前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: guitar (第2期)  

Samuel Blaser Quartet / As The Sea

As The Sea  Samuel Blaser (tb)
  Marc Ducret (g)
  Banz Oester (b)
  Gerald Cleaver (ds)
  Recorded at Hnita-Jazz Club in Heist Op Den Berg, Belgium on November 5 and 6, 2011
  Hatology718 (HAT HUT Records) 2012


  01. As The Sea, Part 1
  02. As The Sea, Part 2
  03. As The Sea, Part 3
  04. As The Sea, Part 4     All compositions by Samuel Blaser

Marc Ducret(B1957)との双頭コンボとも言ってよい Samuel Blaser Quartet の "Boundless"(別頁あり)に続く2作目。
Ducret目当てで購入した前作では、初めてだったこのSamuel Blaserのハイクォリティぶりに、宝物でも掘り当てたような気分、合わせてその相乗効果とい
うべきか、お目当てのDuccretのキレも尋常ならぬものを見せていたということで、新作となれぱ期待しないわけにはいきません。

10分以上の長尺3曲を含む全てBlaserのコンポジションによる4曲構成、そして組曲仕立てというスタイルも前作と同じだ。
前作からおよそ1年後となる録音の本作ですが、回を重ねてきた成果でもあろうか、互いの呼吸を感じ取り、さらに高いレベルでの一瞬の以心伝心を可能と
した音楽は、前作以上に自由が感じられるのだが、そんな流れの中でも、とりとめのない展開にはなっておらず、各人のプレイは押し引きのタイミングや
ディテールまで精緻なつくりを見せており、4者のコンビネーションは、限りなく自由でありながらも計算されつくされたかのような構成美を形作っている。
この自身のプレイを俯瞰視しながらクールにそれを制御できるという点では、ずっとMarc Ducretのギターにそれを感じてきており、やはり限られた存在だ
と思うが、このSamuel Blaserのトロンボーンにも、この30程という若さにしてDucretと同じような匂いを感じるのだ。この自由な流れの中で、タイミング
とその方向性のキッカケを提示しているのも彼なのだろう。
DucretのギターにしてもBlaserのトロンボーンにしても、この陳腐な既成の概念にとらわれない大胆かつ繊細な音使い、多彩な表現という点でも通じるもの
があるのだが、それは、彼らの表現の幅を格段に広げることにもつながっており、音楽は、不穏な空気が支配するダークなアンビエント感とともに、壮大な
スケールの空間感覚の中に余白と余韻が巧みに生かされたものとなっている。

Ducretサイドに立って考えて見るならば、共演者との対話の中から、その互いの刺激により新たなsomethingを生み出すという部分が音楽のクォリティに
大きく関わるというJazzにおいては、次のステップに進むためにも、このSamuel Blaserというトロンボーン奏者は、能力、年令的にも近年出会った最良の
刺激剤と思える。本プロジェクトにおけるDucretのパフォーマンスのクォリティがそれを如実に物語っていると思えるのだ。当然のことながら、それは同様
にBlaserにとっても言えることで、これほどの経験豊で先進感溢れた刺激剤はなく、これから続く彼の長いキャリアの中で重い意味のあるステップとなるのは
間違いないだろう。

前作同様、ライブ音源ということも関係しているのか、音質面で物足りなさが残る。特にCleaverのds、折角の繊細なシンバルワークが録りきれていない、
dsが奥に引っ込んでしまっているのが残念。テクスチャーまで感じさせる繊細な表現が生命線とも言える彼らの音楽だけに、次回あるならば、万全の体勢で
臨んでもらいたい。

終始、息を飲む緊迫感も持続するような創造の現場、楽しくスウィングしてハッピーなJazzとは対極にあるようなJazzだが、私にとっては、これもまた楽し!

JAZZ-guitar 61
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Comments

Edit
こんばんは、

Amazonで見ると3780円、中古買いのtam.raには手の出る値段ではなく前作も未だ未入手、気長に探します。

張り紙、これは本物?
素晴しいですね。
EditRe: タイトルなし
tam.raさん こんぱんは

> Amazonで見ると3780円

通常の2〜3枚分、確かに高かったです。
私にとっても異例中の異例、
普段なら値が落ちてから手を出すところですが、
年に一度あるかどうかの出会いの予感、
ここは、リスク度外視、攻めてみました。
肉を切らせて骨を断つ心境であります。
失うもの以上に得るもの大きかったです。

この貼り紙、きっと作者はかなり時間をかけて
つくっているんでしょうね。
偶然、発見しました。

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