前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: piano (第3期)  

Yelena Eckemoff / Cold Sun

Cold Sun-1 Cold Sun-2

01. Cold Sun
02. After Blizzard
03. Scents of Christmas
04. Silence
05. Stubborn
06. Freezing Point
07. Romance by the Fireplace
08. White Magic
09. Snow Bliss
10. Winter

Yelena Eckemoff (p)
Mads Vinding (b)
Peter Erskine (ds)
Recorded April-November 2009
cd806151-12(Yelena N. Eckemoff) 2009

今まで出会ったことのない感性との出会いを強く求める私は、自然、初物に手を出すこと
が多い。ピアノにおいては、特にその傾向も強い。そう、初物ハンターなのである。
今回のYelena Eckemoffも本作が初めてとなる。こんな名前のロシア出身のピアニストが
いるということは、風の便りにそれとなく知ってはいたのですが、手を出すというきっか
けもなく現在に至ったといったところでしょうか。
そんなYelenaですが、本作あたりから以前のマイナー感も漂うジャケットが一新され、メ
ンバーも強者が加わり、勝負の姿勢も見えるということで、まずはチェック必要ありとい
うことでのお買い上げです。
ただ、私にとっては、このロシア出身のピアニスト、未知の感性という点で、普段なじみ
の薄い英語圏外の感性という魅力もあり、過去に度々手を出してはきたのですが、いずれ
も技術面ではしっかりしているものの心動かされるような魅力あるピアニストに出会った
ことはなく、その点でのひっかかりはありました。
数年前に生で聴いたVladimir Shafranovのピアノには、ガッカリしたこともあります。所
詮、好みと言ってしまえばそれまでですが、音創りの姿勢に共感できるものがあるか否か、
そこは基本と考えます。

内容は全て彼女の手による全10曲。Erskine, Vindingを起用し、ジャケットデザインも自
らがという勝負の1枚ということらしい。

さて、Yelenaのピアノですが、極力余分な音は使わず丹念に音を紡いでいく、しかもそこ
には、迷いやためらいといったものは見受けられず、信念と意思の通った音の並びと感じ
られるものがあることにまず好印象を持ちます。
繊細なつくりによる彼女の楽曲、それを表現する彼女のピアノもけっして繊細だけではな
い、ベースに骨太の強さ、そして時には大胆なタッチも感じられます。
それを支えるErskineのデリカシーに富んだシンバルワーク、ブラッシュワークも光ります
が、なるほどこれを求めてのErskineの起用だったかと妙に納得してしまいます。シンバル
とピアノ高音部のきらめくような表現からは、粉雪が風に舞い、光を反射させながらきら
めく情景がイメージされます。
眼前に彼女が描き出してくれるイメージは、あくまでモノクロームに近い抑えたトーン、
そこに彼女の感性の質が表れているように思う。
彼女のピアノは、硬質、クール、そして多少の爽やかさもあるのですが、それは明るいだ
けの爽やかさではなく、そこにダークなもの、時には妖しい響きもかすかに入っており、
多く存在する単にクール、爽やか系のピアニストとは、全く異質のものを感じます。しか
もその感性の質は、周りの流れとは隔てたところで熟成されててきた、ある意味、純粋培
養の中で生まれてきた感性とも感じられるものがあり、こうしてメジャーなシーンに足を
踏み入れたことにより、今後の外部の諸々のものとの接触がどういう方向に影響を及ぼす
ことになるのか、気になるところでもあります。過去出会ってきた、ロシアン・ピアニス
トの道は辿ってほしくないと願うばかりである。

詳しい彼女の経歴などわかりませんが、どういう過程を経て、今があるのか興味のあると
ころです。また、本作のみでは、当然彼女の音楽の全てがわかるわけもないのだが、本作
時点で、独自性ある極めて魅力的な部分を持ったピアノであることは確かなようである。

Cold Sun-3





Yelena Eckemoff Trio at Carrboro Music Festival Sep. 28, 2008. Original composition by Yelena Eckemoff (piano). Pat Lawrence on Double-bass, Michael Bolejack on drums.

JAZZ-piano 61
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