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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 12 2017

Category: guitar (第2期)  

2017年 今年出会った極私的この一枚

Gilles Coronado / Au Pire, Un Bien

 CORONADO-2.jpg

Gilles Coronado (g)
Matthieu Metzger (as, effects)
Antonin Rayon (Hammond B3, clavinet, bass keyboard)
Franck Vaillant (ds, electronic perc.)
Philippe Katerine (voice - 5)

Recorded in March 9-11, 2015 at Studios La Buissonne
RJAL397026 (LA Buissonne) 2015

1. La Traque
2. Des Bas Debits Des Eaux
3. La Fin Justifie Le Debut
4. La Commissure Des Levres
5. Au Pire, Un Bien
6. Wasted & Whirling
7. Presque Joyeuse      All compositions by Gilles Coronado

Antonin Rayon 関連聴きの流れの中で最近再チェックしたという一枚だが、マイナー盤だけに気づくのが遅れ、出会いは本年に入ってからだった。
未聴のフランスのギタリスト Gilles Coronado のリーダー作ながら、Antonin Rayon、Franck Vaillantという先鋭性もある2人の名前を発見し、
何かただならぬものも感じ、手を出してみたという本作だったが、内容的には、当初からかなりインパクトを感じていたことや、高品質ながら正当な扱いを
受けていない不遇のマイナー盤にスポットを当てるという当ブログのコンセプトにもふさわしい一枚ということで、もしかしたら年末のこのコーナーにUP
の可能性も感じていたという作ではあった。

現在、聴けるのは参加作のみという Antonin Rayon だが、他作に関しては、あくまで年上のリーダーの元での参加作という形のものが多く、本作に
関しては、情報不足ではっきりしたことはわからないものの、おそらく近い世代のメンバーと思われ、アルバム製作にあたっては、メンバーのアイデアなど
も結集してのこととも想像している。したがってそういう意味では個としての Rayon 本来の感性もより表面に出やすい環境とも考えており、数少ない
参加作のみという中で判断するしかないという現況で、ちょっと強引だが本来のそして今現在の Rayon が最も出ているのかとも考えている。

リーダーのギタリスト Gilles Coronado については、本作が初めての出会いとなったが、ギタリストとしての能力もさることながら、コンポジション面
での能力にも高いものを感じるところもあり、本作を本年のこのコーナーの一枚にしたのも、そのあたりが大きく作用したものとも考えている。
大きな空間とともに、何か物語の映像でもイメージさせられるような豊かな発想も感じられる、それぞれの楽曲にも、ほとばしるセンスが感じられ、ポリリ
ズミックなテイストも加味されたつくりも極めて緻密。ワイルドな攻めを見せつつも、どこかクールに制御する知的な奥の目、そして空間系の響きも垢抜け
したものが感じられるなど、ギタリストとしても独自性十分なものがあるのだが、単なるギタリストというよりも、音楽する上での広い視野を持っているとい
うあたりが Coronadoの持ち味であり、ギタープレイにも、そんな彼の広い視野が反映されているのが感じられる。

メンバーの質もいずれも高いものが感じられ、本作で初めて聴いたこの Matthieu Metzger のアルトの多彩なワザを適所で繰り出してくるプレイにも
惹かれるし、ポリリズム系も巧みに操る Franck Vaillant のドラミングも光る。
そして時には、近未来を思わせるようなソロも飛び出したりもするが、裏方として本作をベーシックな部分でしっかり支えている感もある Antonin Rayon
のシゴトも見逃せない。
そんな個性派個々の高能力をうまく引き出し、それを全7曲、統一感もある一つの作品として、巧みに編み込んだ Coronado の手腕は、やはり、本コーナ
ーにふさわしい一枚に仕上げている。

その他の Antonin Rayon 関連記事は → こちらから

JAZZ-guitar 192
Gilles Coronado
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Category: sax (第2期)  

Alexandra Grimal Trio / Shape

 Alexandra Grimal (ts, ss)
 Antonin Rayon (Hammond organ, clavinet)
 Emmanuel Scarpa (ds, perc)

 Recorded live at the Sunset in Paris, june 30, 2008
 MARGE 42 (2008)

 1. Mouvances
 2. En Silence
 3. Le Sang N’est Pas Bleu
 4. Forets Aleatoiles
 5. Petite Plage
 6. Texture
 7. Suite Du Temps Absorbe  all compositions by A. Grimal, A. Rayon & E. Scarpa


先日、”Claude Barthelemy / Roxinelle” を聴いて以来、Antonin Rayon の参加作を、あらためて聴いているのだが、その流れの中で聴いた一枚。
エジプト出身のサックス奏者 Alexandra Grimal のオルガンを加えたトリオによるパリはクラブ “Sunset” におけるライブ作。
当ブログを始める以前に出会ったアルバムで、この3名とは、当時いずれも初めての顔合わせだったが、Antonin Rayon については、この後のいくつか
の参加作で聴く機会もあり、かなりの好印象は、持っているのだが、未だにリーダー作が無く、本来の彼の姿、音楽を掴みかねている、判断しかねていると
いったところもあり、そのわずかな参加作からは、秘めたポテンシャルも感じられ、そんな未知の部分から、より想像をかきたてられるといったことで、私的
には謎のオルガニストといった存在にもなっている。
この “謎” という部分が、道楽でJazzとつき合っている自分としては、想像を膨らませるという点で、より楽しくつき合っていける要素にもなるということ
で都合の良い材料にもなっている。より楽しくつき合っていけるのであれば、思い込みでも何でも結構ということだ。そこを求めているのだから。

内容は全曲、3者の共作、しかもフリー度も強く、ライブということで、しっかりした譜面らしきものもなかったのではないだろうか。
ということで、音楽はポイントでは、多少のキメごとは、あるにせよ、かなり自由な流れの中で流れていくので、すべて予定の行動をとるわけでもなく、曲時間
も20分を越えるものから1分台の短いものまで、まちまちな内容となっている。
おおむね Grimal のリードでスタートする展開が多く、途中、曲調の変化、あるいはそれを求めてか、テナー、ソプラノは半々ぐらいで使い分けているのだ
が、その不穏な空気をまき散らしながら、時にフリーキーにも吠えるブロウを聴いていると女性らしからぬものもあり、まさにこのジャケットの表情だね!
先日、Mike Moreno の新作ジャケットでは、ダメ出ししたが、ジャケ写を含めて、そのアートワークの考え方にも考えさせられるものがある。
その Grimal が浮遊する空間をつくり出し、また時には、Grimal の提示したものにカウンターをあてるように反応し、アタックをかける Rayon のオル
ガンも多彩なものがあり、Grimal そして Scarpa から、新たなものを引き出すという意味でも Rayon の刺激は、次なる化学反応を促し、このトリオの
音楽を構築する上では、重要な役目を担っている。コードプレイ、シングルトーンでのソロ、ベース効果、ワウなどを使ったエフェクト........................など、
バッキングにソロに、このトリオというミニマルなユニットでのオルガンの機能をフルに使った Rayon の貢献度は高い。

本作は、こうしてあらためて聴いてみると、当時、受け取っていた印象とだいぶ違うことを感じている。新しいものとの出会いなどにより、自分の感性も
当然のことながら変化してきており、もちろん好む方向性にも変化があるわけで、当然の結果とも言えるのだが。
この Rayon の果たしている役割という点で、当時は、それほど感じてはいなかったはずだが、今回はその辺を強く受け取ることができ、本作も Rayon
という存在があったればこそとも感じとれたのは、先日来の Rayon 参加作聴きの流れの中で大きな収穫であり、あらためて Antonin Rayon のオル
ガンを高評価できる機会になったことはうれしい限りである。
そして、こういったエリアで威力を発揮する感性を持つ数少ないオルガニストでもあり、引き続きの追跡調査を進めたい。

JAZZ-sax 93
Alexandra Grimal

Category: organ (第2期)  

Brian Charette / Backup

  Brian Charette (B3 Hammond organ)
  Henry Hey (piano)
  Jochen Rueckert (drums)

  Recordeed December 2016
  SCCD31836 (SteepleChase) 2017

  01. Tadd’s Delight
  02. ChelseaBridge
  03. A Shade of Jade
  04. Backup
  05.The Blessing
  06. Dance of the Infidels
  07. Spring is Here
                          08. Dahoud
                          09. Theese are Soulful Days
                          10. Ritha

ジャズメンのオリジナル曲を中心に、変則編成で臨んだ Brian Charette(B1972) の新作。
オルガニストらしく、Larry Young曲が2曲、Don Patterson曲が1曲入っている。
この編成での試みは過去にも、Larry Goldings - Kevin Hays - Bill Stewart の “Keynote Speakers(2002)”、“Incandescence(2008)”、
Andy LaVerne - Gary Versace - ds の “All Ways(2005)”、“Intelligent Design(2007)”、“At the Kitano Vol.1(2009)”、
I Have a Dream(2014rec2007)”、“I Want to Your Hand(2015)” などがあり、他にもこの編成に b を加えてクァルテットにしたものや
ds を抜いてデュエットとしたものなど、いくつか存在しており、これまで聴いてきた経験では、音楽として変則というようなものは無く、オルガンと
ピアノの組み合わせは、コード楽器でない管などと違い、対等の立場がつくれるということで、特に互いの刺激から新たな価値、高みを求めていく
というスタイルにあっては、より可能性も感じられるフォーマットと思える。その点ではオルガン - ギターの組み合わせに通じるものもあるのだが、
楽器の特性上、気軽に持ち運び、はいセッションというわけにもいかない。どちらも常設が原則の楽器ということが、前例の少ない原因の1つとも言える。

これまで、コンテンポラリー・オルガン・シーンの中心にいた Larry Goldings, Gary Versace, Sam Yahel などのオルガニストとしての活動が
極めて鈍くなっている現状もあり、大きな不満も抱いているのだが、そんな中にあってコンスタントに新作リリースもしているこの Brian Charette
には、ついつい期待してしまうところもあり、その分、内容にも高いものも求めてしまうといったこともあるのだが、さて、どうなっているのやら聴かせて
もらいましょう。

編成を変則にしたことも、もしかしたら関係しているのか、音楽の方は逆に、近年の Charette 作では、一番と言ってもいいほどにオーソドックスに
4ビートで攻めている。こうして4ビートでノリ良く快調に飛ばす Charette のオルガンを聴いていると、技術面を含め感性面でも、今を生きるオルガ
ニストとして熟成されたものも感じられ、安心して聴いていられるものとなっているとも感じるのだが、その辺は、相手としてピアノに Henry Hey を
選んだことにも見える気がするし、もともとこういったスタンダードなテイストのものを目指してのことなのだと思える。
ここ何年かの Charette作を振り返ってみれば、一作ごとに私的評価もアップダウンし安定しないものもあり、本作も、たしかに小細工なしで現代Jazz
organ のスタンダードなスタイルとしてノリ良く楽しく聴ける内容とはなっているのだが、そこに既成のフォームから一歩踏み出した +αがあれば
さらにさらに楽しく聴けたはずとも感じており、やはりそこを目指さないといけないという位置にいるオルガニストとも考えている。
安定した確かなプレイで内容的にも平均点はクリヤーしており、フラットな目線で見れば、それなりの評価もできるという本作なのだが、安定を求める
ようになってしまうと、しだいに音楽もつまらなくなってくるということは、過去ずいぶんと見てきている。
リスクを恐れず冒険する心があってこそ、リスナーにとっては、音楽に平均レベルを越えたところでの楽しみという +αも出てくるというものだし、
その +α を産み出すためにチャレンジする姿勢を維持できるかというあたりも、今後のオルガニスト Charette を左右する部分だ。

コンテンポラリー系のオルガンでは、現在最も活発な動きを見せている Charette だけに、時々見せる後ろを向いた目線が、ちょっと気になって
しまう。先日、記事とした Mike Moreno の新作も同様に既成曲をオーソドックスに料理したものでは、あったが、あくまで先を見据えた上での
プレイといった姿勢も感じられ、その辺が結果として音楽の持つ質感を本作とは、全く違うものとしていたのを思い出す。
音創りの姿勢は、驚くほど正直に最終的に音になって反映されるものだ。これは音楽に限ったことではなく、何かを創り出すことにおいて、その基本と
なるのは、そこに向かう姿勢そして心であり、それが源となる。

その他の Brian Charette 関連記事は → こちらから

JAZZ - organ 191
Brian Charette

Category: guitar (第2期)  

Mike Moreno / 3 for 3

  Mike Moreno (g)
  Doug Weiss (b)
  Kendrick Scott (ds)

  Recorded September 22, 2016 at Systems Two Recording Studios, Brooklyn, N.Y.
  Criss1396 CD (Criss Cross) 2017

  1. The Big Push
  2. For Those Who Do
  3. You Must Believe in Spring
  4. Clube Da Esquina No.1
  5. April in Paris
  6. A Time for Love
  7. Perhaps
  8. Glass Eyes

Mike Moreno の古巣 Criss Cross からの新作。
Moreno のトリオでのプレイについては、CD、ライブも含めてこれまで聴いた記憶が無く、オリジナル無しという内容ながら、ダマシのきかないトリオ作
ということもあり、リリース前から強い関心も持っていた作ではあった。
今では、Moreno もギター界では、ビッグな存在になってしまい、そういう位置にいるギタリストとして語られることも多く、隙間商品を並べて細々とやっ
ているようなマイナー、極小の当ブログには、甚だふさわしくない華のある存在になってしまったということで、また、既に各所でしっかりとした Review
もUpされている状況、あえて当方の駄文記事をUPする予定もなかったのだが、ちょっと気になるジャケットのこともあったので、ここは、曲げて記事とし
ておきます。

旧知の中とも言える2人とトリオを組み、既成曲で固めていることで、ある程度、展開の予想もしてはいたのだが、音楽は思っていた以上にオーソドックスな
展開になっているというのが初期印象。
通常、コンポラ系ミュージシャンのこういったケースでは、後ろを向いた姿勢として、私的には、あまりいい印象も持たないことも多いのだが、音楽からは、そ
ういった負のテイストは感じられなく、一時原点に戻って、あるいは軽くリセットしてといった、あくまで先を見据えた上での本作といった位置づけのものと
して、前を向いた姿勢も感じとれること、そして形としてはオーソドックスながら、現代感覚により今の空気感に溢れたものとなっており、コンポラ系ギタリス
トの一作として高評価せざるを得まいという内容だ。

Moreno のギターは、本作の曲調に合わせたのか、以前より重みと太さも感じられるような気もするが、緩急取り混ぜての表現はさすがで、デリカシーに
富んだスロー、スピード感をもって突っ走るところは鮮やかな走りを見せ、単に勢いで行ってしまわず抑える意志も見えるなど、ギタリストとして一段熟成
されてきた感もある。アルバムとしても、変に片寄ったところもなく、動と静をバランス良く取り混ぜた仕上げになっているのは、リスナーとしては、ただただ
Moreno の鮮やかなギターワークに集中し、気持ち良く聴ける要素になっているのではないだろうか。

フラットな目線で見れば、全てがハイクォリティで、高評価の内容、現代Jazzギターのお手本とも言えるような完成度も感じられる本作だが、方や、ひたすら
楽しみのみを求めるJazz道楽者という目線で見れば全ての判断は単純に好き、嫌いの好みになってしまうのは、しかたない。そこで判断するならば、自分が
Moreno に求めていたものとは、ちょっとだけズレがあったかなというのが私的本作の偽らざる感想。

内容とは関係ないところだが、ジャケットにガッカリだ。近年のCrissCrossのジャケットには、同様のパターンのものも多いが、このアートワークのテイス
トは、同一担当者によるものだろう。ジャケットは、内容を正しく表したもの、あるいは内容に期待を持たせてくれるようなものなど、アートワークのコンセプ
トは、その時々により、考え方もいろいろとあると思うが、少なくともアルバム名義人のイメージを悪くしてしまうものであってはならないといのが鉄則。同じ
パターンで統一していくこと自体はアリだが、いかにも「アルバムジャケット用に写真撮りますよ」ってな感じて毎回同じように処理してるんで、顔の表情もそ
んな感じになってしまっている。ギターケース持たせたり、ベース構えたり...........多少の違いはあるが、基本的なワークの考え方は同じ、色調もコンポラ系
ミュージシャンには、なんだかなあという場違いなトーンだ。
コンテンポラリーギターシーンの重要な位置にいるハイスペックで知的なギタリスト Mike Moreno、そんなリスナーが抱いているイメージをぶち壊して
しまうように毎度同じパターン、色調で安易に作っているかのようなワーク、これでは、Moreno がちょっとかわいそうだ。

JAZZ-guitar 191
Mike Moreno

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