前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: guitar (第2期)  

Samuel Blaser / Boundless

  01. Boundless Suite, Part 1 (15:12)
  02. Boundless Suite, Part 2 (17:48)
  03. Boundless Suite, Part 3 (16:11)
  04. Boundless Suite, Part 4 (13:23)

  Samuel Blaser (tb)
  Marc Ducret (g)
  Banz Oester (b)
  Gerald Cleaver (ds)
  Recorded live in Switzerland in October 2010
                     hatOLOGY 706 (HAT HUT Records) 2011

隠れDucretファンを自認する私としては、本作も当然、目当てはMarc Ducret(1957)である。が、一聴して驚いたのは、このリーダーであるトロンポーン奏者
のクォリティの高さ、購入にあたっては、Ducret目当てとは言え、今回が初めてとなるこのSamuel Blaserには、当然ある程度の期待は、していたものの、それ
は予想を遥かに超えたものだったのである。さらに、喜ぶべきは、このリーダーのハイクォリティの相乗効果と言うべきか、目当てとしていたDucretのギター
は、尋常ならぬキレを見せているのである。

Samuel Blaserは、スイス生まれ、現在は活動拠点をドイツは、ベルリンとしているようである。写真で判断する限りでは、若手と言ってよさそうだ。
全てBlaserのコンポーズによる全4曲は、曲名そして全て十数分に及ぶ長尺、またこのクセ者揃いのスタッフとを考え合わせれば、フリーキーな爆音、絶叫乱れ
飛ぶ、延々ととりとめの無い展開にもなると思いきや、4者の絡みも緊密かつナイーブに、ディテールのさらに隅々まで神経の行き届いたような精緻なつくり、
もちろん出るべきは出る、引くべきは引くのメリハリも巧みに、空間の広がりとアンビエント感も漂うそれぞれの曲は、繋がりも感じられるものとなっているが、
その辺は意図したものだろうか。
Blaserのトロンボーンは、豪快でありながらも、楽器特性を生かしたグリッサンドのピッチコントロールによる繊細な表現他、随所にその高い技術により微細な
ニュアンスの表現も見られトロンボーン奏者として高いレベルにあることを実感させられる。
同じトロンボーン奏者として、以前、今回のBlaserとは逆のパターンでドイツ生まれでチューリッヒ在住というNils Wogram(別頁あり)を記事としたことがあっ
たが、いずれも大きな可能性も感じる若手のトロンボーン奏者が欧州の近いところを拠点として活動していることに不思議な縁も感じる。

さて、お目当てのDucretだが、スゴい。彼をあまり聴かれない方、あるいは一部しか聴かれた事がない方は、外見も手伝い単なる乱暴者の爆音ギタリストといっ
たイメージしかないかもしれないが、さにあらず、高い技術レベルを繊細な神経をもって緩急、豪柔、強弱.............あらゆる表現の幅をフルに使い分ける強い意
思を感じることができる数少ないギタリストだと思う。高い技術を持つほどに、当然のことではあるが、ワザを単なる手段として、それを制御できるさらに強い
意思を持たなければならない。テクニシャンほどワザに溺れやすいものである。
ここでのDucretは、ワザの縛りを感じさせないほどに見事に自分をコントロールしており、その知的かつ繊細な変態プレイも一段と冴え渡っている。何よりもこ
れほど想定外の音を連発し、圧倒的独創性を持ったギタリストも稀な存在であろう。
50代半ばになるDucretだが、ここにきて、より質の高いパフォーマンスとも感じ取れるものがあり、ますます目のはなせない存在、完全追尾モードでいくしか
あるまい。

"Farmers by Nature / Out of This World's Distortions"(別頁あり)で感じていたCleaverの細やかな感性、特にシンバル絡みの金属音関係のシゴトでの繊細な
感性は、本作においても冴えを見せている。


               

               Samuel Blaser (tb) Marc Ducret (g) Banz Oester (b) Gerald Cleaver (ds)
               Recorded live at Moods Jazzclub Zurich, October 7, 2010

               Ducret、キケン過ぎます! 目が完全にイッてます!
               ただならぬスゴみを発散するDucretを前に、コワモテのCleaverでさえ、イイ人に見え
               てしまうのが笑える。


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Samuel Blaser
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Musician●Samuel Blaser(trombone)Title●Boundless(2011年)■Amazonより購入当欄が半ば意地になりながら音源蒐集をしているフランスの奇才Marc Ducret(マルク・デュクレ)ですが、そもそもアーティスト情報が少ないうえに神出

 

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