前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 01 2012

Category: oldies  

John Coltrane / "Live" at the Village Vanguard

JC Vanguard

01. Spiritual
02. Softly as in a Morning Sunrise
03. Chasin' the Trane

John Coltrane (ts, ss)
McCoy Tyner (p)
Reggie Workman
Elvin Jones (ds)
Eric Dolphy (bc-01)
Recorded at the Village Vanguard, NYC, November 2 and 3, 1961.
(Impulse) 1962

自分の音楽史を振り返ってみれば、その出会いによって、その後の流れが変わったという、言
わば節目となった存在がいます。大きな節目として数人、小さな節目としてまた数人程度、枝
分かれとなる分岐点をつくったという重要人物がいますが、このJohn Coltraneは、私にとっ
ては、まちがいなくこの大きな節目をつくった存在と言えるでしょう。
本作は、彼に初めて出会った盤ではなく、確か2~3枚購入した後に出会った盤だったと記憶し
ています。
そして、本作中の一曲 "Softly as in a Morning Sunrise" が、その後の流れを大きく変えてい
くきっかけになろうとは、思ってもいませんでした。
Coltraneの入らないトリオでのスタート、Elvinの煽るようなブラッシュワークをバックに
Tynerのピアノがグイグイ盛り上げて、頂点に上り詰めたとき、やおらColtraneのソプラノが
入ってきてハイライトとなっていくというこの展開を何度聴いたことでしょう。
Coltrane病の始まりでした。のめり込むにつれ他の音を受けつけなくなり、終いにはColtrane
以外の音は、何を聴いてもおもしろくないというところまでいってしまいました。今考えてみ
れば、言わばColtrane教の信者になったようなものだったのかもしれません。
こういう状態はしばらく続き、やっと他の音にも関心が向くようになると、不思議なもので、
今度は急速にColtraneから離れようとするようになり、Coltraneの匂いのするものは一切避け
るようになったのです。当時、Coltrane以降のテナーというとS. ハミルトンなどの例外は、あ
ったものの若手テナー奏者の全てが何らかの形でColtraneの影響を受けているといってもいい
ような状況もあり、自然、テナーそのものから離れることになってしまいました。この状況
は、しばらく続き90年頃、あるテナー奏者のアルバムに出会うまで続くことになるのですが、
今考えてみれば、我ながら極端なものがあると思えます。こういったことは他の面にも表れ、
Jazzに入る以前あれだけ好きだったBluesも、エバンスの音に惹かれるようになると、当初、
染み付いたBluesの感覚が邪魔をしてエバンスの音にとまどいを見せながらも、しだいにそう
いった黒っぽさをイメージさせるような音を逆に避けるようになってしまい、Keith Jarrettと
の出会いにより、それはより加速することになります。
こういったことを経て、今現在は、幅広い受け入れがOKとなってますが、ある意味、昔の方
がピュアだったとも言えるし、それが良かったのかどうか、現時点では、私にもわかりません
が、いずれにしても、今まで出会ったことのない種類の美に出会いたいという気持ちだけは変
わらないようです。

前置きが長くなってしまいましたが、一度離れたColtraneも、現在はすんなり入ってきます。
このアルバムも、昔、夢中になったもので、今聴くとものすごく懐かしいものがあり、やは
り、私の音楽史の中では重要な人物でもありアルバムでもある、そこは変わりません。
しかしながら、あくまで過去通り過ぎてきた音で、きっと再び夢中になることは、ないので
しょう。自分の感性も、いろんなものに出会い変化してきているので、いたしかたないこと
なのでしょう。Jazzに永遠の美は無いと思っています。時代と蜜につながりながら生きてき
たJazzは、悲しいかな、時ともに色あせるのが宿命、それは避けられない摂理。だからこそ
の美とも言えるし、一番輝きのあるリアルタイムで出会ってやりたいとも思っています。
生き物であるJazzは、時とともに変化しています。それを追いかけてきた私も変化してきま
した。きっとそれはこれからも続く終わりのない旅なのでしょう。




JAZZ-oldies 12

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Category: piano (第3期)  

Trio M (Myra Melford) / The Guest House

The Guest House

01. The Guest House
02. Don Knotts
03.Kind of Nine
04. Sat Nam
05. Hope (for the Cause)
06. The Promised Land
07. Tele Mojo
08. AL
09. Even Birds have Homes (to Return to)
10. Ekoneni

Myra Melford (p)
Mark Dresser (b)
Matt Wilson (ds)
Recorded June 13 & 14, 2011 by Greg DiCrosta, Firehouse 12, New Haven, CT
yeb-7721 2 (yellowbird)

前回に続いてMyra Melfordをとりあげてみました。
いずれもMのイニシャルを持つ、2006年結成個性派3人のグループ "Trio M"による約4年ぶり
となる最新作。Mark Dresserについては、このブログでも記事歴のある
"The Beautiful Enabler / Mauger"(別頁あり)にも参加してましたが、常に先端シーンで活動
し続けてきたその感性は、鋭いものがあります。

まだ薄暗さも残る早朝のGuest Houseのジャケットが美しくもあり、これから起こる何か怪し
いものもイメージさせてくれる、なかなかいい演出だと思う。アートワーク担当者に拍手だ。
CD離れが進む昨今、CDは、音楽がメインであることは、もちろんだが、ジャケットを含めた
トータルなアートワークとしての魅力、DL販売にないそこを大事にしたモノづくりをしなけれ
ば、生き残る道は無くなってしまうだろう。
内容は、Melford曲3、Dresser曲3、Wilson曲4と3者それぞれほぼ均等に持ち寄ったというつ
くりになっており、その3者の個性の違う楽曲も楽しめる内容になっているのではないだろう
か。
デビュー当時から、フリー派のピアニストとして創造性に富んだ音創りの姿勢を維持し続けて
きたMyra Melford(B1957)は、その点で私の好きなピアニストでもあります。
当初は、力技も時折見せるハードなイメージもあった彼女ですが、本作では、スタイルにこだ
わらない自由さ、自在に展開できる柔軟な推進力、何にでも対応していける引き出しの多さと
ともにそのそれぞれの独自性あるクォリティの高さも十分に感じられ、カッティングエッジな
感性をキープしつつもベテランのピアニストとして、深い味わいも加わり、非常に魅力的存在
になってきたと思えるのは、そこそこ追いかけてきたというピアニストだけになんともうれし
い限りです。
彼女のオリジナル、曲名にも彼女らしい知的センスが感じられる T9 "Even Birds have
Homes (to Return to)"におけるDresserのアルコも印象的なこの一曲には、ガラス細工のよ
うに繊細でありながらも、芯のある凛とした美が存在する。MyraのピアノとDresserのベース
がセンシティブな絡みを見せ、久しぶりにしか出会うことのないであろう美曲、これに出会え
たのは大きい、全てはそれが目的の活動であるから。私にとっては、今後に関わる大きな出会
いとなるかもしれない。

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Trio M

Category: piano (第3期)  

Myra Melford / Alive in the House of Saints

 Alive-2.jpg

01. Evening Might Still
02. Parts 1 & 2 Frank Lloyd Wright Goes West to Rest
03.And Silence
04. That the Peace
05. Breaking Light
06. Live Jump

Myra Melford (p)
Lindsey Horner (b)
Reggie Nicholson (ds)
1-5: Live recording on February 5, 1993 at Der Club, Heligenhaus / Germany
6: Live recording on February 3, 1993 at Alte Oper Frankfurt / Germany
(Hat Art CD 6136)

本作は、90年代中頃であったろうか、私がMyra Melford(B1957)に初めて出会ったアルバム
である。それ以来、ちょっと気になるピアニストとして、全作とはいかないまでも、時々チェ
ックしてきたという、ベッタリではなく程良い距離を保ちつつ、つき合ってきたという関係で
ある。
そんな関係が続いているのも、この最初の出会いが、そこそこの好印象であったからに他なら
ない。出会いが悪いと、その後の関係は途絶えてしまう確率は、著しく高くなってしまう。な
ので、未知のミュージシャンの初めて聴くアルバムは、その後の流れに大きく関わってくるこ
とでもあり、重い意味もあるのだが、その時の流れで、なんとなく選ぶことが多いというのが
実際のところであり、初めて聴くものに最もふさわしくないものを選んでしまい、その悪印象
で、その後、全く関係を持つことなく過ごすというミュージシャンも数多くいるのである。人
生とは、すべからくこんなものなのかもしれない。

御託が多くなってしまったが、以前、記事としたMyraのグループ "Be Bread" の2006年作
"The Image of Your Body"(別頁あり)では、アンサンブルを重視し、コンポーザーとしての
センスも感じるといった内容でしたが、本作当時は、パーカッシブな攻めも混ぜ、ハードア
クションも得意なピアニストといった印象を持っていました。
本作は、ドイツでのライブとなっており、強力な2人のメンバーを従えての3者のプレイは、
緊張感も漂い、アブストラクト、フリーを見せながらも、Jazz本来のノリ、スピリッツも感
じられる構成美もある音楽としているのは、やはり彼女のセンスなのであろうか。

余談になるが、T2 "Parts 1 & 2 Frank Lloyd Wright Goes West to Rest" の曲名中に建築
家 フランク・ロイド・ライトの名前が入っているが、彼女は、幼少期より18才頃までライト
が設計したという家に住んでいたらしい。ライトの建築らしく、窓による開口部も多く、そ
こから差し込む光と影が交錯する魅力的空間だったに違いない。まことに羨ましい限りであ
る。18分以上に渡る長尺のこの曲を聴くと、好奇心旺盛な少女が、家の中を歩き回って探検
しては、驚いたり、怖い思いをしたり、感動したりと、いろいろな空間の発見をしている様子
をついイメージしてしまうのである。

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Myra Melford

Category: trumpet  

Cuong Vu 4-tet / Leaps of Faith

Leaps of Faith

  01. Body and Soul
  02. All the Things You are
  03. My Funny Valentine
  04. Leaps of Faith
  05. Child-Like
  06. Something
  07. I Shall Never Come Back
  08. My Opening Farewell


Cuong Vu (tp)
Stomu Takeishi (eb)
Luke Bergman (eb)
Ted Poor (ds)
Recorded April 14-16, 2010
ORIGIN 82585 (Origin Records) 2011

Cuong Vu(クォン・ヴーB1969)は、ベトナム出身、6才で米国はシアトルに移住、その後
New England音楽院を出て、彼が世に知られるようになったのは、Pat Methenyのグルー
プへの参加が大きく関わっている。
このブログでは、Pianist & ComposerのMyra Melfordのグループ "Be Bread"の
"The Image of Your Body"(別頁あり)にて重要な役回りをしており、記事歴がありますが、
先進性あるコンセプトを持ったミュージシャンとの交流も多く、移住してきたこの米国で
重要な立ち位置にいるミュージシャンになりつつあるのではないだろうか。

さて、本作は、ピアノやギターの入らないツイン・ベースという変則編成のtp Quartetと
いうことで、この編成の中でVuがいったいどんな動きを見せるのかというあたりが一番の
関心事でもありましたが、一聴してみると、ツインベースというよりも一つは通常ベース
の役回り、多分武石の方だと思われますが、メタリックでソリッドに時折、不穏な響きも
交え緊張感を醸し出しており、もう一つは、どちらかというとギターのような使い方を交
え、ベーシックな環境と効果といった使い方により、2台のベースがスペイシーな音の空間
を創り出しているといった感じでしょうか。Vuのtpは、時にはその空間を漂い、縦横に飛
び交い、そして突き抜け、エレクトロニクスによるエフェクトも駆使した全体のサウンドは、
スケール感を感じる広がりのあるものとなっている。過激、不穏といった部分に耳が行きが
ちだが、時折見せる叙情性あるよく歌うプレイも、かなりの上手さを感じるトランペッター
である。血の部分を色濃く出してくるミュージシャンも多いが、6才からの米国暮らしとい
うこともあるのか、また、そこを売りにしてくるといった姿勢もなく、聴く側としても、根
っこのところでの微妙な差異は感じるものの、ことさらアジアを意識して聴く必要もない世
界スタンダードのコンテンポラリー感に溢れたJazzと言えるだろう。

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Cuong Vu

Category: Gallery > Matchbox  

Matchbox Art Gallery 16

      

                  Pit Inn-1   Pit Inn-2

                                 Pit Inn-3
                                             Tokyo Shinjuku
                    
Gallery-Matchbox-16

Category: piano (第3期)  

Shimrit Shoshan / Keep It Movin'

Shoshan-2.jpg

01. Shimmy n' You
02. Chamsa
03. Secret Identity
04. Keep It Movin'
05. Shwingin'
06. With the Birds
07. Skippy
08. Under the Influence

Shimrit Shoshan (p)
Eric McPherson (ds)
Abraham Burton (sax)
John Hebert (b - 3, 4, 6)
Luques Curtis (b - 1, 2, 5, 8)
(Shimmya Music) 2010

イスラエル出身で、2002年の渡米以来、NY界隈を活動の拠点とする女流ピアニストShimrit
Shoshanのデビュー作。
彼女のピアノトリオにAbraham Burtonのsaxが加わったという形になつている本作は、
Shoshan曲7、T. Momk曲1の全8曲という内容になっている。

女性ピアニストの感性に惹かれるところもあり、過去、女性ピアニストには結構、手を出して
いる。それに加えてイスラエルというあたりもちょっと気になり、本作購入のきっかけは、そ
んなところか。それに普段は全く影響されることもなく、だいたいが見ることさえ無く、あて
にもしないというCDショップの宣伝文句、結構大きく取り上げていたので、知らず知らずのう
ちに目に入り、潜在意識の中に深く入り込んでいたようで、よくよく考えてみれば購入のキメ
手となったのは、このあたりなのかもしれない。不覚にも洗脳されてしまったようだ。

何回か通し聴きしてみたのだが、後で、はて、どんなピアノだったかと考えると、なかなかイ
メージが湧いてこない。そんなことで後日また聴き返してみると、音楽に集中が続かず、注意
が離れてしまうのだ。このピアニストの音楽と私の感性との相性は、これが全てなのであろ
う。
決してヘタなピアニストではない。技術面もそれなりにしっかりしていると思う。McPherson
のタイトなドラミングやBurtonのsaxも加わり全体としては、現在NYの空気感も感じるコンテ
ンポラリーな質感の好内容の一作になっていると思う。
でもそれ以上の強烈に惹き付ける材料を持っていない。はたして、emotionという言葉が適当
かわからないが、そこに熱いものを感じられないといったことなのだろうか。表面上はクール
な音楽でも、内面の芯のところでは、ホットに燃えるものがないと、人の心を動かすまでには
至らないだろう。
ことばにしてしまうとこんなことなのだが、全ては、己の感性が瞬時に判断していることなの
である。
今まで出会ったことのない感性に出会いたいという気持ちの強い私は、特にピアニストでは初
物によく手を出すが、次回作も聴いてみたいか、否か、大雑把ではあるが、その辺がひとつの
評価の結果とも言えるのだろうか。本作は残念ながら後者。

JAZZ-piano 53

Category: Gallery > ねこばなし  

キナコちゃん

おいら シロウ。
しばらくご無沙汰しちまったが、相変わらずのダラ~っとした日々を過ごしている。

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んで、これキナコちゃん。
なんでも、きな粉の色に似ているんで「キナコちゃん」だとか、
ご主人さんが即、決めちまった。
えっ、どういう存在なのか?って(汗)、
デヘッ、とりあえず、おいらのガールフレンドっつうことで................
まあ、厄介になっちまってるご主人さんに、一応紹介しておくかなあ、
つうことで、連れてきたんだけど、
ご主人さんは、即、気にいっちまって、名前も即決というわけだ。
それ以来、あれだけ「シロちゃん」、「シロウくん」などという声が
始終飛び交っていたのに、今では「キナちゃん」とか「キナコちゃん」という
呼び声にすっかり占領されちまった。
キナコちゃんは女の子、おいらと違って、あまり出歩かないし、
いつもご主人さんのそばにいるから、ご主人さんの大のお気に入りに
なっちまったようだ。
キナコちゃんを連れてきたのも、とんだやぶ蛇になっちまったようだ。

neko6-2.jpg neko6-3.jpg

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 流れ者のおいら、
 ちょっと長居しちまったようだ
 きびしい冬のまっただ中、
 流れ者復帰も現実のものになりそうだなぁ!
 ・
 ・
 ・
 「シロウくん、また小芝居してんのかい?」
 ちっ、いけねぇ、邪魔が入っちまった! 
 つづきは、まただ。


Gallery-ねこばなし-6

Category: vocal  

Connie Evingson / Fever (A Tribute to Peggy Lee)

 Connie Evingson (voc)
 Dave Karr (ts, clarinet, fl)
 Sanford Moore (p)
 Reuben Ristrom (g)
 Terry Burns (b)
 Phil Hey (ds)
 Joan Grifith (g-4,6)
 Nathan Norman (ds)
 GFVS005(gats production) 2003
 (Original Source:Minnehaha Music 1999)

Fever-2.jpg 01. I Love Being Here with You
 02. Some Cats Know
 03. I Wanna be Loved
 04. He's a Tramp
 05. Black Coffee
 06. It's a Good Day
 07. Why Don't You Do Right
 08. Fever
 09. I Don't Enough about You
 10. I'm Gonna Go Fishin'
 11. Where Can I Go without You ?
 12. Is That All There is ?
 13. Can't Buy Me Love

生まれ故郷のミネソタ州ミネアポリスをホームグラウンドとする米国の歌手Connie Evingson
によるPeggy Leeトリビュート・アルバムとなっている本作は、Peggy縁のナンバーが並ぶ。

米国の白人女性シンガーの伝統を感じさせる、王道系のスタイルが基本となっている彼女だ
が、何よりも魅力は、このちょっと低めのマイルドな声質だろう。もちろんこの点は好みも
はっきり表れるVocalということで、逆にダメという人も当然いるでしょう。
いずれにしても声質はVocalの基本、これが好みの圏内に入ってないと、歌がいくらうまくて
もダメだ。
その上、このConnie嬢、天性の歌の上手さを持っているから、たまらない。
その昔、一枚だけ持つていたPeggyのLP "Black Coffee" 、その本家より上手い、そして良い
のだ。
冒頭の小粋にスウィングするT1 "I Love being Here with You" で掴みはバッチリ、Dave
Karrのclarinetのソロが大いに盛り上げる。この曲は、アップテンポに捌いたDianaバージョ
ンもお気に入りとなっているが、ヴォーカルナンバーとして魅力的な一曲だ。
ヴィクター・ヤングのT11 "Where Can I Go without You" 、ピアノのみをバックに坦々と
した歌いっぷりに旨さが光るとともに選曲のセンスも感じられる。

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Connie Evingson

Category: organ (第2期)  

Hammondarium(Zsolt Kaltenecker) / Dirty

 01. Silly Walks
 02. Berroa
 03. I Me Mine
 04. Billie Jean
 05. Dirty Man
 06. Song for Bilbao
 07. Come Together
 08. Misirlou
 09. Grey
 10. Rezzo
 11. North Highland

Zsolt Kaltenecker (hammond organ)
Balint Gyemant (g)
Gyorgy Martonosi (perc, ds)
HRCD 1010 (Hunnia Records) 2010

今まで記事のタイトル表記を "アルバムタイトル/ミュージシャン名" としてきましたが、
今年から "ミュージシャン名/アルバムタイトル" といたします。

ハンガリーのマルチ・キーボード奏者 Zsolt Kaltenecker(B1970)のオルガン・トリオ
Hammondariumによるファースト・アルバム。
内容は、Kaltenecker曲4、3者共作曲2、他5曲の全11曲だが、POP Tuneを4曲とり入れた
内容となっている。

さて、これまでピアニストとしての活動の他、シンセサイザーなどのキーボードでの活動も
多くこなしてきたKalteneckerですが、アナログ感もあるHammond Organでの初めてのト
リオ作ということで、このテクニシャンがHammondをやったらいったいどうなるのかと大
きな期待を持って、リリース時に即買いしたのですが、持ち前のテクニックでたたみかける
ようなフレーズが飛び出し、非常に心惹かれる部分がある反面、ポップチューンの捌きがあ
まりにもチープで鼻につき、聴く機会もしばらくなかったというアルバムでしたが、間を置
いてから気に入らない曲は、なるべく避け、あらためて聴いてみると随所に光るものが感じ
られ、やはり要注意の存在であることを確認するに至りました。しかしながら一方で納得し
がたい感性が同居しているのも事実で、特にその昔レコードも持っていたことのあるサーフ
ミュージック時代の Dick Dale & DeltonesのT8"Misirlou"でのチープなプレイには、ちょっ
とガッカリしてしまいます。オリジナルそのままに、ギターのトレモロからテケテケ音まで
ハモンドでやってますが、これはMedeskiと共演時にScofieldがあえて見せるチープ感とは、
根本的に違う、正真正銘のチープさで、その点でのセンスに疑問を感じますが、一方では、
George Harrison曲T3 "I Me Mine" などは、非常に巧みな処理を見せ、魅力あるJazzナン
バーに仕立て上げるセンスを見せるなど安定しないチグハグ感があります。
また、"K.L.B. Trio/Just Like Jazz"(別頁あり)でもそうでしたが、どこかで聴いたような、
ありがちなフレーズといった平凡を感じるギターです。主従の関係がはっきり出てしまい、
化学反応により何かが生まれるといった部分で期待薄といった印象もあり、これは共演者の
選択という点で、つまるところKalteneckerのセンスでもあるのでしょう。

こういった感じで、強い負の要素と正の要素が同居しているという、自分の中でもその評価
にとまどってしまうという内容ですが、ハモンドでの経験がまだ浅いと思われることも考慮
すれば、本作もまだまだ途上の作、このプラスの部分に目を向け、期待してみたいという気
にさせられてしまいます。それだけ、魅力となっている部分も大きなものがあるということ
でしょう。Kaltenecker自身としては、そんな考えは全くないと思いますが、もしオルガン
に専念すれぱ、おそらくすばらしいオルガニストになるだろうと思えるものがあり、全面的
に納得、評価できるという今現在の状態ではありませんが、その可能性に期待してみたいと
いう気持ちにさせられてしまいます。
次回作がもしあるのであれば、その進化に期待してみたい。

本作のアルバムタイトル "Dirty" は、まさに私がorganに求める要素の一つであったこともあ
り、初めての出会いでは、思わずハッとするところもあったのですが、まだはっきりしたもの
は、見えてきませんが、私の求めているものは、Dirtyそのものというよりも このDirty の先
にある何かといったものでしょうか。このKaltenecker自身がアルバムタイトルとした"Dirty"
にも、もしかしたら同じような思いがあったのかもしれません。このジャケットのように今現
在の混沌としたDirtyな渦の中から、その先にある新たな世界を切り拓く光を見つけてほしい。
期待してるよ!

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