前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: organ (第2期)  

M(H)YSTERIA / Family Drug

  Giovanni Di Domenico (Hammond organ)
  Laurens Smet (eb)
  Jakob Warmenbol (ds)

  Recorded in Studio Grez, Brussels, in September 2015
  JVT0017 (JVTLANDT) 2016

  1. Road Rage (Composed by Giovanni Di Domenico)
  2. Family Drug (Composed by M(H)YSTERIA)
  3. Crumbs War (Composed by Giovanni Di Domenico)


ローマ出身で、現在はベルギー、ブリュッセル在住のピアニスト、コンポーザー Giovanni Di Domenico のオルガンを核としたグループ
“M(H)YSTERIA”としてのデビュー作。
Giovanni Di Domenico は、Jim O’Rouke や坂田明などとも交流があるらしいが、聴くのは今回が初めて。

シャケットの雰囲気などからも、何となく予想はしていたが、ELPなどの Progressive Rock あたりのテイストもある音楽となっている。
フリーっぽい展開もあるのだが、よく聴いていると、打合せも密に、結構つくりこんでいると思える流れもあり、音楽のテイストとしては、ダークで
張りつめた緊張感もあり、時にはノイジーな音も利用するなどの神経を逆なでしてくるようなプレイもあるのだが、スリル感に乏しいと感じるのは、
そんな表面上のラフで自由な形に反し、綿密な計算といったものがちらつくからなのかもしれない。

雑多なものが混じり合う状況は、いままでなかった新しいものを産み出しやすいという意味でも望む状況でもあるのだが、音楽からイメージされる
のは、遠い昔に耳にしたプログレ、この点では、まだ見ぬ新しい世界を切り拓くというよりは、逆に先祖帰りしてしまっているとも受け取れてしまう。
音楽の内容、それを支える技術面でも高いレベルであることは、感じとれるのだが、単純に奏者の感性の質と、そこから産まれる音楽の性格みたい
なものが、現在の自分との相性の悪さを感じてしまう。

ここ4〜5年の Organ シーンの状況を振り返れば、新しい時代を切り拓いていく立ち位置にいるコンテンポラリー系及びそれより先端寄りにいる
方向性を持った Organist の活動状況が極めて鈍く、大きな不満も持っていたこともあり、かすかな期待とともに手を出した本作ではあったのだが、
新しい時代の Jazz Organ を切り拓いていく存在には、どうもなり得ない感性の質、であれば、もっと先端寄りで、メインストリートを行くコンポラ
系のオルガニスト達に何らかのアイデアを与える存在になり得るかといった先進性に富んだ音楽でもなかった。
人材不足の現在の Organ界には、状況こそ違え、あの Organと言えば、黒いものといった固定観念に縛られて、どうにも動きのとれない状況が長く
続いていた前世紀終盤の閉塞感、停滞感が思い出される。今世紀に入り、コンテンポラリー系オルガンの中心となっていたオルガニストの多くが、ピア
ノでの活動にシフトしたかのような動きも目立ち、オルガニストとしての新作リリースも極端に減っているというコンテンポラリー系オルガンシーンの
現状。マイナーな楽器として、同じ鍵盤楽器のピアノよりも低いものとして見られる傾向もあるオルガン、彼らのよりメジャーな楽器での評価を求めて
の動きなのか、あるいはオルガニストとしての可能性に行き詰まった結果なのかは、わからないが、こっちがダメならあっちでといった甘い姿勢からは、
良い結果はイメージできない。
この停滞した悪い流れを断ち切る感性、革命家の出現を期待したいものだ。

JAZZ-organ 190
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