前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

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Category: guitar (第2期)  

Claude Barthelemy / Roxinelle

 Roxinelle-2.jpg

Claude Barthelemy (g, oud) Antonin Rayon (org) Philippe Cleizes (ds) Sylvaine Helary (fl, alto fl)

Recorded December 2015
Maxiphone (2016)

1. La Pensee
2. Spring Beat
3. Spring Break
4. Eric Watson
5. Merle Adore
6. Princess Luce
7. Alexandria
8. La Nomenklatura
9. Flamentokyo

私的重要作ながら、迂闊にもそのリリースを見落としてしまい、最近になってやっと気づき、あわててゲットしたという一作。
フランスの強変態性ギタリスト Claude Bartheremy(B1956) にオルガニストでは、数少ない貴重なフリー系の使い手 Antonin Rayon(B1976)
参加のトリオを中心に曲によりゲストにフルートが入るという作だが、何もなく平穏に終わるわけがないというメンバーだけに、テンションもMAX。
この Claude Bartheremy などは、以前からオルガンの絡んだ作 (過去、一度だけEmmanuel Bexとの共演作 “3”がある) の出現を頭の中では、
期待し、待ち望んでもいたのだが、こういった特殊、先端の感性に対応できるオルガニストも少なく、また本人の音楽的方向性もあり、なかなか実現する
こともなかったのだが、フリー系との絡みも多い Antonin Rayon 参加のギター・オルガントリオ作がまさかのリリース済みだったとは、やっちまった!
チェックはマメにしていたつもりだったが、既に1年以上も過ぎていたとは、焼きが回ったようだ。

さて中身の方だが、やはり個性派らしいものとなっており、プロローグやエピローグそしてその間にと、中東やらオリエンタルなイメージも想起されるよう
なoudを使ったと思われる短い曲が仕込んであり、本題と思われる、これまたバラエティに富んだ数曲が配置されたつくりとなっている。
その冒頭のoudの調べの次のM2はギンギンのロックで Barthelemy らしく、ヒートするとアブない人と化す性癖もちらつかせながらのプレイは、
さすがにこれで全て攻められたらJazzファンにはキツイだろうというアウトした曲で、最初にこういうのを咬ましてくる手口も何とも彼らしい。
他曲も個性派らしい展開を見せており
M4 ミディアムハイの4ビート曲、orgをバックにgの変態フレーズも顔を出す。
M5 スローなgテーマからスタート、orgソロも入り、次第に3者入り乱れてヒートしていくカオス。
M6 dsソロからスタート、途中、爆発音らしき音が単発的に入り、ワンコードで刻むorgのベースラインが加わっていきながらのリズムがカッコいい。
M8 若干のハードボイルド感もあるミディアムの4ビート曲、ストレートな展開だが、平凡にしない個性派らしさ。
ざっと、こんな感じの曲が並ぶが、全編に渡り感ずるのは、やはり他の誰でもない彼でしかないギターであり音楽となっていること。やはりオリジナリティ
という部分は大事にしたい、プロとして不可欠の条件だ。彼の持ち味でもあるスピード感ある変態プレイも健在。
そんな Bartheremy だが、大学では数学専攻、その後にフランス国営オーケストラ ONJ の音楽監督も務めるというキャリアとアブノーマルなものも
漂わせるギタリストとしての顔とのギャップに変質性らしきものもイメージさせられ、何とも彼らしいとも思えるのだ。
ちなみに、その ONJ の歴代監督では、最も評判も高く、最近また復帰したとのうわさも聞いている。若い頃のトンガリ感も、やや丸くなった印象もあるが、
なかなかの才人である。

オルガニストとしての Antonin Rayon を初めて知ったのは、このブログを始める以前の参加作 (ピアニストとしては、その後のいくつかの Marc
Ducret作
への参加で出会う) だったが、貴重な才能の持ち主ながら、未だにリーダー作を出していないというのが不思議でもあり、残念でならない。
やはり、自分の色を全面に出したリーダー作を、ぜひとも聴いてみたいオルガニストだ。米国コンテンポラリー系のスタンダードな存在 Goldings,
Yahel, Versace..........などとは、異質の感性でもあり、その立ち位置としても、先端寄りで、フリーもいけるというトンガリ感もある感性は、オルガニスト
としては貴重な存在でもあり、さらに自身の感性の開拓を進めるためにも、欧州に限ることなく、米国系の先端の感性と、どんどん絡んでほしい才能でもある。
この機会に過去参加作もあらためてチェックしてみたい。

            
            Claude Barthelemy (g, oud) Antonin Rayon (org) Philippe Cleizes (ds)

JAZZ-guitar 189
Claude Barthelemy

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Category: guitar (第2期)  

Jeff Parker Trio / Bright Light in Winter

  Jeff Parker (eg, Korg MS-20)
  Chris Lopes (ab, flute, Korg MS-20)
  Chad Taylor (ds)

  Recorded November 14 - 16, 2011, Riverside Studio, Chicago
  DE2015 (Delmark) 2012

  1. Mainz
  2. Swept Out to Sea
  3. Change
  4. Freakdelic
  5. The Morning of the 5th
                      6. Occidental Tourist
                      7. Bright Light Black Site
                      8. Istevan
                      9. Good Days

ポストロック系からフリー寄りのJazzまで、幅広い活動も続けるギタリストの Jeff Parker(B1967) は、長年いた活動拠点をシカゴから近年、LA
の方に移したらしい。ギタリストとしての彼には、関心もあったので、機会があれば、まずは聴いてみようと思いつつ、のびのびになってしまっていた。
そこで、ダマシのきかないトリオ作ということもあり、とりあえずチョイスしてみた本作だったが................
dsの Chad Taylor は、以前 Angelica Sanchez をピアニストで迎えたトリオ作 “Circle Down” で記事歴もあるのだが、他2名は今回が初。

全てメンバーのオリジナルとなる全9曲だが、一聴してみれば、いろんな要素が詰まっていて、一言では言えないようなものがある。
雑多なものが集まった感じだが、それでも一枚のアルバムとして、散漫さは無く、全9曲音楽は、一つの方向性も感じられ統一感もあるものとなっており、
一貫して感じられるユルめでクールなビート感に身を委ねていると、一種のアンビエントミュージックといった趣きもあり、あえてそうしたともとれる
強い主張の無いところが、通し聴きすれば、BGMとしてもいけるといったテイストさえある。この「強い主張の無い」ところが強い主張なのかな、とも
受け取れる。ギタープレイにおいても、たどたどしく感じるところもあるのだが、それもあえてのプレイなのか.............読めない。

予備知識も極力入れず初めての顔合わせとなった Jeff Parker だったが、そんなことで、何かつかみどころの無い、実体のはっきりしないモヤモヤ感
みたいなものが残りつつ、同時に漠然ながら何か目指しているものの大きなものも感じられる。それが何かはわからないが、同時に音楽には、垣根の
無い自由、開放感、広がり...........みたいな空気感もある。ただ、それは現在、自分が音楽に求めているものでもないのだが.............心地良いというほど
の前向きなものでもないのだが、少なくとも不快といった負の感覚は無い。

過大評価になるのかもしれないが、何か見えない部分、読めない部分に何か大きなものがあるとも感じられるギタリスト、本作で聴く限り、感性の質と
しては、自分が求める方向とは、逆に向いているようなところもあり、決して心惹かれるというタイプでもなさそうだが、その見えてない部分によっては、
どうなるかわからない。 引き続き要調査ということで、他作にも手を出してみたい。

JAZZ-guitar 188
Jeff Parker

Category: guitar (第2期)  

Wilfried Wilde / Oscilenscope

 oscilenscope-2.jpg

Wilfried Wilde (g)
Charley Rose (as)
Xan Campos (p)
Damian Cabaud (b)
Lago Fernandez (ds)

Recorded at Cangas Auditorium, Spain, July 27 & 28, 2015
FSNT526 (2017)

1. Feeling Droiden
2. Nerve Vibrations
3. Nasty Introduction
4. Nasty Meditation
5. La Valse a Huit Temps
6. La Houle
7. Ordering
8. Le Cri de I’Oiseau
9. Lynel All music composed and arranged by Wilfried Wilde

今回、初聴きとなるスペイン出身のギタリスト Wilfried Wilde の新作。
メンバー全員、未聴ながら、ジャケットの雰囲気、曲目などから求めるコンテンポラリー系のギタリストとの予測でゲット。
一聴して、大きく見るならば、現在の若手コンテンポラリー系ギタリストに多い Rosenwinkel から派生した流れの真っただ中にいるギタリストと
いうことで、その点では、初対面の若手ギタリストとしては、極平均的な今時のギタリストといった印象も持つのだが......................。
10年程前と比べると、この流れが全く普通になってしまっているということに時の流れを感じるね。

さて、内容の方は全曲、自身の手によるオリジナルとなっており、緻密さも感じられるつくりとともにアンサンブルもキレイな仕上がりを見せている。
この Wilde のハデな太刀回りを嫌うかのような地味さには、Rale Micic あたりも思い出してしまうのだが、現在のコンポラギターシーンの流れ
の中での立ち位置なども、流れの先端寄りで、その流れの方向にも大きく関わっていくといった感性ではないという点で、共通するものもあるように
思う。と、こんな書き方をしてしまうと、地味でつまらないとも思われてしまうが、そんなことはない。繊細な感性であるが故の一見地味に感じられる
ことは、インパクトもある見せ場を持たない地味さとは、根本的に違う。繊細なタイプにありがちな、言ってみれば、狭めた表現のレンジの中で
全てをハーフトーンで表現してしまう、それができてしまう繊細さみたいなものなのかもしれない。
ただ、これは広く一般に理解されにくい。表現のレンジを目一杯広げ、ダイナミックな表現ができれば、それだけ多くの人の心も動かせるというもの
だろう。聴いていると、何かそんなことも思わされてしまう繊細さも備えたギタリストとの印象も持つ。

そんなことで、全体的に強いインパクトに欠ける、ストロングポイントが見つからないといったところは、一般的な見方をしてしまえば、否定できない
ところでもあるのだが、それは本作においてということで、他作も聴いてみないと何ともわからないことでもあるが、ギタリストとしての個を全面に
押し出すよりもトータルな音楽に重きを置いた本作における彼の姿勢も多分に関係しているとも思える。また、それは全ての面ではないが、繊細な
感性であるが故の裏返しといったこととも言え、そこの開発によっては、逆にそこがストロングポイントにもなりうる、そんな未開発領域の存在も
多分に感じられる若い感性だが、個性として感じられるのが、随所に感じられる「哀愁」の響き。これは、米国系のギターには、あまり感じられない
ものだ。伝統的に優れたギタリストも多い欧州は、スペインという血の成せる技なのか?
その辺の受取りは自分だけなのかもしれないが、M6 “La Houle”やM7 “Orderling”などに、このギタリストの個性が見える。特にas抜きで
ギタリストとしての姿も見えるクァルテットによる M7 での漂う哀愁には、スペインだからこそのギターの響きとも感じるのだが.......................。

内容はともかくとして、未聴の感性に触れることは、何が飛び出すかわからないという、期待感も高まり楽しみも増すというものだ。やはり自分には
博打買いが性に合っているようだ。

JAZZ-guitar 187
Wilfried Wilde

Category: guitar (第2期)  

Pierre Perchaud / Waterfalls

  Pierre Perchaud (g)
  Chris Cheek (sax)
  Nicolas Moreaux (b)
  Seergio Krakowski (pandero)
  Andre Charlier (perc)

  GR1309 (Gemini) 2012

  1. Kora
  2. Le Paradisier
  3. Montreal
  4. Une Apres Midi
                      5. Because
                      6. No Moon at All
                      7. Le Vieux Piano Et La Lampe
                      8. Waterfalls

フランスのギタリスト Pierre Perchaud の Chris Cheek の参加も魅力だった2012年作。
基本は、ドラムレスのトリオで、曲により軽くパーカッション系のものが入るという内容。

メンバーから、コンポラ色の強いテイストの音楽を期待していたのだが、ふたを開けてみれば意外とオーソドックス、ストレートな展開となっている。
しかも、苦手としている、ちょっぴりフォーキーなテイストも一味加わったりして、ちょっと微妙だね。
これほど、全編ノーマル、オーソドックスに、そして何かノスタルジックとでも言ったらいいのか、ひと時代さかのぼったようなテイストで通す Cheek
に出会ったのも、あまり記憶がないのだが、音楽としての内容は決して悪くない。この辺は、あくまでリーダーである Perchaud の求めた質感であろ
うとは思うのだが、後は、聴き手である自分の感性の好みにフィットするかといったところだが、私的には、このノスタルジックでセピアカラーもイメー
ジさせる沈んだ質感とフォーキーな、ある意味、淡いグリーンの陽の光もイメージさせるようなテイストとのフィット感の悪さも感じてしまい、なかなか
楽しませてもらえない。

Perchaud のギターは、アルバム全体に通じる曲調もあり、曲によりアコギ使用、エフェクトもあまり使わず、ノーマルな音使いで通しており、アルペジオ
も多用するなど、しっとりとしたものが目立つのだが、コード感覚やシングルトーンでのソロにおける音の選択などには、このギタリスト特有のセンスも
感じられる。

ただ、ある方向に片寄ってしまったテイストと思える内容が、好みを分けるのではないだろうか。この片寄ったと受け取るのか、あるいは、統一されたと
受け取るのか、その辺が分かれ目なのだろう。私的には、やっぱり、ちょっと好みを外したかなといった感覚が最後までつきまとい、唯一他とは違い、
普通にJazzな曲調で仕上げたスタンダードの M6 “No Moon at All” に一番親しみを感じるという皮肉な結果となった。

Chris Cheek のテナーに Nicolas Moreaux のベースという私的関心度の高いスタッフを従えての Pierre Perchaud のリーダー作ということで、
それなりに期待もあったのだが、私的には、クラシカル、フォーキー、カントリーといったテイストをJazzに絡めるのは、せっかくのJazzを不味くしてしま
うことに他ならないという、これまでの過去の私的流れを覆すには至らなかった。言ってみれば、アボガドと絡んだ鮨を良しとするか否か.........あくまで
内容の良し悪しではなく、好みの問題ということで、悪しからず。

        

JAZZ-guitar 186
Pierre Perchaud

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