前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: sax (第2期)  

Jacam Manricks / Cloud Nine

Cloud Nine  Jacam Manricks (as)
  Adam Rogers (g)
  Sam Yahel (org)
  Matt Wilson (ds)
  David Weiss (tp on 06)

  Recorded October 19, 2011 Acoustic Recording, Brooklyn
  Engineer:Nick O'Toole
  PR8098 (Posi-Tone) 2012

                     01. Cloud Nine
                     02. Ystv S Lapsien
                     03. Any Minute Now
                     04. Take the Five Train
                     05. Cry
                     06. Alibis and Lillabies
                     07. Serene Pilgrimage
                     08. Loaf
                     09. Luiza

Jacam Manricksは、オーストラリア出身のサックス奏者。当ブログでは "Labyrinth"(別頁あり)にて記事歴があり、メンバーにも恵まれ好内容の盤として
記憶に新しいところですが、本作は久しぶりのオルガン参加でのSam Yahel, 加えてギターにAdam Rogersというあたりも魅力となって、当方としては避け
て通れないという盤。内容は、02, 09を除く7曲がManricksの手による全9曲。

一聴して、前述の "Labyrinth" の隅々まで精緻にコンポーズされクール、繊細で思索的とも思える質感に比べ本作はだいぶ趣を異にしており、まさに現在の
メインストリームを行く小細工なしのストレートなJazzが展開されている。まずその予想とは違った動きにちょっと戸惑いもありましたが、考えてみれば、
"Labyrinth" とは、メンバーもだいぶ変わっており、このメンバーの持つ感性により、Manricksのコンポーズも大きく変えてきていると考えれば、納得でき
るところであり、前のアルバムでも強く感じていたコンポーズ面での能力の高さは、本作での対応力を見るにつけ、なるほどとも思えるのである。
もちろんそれは、コンポーズ面だけではなく、アルト奏者としてもストレートなブローで違った形を見せており、今後の彼の方向にも興味のわくところであ
るのだが.................................................

さて、私的には、本作での最大の関心事でもある、久しぶりのオルガン参加によるSam Yahelですが、バック陣のまとめ役といった仕事ぶりで存在感を出し
ており、感性面では、現在のオルガンの流れの中では、やや前寄りに位置し、その流れの方向にも変化をもたらすことのできる感性と言えますが、人材不足
のオルガン界にあって、同じように流れを変革していけるタイプのオルガニストは少なく、こういった状況を外から見ている私としては、ピアノに現を抜かし、
長いブランクを作っているような場合ではないとも思ってしまうのである。余計な事を考えずに普通に聴けば、今現在のという時代を踏まえ、まずまずの内
容と言ってもいい本作だが、デビュー当時からずっと追ってきている私としては、数年前のクォリティと何ら変わりがなく、そこに進化が見られないことに
不満を感じるのである。もちろん、それは本作がポスト・ハードバップといった内容で、Yahel自身が新しい何らかのものを見せるといった場面でもないのか
もしれないが、現在進行形で常に前に進むべきオルガニストとして彼を見ている私としては、その長い間、動きの無いことに物足りなさを感じてしまうので
ある。オルガニストとしての活動が極端に減り、ピアノにシフトしたかのような今の状態が、まだ当分続くようであれば、ちょっと問題だ。片手間でなんとか
なるほど甘い世界ではない。
とまあ、日頃の不満も出てしまうのだが、それだけ彼には、期待していたということでしょう。Yahel頼むよ!

さて、もう一つの関心事、Adam Rogersですが、相変わらずウマさを見せています。鮮やかなテクニックでソロも全てきっちりとキメてきます。ただ、これ
は、昔から感じていましたが、その高い技術とウマさがそのまま100%魅力につながっていないような、どこかにロスがあるようなといった感覚が、いつも
つきまとっていたギタリストでもあるのですが、それは本作においても同じで、それを単に"好み"と言ってしまえばそれまでなのだが。
この辺は、受け手の感性でも全く違う反応を見せるところで、私自身よく分析できていないところでもあるのですが、その素直でノーマル過ぎるといった彼
の感性に私の感性が、多少の物足りなさを覚えるといったあたりなのでしょうか。その素直でノーマルといったあたりの受け取り方は、大きく分かれるとこ
ろでもあり、逆にそこに魅力を感じるという人も多いでしょう。人の感性とは、所詮そんなものです。
ただ、これもあくまでほんのちょっとした不満であり、Rogersも私の中では、好きなギタリストの範疇に入る存在であることは言うまでもありません。

総じて、"Labyrinth" でのManrickskの創り出した質感に好感触を得て、そこにYahel, Rogersを当てはめ、どんなものが表れるのかといった期待しての本作
でしたが、コンセプト面でだいぶ違った路線を狙った感もあり、ふたを開けてみれば、極めて普通のアルバムになっていることに不満も残るものとなってい
る。Manricks の "Labyrinth" で見せた能力からすれば、明らかにレベルダウンとも思えるのだ。

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Jacam Manricks

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