前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: piano (第3期)  

Patience / Stephane Kerecki & John Taylor

Patience-2.jpg

Stephane Kerecki (b)
John Taylor (p)
Enregistre les 27 et 28 septembre 2010
ZZT 110402 (Zig Zag Territoires) 2011

01.Prologue
02.Manarola
03.Patience
04.Kung Fu
05.Gary
06.Interlude
07.La Source
08.Valse Pour John
09.Bad Drummer
10.Jade Visons
11.Luminescence
12.Epilogue

70になろうかという現在まで、前進意欲を維持し続ける、その音創りの姿勢に共感できる
ものがあり好きなピアニストの一人でもあるJohn Taylor(B1942)は、このブログでも
"Rosslyn"(別頁あり)、"Nightfall "(別頁あり)の記事歴があります。
Stephane Kereckiに初めて出会ったのは、本作とは同レーベルからリリースされ、Tony
Malaby目当てにゲットしたKereckiのリーダー作 "Houria"、そしてフランスのピアニスト
Guuillaume De Chassyの "Fareway So Close"、この辺は余力があればまた記事とします
が、この2作からKerecki には、いい印象を持っていたのですが、今回、その親子ほどの年
令差になると思われる異世代のJohn TaylorとのDuoということで、いったいどんな音が飛び
出してくるのか、期待は大きく膨らみます。

これまで、特にCam Jazz以前のTaylorのピアノには、ともするとメカニカルで冷徹とも言え
る硬質な質感があり、そのあたりも彼の魅力として感じていたのですが、本作ではその質感も
だいぶ印象の違ったものになっているようです。そのエッジが面とり処理がされ、幾分かまろ
やかになったと思えるそのピアノの音は、かすかな温もりと柔らかい表情を持って語りかけて
くるのです。

ここでの2人の音楽からは、言ってみれば、透明水彩による淡彩といったものをイメージして
しまいます。しかもペン、鉛筆などによる下図の無いまっさらのキャンバスに、大まかな方向
性のみを決めて、流れの中で描き上げた小作品集といった感じでしょうか。
互いの提示する彩りに反応し、時には同色の色を重ね、そして時には反対の色をぶつけ、濃密
な流れを創り出していきます。淡彩によるあくまでも淡く透明感のある色は、重なるごとに強
弱、そして色の変化を微妙に見せながらも、多彩で豊かな表情を創出していきます。
2人の感性は、鋭利そのもの、しかも互いの提示を聴き逃すまいと、張りつめるほどの緊張感
さえ感じられますが、その鋭利な感性によって導き出されてくる音の、それとは反した温もり
ある柔らかく穏やかな音の並びからは、過程での互いの心の化学反応の熟成を思わせます。

近年の作品の中でも、先進性をも感じるほどの、そして余分な要素を一切排除したかのような
シンプルでモダンな感性を発散するTaylorピアノは、この若いKereckiという才能によって導
き出されたという見方もできるでしょう。しかしそこに、音創りの姿勢において、あくなき冒
険心と攻める姿勢を維持していればこその結果でもあり、何よりもそこに納得してしまうので
す。

Taylorにとっては、同じフォーマットのDuo作としては2004作のCharlie Haden(B1936)と
の"Nightfall "がありますが、このHadenとのアルバムに感じていたようなモヤモヤ感は本作
には無く、その視界の開けた透明感には清々しいものさえ感じられますが、同時にJazzにおい
ては、共演者の持つ意味の極めて大きいこと、あらためて感じさせられた一枚でもありまし
た。



Stéphane Kerecki & John Taylor @ Live at Duc des Lombards

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John Taylor
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Comments

Edit

これ、、わたしもたのんだのですが、まとめの関係で来週以降かなぁ。
この文章読んで、ますます、、たのしみになりました。。
EditRe: タイトルなし
すずっくさん おはようございます

近作の"Requiem for a Dreamer"の記事出されて
いたので、たぶんこれも聴いているだろうと思って
ましたが、やっぱり注文出されていたようですね。

これ、イイです。普段、汚めの音を聴くことが多い
私ですが、久しぶりに、本来の濁りの無い心を
取り戻しました(笑)。

内容的には、たぶんSuzuckさんにもドンピシャだと
思います。
これ聴いてキレイな心を取り戻してください(笑)。





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