前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 08 2017

Category: guitar (第2期)  

John Abercrombie / Wait Till You See Her

WaitTillYou-1.jpg WaitTillYou-2.jpg

John Abercrombie (guitar)
Mark Feldman (violin)
Thomas Morgan (double-bass)
Joey Baron (drums)

Recorded December 2008 Avatar Studios, New York (Eng.:James Farber)
ECM 2102 (2009)

01. Sad Song
02. Line-Up
03. Wait Till You See Her
04. Trio
05. I've Overlooked Before
06. Anniversary Waltz
07. Out of Towner
08. Chic of Araby           
All music by John Abercrombie except Wait Till You See Her by Richard Rogers/Lorenz Hart

一枚じゃあ、おさまりがつかなくなっちまった.................もう一枚いっときます。

Abercrombieにとっては、今世紀初めのMark Feldmanとの出会いから始まったこのクァルテットですが、本作では、それまでのMarc Johnsonの
ベースに替わり若手のThomas Morganになっての4作目となる。
内容も、アルバムタイトル曲の "Wait Till You See Her" を除いて全てAbercrombieのオリジナル、そのコンセプトに共鳴し、4人の静寂な中にも
緊密で緊張感が持続しながらのインタープレイが繰り広げられる。

極めて現代的でクールな装いながらも温もりある歌心を忘れてないAbercrombieの柔らかくセンシティブなギター・ワークが緩やかな流れを創り
だしている。それに寄り添うように流れに淡い彩りを添えていくFeldmanのヴァイオリンもそれに輪をかけたように極めてセンシティブでもあり、
Morganも加わり3者3様の弦の響きが、絡みあい創り出された音世界は独自の世界観をつくりだしている。
このフォーマットでの活動も長く、新しい一つの形を創った感もあるが、ベースがMarc Johnsonから若手のThomas Morganに替わり、新しい変化
のきざしも見えるのだが........................

今回、こんなことになっちまい、他に Copland とのデュオ曲 “Blue in Green” も聴いたのだが、何とも沁みる泣きの一曲となっちまった。
こういうデリカシーに富んだ語り口のできるギタリストも、もうなかなか出てこないんじゃないかなあ................................さらば、アバ爺!

その他の John Abercrombie(1944.12.16〜2017.8.22) 関連作は → こちらから

JAZZ-guittar 185
John Abercrombie
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Category: guitar (第2期)  

John Abercrombie / The Third Quartet

ThirdQ-1.jpg ThirdQ-2.jpg

John Abercrombie (eg, ag)
Marc Feldman (violin)
Marc Johnson (b)
Joey Baron (ds)

Recorded June 2006 at Avatar Studios, New York
Engineer:James A. Farber
ECM 1993 (2007)

01. Banshee
02. Number 9
03. Vingt Six
04. Wishing Six
05. Bred
06. Tres
07. Round Trip
08. Epilogue
09. Elvin
10. Fine

ちょっと危なっかしいところもあり、だいじょぶかなあなどと度々思うところもあったこの頃、やっぱり逝ってしまった。
ここは、何か聴かにゃあ、おさまりがつかんだろうなあ...........ということで、振り返りつつ一枚。

ECMにおいて'02年の "Cat'n' Mouse" から始まったこのメンバーでの作品も間に "Class Trip"('04年)を挟んで本作が3作目となり、次作の
"Wait Till You See Her"('09年)では、ベースがMarc Johnsonから若手のThomas Morganに代わるという本シリーズである。

Orneette Colemanの M07"Round Trip", Bill Evansの M08"Epilogue" 以外は全てAbercrombieのオリジナルとなる全10曲という内容となって
おり、音楽の基本的方向性は、初作から変わっておらず、一貫した姿勢で通してきている感もあるのだが、音楽は初作を "動" とするならば、しだいに
"静" の要素を強めてきているとの印象もある。しかし、音楽は、表面上の "静" とは反し、やはり回を重ねた成果であろうか、阿吽の呼吸もあり、より
緊密な絡みもある、静かな中にも緊張感が持続するものとなっている。
空間を漂うAbercrombieのギターとFeldmanのヴァイオリンが寄り添いながら、そして時に絡み合いながら紡ぎ出す世界は、小さなジャンルという
枠にとらわれない彼ら独自の新しい世界を創り出してきており、地道に積み上げてきたこの成果は評価すべきではないだろうか。

60超えの当時、なお旺盛な創り出す心を維持するどころか推進させている感もある Abercrombie がうれしい、.....................そして惜しい。

その他の John Abercrombie(1944.12.16〜2017.8.22) 関連作は → こちらから

JAZZ-guitar 184
John Abercrombie
Category: organ (第2期)  

Olivier Ker Ourio / Magic Tree

  Olivier Ker Ourio (chromatic harmonica)
  Emmanuel Bex (Hammond organ)
  Philip Catherine (eg,ag)
  Andre Ceccarelli (ds)

  Recorded in September 2009 at Studio Meudon, France
  PL4531 (Plus Loin Music) 2010

  01. Eva
  02. Magic Tree
  03. Sunday
                       04. Libertalia
                       05. Jenn
                       06. Chaloupe Mwin
                       07. St. Jacques
                       08. Okokalypso
                       09. Mirella
                       10. So Long P
                       11. Achille

先日、フランスのオルガニスト Emmanuel Bex(B1959)の新作 “Chansons” を記事とした流れもあり、しばらくご無沙汰していたBex関連作も
聴いてみたくなり、いくつか引っぱり出してチェックしてみた。記事にしてないものもあったので、ついでに記事としておきます。
リーダーの Olivier Ker Ourio(B1964) は、ゲスト参加した “Charlier - Sourisse / Gemini(2000)” で、記事歴はあるのだが、ゲスト参加の
プレイということもあり、ほとんど記憶していない。本作は、あくまで Bex 目当てのゲットだったこともあり、一応カテゴリー「オルガン」の記事として
おきます。

ハーモニカといえば、この世界ではプレイヤーも少なくマイナーな楽器でもあるのだが、 昨年、惜しくも他界した Toots Thielemans(B1922
- 2016)という大先輩がいるが、この分野での彼の残したものは大きく、この Ourio も、その音楽からは、Thielemans の影も感じられる。
また、幅広い音楽性など方向性にも、つながるところがあるといった印象もある。
全体に哀愁漂うサウンドが点在する。これは、この楽器の持ち味といってもよいのだろうか、空気の送り方に違いはあるが、金属プレートの振動
によって音を発するという点で共通する、アコーデオン、鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)といった楽器の音の質感と共通するものがある。
Jazzにおいては、こういった楽器も奏者が少ないだけに、開拓の余地も多分に残していると思えるところもあり、革命家の出現によっては、大きく
前に進むのだろう。Thielemans の後を継いでゆくプレイヤーにも、その音楽を少しでも前に進めてもらいたいものだ。

この音楽の中で、あくまでサポートする立場ながら、フランス人である Bex の持ち味は、発揮されているのではないだろうか。おそらくシャンソン
やらタンゴなどを通して奏者も多いフランスで、アコーデオン、ハーモニカといったものと接する機会もそれなりにあったことで、Ourio の音楽に
馴染んでいる感もある。Ourio が、共演者としてオルガニスト Bex をチョイスしたのも、なんとなくわかるような気もする。黒い空気を振りまく
オルガンは、いくらでもいるけど、こういうフランスのコジャレた質感を持つオルガンは、なかなかいない。

Catherine もアコギでしっとり、エレキでコンポラチックな攻めを見せたり貢献度大。
Ceccarelli もOurioの音楽の中で、ビートを変化させていく曲があったり、好サポートで存在感あり。

その他の Emmanuel Bex 関連作は → こちらから

JAZZ - organ 192
Olivier Ker Ourio
Category: organ (第2期)  

Zeppetella Bex Laurent Gatto / Chansons!

  Fabio Zeppetella (g)
  Emmanuel Bex (org, voc)
  Geraldine Laurent (as)
  Roberto Gatto (ds)

  WJ 113 (jando) 2017

  01. E La Chiamano Estate
  02. Bocca Di Rosa
  03. Buona Notte Fiorellino
  04. A Me Me Piace O' Blues
                      05. Napule È
                      06. Luna Rossa
                      07. Avec Le Temp
                      08. C'est Si Bon
                      09. L' Été Indien
                      10. Les Temps Des Cerises
                      11. Le Bon Dieu

フランスのオルガニスト Emmanuel Bex(B1959)は、90年代に出会って以来、ほぼ全作聴いてきている。もっとも他のコンテンポラリー系の主な
オルガニストについても同様なのかもしれないが、この Bex については、特に90年代に出会った1枚のアルバム(”3” 1998)、中でもある1曲が、
自分の中での彼の高い評価を決定づけてしまい、その爆発的プレイは、自分のOrgan史の中でも特別の1曲として刻み込まれており、私的には、コン
テンポラリーオルガンを語る上では、外せない一曲となっている。そんなことで、以来、常にレーダー圏内においてきたオルガニストでもあった。
本作での Zeppetella Bex Gatto の3名については、過去 “A Tribute to Wes Montgomery(1998)” にて共演歴もあり、その後も度々共演も
ある周知の仲、今回はそれに気鋭の女流アルト奏者 Geraldine Laurent の参加も目を引く。
本作は、共同名義作ということになるのだろうか? リーダーもはっきりしないし、一応 Emmanuel Bex目当てのゲットでもあったので、カテゴリー
“organ” の記事とします。

本作は、シャンソン縁の曲を題材としているようで、フランス人である Bex や Laurent にとっては、昔からよく接してきた曲ということなのかも。
こういったコンセプトのアルバムにありがちな、ヘンな方向に偏ってしまい、Jazzのスピリットも希薄にといったことも、ちょっと心配したが、個性派
Bex のこと、普通にJazzではないものの、十分にJazzとなっていることに、まずは安心。

形としては、ZeppetellaのギターとLaurentのアルトをフロントに配して、Bexのオルガンがバッキングそしてソロに全体をコントロールしつつの
音楽は、Bexの感性が色濃く出たものと感じられ、コンポーズ面ではBex中心のユニットといった印象も持つ。
他の誰でもない、極めて個性的な感性の持ち主である、Bexのオルガンは、 他のコンポラ系オルガンの流れの主流ともなってきた主に米国系の
Goldings, Yahel, Versace.........といったコンポラ系の本道を行くスタイルからは、外れた道を歩んできており、今後も本道に合流してくるような
流れにはならないだろうと予想している。
そんなBexなので、通常のJazzの感覚、あるいは他のオルガニストによく見られるブルースの感覚といったものは、一切、持ち合わせていないので
はと思われる方もいるかもしれないが、前述のアルバム “3” 中の一曲では、濃厚なブルース感覚を放出し、周囲の空気まで振動するかのような
重低音のハモンドが炸裂するのには、かなりのインパクトがあった。個性派ではあるが、Jazzオルガニストとしての基本のところは、しっかり通過して
きており、その上での現在の形というのも確認できる。未聴の方は、問題の一曲 “Where?” とともに、ぜひ体験をおすすめしたい。なぜ、 Bex なのか、
一発屋と勝手に言ってるが、その彼の高い能力が最も高みに達した瞬間をとらえた一曲である。

本作から話が逸れてしまったが、けっしてまずくはない、が、いい時のBexを記憶している身としては、やはりちょっと物足りないものがある。
Zeppetella のギターは、澱みない流れを作り出し巧いのだが、個性派 Bex の音楽の中では、そのソツなく、クセなくといった部分が、やや負の要素
として感じてしまうところもある。

その他の Emmanuel Bex 関連作は → こちらから

JAZZ - organ 191
Emmanuel Bex
Category: guitar (第2期)  

Gene Segal / Matter

  Gene Segal (g)
  Jon Irabagon (ts)
  Sam Sadigursky (cl, bc)
  Sean Conly (b)
  Jameo Brown (ds)

  Recorded December 3, 2014
  SCCD33121 (SteepleChase) 2015

  1. Faint Memories of Home
  2. Ordinary Matter
  3. Mood
                      4. Vortex
                      5. Patiently
                      6. Waiting
                      7. Strange Matter
                      8. Morph
                      9. Sun King

ロシア出身、幼少期に米国移住というギタリスト Gene Segal の2015年作。
前作 “Mental Image” とは、同じメンバーながら Irabagon は、asからtsに、そしてtsとcl系を担当していた Sadigursky は、cl系に専念するといった
楽器担当に変更がある。

g と cl のテーマから始まる冒頭曲、中東を思わせるようなライン、そして一瞬だが、あのジャンゴ・ラインハルトを思い出させるような響きも交えての
Segal のギターソロがなかなか良い。いきなり本作中の魅力の一曲が飛び出してしまった感じだが、コンテンポラリー系ギタリストの中心として
Metheny やら Rosenwinkel あたりを通過してきたといった感性のギタリストに関心が集まる中、こういったそれ系とは、異質の個性ある感性は、
貴重な存在だ。
シングルトーンで押しまくるだけのギタリストではない。コードプレイも多用しつつ、時には浮遊感ある表現、そして時にはエフェクトも加えてワイルドに攻める
M8 “Morph” など、加えて曲調もバラエティに富むなど、多彩なものがある。一瞬だが、Scofield を感じる響きには、通り過ぎてきた過去もイメージされる。
細かくチェックしていけば、もちろんそれなりの個性も感じられる多くのコンテンポラリーギタリストだが、一歩引いて大きな目で見れば、大同小異と
いう感じもなくはないという中で、そんな大きなメインの流れとは、どこか異質という感性は、生まれという血の部分も関係しているかは、わからないが、
やっぱり魅力だ。個性派として、大事にキープしておきたい存在だ。うまく伸びていってほしいね。

Irabagon と Sadigursky も良好だが、本作では、cl系に専念したSadigurskyの存在感が目立つ。
Conly - Brown のリズムセクションも良し、今後もリリースがあるかは、わからないが、次作も聴いてみたくなるユニットだ。

JAZZ-guitar 183
Gene Segal
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