前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 01 2017

Category: sax (第2期)  

David Fettmann / Ruby Project

  David Fettmann (as)
  Guillaum Naud (org)
  Jonathan Blake (ds)

  Recorded in September 2014 by Nicolas Charlier at Studio des Egreffins(Videlles)
  DMCHR71150 (DoubleMoon) 2015

  1. Pop 1
  2. Lecha Dodi
  3. Before
  4. Maoz Tzur
  5. Pontoise
                      6. Abi Gezunt
                      7. Kabanos Time
                      8. Avinu Malkeinu
                      9. Phoenix           All compositions by David Fettmann, except 2, 4, 6, 8

リーダーでasの David Fettmann は、フランスのオルガニスト Matthieu Marthouret の”Upbeats” に1曲ゲスト参加しており、記事歴はあるのだが、
1曲のみ参加で、彼目当てでのゲットではなかったこともあり、ほとんど記憶には残っていない。
本作ゲットのきっかけとなったのは、未聴のオルガニスト Guillaum Naud が参加していたこと。
未聴で若手というのは、知らない新しい感性に出会うことを1つの目的としている自分にとっては、最も求めるパターンであり、ましてドラムスに
Jonathan Blake の参加、曲目などの状況から、おぼろげながら、おおよそ求める方向性の音楽も予想できるとなれば、尚更のことである。

一聴してみれば、旧時代を引きずった感もなく、求めていた今の空気感も溢れたコンテンポラリーサウンドになっており、まずは一安心。

Fettmann のasは、特別に先端寄りで先進感もある音というものはなく、あくまで今の時代の中庸を行くといった感性。したがって、その音楽も、小難しい
要素も一切なく、よく歌うアルトは、余計なことも考えずに気持よく聴いていられるといった印象の一枚に仕上がっている。
通常、こういった感じだと、もうちょっと捻ったところもなどと、多少の物足りなさも伴うものだが、不思議とその辺の感覚がないのも、センスと言ってしま
えば、そういうことなのだが、言葉では説明のできない部分だ。

情報不足ではっきりした経歴等は、わからないが、名前からフランス系と思われるオルガンの Guillaum Naud も、そのクォリティは高い。先進感という
点では、中庸を行くリーダーよりも、先をゆく部分もあり、ノーマル路線のリーダー Fettmann の作に、ほんのわずかではあるが、新しいテイストをプラス
してアルバム全体としてフレッシュな印象にしたとも思えるところは見逃せない。
これまで、現代Jazz Organシーンの中心となっていた Larry Goldings、 Sam Yahel、 Gary Versace............など主に米国系のコンテンポラリーオルガ
ニストが、そのオルガニストとしてのリーダー作リリース頻度が極端に落ちているという状況もある中、こういった今の感性を持った若手オルガニストに
出会える機会があったことは、その停滞感に不満を持ちつつ現代のJazz Organシーンをずっと見てきた自分としては、何にも代え難い収穫なのである。

本作は、難しい要素一切なし、オルガン参加のJazzとしては、今の時代のスタンダードなJazzとして、コジャレ感、粋にスイングする曲、哀感溢れた曲など
バラエティに富んだ楽しめる一枚となっており、3者のセンスも感じられるが、そんな活力ある音楽としているのも Jonathan Blake の貢献度大とも感じる。

M6 “Abi Gezunt” の Fettmann の哀感あるアルトのライン、鋭い切り込みも見せる Naud のオルガン、多彩なショットの Blake のドラムスなど、
コジャレたラテンタッチで、なかなか盛り上がる。

JAZZ-Sax 81
David Fettmann


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Category: sax (第2期)  

Archie Shepp / I Didn't Know about You

  Archie Shepp (ts, as, vo)
  Horace Parlan(p)
  Wayne Dockery (b)
  George Brown (ds)

  Recorded November 6, 1990, Munchen, Germany
  CDSJP370 (Timeless) 1991

  1.Go Down Moses (Let My People Go)
  2.I Didn't Know about You
  3.Billie's Bossa
                      4.Hot House
                      5.The Good Life
                      6.Now's The Time
                      7.Ask Me Now
                      8.Party Time

ドス黒く深い哀感がうず巻く

時の流れとともに、それぞれの時代の新しい空気に触れ、また、それまで出会うことのなかった新種の感性との出会いなどを通し、自分の感性の変化、
そして好みの変化もあり、聴く音楽の方向性も徐々に変わってきてはいるのだが、そんな変化の流れの中にあっても、変わることなく、時々は聴かないと
どうにもおさまりがつかないという Archie Shepp。その音楽には、時代の流れに左右されない普遍性と根っこのところにはトラディショナルな響き、
そしてさらに突き詰めていった先には、消し去ることのできない濃厚な Blues の血も感じられる。
あのドギツくペイントしたシャレコウベのジャケットでも、おなじみのインパルス時代からのつき合いだから、もう長い。特に腐れ縁というわけでもないが、
何か心に響くものもあり、その特異な呪術的響きには、常習性もあるからなのだが、今回もなぜか無性に聴きたくなっちまった1曲があり、久しぶりの
蔵出しとなった。

"Go Down Moses (Let My People Go)"

ピアノでもなく、ギターでもなく、トランペット、いやアルトでもなく、なぜかテナーの Ballad に心惹かれていた時代に出会った Archie Shepp
の一曲は、スピリチュアル色も濃厚な "Go Down Moses"。
この曲、Balladという範疇に入れていいものなのか、迷うところだが、もしBalladの定義を「心に温もりの灯がともるような」とするならば、
それはもうりっぱなBalladだろう。

このアルバムに出会った頃というのは、楽器ごとに聴くものが集中してしまう悪癖があった時代で、しばらくSaxから遠ざかっていた時期、
Stan Getz のラストアルバム"People Time"(別頁あり)との出会いをきっかけに、再びSaxを聴くようになった頃だったと記憶している。
それ以前、第一期Sax期と言える時代にフリージャズに手を染めていた Shepp が好きだった自分には、久しぶりの再会となった。
この頃のSheppには、かつて破壊してきた伝統の再創造とも思えるような今のSheppに繋がっていく下地がすでに出来上がっていた。
そして特に魅せられた冒頭の1曲 "Go Down Moses" だが、むせかえるような体臭もほとばしる濃厚なShepp節が炸裂する。
特にイン・テンポになったあたりからの泣く子も黙るドスの利いた凄みすら感じるテナー。そしてその背後に渦を巻くように流れるドス黒く
深い哀感、これはもうSheppだからこその世界で、この味を出せるテナーは、他にはいない。自分がSheppのテナーに惹かれるのも、多分に
この部分が関わっているのは間違いないだろう。

             

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JAZZ-sax 80
Archie Shepp

Category: Gallery > Photo  

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Gallery-photo-219

Category: guitar (第2期)  

Gene Ess / Absurdist Theater

  Gene Ess (g, synth, compositions)
  Thana Alexa (voice, lyrics)
  Manuel Valera (p, key)
  Yasushi Nakamura (ab, eb)
  Clarence Penn (ds)

  Recorded March 5 & 6, 2016 at Bunker Studio, Brooklyn, NYC
  SIMP 160901 (2016)

  1. Out of the Ashes
  2. Circe’s Compassion
  3. Jade Stones
                          4. Kunai
                          5. Torii (The Gate)
                          6. Forkball (for Ornette)
                          7. Dejala Que Pase
                          8. Upward and Onward!

沖縄育ちでバークリー卒、現在はNYを拠点として活動する日本人ジャズギタリスト Gene Ess の新作。全曲自身の手によるオリジナル。

Gene Ess に関しては、10年程前からのボーカルを入れてないものに関しては比較的好印象を持っていたのだが、こうして Thana Alexa のボーカルを
入れてからの音楽を聴くのは、今回初めて。
一通り聴いてみれば、Thana Alexa のボーカルというよりは、ほとんどスキャットを多用したボイスという感じで、もちろん歌詞が入るものもあるのだが、
楽器と同じような位置づけで考えてよい扱いだ。
Thana のボイスは、高音域が印象的で伸びも良く、技術面でもハイレベルを感じさせるものもあり、本作のカラーを決定ずけているとも思える露出の
多さなど、Thanaを1トップに据えての形との印象。他のメンバーに関しても腕達者揃いで、楽曲そのものの魅力も含め、音楽としては、よくまとまって
いるとも感じるのだが、久しぶりで期待もあったこの Gene Ess の音楽は、私的好みからは、ちょっと外れた方向にいってしまった感もある。
そんな風に感じるのも、この高音域を駆使して爽やか感もある Thana Alexa のスキャットを生かした音楽のあり方とその質感。この辺は、音楽の良し
悪しというよりも、もう全くの好みの世界。この質感が、些細な事ではあるのだが、昔、フローラ・プリムが入っていた頃の “Return to Forever” をわず
かにイメージさせられてしまう部分があるのが、気になってしまった。こういう事は、一度気になり出したら、最後までつきまとってしまい、何だか、あの
ジャケットの大海原を飛ぶカモメまて゜目に浮かんできてしまう。
トータルに見れば、哀愁溢れるラインの曲や、心地良い4ビートにのっての鮮やかなギターソロ、あるいは、ハードな盛り上がりを見せる曲.........等々、
けっして、前述の負のイメージのカラー1色で染まっているわけでもなく、バラエティーある内容なのだが、それだけ “Return to Forever” のあの
サウンドが肌に合わなかったということなのだろう。そんな極部分的なイメージが、アルバム全体のイメージまで左右してしまうというのは、何とも
運の悪いアルバムともいえるのだが、聴いた人が悪かったということで諦めてもらうしかない。

そんなちょっとしたトラブルは、あったものの、フラットな目で見れば、それなりに見所もあり、今後に期待させられるところもあったのだが、特に Gene
Ess のギター、Thana Alexa のVocal には、光るものがあった。

リーダーの Gene Ess について、本作では、ギタリストとして先頭に立ち引っ張るという感じでもなく、コンポジション重視といった印象もあり、 あくまで
Thana をメインに据えての形をとっているため、彼女の感性が音楽全体のイメージを決めてしまっているといった印象もあるのだが、それだけに Gene の
コンポジションとともに Thana の個性の強さも伝わってくる。
ただ、そんな中でも、時折、入れてくる Gene のギターソロは、他のブルックリン系ギタリストとは、また一味違った魅力を放っており、やはりこの辺は、
血の部分も関係しているのだろうか、繊細で鮮やかなギターから放たれるラインには、熟成された音を感じる。
唯一のギタートリオ編成での M6 “Forkball” などを聴いていると、全編こんな調子でやってくれたら、どれほど魅力の盤になっていたことかと思ってしまう。
それだけ魅力も秘めたギタリストということでもあり、できれば次回は、ぜひ本作とは、違う形でお目にかかりたいものだが、その辺は Thana Alexa にも
同じような印象を持ち、現在の Vocalシーンでは、少数派とも言えるスタイルには、未知の可能性といったものも感じられ、次のステップでは、自身名義の
アルバムで、自身のやりたいようにやった音楽の中で聴いてみたいと思わせるものもある。

キューバ出身のピアニスト Manuel Valera については、これまでにも何度か聴いてはいるが、やはりどうも肌に合わない。なかなかのテクニシャンだが、
音楽からまずテクニシャンと感じてしまうのは、そこに何か足りないものがあるからといった漠然とした感覚を持っている。技術は、言わば音楽をつくるため
の道具、それをどう使うかというソフトの部分こそが全ての源であり、自分の好みを分ける基準もその部分のウェイトが極めて大きい。本作がアルバムとして
いまいち満足できないのも、このあたりの私的好みが多少関係したのかもしれない。

JAZZ-guitar 176
Gene Ess

Category: Gallery > Photo  

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      よく使う散策エリアには、いくつかのネコスポットをおさえてあり、
      出会った時は、ちょっかいを出すなり、一応コミュニケーションをとってはいるのだが、
      この寒い時期、家の中でヌクヌクゴロゴロしてることも多いのか、外でネコに出会うことも、めっきり減っちまった。
      んで、久しぶりに出会ったヤツ。
      腹回りもちょっとダブついてるし...........少しは動いて、シェイプアップせんとあかんよ!

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Category: guitar (第2期)  

Tisziji Munoz / Love Always (Spirit of The Ancient Masters)

  Tisziji Munoz (g,synth)
  Dave Liebman (ts-7)
  Pharoah Sanders (ts-8)
  Ravi Coltrane (ts-9)
  Paul Shaffer (key-1,4)
  Bernie Senensky (p-2,3,5,6.7,8,10)
  Dennis Irwin (b-1)
  Rasto Harris (b-1)
  Don Pate (b-2,3,4,6,7,8,10)
  Cecil McBee (b-7)
  Guillermo Cantu (ds-1)
  Bob Moses (ds-2,3,6,10)
                      Rashied Ali (ds-4,7,8)
                      Adam Nussbaum (cymbals-1)

                      Recorded January 29,1982 〜 December 9, 2000
                      COCB-53596 (2006)

                      01. Song for All Children
                      02. Seven Steps to Heaven
                      03. All Blues
                      04. Blessings
                      05. Summer of ‘42
                      06. Breaking The Wheel of Life and Death
                      07. Happy Sadness
                      08. Purification by Fire
                      09. Offering of Love
                      10. Love is When You Let It Be

昨年、John Medeski 集中聴きということで、その関連作を記事とした中で、Medeski とは、蜜な関係もあるギタリスト Tisziji Munoz(B1946 ティシー
ジ・ムニョス)の作をいくつか記事としたが、そんな流れもあり、Medeski 接触以前の Munoz もあらためて聴いてみたくなり、久しぶりに引っぱり出してみた。
年の初めにふさわしい重みもある一枚だ。

70年代に Pharoah Sanders のグループに参加していたことがあったが、その後、消息がつかめない時期があったり、名前を使わず名字(Munoz)だけで
の活動などで、何かとなぞの多いギタリストだった Tisziji Munoz ですが、本作は、Munoz が自ら設立した 「Anami Music」なるレーベルに自主制作と
して残した、一般にはほとんど入手困難だった多くの音源の中から選曲し、アルバムとしたもので、先鋭的ギタリストでもある Jim Orourke(B1969)自らが
立ち上げたレーベル「社会人」の第一弾としてリリースされたもので、Orourke も大きく関わっている。

元々、自主制作としてマイナーな存在だった音源ながら、Pharoah Sanders、Dave Liebman、Cecil McBee、Bob Moses、そして後期Coltraneを
支えたRashied Ali 等々、そうそうたるメンバーが名を連ねており、一般には知名度も低かった Munoz だが、一目置かれる存在であったこともうかがえる。

幼少時の左手首神経損傷の事故もあり、コードプレイが不可というハンデの中から編み出されたシングルトーンによるプレイスタイルは、プエルトリコ系と
いった血の部分、そして他のギタリストをほとんど聴くことなく過ごしてきたといったことも関係しているのか、他のギタリストでは、あまり類を見ない独特の
感性を見せており、そのラインからは、Sax奏者のそれがイメージされる。この辺は Coltrane の存在も関係しているのか。
本作の全10曲も、過去の多くのレコーディングから、ピックアップされたものだけに、濃いものが揃っている。
雑多な要素が入り交じり、ギターの音は歪み、プレイは激しく、時には攻撃的とすら感じるのだが、そんな表面上のヨゴレ成分も含んだテイストとは相反し、
音楽には何かピュアなものとともに、目の前が拓けて来るような一種の清々しさも感じられるのは、ことばでは説明不可の部分だ。

その他の Tisziji Munoz 関連作は → こちらから

JAZZ-guitar 175
Tisziji Munoz

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