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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 05 2011

Category: organ (第2期)  

Learning to Count / Brian Charette

Learning to Count





  Brian Charette (Hammond B3 Organ)
  Mike Dirubbo (as)
  Jochen Ruckert (ds)
  Recorded October 2009
  SCCD 31710 (Steeplechase) 2011

Brian Charette(B1972)は、このブログでも "Upside"(別頁あり)でとりあげたことがあり
ますが、その時はサイドメンとして入っていたBen Monder(g)を目当ての購入でした。
その前作では Monderが十八番とも言えるアルペジオを完全封印し、ストレートなオルガ
ン・ギタートリオ盤として好内容の一枚となってましたが、本作はMonderに替わりハー
ド・バッパーとも言ってよいasのMike Dirubbo(B1970)を迎えたオルガン・サックストリ
オというフォーマットになっています。勿論、購入のターゲットはBrian Charette、若手
でもありますので、前作からの進化もチェックしたいところです。

内容は、Charette曲8、他はW.Shorter曲、J.Lewis曲、S.Winwood曲各1の全11曲。

Charetteのオルガンは、前作と比べ大きな変化は見られませんが、そのプレイに多少、
モーダルな傾向が増し、より今の空気感も感じられるとの印象も受けます。まだ30代と
いうことでこのぐらいの時期は、一作ごとに大きな変化、進化を見せる場合もあるので、
そのあたりに期待もしていたのですが、まあ考えてみれば前作から、およそ1年後の録音
ということでこんなものでしょう。

Charetteのオルガンは、モーダルにクールに、そして泥臭さのない洗練された質感を漂わ
せ、21世紀のスタンダードとも言えそうなオルガン・トリオの一つの形を見せてくれてい
る。都会的でアカ抜けした、そしてオリジナル曲にもセンスを感じるオルガンである。
Shorter曲のT3 "Juju"やオリジナルのT9 "Good Tipper" などにおけるソロを聴くと左手
ベースラインの間に右手のコードバッキングなどを挟むあたりは、元来ピアニストであっ
たことを思わせるものがあり、アキの無い右手を使ってでも入れたかったのであろうその
ちょっとしたアクセントは、4ビートのドライブ感ある曲においては、いい味付けとなって
いるようだ。他のオルガニストがあまり見せないそんなところも彼のオルガンの魅力かも
しれない。
また、オルガンの場合、Jazzの本道から多少アウトしたところで勝負する人も多く、また
それが魅力となっているとも言えるのですが、Charetteは、まだ2作品しか聴いておらず、
今後どんな変化を見せるかわかりませんが、現在のところでは、しっかりと本道に近いと
ころで勝負するタイプのようです。このあたりは、貴重な存在でもあり大事にしてほしい
ところです。
年代の近い同じオルガニストでも、比較的キャリアのあるSam YahelやGary Versaceを
除けば、方向性の近いところでPat Bianchi, Jared Goldあたりが思い浮かぶのですが、
Goldが持つようなブルージー、アーシー感は薄く、よりクールなという印象を受ける
Charetteのオルガンですが、それだけに同時に、ちょっとおとなしいというような印象も
持ってしまいます。ただ、今世紀初め頃は、ピアニストとしての活動が多かったCharette
は、推測ですがオルガニストとしてのキャリアはまだ浅く、その点を考慮すれば、現時点
でこれだけ魅力的な彼のオルガンは、今後伸びる可能性を秘めているとも言えるでしょう。

アルトのDirubboてすが、安定したプレイで上手さも感じるアルトで、その淀みないソロは
本作の高評価にも大いに貢献していると思うのですが、ただ、こういう編成だと主役はアル
ト、テーマとそれに続くソロというおいしい部分は、アルトの担当が多く、Charetteのオル
ガン目当ての私としては、その辺に不満も残るというものです。しかもソロが終わればバッ
キングもなしで、Charetteのソロは常にdsとのデュオという形になってしまうということで、
前作のように比較的対等の立場も築けるというギター・オルガントリオという形の方がサウ
ンドの安定とやりとりのおもしろさもあるというのが私的感想でもあり好みでもあります。
Charetteは、オルガニストとしてのキャリアもまだこれからという時期、そしてこの貴重な
感性、刺激によっては大きな化学反応も望めるということで、共演者の人選も非常に重い意
味を持つ時期にさしかかっていると思う。
Brian Charette(org)-Gilad Hekselman(g)-Ari Hoenig(ds), こんなトリオで聴いてみたい
................無理か!

Charetteのオルガンが、これだけ魅力的であれば、3ヶ月後の録音になる本作とは逆に
Dirubboリーダー、Charetteサイドメンの "Chronos" も聴いてみなければならなくなった
ようです。

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