前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 07 2015

Category: guitar (第2期)  

Liberty Ellman / Tactiles

  Liberty Ellman (g)
  Mark Shim (ts)
  Greg Osby (as - 3, 7, 8)
  Stephan Crump (b)
  Eric Harland (ds)

  Recorded Orange Music Sound Studio, West Orange, NJ April 30, May 1 and May 9, 2003
  PI08 (PI Recordings)

  1. Excavation
  2. Clean is Rich
                     3. Temporary Aid
                     4. Helios
                     5. Rare Birds
                     6. Body Art
                     7. How Many Texts
                     8. Ultraviolet
                     9. Post Approval

活動年数に比してリーダー作が少なく、好みのギタリストではあるのだが、情報不足もあり、いまいち今現在の彼の状況がつかめないといったフリー寄りの
個性派ギタリスト Liberty Ellman(B1971)ですが、先日聴いた Myra Melfordの新作 “Snowy Egret” での Ellmanが良かったこともあり、しばらく
ご無沙汰していた本作を引っぱり出して、あらためて聴いてみた。
本作は “Orthodoxy(1998)” に続く2作目となるもの。自分が知ってる限りでは、この後2006年の “Ophiuchus Butterfly” を加えて3作しかない。
なので、リーダー作としては、もう9年も新作を出していないという、謎のギタリストでもあるのだが、そんなところがまた余計に気になるところなのかも
しれない。私的には、他にHenry Threadgill 作への参加などでも知ってはいるが、そろそろ自分の色を全面的に出したリーダー作をぜひ出してもらいたい
という才能だ。

楽曲は、全てEllmanの手による全9曲という内容。
こうして、あらためてじっくり聴いてみると、購入当時の印象とはだいぶ自分の受け取る印象も変わっていることに我ながら驚く。本作と出会ってからの
約10年間、特に時代とシンクロしたコンテンポラリー系のギタリストとの数多く出会いがあり、時代の流れとともに、その流れの様を見てきたことになるのだが、
そうした多くのコンポラ系ギタリストも、一人一人見るならば、それぞれの個性やらスタイルなどの違いはあるものの、大枠でとらえるならば、そこにおぼろげ
ながら共通のことばらしきものもあり、特にKurt Rosenwinkel以降のそこから派生したと思われる流れは、今現在のコンポラ系と言われるギターの中心となっ
て、流れをつくり出す、大きな力ともなっているのだが、Ellmanのギターには、彼らに共通するような言ってみれば”流行ことば”の類いのものは感じられず、
そういった感性の質的な面では、多くのコンポラ系ギタリストとは一線を画す異質な感性と受け取ることができる。今、こうしてあらためて彼の音に接すると、
この10年程の間にその “流行ことば” に慣れてしまった耳には新鮮かつ魅力的に聴こえてくるのである。これほどの受け取りは当時の感覚では無かった。
なので放置した期間も長かった。そのダークで妥協のない無機質感が美しくも心地良いものとして受け取れるのである。感性が病んだ結果か(笑)、はたまた進化
した結果か、いずれにしても受け取る感覚が変化していることは確か。変化を求めて聴いてきたわけだから、その点では、喜んでいいのだろう。
まあ、理屈はともかく、その無表情に血の通わない音を繰り出してくるシゴトぶりがカッコいい。この様をあたかも「機械的、人間味が無い」として嫌った時期も
昔はあったような気もするが、その部分をコントロールしているのは、あくまで彼のある意味ホットな心の部分、機械が出している音と歴然として違うのはその
部分。今は、そんな受け取りをしている。

勝手に決めつけてしまうのも良くないが、これまでの彼の活動状況から、一般に言うところのコンテンポラリー系といった枠には収まりきれず、かといって
Marc Ducretのような完全フリーも多くこなすというタイプでもなく、その中間の微妙なあたりが彼にとってのシゴト場となっていることが多いように思う。
本作も形の上では、フリーの要素は無いものの、感性面では、彼のギターからはフリー系奏者のそれに近い響きを聴き取ることができ、その辺が本作の大きな
魅力ともなっており、いずれのメンバーのプレイのクォリティは高く、それらが有機的に絡み、全体としての好結果につながっている。
媚びることを一切拒否したかのような無表情でカッティングエッジ感あるラインを紡ぎ出すEllmanのギター、間に挟んでくるコードの響きも超クール。
そしてHarlandの絶妙の間でのプッシュ、M3 “Temporary Aid” のバラードで見せるOsbyのゆらめくような妖しい美................などなど聴きどころは満載だ。

しばらく前の記事、”Ananda Gari / T-Duality” で典型的なコンテンポラリー系ギタリストとしての感性を持った Rez Abbasi が、フリー寄りのメンバー
の中に入り、覚醒したかのようなプレイを見せており、また、しばらく前にポーランドの Maciek Grzywacz やポルトガルの Mario Delgado のプレイの
一部の曲で同じような感覚を味わい、心ひかれたこともあったが、あらためて思うのは、このコンポラ系の中心からは、やや外れたエリアのギタリストの感性が
非常に新鮮に耳に入ってくるという状況は、それだけ普段、耳にすることも多いコンポラ系ギタリストにある種のマンネリ感あるいは、近い将来、何か成果を
出すほどの可能性といった点で、物足りなさを感じていることの裏返しともとれるのかもしれない。そういった状況を考えれば、この微妙なエリアを私的要注意
スポットとして、今後、監視体制の強化をしなければならないようだ。

JAZZ-guitar 145

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201507-3

               

               カエルには、不思議と、よく出会う。
               それはそれで、大変結構なことなのだが、
               ということは、これを狙うあの長いヤツにとっても
               居心地のいい環境ということなんだよね(苦笑)

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Category: piano (第3期)  

Myra Melford / Snowy Egret

  Myra Melford (p, melodica)
  Ron Miles (cornet)
  Liberty Ellman (g)
  Stomu Takeishi (bass guitar)
  Tyshawn Sorey (ds)

  Recorded December 2013 at Stadiumred, New York
  YEB-7752 (yellowbird) 2015

  01. Language
                     02. Night of Sorrow
                     03. Promised Land
                     04. Ching Ching
                     05. The Kitchen
                     06. Times of Sleep and Fate
                     07. Little Pockets
                     08. First Protest
                     09. The Virgin of Guadalupe
                     10. The Strawberry        All composisions by Myra Melford

フリー寄りのエリアで、ずっと活動してきているピアニスト Myra Melford は、波長の合う部分もあり、つき合いも長い。
このメンバーで “Snowy Egret” としてのの活動は2012年頃からだが、アルバムリリースとしては、本作が初ということで、どんなことになってるのか楽しみ
です。内容は、彼女がウルグァイ人ジャーナリスト Eduardo Galieano(1940 - 2015)の著書 “Memory of Fire trilogy(火の記憶)” からインスパイアされて
つくり上げた全10曲。

さて本作、私的に注目していたのが、リーダー作も少なく、なかなか正体がつかめていないという謎の多いギタリストでもある Liberty Ellman(B1971) の参加。
その Ellman が、冒頭1曲目から斬新なソロを聴かせてくれ、テンションは、一気に跳ね上がった。普段、耳にすることも多いコンポラ系ギタリストのしゃべり
とは違った語り口が新鮮に耳に入ってくる。しばらく放置してあった盤も再チェックしなれけばなるまい。

Myraの若い頃は、フリーのピアニストとして、力技で結構激しく攻めるプレイも見せていたが、近年の特にこのぐらいの編成のものになると、自身のピアニスト
という部分は抑えめに、コンポーザーという部分にややシフトして、グループのトータルなサウンドを重視するといった傾向もあり、本作においても、それぞれ
のソロももちろん入るが、それは、あくまでグループとしてのトータルなサウンドの一部分であり、緻密にコントロールされたアンサンブルの流れは、多様な
表情を描き出している。
自身のピアノとともにmelodica、そして一癖も二癖もある個性派役者を巧みに操り、魅力ある音の表情を生み出す彼女の演出は、冴えを見せる。
彼女のアルバムには、甘美とも思えるラインが入ることもよくあるのだが、本作においても、一種の怪しさ、いかがわしさ(悪い意味ではなく)を振りまく武石の
ベースが、アルバムをトータルに見ると、その甘美なラインにカウンターをあてるように甘くなり過ぎるのを抑え、キリっと辛口にしているようにも感じられる
のだが、その辺もMyraの計算と見るのは、考え過ぎであろうか。
最後に一転して濃厚なブルースフィーリングを振りまくイントロを持ってきたのも彼女らしい。


            
            Myra Melford: Piano
            Ron Miles: Cornet
            Liberty Ellman: Guitar
            Stomu Takeishi: Bass
            Tyshawn Sorey: Drums
            Performing on the Jay Pritzker Pavilion, August 29th, 2014

その他の Myra Melford 関連記事は → こちらから

JAZZ-piano 86
Myra Melford

Category: Gallery > Photo  

201507-2

       

       ちょっと前に車にひかれたシロマダラに出会ったばかりだったが、またまた出会っちまった。
       それにしても、車もほとんど通らないようなとこなのに、よっぽど運の悪いヤツだね。
       このヤマカガシは、一般には毒蛇として認識されてないが、
       マムシほどの強毒性はないものの、無毒ではない。咬まれれば、えらい目にあうことになる。
       今年はヘビの当たり年ってかぁ、いやだねぇ。
       マムシに出会うのだけは、なんとか避けたいもんだ。

Gallery-photo-123

Category: guitar (第2期)  

Charlie Apicella & Iron City / Big Boss

  Charlie Apicella (g)
  Dan Kostelnik (organ)
  Alan Korzin (ds)
  Freddie Hendrix (tp)
  Stephen Riley (ts)
  Mayra Casales (congas)
  Amy Bateman (violin - 6)

  ZM201405 (zoho) 2014

  1. I Hear A Symphony
                     2. Idris
                     3. In The Grass
                     4. Big Boss
                     5. Spoonful
                     6. Amalfi
                     7. The Selma March
                     8. Sunday Mornin'

Charlie Apicella(g)をリーダーとするギター・オルガントリオを軸として、曲により数人が絡むという一遍。
内容は、Apicella曲4、Grant Green曲2、他2曲。

メンバーは、オルガンのDan Kostelnik (We Three/The Drivin’ Beat)で記事あり)以外は、初対面となるのだが、ジャケットや曲名の雰囲気、あるいは、
Green曲が含まれることなどから、今、自分が求める方向の音楽でないことは、それとなく予想もできるのだが...................

リーダーのギタリスト Charlie Apicella は、ジャケ写で見る限り、20代?とも思えるほど若そうなこと、昨年(2014年)リリースの盤なので、いくら伝統の
スタイルを基本としているらしいとは言え、そこは今時の若手ギタリスト、当然、今の感覚も持ち合わせているのだろうなどと、何が飛び出すのかといった
初対面のワクワク感とともに音出ししてみたのだが.............
サウンド、スタイルは、半世紀も前の盤かと思うほどのレトロ感。
技術面でも、どうも安心して聴かせてもらえないような、かすかな不安定さも感じてしまうような場面もあり、どうもこれはいけません。
マイナー、B級、二流..............といった華やかさからは遠い雰囲気は好きだが、本作はどうもリアルだったようだ。

未知の魅力ある感性に出会うことも大きな目的としている当方としては、自然、初対面となるミュージシャンのCDも多くなる。そしてその何が飛び出してくる
かわからないワクワク感もCDゲット時の楽しみとしており、その部分に対価としての代金を支払う意味も全てではないがあると考えている。
なので、そのワクワク、ドキドキ感を目一杯楽しむためにも、原則、試聴しない、レビューなど余計な情報は入れないで、過去の経験のみのまっさらな状態で
事に当たるのを基本としている。メンバー、録音年、それにできれば曲目、購入前の情報としては、これで十分だ。
博打買いだ。そして博打には、アタリハズレはつきものということで、本作のように見事にハズすことも多い。確率的にアタリは少ない、やはりハズすことの
方が圧倒的に多い。まあ、それはリスク覚悟でという部分もあり、避けられないことではあるのだが、経験上、そのリスクを避けるといい出会いも少なくなる。
ハイリスク・ハイリターンということだ。
これは、ミュージシャンの生き方などにも同じようなことが言えるが、若い頃チャレンジングな活動をしていたミュージシャンが、ある程度、名声を得ると
守りに入り、無意識のうちにリスクを避け、音作りの姿勢が変わってしまうというような場合が往々にしてある。当然のことながら、姿勢の変化は最終的に
音として正直に現れ、当初の輝きを失ってしまうというような光景は、繰り返し出会ってきたことである。
何事にも、初心を忘れることなく、リスクを恐れず攻める気持ち、これが無いと得るものは無い。

内容的に書ける中味もなかったので、話がヘンな方に向いちまったが、
博打は、やはりやめられんだろうなあ、出会ったことのない新しく魅力ある感性との出会いを求める気持ち、ここで勝負する気がなくなったら、それはJazzから
離れる時だろう。

JAZZ-guitar 144

Category: Gallery > Photo  

201507-1

       

       あまりお目にかかりたくはないが、不思議とよく遭遇してしまうヤツ。
       毎度、突然に現れるので、バタバタしてるうちに、ほとんどの場合、シヤッターチャンスを逃してしまうのだが、
       ごらんの通り、道路横断中、運悪く車にでもひかれたのか、今回は、写真におさめることができたw
       体色が変化してしまっているが、斑点模様の状態からして、ほぼシロマダラに間違いないと思う。
       出会うのはまれと言われる非常にめずらしいヘビだ。ラッキーと言えるのか?
       先日も、結構大きめのヤマカガシが、まさにヒキガエルを飲み込もうとしている場面に出くわしてしまったが、
       時折、マムシや大型の殺人バチ(大スズメバチ)など極めてキケンなヤツに遭遇することもめずらしくなく、気が抜けない。
       また、ちょっと気がつかないくらい小さなサイズでも、食いついたらはなさないマダニや昨年騒ぎとなったデング熱を媒介する
       ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)など、重大な結果につながる危険生物もウジャウジャいる。
       っと、「お前はどんだけ田舎におるんじゃ?」などと言われてしまいそうだが(苦笑)...................


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Category: sax (第2期)  

Jon De Lucia Group / Face no Face

  Jon De Lucia (as, ss)
  Nir Felder (g)
  Leo Genovese (p)
  Garth Stevenson (b)
  Ziv Ravitz (ds, bells)
  Sumie Kaneko (koto & shamisen - track 5 only)

  JM 506-001 (Jonji Music) 2006

  1. The Glass Bead Game
  2. Emptiness
                     3. Really
                     4. Amir, The Brain Kid
                     5. Edo Komoriuta
                     6. Yugen
                     7. The Open Eye
                     8. I Wish I Knew

先日、Nir Felder のライブがあったこともあり、特に予習というわけでもないが、ちょっと耳ならしに彼の関連作などをいくつか聴いていたので、ついでに
1枚、記事としておきます。
本作も購入当時は、Nir Felder参加が購入のきっかけとなっているのだが、そのFelder以外は購入時点では、全員知らない面々、しかも若手らしいという
ことで、こういうパターンは、知らない感性との出会いを求める自分にとっては、何が飛び出すかわからないワクワク感もあり、望むパターンということで、
けっこうな期待感とともにゲットしたのを記憶している。その後ピアノのLeo Genoveseは、Esperanza Spalding関連作で、ドラムスのZiv Ravitzは、
生で聴く機会もあり、いずれも将来性ある才能との印象を持っている。

さて、このリーダーとなっている Jon De Lucia、英語圏ではないような名前とともに、曲名に日本をイメージさせるようなものが混入していたり、楽器編成
にも和の楽器がクレジットされていたりということで、購入時点では、そのキワモノ的イメージへの多少の不安もありましたが、聴いてみればコンテンポラリー
系のサックス奏者として極めて真っ当な音を出してます。しかも個性もしっかり備わってます。
Greg Osbyに指事した過去があるようで、なるほどそんな匂いも漂わせています。
FelderもOsbyとは共演も多いということで、本作へのFelder参加もそのOsbyつながりということで実現したんでしょうか?、あるいはこれがきっかけで
Osbyとつながったのか?、まあそんなところでしょう、たぶん。
特にアルトでは、速いフレーズを多用するという奏者も多く、その辺が、速射性に優れたアルトの一つの魅力とも言えますが、このLuciaは、そういったタイプ
ではなさそうです。決して極端ではないが、ややダーク寄りの屈折感と妖しさある感性は、なかなかいい塩梅、共演者としてNir Felderを選択しているのも
うなずけます。表舞台には、Jon De Luciaというな名は、ほとんど上がってきませんが、一般受けしないんでしょうね、たぶん。もったいないことです。
アルゼンチンのピアニストLeo Genoveseの生きのいいプレイも光る。

本作でのNir Felder、シーンにデビューして間もない頃ということもあるのか、勢いがあります。多少の荒さはものともしない個性の強いプレイぶりが、若さと
ともに可能性を感じさせる。この頃の尖ったラフさもあるギターワークを聴いていると、今現在の彼のプレイも多少丸くなったとの印象も持ちますが、それは
洗練された、あるいは進化したことによる結果なのか、その辺はまだちょっと判断しかねてます。
いずれにしても、自分の色が出やすいリーダー作が、一般ウケの悪かったデビュー作しかなく、参加作だけでは彼のギターを知る材料としては物足りないことも
あり、次のリーダー作が、待ち遠しいところでもある。

ということで、判断材料も少ない今現在の彼を知る上で、またとないチャンスでもあり無理もある状況でしたが、Nir Felder Trio ライブ 行ってきました。
メンバーは、Nir Felder(g) Orlando Le Fleming(b) Jimmy Macbride(ds)。
結論から言ってしまえば、目の前の現在の彼のギターには、共感できない部分が多々あったが、同時に今後の変化しだいで大きな可能性も感じられたという
のが率直な感想です。ある程度予想はしてましたが、らしいです。
嵐のようなフレーズがのべつ幕無し持続するという展開があまりにも多く、まだ耳慣れしてない最初の1〜2曲は、スゲーっ、てな感じで見てましたが、これが
全編これとなると、その単調な展開に正直飽きる。これは、極端ではないにしろ、現在のコンポラ系の他のギタリストにも少なからず見られる傾向で、時代の
流れとも言えるのかもしれないが、緩急の使い分けを、表現に取り入れることができれば、音楽もより豊かなものになるとも思える。緩があって急が生きる、
急があって緩が生きるというものだろう。いくら160kの球でも、そればかりで押したら、目も慣れて速さも感じなくなり打たれてしまう。世の中、他の多くの
ことにも共通してることだが、この出し入れをいかにコントロールできるかが、シゴトのクォリティに関わってくる。
音楽の質感としては、どこか西海岸も感じさせるカラっと明るめのテイストで、その辺は昨年リリースのデビュー盤にも通じるようなものもあるのだが、音楽
の方向性は、グループとしてトータルなサウンドで勝負といった感じでもなく、それはトリオという編成がそうさせたと見ることもできるが、常にFelderが先頭
に立って引っ張るワンマン性の強いものと感じた。

高いポテンシャルも感じるNir Felder、おそらく自身もこの現状を良しとは思っていないはず、私的にも、これを模索そして過程のものとして受け止めたい。
ここを突き抜けた先に、いったい何が出てくるのか、そんな期待も持たされる生でもあった。
自分の好みに大きく関わるという感性面では、参加作で時に見られる妖しい質感を感じるような場面はなく、明るいとまではいかなくとも、そこそこ明るい
イケイケのプレイぶり、全くの私的好みで言えば、アーティストとしては、ダークなアウトローであってほしいなどと思っていたのだが、実際の彼は、育ちの
良さとアタリの柔らかさも感じられるとてもイイ人、それはそれでいいんだけれど、ちょっとアーティストとしてのイメージ壊れたかなぁw
私的には、あまり時代の流れを意識した活動であってほしくないとも考えている。それを意識し過ぎれば、結局はそこを超えた突出したものは生まれない。
今回のLive、Nir Felderの今現在の状況には満足できないものもあったが、近年、生の体験をしてきた Kreisberg, Moreno, Lund, Hekselman.......
.............など、近いエリアで活動する若手のコンポラ系ギタリストの中でも、もしかしたら大きな成果を残すかもしれないという、こと可能性という点では
最も強いものを感じたのだが、そんなポテンシャルも感じられる才能だけに、可能性のまま終わらせないためにも、まずは思うがままに突っ走ってほしい
ものだ。

JAZZ-sax 67
Nir Felder


Category: organ (第2期)  

Jiannis Pavlidis - Adam Nussbaum - George Kontrafouris / Migration

  Jiannis Pavlidis (g)
  George Kontrafouris (0rgan)
  Adam Nussbaum (ds)

  Recorded and mixed by Dimitris Karpouzas at Lizard Sounds in Athens, Greece.
  FMRCD346-1112 (FMR Records) 2012

  1. Counter Fury
  2. Migration
  3. Brother Charles
                     4. Sco Away
                     5. Lisbon
                     6. All the Thanks I Get
                     7. Darn That Dream

Dayna Stephens の”A Week Ago Today” で出会ったギリシャのピアニスト兼オルガニスト George Kontrafouris(B1967)、ちょっと気になる
ところもあり、関連作など調査していたら、ちょうどタイミングよく彼参加の比較的新しい3者共同名義作に出会うことができた。
共同名義とはいっても、内容を見るとギターのPavlidis曲が5、共作曲1と7曲中6曲にPavlidisが関わっているということで、彼が中心となるプロジェクト
なのだろうか。

一通り聴いてみて、バンドカラーとして頭に浮かぶのは、Roy PowellのオルガンとJacob Youngのギターを軸としたトリオ “Interstatic”。
かすかなプログレ臭も漂うサウンドとベテランNussbaumは別として世代的にも近いものがある。
目当てでもあった George Kontrafouris のオルガンに関しては、過去のピアニストとしての活動状況やら上述の参加作のStephens盤などからイメージ
していたストレートアヘッドなものではなく、雑味あふれるテイストの音楽もやるのが意外だったが、彼の違った面にも触れることができるということで、
それはそれで全く問題はない。それに、この辺の盤に漂うマイナー感、B級感とでも言ったらよいのか、メジャーなミュージシャンには無い独特の味も結構
好きだしね。

やはり、ギターのPavlidisが目立つ展開が多く、音楽の方もおそらく彼の意向を多分に反映したものなのだろう。情報なく、写真で判断すればオルガンの
Kontrafourisとは同年代の中堅といったところ。昔、Rockあたりを通ってきた痕跡も残すそのギターは、適度にラフ、ワイルド感もありつつ、ヘンな辛気
くささにもつながるようなブルージーなテイストはなく、その辺が今の時代のギター・オルガントリオを感じさせる。
「オルガン=黒っぽい」は、一昔もふた昔も前に定番となっていた文法だ。

Kontrafourisのオルガンは、このPavlidisの世界が濃く出たと思われるラフな音楽の中で、前述のStephens盤で感じられたクォリティは、いまいち感じ
られない。おそそらくもう少しストレートアヘッドな質感の中の方が本来の彼の感性が生かせるのかといった印象も持つ。
いずれにしても聴いたのは参加作のみということで本来の彼のオルガンは、はっきり見えてこない。自分の色が出やすい適当なリーダー作でもあれば、機会を
見て、ぜひチェックしてみたい。

               
               live in bacaro, athens janouary 2010
               jiannis pavlidis-guitar adam nussbaum-drums george kontrafouris-organ

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