前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 07 2017

Category: guitar (第2期)  

Nigel Price / Hit The Road

  Nigel Price (g)
  Pete Whitaker (org)
  Matt Home (ds)
  Vasilis Xenopoulos (ts - 9)

  Recorded in London in February of 2013.
  33JAZZ241 (2014)

  1. Hit The Road
  2. Up Jumped Spring
  3. Chelsea Bridge
  4. Lover Man
                      5. Dreamsville
                      6. Go!
                      7. Detour Ahead
                      8. Bizzy Bee
                      9. Hot Seat (Chas’s Chair)

Nigel Priceは、英国の British Jazz Awards でベスト・ギタリストに選出されていたことなどもあり、名前だけは記憶していたのだが、おそらく今、自分
が求めている方向性のギタリストではないとの推測もあり聴いたことはなかった。が、未聴のオルガニストが入っていたこともあり、2人同時にチェック
もでき、知るには、ちょうど良い機会ということで手を出してみた。
毎度のことだが、この知らない人の音を聴くというパターンが、楽しみとなっている。なので、何が飛び出すかわからないという期待感が薄れるということ
もあり、試聴しての購入はしない。博打買いを原則としている。ハズレも多いが、それを含めての楽しみと考えている。

Price のオリジナルは4曲、他の曲目の状況などから予想していた通りのストレートに押しまくる見事なほどの王道系ギターだ。
このパターンだと、何か新しい発見という点では、期待薄になってしまうのはやむを得ないのだが、あとはいかにノリ良く、気持ち良く楽しませてくれるの
かといったあたりがポイントになる。
Price のギターは、ベストギタリスト選出歴もあるだけに、なかなか巧みだ。細かなピッキングも寸分の狂いもない。バラード系の曲になってもダレないし、
ブルージーに良く歌っている。元をたどれば Wes あたりにたどりつくといった感性なのかな、間に挟んでくるオクターブもそんな感じだし。
かつて、自分も通ってきた道だが、巡り巡って今、自分が求めている方向は違うものになってしまい、積極的にこの伝統に回帰するということもないのだが、
それは決して伝統を軽視しているというわけでもなく、表面には出てこなくても奥の方にしまい込んでいるような感覚は自覚しているし、さらに前の時代に
のめり込んでいたブルースの感覚はすっかり奥の奥まで染み込んじまって、何をもってしても洗い落とすことは不可という感じだ。
この染みついた特にブルースの感覚が、後のいろいろなJazzとの出会いの中で、当初は、白人系ミュージシャンの感性に拒否反応を出したりの悪さを
はたらくことになるのだが、逆に白人系ミュージシャンの音に関心を持ち始めると、その奥に潜んでいるブルースの感覚が邪魔になり、排除しようとする
心の葛藤があったりと、まあ厄介な代物だ。振り返ってみればJazzに入ってからの10年、15年は、そんな葛藤の繰り返しだったように思う。
まあ、その辺は話が長くなってしまうので、やめときますが、かつてよく聴いていた王道のJazzも、今は自分が求める方向性もだいぶ変わってしまい、聴く
機会も極端に減ってしまっては、いるのだが、それでも聴くことはあるし、強く反応するものもある。ただ、この反応するもの、しないものの違いは何なの
か、自分でもことばでは、うまく説明できないような部分だ。
本作の内容も、あまり書ける要素が無いといった内容ということもあり、話をヘンな方に引っ張ってしまったが、Price のギターは、技術面では何の不満も
無いのだが、音楽には反応できなかった。今回初となるオルガンの Pete Whitaker も同じような印象を持った。ただ、Whitaker については、あくまで
ギタリスト Nigel Price の音楽の中でのプレイなので、これが彼本来の感性であるのかはわからない。
本作も、仮に20年前、30年前に出会ったとしたら、その受取も全く違ったものだったと思うが、自分の感性も多くの新種の感性との出会いから、時の流れ
とともに変化してきており、それが生きるということだろう。

本作も、今現在の自分の求める方向性とは違うが、そこを離れてフラットな目で見れば、Jazzの王道を行くギター・オルガントリオとしては、上質の一枚に
なっているのではないだろうか。

JAZZ-guitar 182
Nigel Price

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Category: Other Instrument  

Machine Mass / INTI

 Michel Delville (g, Roland GR09, electronics)
 Tony Bianco (ds, loops, perc)
 Dave Liebman (ss,ts, wooden flute)
 Saba Tewelde (vocal-7)
 Recorded at Red Rock Recording Studios, Saylorsburg, PA(USA), October 10, 2012
 MJR060 (Moonjune) 2014
  1. INTI
  2. Centipede
  3. Lloyd
  4. In a Silent Way
  5. A Sight
  6. Utoma
  7. The Secret Place
  8. Elisabeth
  9. Voice

MachineMass-2.jpg

2011年の グループ“Machine Mass”としてのデビュー作”As Real As Thinking”からのメンバーであるドラマーの Tony Bianco とギタリスト
の Michel Delville に 新しくサックスに Dave Liebman 参加という、興味深い面々を揃えての2作目。
M4のおなじみZawinul曲を除いては、メンバーのオリジナルとなっている。

sax系とギターの入ったベースレストリオというつもりで、聴き初めたが、すぐ気がつくのは、けっこう生々しく入っているベースとキーボードのような音。
楽器クレジットには、表記されていないので、これはたぶん Tony Bianco の操作する loops によるものなのか?
彼ら3人のプレイによる生音とPCプログラミングなどを混合したサウンドには、全く違和感は無く、まずその点での高いレベルには、感心するものがある。
この手のものを非人間的なものとして拒否反応が出るという人も多いが、要は、それをいかに使っていくかというソフトの部分がカギであり、あくまで
使う人の問題で、結果もその音創りの姿勢に左右される。

形としては、メンバーからフリーなものもイメージするかもしれないが、完全フリーな部分はなく、至って真っ当な内容だ。コード数も抑えて、基本の
ところはシンプルに、その分ソロパートにより自由を求めたといった印象。

Tony Bianco のLoopsと終始、緊張感を持続させていくかのようなドラミングをベースとして、そこに絡んでいく Liebman のサックスと Delville の
ギターの奔放な動きからは、尽きることのないイマジネーションとともに、その音世界には、鋭利で精緻な構築美も感じられる。
Delville のギターのエフェクトも、曲調に合わせて単に音色に変化をつけるというレベルではなく、音楽表現の手段として自在に使いこなしている感も
あり、この辺は Bianco のLoopsの扱いと同じような感覚を覚え、3者の絡みも極めて高いレベルでの以心伝心が感じられる。

M4 “In a Silent Way” での和あるいはオリエンタルな質感もあるLiebmanの木笛そして一部、琵琶を思わせるようなDelvilleのギター、この緊張感
が持続していくスローな流れにゾクっときた。

M7 “The Secret Place”、vibを思わせるような音でスタート、そこにギターが絡んでいき、続いて中東でも思わせるようなラインの vocal が入り、独
特な美の世界が広がる。

等々、捨て曲なし、全編高密度の一枚になっている。もちろん私的には、星5つ。

JAZZ-other instrument 41
Machine Mass

Category: sax (第2期)  

David Murray / Ballads

DMballads.jpg  David Murray (ts)
  Dave Burrell (p)
  Fred Hopkins (b)
  Ralph Peterson Jr. (ds)

  Recorded at A&R Recording, New York in January, 1988
  DIW-840 (1990)

  1. Valley Talk
  2. Love in Resort
  3. Ballad for The Black Man
  4. Paradise Five
                      5. Lady in Black
                      6. Sarah’s Lament

David Murray(B1955)の Ballad集。同じ Murray のBallad集としては “Lovers” があるが、同メンバーで同時期に録音したものである。
本作は、Ballad集としてのタイトルもついているのだが、厳密に言うと、ラテンタッチで、Balladなのかな?といった曲など、2〜3入ってはいる。
もっとも Murray の場合は、Ballad の雰囲気でスタートしても、テーマからソロに入っていくと、ヒートするとともにしだいにテンポも速め、
奔放にブロウするといった展開も多く、そんな、あまり形にこだわらない自由なところも Murray らしさということなのだろう。

Murray曲3、Burrell曲2、Peterson曲1という内容。
人の受け取り方は様々だが、私的には、Murrayの Ballad の魅力は、アドリブ部分に凝縮されているように思う。これは Getz がテーマ部分
を、ただストレートに吹いただけで、それはもう見事な歌にしてしまうのとは、全く違った印象を覚える。
Murray の場合は、テーマからアドリブに入っていくとスイッチONになったように、音は自由に飛び、奔放なソロ展開となるのが彼のスタイル。
そんなエモーショナルに起伏ある展開も見せるのだが、そんな流れの中でも、決して己を見失うことない自らを俯瞰視する眼を持ち、ヒート
しつつも、クールに音をつなぐ、いい意味での冷めた制御機能も持ち合わせている。
また、音楽には、彼が黒人であるというルーツの部分を、常に感じさせる何かが流れており、それは聴き手の好みを分ける部分になっているの
かもしれないし、広く多くの人に受け入れられない部分ともなっているのかもしれない。
個性派というのは、すなわちそれを強く支持する人と嫌う人に大きく分かれ、中間層が比較的少ないといった傾向がある。どこの世界も
同じだな........................。

JAZZ-sax 90
David Murray

Category: piano (第3期)  

Jamie Saft / Loneliness Road

 LonelinessRoad-2.jpg

Jamie Saft (p)
Steve Swallow (eb)
Bobby Previte (ds)
Iggy Pop (voc - 4, 9, 12)

Recorded at Potterville International Sound, NY
RNR077 (RareNoise) 2017

01. Ten Nights
02. Little Harbor
03. Bookmaking
04. Don’t Lose Yourself w. Iggy Pop
05. Henbane
06. Pinkus
07. The Barrier
08. Nainsook
09. Loneliness Road w. Iggy Pop
10. Unclouded Moon
11. Gates
12. Everyday w. Iggy Pop

各種キーボードのプレイヤーとしての顔以外にも作曲、プロデュース、エンジニア............加えて振り幅の広い音楽と、マルチな才能も感じさせる
Jamie Saft(ジェイミー・サフト)のRareNoise からの同メンバーによる 2014年作 “The New Standard” に次ぐ2作目。
今回は、その基本のトリオに Iggy Pop(voc) がゲスト参加。その3曲の参加曲が Saft と Pop の共作、他は全て Saft のオリジナルとなっている。

フリー系ミュージシャンとの交流も多く、その創り出す音楽も、ひとひねりある屈折したものも感じさせる Saft だが、前作では、意表をついて、4ビート
でストレートに押すプレイに、逆に新鮮な何かも感じさせる魅力の一枚になっていたのだが、本作も冒頭曲から4ビートでグイグイ引っ張る展開には、
爽快感すらある。このトレモロなどの使い方には、感性としては違うが、どこかMcCoy Tynerや Harold Mabern、日本だと本田竹曠などにもどこか
通じるような形も感じられるが、何かそんな、今では少数派となったスタイルも懐かしくも新鮮に感じられるところなのかもしれない。
アルバムの冒頭曲だけに、4ビートの印象も強くなってしまうが、全体のつくりとしては、他にストレートに4ビートでやっているものは1曲のみ、その他、
バラード風、スローブルース、Pop が入ったボーカルナンバーなどバラエティーある内容となっているのだが、特にスローな展開のナンバーなどに、
微妙に漂うスピリチュアルなテイストが、本作における Saft のピアノに流れており、後で思い出した時にそれが本作のイメージにもつながっている
ようにも思う。このスピリチュアルというのも、昔、よく聴かれたものだが、それをそのまま持ち出してきたわけでもなく、あくまで今を生きる Saft の
現代の感覚を通して処理されてきたものなので、そこに古くさいものは無く、その音楽からは、伝統的なものと今をとりまく現代的なものからの取捨
選択、そしてマルチな活動を通してきた Saft のオーソドックスに4ビートをやっても、けっして平凡にしないといったセンスも感じられるのだ。

フリー系の曲者との絡みから、いかがわしくもダーク、ダーティーといった響き、時には解析不能となるような衝撃波まで繰り出してくる Saft だが、
このユニットに関しては、前作もそうだったが、比較的オーソドックスにノーマルに真っ当な攻めをするという位置づけのユニットのようだ。
他作での Previte のドラミングがインプットされている自分には、別人に聴こえてしまうような、真っ当さだw

某ショップの、新譜紹介欄には、Saft の担当楽器として organ もクレジットされていたので、その辺も楽しみにしていたのだが、何度か繰り返したが、
organ らしき音は、確認できなかった。また、ジャケットの方にも organ のクレジットは、確認できなかった。

その他の Jamie Saft 関連作は → こちらから

JAZZ-organ 90
Jamie Saft    

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