前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: organ (第2期)  

3 / Emmanuel Bex

3 bex 3Bex-2.jpg

Emmanuel Bex(org) 1 Philip Catherrine(g) Aldo Romano(ds) (1,3,6)
           2 Claude Barthelemy(g) Stephane Huchard(ds) (2,5,8)
           3 Bireli Lagrene(g) Andre Ceccarelli(ds) (4)

Recorded 1998
PW022 (PEE WEE music)

1. Sunset Boulevard - 106
2. New Rap
3. Dans La Foret
4. Blues Pour Maurice
5. Inexistant-Fugace- Exquis
6. Pour Alain
7. L'hymne a L'amour (org solo)
8. Where ?

フランスのオルガニスト Emmanuel Bex(B1959) のそれぞれ異なるギタリストとドラマーの組んだ3種類のユニットによるJazzクラブでの
ライブという誠に興味深い内容のアルバム。いずれも当時、欧州でも注目のメンバー。
推測だが、当日のクラブ状況は、ステージに立っていない他のメンバーも、客席から見守るという中でのライブは、競い合う意識も生まれ、それぞれ
にベストを引き出すべく、創り出すことへの、いい意味での張りつめた緊張感という好環境も生み出しているように思える。

世紀末だった当時のオルガンシーンを考えれば、まだまだ Smith を引きずっていた時代で、どうにも先に進めないような停滞感が、他楽器の
分野とは違った見通しの悪い重い空気感をつくり出していた時代。
そういった、当たり前のようにオルガンに求められていた「黒っぽさ」「ブルージー」「ファンキー」........といった偏ったテイストが、長年オルガン
をJazzの中での特殊分野、その他の楽器といった位置づけにしてしまっていた要因の一つでもあろう。もちろん、それはこのハモンドオルガンの
生まれた背景も大いに関係しては、いるのだが。
こうあるべきといった強い固定した考えの中からは、その枠を越えた新しいものは生まれにくい。その意味で、当時のオルガンシーンにも、少ない
ながらもこの枠から外れ、何か期待を持たせてくれるような存在もポツポツと出てきてはいたのだが、いずれもまだ新しい大きな流れを創り出す
には至っていない。そんな時代だった。また、ベースとしているのは、Larry Young と思える感性が多いこと。この辺は、主に米国系のオルガニス
トである、Goldings, Yahel, Versace........といったあたりが、コンテンポラリー系オルガンの本道とも言える流れとなって、現在に至っている
のだが、これら中心となっていた存在のオルガニストとしての活動が近年、極端に鈍くなっているのが心配なところでもある。
そういった時代背景の中で、新しい感性を持ちつつ、コンポラオルガンの本道とは、全く違った道を歩むこの Emmanuel Bex は、常にその動向
を注視してきたオルガンでもあったが、本作は、そんな状況をつくった私的 Bex の評価を決定づけた1曲の入ったアルバムとして、コンテンポラリ
ーオルガンの流れの中で、私的には極めて重い意味を持つ一枚となっている。

私的に、ミュージシャンの評価を、学校のテストでもあるまいし、平均点で判断するようなことはしない。普段の多くのプレイではなく、あくまで、
その最高到達点が問題であり、そこをその能力と考えている。
私的に、あまりおもしろくない作も多い Bex だが、本作においては、特に M8”Where?” は、強度変態性も感じさせる Claude Barthelemy
のギター、 そして豊かな可能性も感じる Stephane Huchardのドラムスという、感性を得て、Liveという一発勝負の環境の中、Bexの創造性
溢れた爆発的なプレイが飛び出す。ギタリストとしては、エキセントリック、アブノーマルといったものも感じさせるこの Barthelemy だが、コン
ポーズ面の能力を買われて、フランス国営オーケストラ ONJ の音楽監督を努めていた時期もあるという才人でもある。
そういった出会いの機会も得て、 Bex の独自性もある、イマジネーションに富んだオルガンが圧巻。音自体も独創的であり、彼のキャリアの中でも
おそらく、そうはない最も高みに達した瞬間をとらえており、Smith 没後のコンテンポラリーオルガンの流れを振り返ってみれば、私的には、ひと際
強い輝きを放つ一曲となっている。
また、 個性派とも言える Bex は、一般的なJazzの感覚、あるいは多くのオルガニストが見せる黒さの元ともなっているブルースの感覚を普段は
見せないのだが、M4 “Blues Pour Maurice” においては、めずらしく濃厚なブルース感覚も見せ、その周囲の空気も振動させてしまうほどの
重低音を効かせたハモンドによる表現にも驚く。普段は奥に潜ませて表面には出すこともない、そういった感覚も持ち合わせていたことも確認で
きる。

ずっとオルガンに関わってきた自分が、その特にコンテンポラリーオルガンの歴史の中でも価値ある一曲として出会えた曲だが、おそらくほとんど
の方が、接したことはないのでしょう?
残念なことだが、これがJazzにおけるオルガンという楽器の置かれた現状なのかもしれない。
この状況を一変させてしまうような、革命家の出現を期待したいものだ。

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Emmanuel Bex
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