前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 06 2013

Category: guitar (第2期)  

Mike Moreno Quartet Live!

Mike Moreno (g)
John Cowherd (p)
Mat Brewer (b)
Ari Hoenig (ds)

今やコンテンポラリー・ジャズ・ギター・シーンの重要な位置を占める存在になってきた感もあるMike Moreno(B1978)ですが、先日、そのJapan Tourの
一日、念願だったMorenoの生をやっと聴くことができた。
今回のツァーでは当初、ドラムスはGregory Hutchinsonの予定だったが、都合によりAri Hoenig(B1973)に変更、過去に生体験はしているが、私的には
むしろ歓迎である。こうして記事にするのも、だいぶ日が経ってしまい、CDとは違い、リピートのきかない瞬間の記憶だけが頼りとなるため、目の前の瞬間
に集中したい私は、メモなどは一切とっていないこともあり、また、Live Reportもしばらくサボリ癖がついてしまい、その流れでUPするか迷ったのだが、
今回の内容もあり、一応後々の自分の備忘録とするためにも記憶があやしくなる前に記事として残しておきます。

Morenoがピックを使わず、まず第一音、実にふくよかで柔らかい音である。CDでイメージしていた印象より、ずっと力強く、しかし繊細さはそのままに。
音そのものがクリヤーできれいという印象、基本的なことだが特にそこを大事にしてしている感がひしひしと伝わってくるのはうれしい。
あまり動きのない独特のプレイスタイルながら、音楽の方はめまぐるしい変化と動きを見せ流れていく。無駄のない動きがいい。うつむき加減の静の状態か
ら、おもむろに飛び出す稲妻のような速いパッセージ、鮮やかである。かなりの技を使っているにもかかわらず、音楽表現の中に溶け込んでしまい、そこに
技の存在を感じさせないというあたりに普通の人でないものを感じる。
私的に収穫だったのは、あらためてよく歌うギターであることを確認できたこと。スローから速いフレーズに至るまで血の通った音となっていたこと、これ
を確認できたのは大きい。この辺の微妙なところは、生で表情やら場の空気感などを感じないと、なかなか伝わらないかもしれない。生身の人間のやるとい
う特にデリケートな部分だけに、その全てをCDという媒体を通じ伝えることにも限界があるだろう。だから、普段我々は、CDでは伝わらない微妙な、そし
て最も大事な部分を頭の中でそれぞれが、良くも悪くも都合いいように創作してしまっているのかもしれない。もっとも、そのリスナーの創作イマジネーシ
ョンを喚起させる部分を含めてミュージシャンの能力、才能と言ってしまえばそれまでだが....................。そんなことも考えさせられたライブでもあった。

メンバーで目立っていたのが、やはりHoenig、Morenoとともに流れの中で起点となり機能していた。ポイント、ポイントでこれだけ効果的な刺激を繰り出
されたら音楽は上昇気流に乗るというものだろう。ノッてくると猫背ぎみで鬼の形相のせむし男みたいになって叩く超変則的ドラミングは、決して美しい
プレイスタイルではないのだが、繰り出されるリズムは、まさに超一流。前回見た時も良かったが、今回はMorenoという相手を得て、さらに良いものが引
き出されたようだ。
堅実なBrewerのベース、Cowherdのピアノも良い。このしなやかなキレを見せるピアノは、Morenoとの相性もすこぶる良かった。

同じコンポラ系ギタリストでは、若手のLage Lund, Gilad Hekselmanの生を昨年聴く機会がありましたが、いずれも技術面では申し分のないものを感じな
がら心に響く音という点で、何かもの足りないスッキリしないものを感じつつ帰路についたのを記憶している。数年前には Jonathan Kreisbergにも同じよ
うな印象を持ちましたが、数年前ということで今回は、比較するには適切でなく、当時の印象のみにとどめておきます。
さて、今を生きる、同じ若手ギタリストとして今回聴いたこのMorenoですが、心に響く音という点で、私の耳には明らかに彼らの音とは違う上のレベルの
ものを感じました。もちろん、その辺は人の受け取り方も様々ということで、全く逆の場合もあるでしょう。
ギターに限らず他楽器にも言えることですが、多かれ少なかれ、体が覚えている指の動きが入ってしまう、つまり極言すれば、心を介在しない音とでも言っ
たらよいのでしょうか。やがてこの手クセのフレーズが心の中のフレーズとしてストックされ、時に応じて顔を出すといったことになるわけですが、この点
でMorenoの発する音は、それらに左右されることも少なく、高純度のインプロつまり心の通った音、心の歌う音になっていたということでしょうか。
コンポラ系のギタリストの質感として、時に無機質な表現もあったりしますが、それはクール、現代的、都会的といった質感につながりそれが魅力になるこ
とも多々ありますが、この無機質感も心を介在しないがための無機質感と無機質に歌う心の通った音とは、やはり似て非なるものです。
こうしたライブも特に即興性の強いJazzにおいては、その時のいろいろな要素が絡んでのコンディションなどもあり、満足、納得できるという内容のものは
私的には、10回行って2〜3回あればといったところでしょうか。
CDからの情報とこうしたライブで得た情報を比べれば、私的には、実際に生で見聴きした情報の方が自然、信頼性が高くなりますが、従ってライブの結果
しだいでは、その後のミュージシャンとのつき合いにも大きく関わることになり、それがきっかけで疎遠になったミュージシャンも数多い。
そういう意味では、今回のMike Moreno、その2〜3割の確率に出会えたことで、私の中では、ますます目のはなせない存在になったようです。

JAZZ-guitar 68


                           祝 W杯出場!
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