowのオリジナル全12曲からなる物語である。

聴き進めていくと、5人の役回りが 脚本・演出家(Swallow, Bley) − 媒介者(Rossy) − 役者(Cheek, Cardenas)といった構図が目に浮かんでくるのである。
ストーリーを考え、存分に役者に演技してもらうベーシックな舞台環境を整えるSwallowとBley、その意図を的確に伝えるRossy、全てが整った好環境に
何かが乗り移ったかのように普段以上の力を発揮し演じる2人の役者。
ここでのCardenasは、かつて聴いたことのない私の知らないCardenasだ。妙に力が抜けていながら要所はきっちりシメてくる。力みが無いからメリハリ
があるし、フレージングにもキレを感じる。よくいいピッチャーは、力みの無いフォームからリリースの瞬間のみ力を集中させることにより球にキレが出て
くるなどと言われるが、全くそんな感じだ。このしなやかさとスピード感もあるCardenasのギターは、本作を通じて何かを掴んだか?
同様にCheekのテナーにも、そんな雰囲気が漂う。決して熱くなることもなく坦々としたブロウなから溢れんばかりの歌心が伝わってくるのである。その
彩度を抑えたモノクロームに近いトーンが、演出家の要求を的確にとらえていると思えるのである。
随所に出てくるこのテナーとギターのユニゾンによる表現がまた緻密だ。全体のサウンドに豊かなバリエーションと厚みを与えクォリティを一段高いものに
している。

予測不可の自由でスリリングなJazzも良いが、本作は真逆の結果を予測して、そこに至るべく精緻に創り込まれたJazz、その音の創り手の意図が見事に再現
された音楽となっており、多種のイメージが喚起され不思議な世界へと誘う12のつながりもある仕掛けも巧みだ。
そこにはSwallowの強い意志が感じられるのだが、同時に音楽のベーシックなカラーづくりに徹したCarlaの貢献度も大きい。
2人の役者から力以上のものを引き出し、物語をまとめた彼らの手腕は確かだ。

普段は、1枚のアルバムを通し聴きせず、つまみ食いが好きな私だが、それぞれの曲を単独で聴かず、通し聴きすることにより、より楽しみも増す、そんな
アルバムを通しての一貫したポリシー、意志も感じられる1枚だ。


            
            Steve Swallow & Carla Bley - Ning my tune (New Morning - Paris - November 9th 2011)

JAZZ-other instrument 19 amazon quick link
Steve Swallow
スポンサーサイト

Newer EntryThe Benevento-Russo Duo / Raw Horse

Older Entry201307-1

 

Comments

Edit
こんばんは

この盤は未だ聴いた事無いですが、メンツからしてスゴい良さそうですね!

それと、この間教えて頂いたSam Yahelの"In The Brink of an Eye"も早速聴きました!
ありがとうございます。

また良いのがあったら是非教えてくださいw
Edit
seco さん こんにちは

この盤でのCardenasは、一つ上のステージにといったものが感じられます。
あくまで本作だけのものなのか、その辺わかりませんが、
特に彼のリーダー作となる次作で確認したいところです。

"In The Brink of an Eye"中の"Inception"は、
お気に入りで今でもよく聴くことがあります。

Leave a comment







1
2
4
5
6
8
9
11
12
13
14
15
16
18
19
20
21
22
23
25
26
27
28
29
30
> < 06