前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: piano (第3期)  

Farmers by Nature / Out of This World's Distortions

Out of This-1



  01. For Fred Anderson
  02. Tait's Traced Traits
  03. Out of This World's Grow Aspens
    and Other Beautiful Things
  04. Sir Snacktray Speaks
  05. Cutting's Gait
  06. Mud, Mapped

Gerald Cleaver (ds)
William Parker (b)
Craig Taborn (p)
Recorded on June 24, 2010 at Scrootable Labs, Brooklyn
AUM067 (AUM Fidelity) 2011

近年では、Tim BerneやChris Potterのプロジェクト他、数々の先進のプロジェクトでも見か
けることも多くなってきたCraig Tabornですが、ちょっと気になるピアニストとして、彼の
初期作からそれなりに追ってきてはいるのですが、プロジェクトにより表情の変化も見せるな
ど、なかなか正体を掴みきれません。今回、Potterの来日公演もあったりしますが、彼が抜け
てしまったということで、生でその正体を掴む機会に恵まれなかったのは、非常に残念なとこ
ろです。

本作は、リーダーは特になしの"Farmers by Nature" 名義の2作目になります。
このジャケット裏の写真、どう見ても、揃って極悪人(笑)といった雰囲気が辛口をイメージさ
せ、また何かやらかしてくれそうで期待感も大いに高まります。美形のJazzマンは信頼性に欠
けるのである(笑)。写真を見る限りでは、Parkerが頭といったところか。

冒頭1曲目の "For Fred Anderson" のただならぬ緊張感に思わず引きずり込まれてしまいま
す。Tabornの必要最小限にして最大の効果、これ以上ないというほど音数を絞った時折入る
鋭利なアクセントが眼前にイメージを投影してくれます。
Parkerのアルコから奏でられる震えるような響きは、地平を這い、そして時間を自在に操るか
のように低い空間に漂う展開には、朝もやでおぼろげな情景がイメージされますが、やがて湧
き出る清水の流れる音とともに、もやは徐々に流れ、周囲の木々はそのくっきりとした輪郭を
現してくるが、そこに一条の光とともに何か希望のようなものもイメージさせられるのは、彼
らの際立った表現力の成せる技であろうか。そして硬質で凛としたたたずまいでありながらも
そこにある柔らかなやさしさは、表現への並々ならぬ決意と強い意志があったればこそという
ことであろうか。曲名の "For Fred Anderson" にその意味を見た思いである。

1曲目の幽玄な雰囲気から一転して2曲目 "Tait's Traced Traits" では、Tabornの激しいパー
カッシブなプレイが飛び出すなど、本作全体を通して終始、緩急、奔放にして自在な展開で、
時には3者の動きは、同期していないと思えるような場面もあるのだが、全体として見れば、
音楽としての構成美も感じられるほどの完成度も感じられるものとなっている。
3者の絡みは、誰かが中心にといったものでなく、均等であるが、ここでのParkerのベースの
存在感は特筆ものであり、特にアルコによる表現には神がかり的なものがある。また、静の
展開でのCleaverの多彩でセンシティブな小技も見事に機能している。
しかしながらこれも、一般的なピアノトリオあるいはJazzに形を求めるという人には、受け
入れがたいものとなるのかもしれない。美ととるか否か、それは常に紙一重のところに存在
するものである。いずれにしても受け取り方は自由であり、この違いこそが人間たる所以で
あろう。そしてそこに自由があるからこそJazzであろうと思えるのである。

Out of This-2

JAZZ-piano 57
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