前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 03 2012

Category: trumpet  

Cuong Vu / It's Mostly Residual

 Its Mostly Residual



  01. It's Mostly Residual
  02. Expressions of a Neurotic Impulse
  03. Patchwork
  04. Brittle Like Twigs
  05. Chitter Chatter
  06. Blur


Cuong Vu (tp)
Stomu Takeishi (b)
Ted Poor (ds)
Recruited Guest - Bill Frisell (g)
Recorded January 2005
intx-1007 (intoxicate)

本作は、ベトナム出身のトランペッター Cuong Vu(B1969)の自身名義通算5作目、Pat
Metheny グループ以降の初めての作となり、全曲、彼のオリジナルという内容、彼のトリオ
にゲストとしてBill Frisellを迎えての意欲作となっている。
そのFrisellが、近年多いキレイ系ではなく、エフェクトを効かせた歪むプレイを見せているの
も本作の魅力となっているが、それを引き出したのも歪んだtpで仕掛けるCuong Vuによると
ころも大いにあるのだろう。
独特のうなりを見せる武石のエレベが不穏な空気を振りまき、それをバックに絡むトランペッ
トとギターが作る鋭角的なサウンドは、歪みとともにどこか危うさもある空間を創り出してい
る。集団即興演奏といった展開で全員が暴走するようなシーンも見られるが、通して聴けば、
スケール大きな創り込まれた一貫した物語性も感じられ、そこにVuのコンポーザーとしての
確かなセンスも感じられる作品となっているのではないだろうか。

その他のCuong Vu関連作は → こちらから


(雑感)

Brad Mehldauの新作(とは言え2008年録音も含まれる)となる "Ode"は、聴き手の受け取り方
の違いも顕著に表れおもしろいものがある。
そもそも人の感性の違いというものは、驚くほどのものがあり、この受け取り方の違いという
のも、正常な形ということだろう。これが皆同じような反応しかみせなかったら、ちょっと怖
いものがある。私のような変わり者は、他人の嫌いなものが好きで、好きなものが嫌いという
こともよくあり、人の感性の違いというものを日々実感している。
このブログも、マイナーを1つの売りとしているところもあるので、他で記事としているもの
は、著しく記事化の意欲を失うこともあり、実際聴いていてもあまり記事としないことが多く
その辺が、あまりお友達が増えない原因ともなっているのだろう(笑)。
ただ、これは、単なる変わり者だからということばかりでなく、マイナーな世界に興味を引か
れるおもしろいものが多く存在すると感じることも多く、そこに真実があると感じることも
多々あったことも事実である。

ちなみに、Mehldauは、過去そこそこ聴いてきたピアニストなのだが、彼のビアノに神を感じ
たことはなく、だから私にとっては、神の終わりではなく、元々神ではなかったという存在で
ある。これは彼の評価というよりも私の感性が理屈抜きに自動的に反応する好みの問題であり
私の感性との相性がよろしくないということなのだろう。なのでやはり、そこそこのつき合い
にしか発展しなかったし、おそらく今後も彼を追いかけるような事態にはならないと予測して
いる。
"Keith Jarrett年金トリオ"、確かに言い得て妙だ。そう言えば何度も厚生年金ホールで彼らを
目撃してきた。その昔、Keithに初めて出会った時は、ただならぬものを感じ、神としてずっ
と追いかけてきたものだったが、今あのトリオに、寂しいことだが当時の輝きを見い出すこと
はできない。あらゆるリスクに勝る新しい美の創造への意欲、優れたアーティストとしての資
質だと私の基準では考える。安定を選んだことを責めることはできないが、私の中では、もは
や神として存在することは許されなくなった。音創りの姿勢は、最終的に音になった時、驚く
ほど正直にそこに表れるものである。前を向いた音か否か、ひたすら楽しみを求める道楽にお
いては、そこにこだわらないと道楽にならない。
まあ、もっとも何を楽しみとするか、その基準が違えば、求めるものも全く違ってしまうが、
人それぞれ人生いろいろである。  

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Cuong Vu

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Category: guitar (第2期)  

Claude Barthelemy / Solide


  01. Jaune et Encore
  02. Forest One
  03. Station Debout Penible
  04. Sepia
  05. The Way You Look Tonight
  06. Lidos
  07. Cuktiv Ton Jardin
  08. La Nomenklatura
  09. Ivan Lendl
  10. Yes! But Brahms?

Claude Barthelemy (g)
Jean-Luc Ponthieux (b)
Michel Denizet (ds)
Recorded July 22, 23, 24, 26 and 27, 1993
FA 453 (Fremeaux & Associes)

このブログでも、"3 Bex"(別頁あり)、"Moderne"(別頁あり) で既に登場してもらっている
フランスのGuitarist & Composer Claude Barthelemyですが、彼のアルバムとしては、
めずらしいギター・トリオというフォーマットということで、コンポーザーとしての活動も
多い彼のギタリストとしての面を知るには格好のアルバムかもしれません。

内容は、Barthelemy曲8、Denizet曲1、スタンダード曲1の全10曲。

一聴して、まず感ずるのは、基本とも言えるこの人の発する音です。Jazz Guitarの世界で
は、伝統的にまろやかでタッチも流麗といったイメージのものが、主流となってきました。
また、そういったものこそがJazz Guitarであると考える方も多いでしょう。
Barthelemyの音は、そういった風潮に逆らうかのように、けっして流麗とは言えないピッキ
ングから繰り出される音も、ある種の不快感を伴うような刺激があります。
古くはLarry Coryell、その後AbercrombieやScofieldの出現により、近年のGuitar Scene
もそれまでにない刺激的な音を使うGuitaristは数多く見受けられますが、それはあくまで
一種の心地良さを得るためのエフェクトとしての使われ方と言えるでしょう。しかしながら
Barthelemyの場合は、それらの音とは、明らかに異質な、ある意味チープとも言えるような
テイストを含んでおり、それは彼一流の不快の演出とも思えてしまうのです。流れに逆らう
反骨精神の表れとも思えてしまうのです。

スピード感のあるエッジの立ったシャープな楽曲もあれば、ポップ・テイストのあえてチー
プなテイストにしたのかと思われるような楽曲ありと、私の脳内PCでは、毎度解析不能にな
ること必至の、Jazz道楽者にとっては、まことに開拓しがいのあるGuitaristと言えるのかも
しれません。

Solide-2.jpg

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Claude Barthelemy

Category: organ (第2期)  

Jesse Chandler / Somewhere Between

Somewhere Between
  01. Verao Ventoso
  02. Februaries
  03. Walnut Tree
  04. Yawn
  05.. Swann's Song
  06. Insomniatown
  07. 7 Hills
  08. View from Bridge
  09. Getting Lost
  10. Opus 40

Jesse Chandler (org, key)
Bill Campbell (ds, perc)
Mike Moreno (g)
Kris Bauman (as, cl)
John Ellis (ts, woodwinds)
Albert Sanz (p, el-p)
Recorded in Brooklyn, NY, April 9 & 10, 2003
FSNT174 (Fresh Sound New Talent)

Jesse Chandlerは、このブログでは、以前"Brian Patneaude / Riverview"(別頁あり)で登場
してもらっているが、その時もギターは、本作同様Mike Morenoが担当している。
また、"Dance Like There's No Tomorrow"(別頁あり)で記事歴のあるJohn Ellisの参加など
もあり、マイナーながらも確かな面子が顔を揃えた盤である。

ジャケットの基盤をアップした写真のごとく、一聴して人肌の温もりの無い無機質な世界をイ
メージさせるかもしれない、そして温度感の無い、盛り上がりに欠ける音楽とも感じるかもし
れない。しかしそれはそれで、その冷徹な質感は決して嫌いな感覚ではないのだが、本作は何
度か繰り返すうちに表面温度の低さとは、裏腹に内面に熱いものがあることに気ずかされたの
である。
通常1から10までの濃淡の段階を使ってデッサンをする人に対して、半分の1から5までの段階
を使ってハーフトーンで表現する人がいる。それを単純に弱いと感じてしまう人も多いのです
が、よくよくそれを見るとその5段階は、その中で細分化され、10段階のトーンを見事に使い
分けていることに気ずくようなことがある。通常の人以上の繊細さを持ち合わせているからこ
その表現とも言える。
例えが適切でないしれないが、このChandlerの感性にもそれと似たようなものを感じる。
当初、何となく聴いていて気づかなかったものが、耳を澄ませて聴けば、狭めたレンジの中で
ダイナミックな息づかいを感じ取ることができる。
地味で控えめなプレイは、個性に欠けると受け取られてしまう傾向があるが、この抑制の効い
たセンシティブなプレイこそが彼の強い個性であり、その独自性あるフレージングからも彼の
非凡な感性を感じ取ることができる。
抑制の美とでも言ったらいいのであろうか、繊細だからこその表現なのだが、これは、共演者
であるMorenoにも言えることで、抑えた中で自分を出し切るプレイは、現代感覚に溢れたク
ールさにつながっており、彼の魅力になっているのではないだろうか。
このJesseとMikeの抑えた絡みが、このアルバムのベーシックなカラーをつくっており、時に
南米を思わせるようなラインも入るなど、クールでありながらも、素朴な温もりも感じる不思
議な魅力を持った1枚となっている。

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Jesse Chandler

Category: Gallery > Matchbox  

Matchbox Art Gallery-18

           
                          H  E-1

                          H  E-3

                          H  E-2
                                         Kichijoji

Gallery-Matchbox-18

Category: organ (第2期)  

Mike LeDonne / On Fire

On Fire



  01. Could be I'm Falling in Love
  02. Spinky
  03. Idle Moments
  04. At Long Last Love
  05. Prayer for Mary
  06. Bones
  07. In the Bag

Mike LeDonne (Hammond B3 Organ)
Eric Alexander (ts)
Peter Bernstein (g)
Joe Farnsworth (ds)
Recorded Live at Smoke NYC on May 23 & 24, 2006
SCD 2080 (SAVANT)

私がふだん好んで聴かないというメンバーながら、聴かず嫌いも良くないということで
実チェック目的で、当時購入の本作、ターゲットとしたのは、もちろんMike LeDonne
のオルガン。

Eric Alexanderについては、シーンに出てきた頃は、Coltraneイディオムも吸収した将来
有望な若手として注目し、実際に生でも聴いたこともあったテナーマンでもあり、そのダ
イナミックで上手さもあるプレイぶりに、進化を楽しみにしていたところもあったのです
が、長年、あまり変化を見せないタイプのようです。
私の求めるのは、やはり現在進行形で将来に向かって進化による変化の見込める感性とい
うことで、この点、Ericには、ちょっと不満が残ります。

実際、本作を聴いてみて、そういった事は、このメンバー全員にも、少なからずあてはま
るのではないでしょうか。
全て予測可能な展開で、安心して聴け楽しめると受取るのか否かで、本作の評価も大きく
変わるのでしょう。
ターゲットとしたMikeのオルガンも、Smith時代から続く、いわゆるオルガンらしさを演
出するためのパターン化されたプレイが随所に表れ、興ざめしてしまいます。
おそらく5年、10年後に同じこのメンバーでやったら、ほとんど同じようなプレイがまた
出るのでしょう。そう思えてしまう彼らの音です。
ひたすら楽しみを求める道楽の対象として、そこに物足りなさをおぼえてしまうのです。
つまるところ、音創りの姿勢ということになるのでしょうか。それこそが全ての基本であ
り、そこに納得できるものがないとはじまらない。

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Mike LeDonne

Category: organ (第2期)  

Jeff Palmer / Island Universe

Island Universe
  01. All Cracked Up
  02. Loop Hole
  03. Spot Check
  04. Amerigo
  05.. Count Sirloin
  06. Octopia
  07. Geminied Take 2
  08. Warrior Not Worrier
  09. Boomer Rang
  10. Five Fingers

Jeff Palmer (Hammond B3 Organ)
Arthur Blythe (as)
John Abercrombie (g)
Rashied Ali (ds)
Recorded March 8,1994
121301-2 (Soul Note)

Jeff Palmer(B1951)は、このブログでも"Burn'in the Blues"(別頁あり)ですでに登場して
もらっていますが、いずれもJohn Abercrombie(g)参加ということで、この辺も購入には
大きく関わっているところである。
内容は、全10曲すべてPalmerの手によるもので、彼の意欲溢れた一枚となっている。

以前の記事でも書いているのだが、過小評価されているオルガニストの代表格とも言って
いい彼のために再度書いておこう。他のオルガニストのほとんどがピアノから流れてきて
いる中で彼は最初からハモンド・オルガンでそのキャリアをスタートしているという筋金
入りのオルガニストである。感性面では、おそらくLarry Youngから多くの影響を受けて
いると思われるが、彼のプレイは独自性に溢れたもので、その影響も音楽そのものという
より、むしろその先進性に富んだYoungの音創りの姿勢から多くを学んだと言えるのでは
ないだろうか。Larry Youngから現在のGoldings, Yahel, Versaceにいたる間の世代に、
こういった先進性に溢れた感性を持ったオルガニストが存在すること、多くの方に知って
いただきたいと思うのである。
その過小評価ともなっている原因は、はっきりしている。多くの人がオルガンという楽器
にイメージするものが片寄って固定化されてしまっていることが大きく関係している。
黒っぽい、ファンキー、グルーヴ感...........等々、半世紀前と何ら変わりはない。
自然、オルガンに求めるものもそういったものになるということで、そういった感性とは、
無縁と言っては言い過ぎかもしれないが、極めてクールなPalmerのオルガンに目を向ける
ような人はあまりいなかったということだろう。

さて、本作だがフリージャズに接近した後期Coltraneを支えたRashied Aliをドラムスに迎
え、Palmerのオルガンは、かなり自由な展開を見せている。その複雑な音使いとフレーズ
から組み立てられる音楽は独自性に富んだまさにワン・アンド・オンリーな世界を創ってい
る。また、彼はノリにまかせて突っ走ってしまうタイプでもなく、その辺が一般に地味な印
象を与えてしまう一因となっているのかもしれない。プレイスタイルは、あくまでクール、
まわりを生かして、トータルなサウンドにも細かい神経がゆき届くタイプと言えるだろう。
本作でも良きパートナーとも言える狂気を潜ませつつ、極めてデリカシーに富んだ
Abercrombieのギターを十分生かし、創り出しているその世界は、独自のものとして評価
したい。

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Jeff Palmer
 



Category: vocal  

Kate McGarry / The Target

The Target


  Kate McGarry (voice)
  Keith Ganz (g)
  Gary Versace (org, p, accordion)
  Reuben Rogers (b)
  Greg Hutchinson (ds)
  Donny McCaslin (ts-6, 9, 11)
  Theo Bleckmann (voice loops & effects-6)
  (Palmetto Records) 2007

01. The Meaning of the Blues
02. No Wonder
03. It Might as Well be Spring
04. Nobody Else but Me
05. Blue in Green
06. The Target
07. The Heather on the Hill
08. Sister Moon
09. The Lamp is Low
10. Do Something
11. She Always Will
12. New Love Song

Vocal アルバムですが、バックのメンバーの魅力もあってゲットしたアルバム。
普段は、インスト物と違い、ヴォーカルには、強いコンテンポラリー感は、求めません。
というのも、あくまで私的感覚ですが、あまりそういった部分が強い、あるいはテクニカル
な面が強いヴォーカルは、味気ないものとして感じてしまうといったことがあるようです。
従って、私がインスト物とヴォーカルに求めるものとは、だいぶ方向性の違ったものと言え
るのかもしれません。
本作は、メンバーからイメージする通り、コンテンポラリーな質感のヴォーカル・アルバム
に仕上がっていますが、決して味気ないといったような感覚はなく、今の空気感も漂わせた、
なかなかの好内容の一枚となっています。
Kateは、音楽一家の10人兄弟という環境に育ったというだけあり、その歌には天性の歌の上
手さを感じます。ギタリストのKeith Ganzとは、夫婦であり、彼女の音楽活動面においても、
欠かせない存在である。
コンテンポラリーにまとめたという本作ですので、オーソドックスな4ビートの展開は少ない
のですが、T10 "Do Something"などでは、Versaceのオルガンの好バッキングとノリのいい
ソロもあり、ストレートにスウィングする展開の中でもゴキゲンなヴォーカルを見せており、
こういった曲をもう少し入れれば、もっと楽しめるアルバムになったと思うのですが。

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Kate McGarry

Category: Gallery > ねこばなし  

迷い そして転機?

(一日のほとんどを家で過ごす毎日だった前回登場のキナコちゃん(別頁あり)が、突然姿
 を消してしまった。
 シロウくんもご主人さんも大あわて、
 シロウくんは、フラ~っと捜しに出ては、ションボリ帰ってくるという毎日です。)


季節は、もうすぐ春、転機かぁ..................
流れ者復帰かぁ........................................


neko 7-1










 (後ろ姿もなぜかさみしい................)


neko 7-2










 (見つめる先に何を見ているのやら...........)


neko 7-3









 (どうも今回だけは、得意の小芝居ではなさ
  そうです)





            ふしあわせという名の猫/浅川マキ


Gallery-ねこばなし-7

Category: guitar (第2期)  

Joel Harrison - Lorenzo Feliciati / Holy Abyss

Holy Abyss

  01. Requiem for an Unknown Soldier
  02. Saturday Night in Pendleton
  03. Small Table Rules
  04. Faith
  05. Solos
  06. North Wind (Mistral)
  07. Old and New
  08. That Evening

Joel Harrison (g)
Lorenzo Feliciati (b)
Cuong Vu (tp)
Roy Powell (p, Hammond B-3)
Dan Weiss (ds)
Recorded at Peter Karl Studio, Brooklyn, NY, November 2010.
Rune 334 (Cuneiform) 2012


はっきりとしたクレジットがなく曖昧な判断ですが、たぶんJoel Harrison とLorenzo
Feliciatiの共同名義となるアルバムとなるのでしょうか。
世紀変わり目あたりからNYをベースとして活動してきたHarrisonは、Jazzをベースとしなが
らもその音には多様な音楽を吸収してきたと思われるものがあり、独自の立ち位置と音楽性を
持ったギタリストと言えるでしょう。
内容は、Harrison曲3、Feliciati曲3、Vu曲2の全8曲。

本作は、Harrisonに加えてトランペットのVu、そしてPowellがオルガンも扱っているという
ことで手を出してみました。
一聴した印象としては、全体に電気的音響を生かしたメカニカルで無機質、硬質感のあるクー
ルなといったイメージを抱かせるアルバムである。
多様な顔を持つHarrisonのギターですが、本作では、エフェクトを効かせたロックテイストも
ある歪みにより、もちろんソロもありますが、どちらかというとグループ全体としてのトータ
ルなサウンド創りの面で硬質感のあるクールな空間創りに効果的な仕事をしており、単なるギ
ター弾きにとどまらないものを感じさせてくれます。
過去作から2面性も感じていたVuですが、ノーマルな展開から豹変し、時折見せる凶暴性は、
場の空気を一変させ、シビアーな状況を創り出しており、Harrisonが、共演者であるVuに求
めていたのも、彼のそんなところだったのだろうか。

Powellのオルガンに関しては、本作ではあくまで環境づくりといった使い方に徹しており、ソ
ロはなく、その点では残念でしたが、ここでのPowellのピアノには目を見張るものがありま
す。既聴作の印象としては、技のキレ味には感心しつつも、感性面では、ちょっとメインスト
リーム寄りの比較的ノーマルさを感じていたのですが、本作においては、ピリピリするような
緊張感を振りまきながらのモーダルなプレイぶりで、感性面では、まさにコンテンポラリーシ
ーンのど真ん中といった印象で、今まで知らなかった彼の感性を発見できたことは、収穫であ
り、このキレキレで引っ張る推進力に彼の評価も見直さなければならないようです。
ピアノで見せたPowellのこの現代感覚に溢れたタイトな感性、オルガンに置き換えてイメージ
してもなかなかおもしろいものがあり、いつかそれを確認できる日がくることを願うばかりで
ある。

JAZZ-guitar 34

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