前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: sax (第2期)  

JD Allen / Radio Flyer

  JD Allen (ts)
  Liberty Ellman (g)
  Gregg August (b)
  Rudy Royston (ds)

  Recorded at Tedesco Studios, Paramus, NJ on January 2, 2017
  SCD2162 (SAVANT) 2017

  1. Sitting Bull
  2. Radio Flyer
  3. The Angelus Bell
  4. Sancho Panza
                      5. Heureux
                      6. Daedalus
                      7. Ghost Dance

ここ一週間ほどは、あれもこれもと、引っぱり出しては聴きの、アバクロにどっぷり浸かった日々になってしまったが、それぞれのアルパムに出会った
頃の状況なども思い出しつつ、これまでの流れを振り返っては、頭の中を整理するいい機会にもなったと、残念なことだが、そう考えよう。
しかしながら、これからは彼の新たな考えの詰まった新作にも出会えなくなってしまうというのは、何ともさびしいことだね.......................合掌!

で、アバクロの記事は、いずれまた機を見てということで、気分を変えます。

ここ10年近く続く JD Allen(B1972) のレギュラートリオに、ギターの Liberty Ellman(B1971) が参加するという私的注目の一枚。
Allen は、ピアノや管などを入れる時は、基本的に本作のこのトリオ以外のメンバーで、ユニットを組むことが多く、その点でも、この互いに知り尽く
した3人に新たな感性を迎え入れることの意味を考えると非常に興味深いものがある。また、Allen としては、珍しいギターという楽器、そしてそれが
コンテンボラリーからフリー寄りといった中間のエリアでの活動も多い Ellman という感性が、このトリオに及ぼす影響がどうあらわれるのか............
と、誠に興味の尽きないところだ。

根っこのところで、Rollins やら Coltrane なども感じさせる Allen だが、本作でも、その音楽の端々に微妙に漂うスピリチュアルなテイストやフレー
ジングなどからは、偉大な先人の影も感じることができる。コンテンポラリー系Sax奏者の中でも特に愚直なまでに硬派一直線といった姿勢には、
昔から一貫したものもある Allen だが、本作においてもその変わらないブレない音づくりの作法も感じられる。
本作の一つの関心事でもあった、感性面では、より先端寄りの尖ったものを持つ Ellman が、混入したことにより、Allen の音楽も変わるのかと、
興味もあったところだったのだが、この男、なかなかの頑固者のようで、音楽は、まっすぐ一直線、ブレを見せていない。
どう変化を見せるのかといった部分で、ある程度の期待もしていた自分としては、多少の不満もあったことは確かだが、その提示された音楽のクォリティ
には十分満足できるし、その不器用なまでの、融通もきかないまっすぐな姿勢には、何か共感させられてしまうものもある。
一般的には、融通のきかない、柔軟さもない音づくりの姿勢には、共感できない自分だが、彼の場合は、その先に自分の音楽を前に進めるといった
強い意志も見え、そこに共感できるのだ。
なので、本作の印象としては、その頑固なまでに自分を通す Allen に Ellman が、歩み寄ったといったところだろうか。まあ、Allen のリーダー作
だから、当然のことなのかもしれないが。
なので、普段はもう少し不穏度の強い空気感を振りまく Ellman のギターも、音そのものの印象とともに、多少ノーマルな立ち居振る舞いといった
印象もあり、Ellman サイドに立って見れば、多少の不満も残るのだが、それはあくまで Ellman 中心に見てということなので、このクァルテットの
トータルな音楽として考えれば、誠に魅力の一枚に仕上がっている。

この瞬間の対応と自由な動きも求められる音楽の中で、変幻自在に攻めのプッシュも見せる Rudy Royston のドラミングは、音楽に活力と推進力
を産み、その貢献度も絶大なものがある。

私的には、好みのテイストを持つ一枚として十分満足できるものだったが、欲を言えば、せっかく参加させた Ellman という自身のトリオには、今まで
無かった先進の感性を利用して、自身の新たな世界を打ち出すといったところまで、踏み込む柔軟性を持ち合わせていたなら、まちがいなく星5つ、いや
もう星半分おまけが付く内容だ。
Allen のSaxは、表面上のテイストにおいては、典型的コンテンポラリー系のものを感じさせてはいるのだが、よくよくそのフレージングなど細部を
聴いていると、先人の残した伝統の影を随所に感じ取ることができる。それは、決して悪いことではなく、むしろ好ましいこととも言えるのだが、
全ては程度問題、まっすぐブレない姿勢も大事だが、度を超すと可能性を狭めてしまうことにもなる。結局、その辺の塩梅を判断するのも才能
ということになるのかもしれないが............。

M5 ”Heureux” あたりでの速めの4ビートの展開における Ellman のソロなどを聴いていると、あらためて Liberty Ellman というギタリストの
独自性もある魅力も感じるという1枚でもあったが、この Ellman の立ち位置とカブるエリアでシゴトのできるところも見せてくれた Rez Abbasi
を、ここにあてはめても、何かまた違ったおもしろいイメージができた。そんな1枚でもあった。

JAZZ-sax 91
JD Allen
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