前向きに Jazz!

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Category: sax (第2期)  

武田和命(Kazunori Takeda) / Gentle November

 GentleNovem2.jpg

武田和命 (ts)
山下洋輔 (p)
国仲勝男 (b)
森山威男 (ds)

Recorded Sept. 20, 21, ‘79 at Sakado-Bunka-Kaikan, Saitama
SC-7104 (OMAGATOKI)

1. Soul Trane
2. Theme for Ernie
3. Aisha
4. It’s Easy to Remember
5. Once I Talked
6. Our Days
7. Little Dream
8. Gentle November

1989年、49才の若さでこの世を去ったテナー奏者、武田和命(B1939)のBallad集。
録音は、埼玉県坂戸市の文化会館となっているが、ライブではなく、スタジオとしてそこを使ったようだ。
武田和命というと、10年程、シーンから姿を消していた時期もあり、幻のテナーマンなどと呼ばれていたのは、よく知られた話だが、彼のイメージとしては、
この復帰後の山下洋輔グループでのフリーキーに吠える印象が強く残っているのは、多くの人が持つところかもしれない。

本作は、そういったある意味、現在の自分を越えて新しいものを産み出そうというクリエイトすることの産みの苦しみを伴う緊張感から離れ、現在(当時)の
武田和命の素が素直に現れたという点で、いろいろのシバリから解き放たれたかのような、その純な音にただただ心打たれるのである。その一音一音噛み
締めるように歌うことに徹した武田のテナーから繰り出されるラインは、清らかな流れのごとく澄み切っており、心の奥底まで直に染み込んでくるのである。
おそらく彼自身も感じていたに違いない、生涯でも数少ない、メンタルの境地にあることを。
その辺りを、敏感に感じていたであろう、山下のピアノが好サポートをみせている。というよりむしろこのgentleなピアノは、武田のテナーにより引き出され
たといった感じもあり、素で歌うピアノは、邪心の無いテナーにそっと寄り添い、ひたすら支え、絶妙な絡みを見せている。
普段の慣れたスタイルではないというあたりが関係しているかはわからないが、山下のピアノは、運指にややスムーズさを欠くといったあたりも微妙に感じ
るところはあるのだが、あるいは、あえてのタッチなのか.................そんな小さなことはどうでもよいと思えるほどに、それを吹き飛ばすほどの武田を支え
るという気の充実が見られるあたり、本作の好結果を生んだ要因でもあるだろう。

後半4曲が、武田のオリジナルとなっているが、M5 “Once I Talked” など、何か感じるものもある美曲で、私的お気に入りとなっている。

以前、心惹かれた Tenor Ballad に耳を傾けることも度々というこの頃で、20年ぶりぐらいで聴いた本作、ストイックに自身の心の音と向き合う武田和命
のテナーに心打たれる、我が国のTenor Ballad史に残るほどの名作であるには違いない。が、やはり、John Coltraneという偉大な先人の存在があった
ればこその本作であることも違いない、そこはしっかりおさえておきたい。

JAZZ-sax 87
武田和命 
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