前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

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Category: trumpet  

Line for Lyons / Stan Getz & Chet Baker

Line for Lyons

Stan Getz (ts)
Chet Baker (tp, voc)
Jim McNeely (p)
George Mraz(b)
Victor Lewis (ds)
Recorded Live in concert at Sodra Teatern, Stockholm, Sweden,
February 18th, 1983 by the Swedish Broadcasting Corp. 
Sonet 899

1. Introduction
2. Just Friends
3. Stella by Starlight
4. Airegin
5. My Funny Valentine
6. Milestones
7. Dear Old Stockholm
8. Line for Lyons 

Getz のレギュラーコンボに Chetがゲスト出演する形で行われたストックホルムでの
ライブである本作は、Chet をターゲットとしての購入。
一枚のCDを、あまり通し聴きしない私が、よくお世話になったのが T5 "My funny
Valentine"と T7 "Dear Old Stockholm" 。特に後者の方は、Chet 関連のアルバムの
中でも、とりわけお世話になった1曲と言えるかもしれない。最初のテーマ部分のみ
Getz が担当し、後は最後までChet という展開のこの曲だが、まずスタートのこの
Getz にヤラれる。
本盤では、自らChetの引き立て役にまわったかのような男気を見せる(?)Getzは、短い
テーマをただストレートにブロウするだけで、これから始まるこの曲に、これだけ魅力的
なイメージを抱かせてしまう。やはり何かを持っている。ほんのちょっとした間の取り方、
唱わせ方というあたりのことなのだが、これがGetzなのであろう。
それに応えるかのように、おもむろに入ってくるChet のペットもまたイイ。心の深奥まで
染み込んでくるようなペットの響きは、彼の人生そのもののように、そこには、いろんな
ものが隠れているかのようである。Chet晩年における絶品のBallad。

追記)この盤に関しては、楽屋裏でのGetzとChetの険悪なムードなど、いらぬ情報も耳に
   入ってきておりますが、Jazz道楽者としては、より楽しく、心地良く聴ければ、勝手
   な解釈、思い込みも、大いに結構と考えております。また、Musicianは、ステージ上
   では別人になり、以外と素になるものです。記事中の「?」は、私が勝手にそう解釈
   したものですが、そう思い込んだ方が、この曲もさらにドラマチックに盛り上がると
   いうものです。全て丸く収まり、それで良いのです。良い方に解釈する、これができ
   れば世の中、丸くなるのです。



JAZZ-trumpet 3

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Category: piano (第3期)  

Cubicq / Alessandro Galati Trio



Alessandro Galati (p)
Ares Tavolazzi (b)
Emanuele Maniscalco (ds)
Recorded December 2005 at SONY Music Syudios Tokyo BG003(BG)

先日来日した、イタリアは、フィレンツェ生まれのピアニストAlessandro Galati(B1966)
に関し、私は、新しいピアニスト開拓の過程で彼のアルバムの購入歴もあるのですが、良い
ピアニストであることは、認めつつも、求める美の違いから、彼のピアノにのめり込んだ
ことはなく、今回記事とした本作、そしてピアニスト Galatiに関し、自分の中での評価が、
いまいち定まらないというピアニストの一人でもありました。
そんな折、彼の来日を知り、それを確かめる絶好の機会ということで、彼の生を確認しに行
ってまいりました。

9月19日、武蔵野スウィングホール、Galatiのソロ・コンサートです。
今回のGalatiジャパン・ツァーでは、トリオという選択肢もありましたが、目的を
「Galatiの確認」とする私は、ソロの方を選択しました。
連休中の1日ということで、ありがたいことに、行く私にとっても好都合な日でした。
Jazz Liveには、めずらしい、日曜日の昼下がりという時間帯、ここは、200人も入らない
小さなホール、階段教室状のつくりでステージは、非常に見やすくなっています。
今回の席は、至近距離でしかも手の動きも確認できるという絶好の位置関係ということで
あとは主役の登場を待つのみです。
いつものLiveとは違い、無になって彼の音を受け止めてみようと思い臨んだソロコンです。
それまでの彼のイメージは、全てリセットし、まっさらの心のキャンバスも用意し準備OK
です。
Galatiの登場とともに、照明は落ちスポットへ、1曲目のスタートで、それまでのCDから
受けていた負のイメージは、吹っ飛んでしまいました。繊細でありながらも力強く、メリ
ハリの効いたピアノは、良く唱っており、スタインウェイも良き主を得て、驚くほどきれ
いに鳴っています。
さて、それまで抱いていた負のイメージとは何か、一言で言ってしまえば「過度の甘さ」と
でも言ったらよいのでしょうか、それとともに繊細な反面、力感に欠けるといった多少の
ひっかかりを持っていたのです。その部分において、この "Cubicq" から5年の月日の経過と
ともに、トリオではなくソロというフォーマットということも関係しているのでしょうか、
それまでの負の部分は、改善され、リニューアルされたGalatiを見ることができました。
前述した、「過度の甘さ」という部分についても、今回のソロでも至る所にちりばめられた、
それは彼のイタリア人として持って生まれた、自然発生的に出て来る「哀愁」の表現として
受け止められるレベルになっており、納得できるものでした。「力感」についても、過去多
くのピアニストを生で見てきましたが、その中にあっても、むしろ強さを感じさせるものが
あり、指を立てての打鍵などでは、突き指しないかと心配になるほどのものがありました。
強弱のメリハリをもって、しなやかな打鍵から紡ぎだされる音楽は、彼自身の中に描く美の
世界を見事に表現しきっていると感じられるピアノ・ソロであったと思います。
そして、小ホールのメリットでしょうか、マイクで拾う音は、バランスをとるためのわずか
な部分に限られ、ほとんどピアノ生音という、ピアノ・ソロを聴くにはこれ以上ないという
条件は、それを確認するのにベストの環境だったと言えるでしょう。
一言付け加えるなら、1,2部合わせて全10曲強だったと思いますが、全て、同じようなイメ
ージの曲なので、もう少し変化をつけ、違う面も見せてほしかった気がします。また、2部
冒頭では、アルバム"Cubicq"にも収められていたEvansでもおなじみのルグラン曲 "You
Must Believe in Spring" をモティーフとした曲が奏されましたが、CDのトリオによるもの
と比較すると、私には圧倒的に良いものとして受取れました。

そんな Alessandro Galati のピアニストとしてのすばらしさを、生でしっかり確認できた
非常に意義のあるコンサートでは、ありましたが、同時に、現在、私が捜し求めている美の
質とは違うものであることも、あらためて確認できたコンサートになりました。
その「美」の質の違いとは、どちらがよりすばらしいというようなものでもなく、全ては
受け手が持つ、感性によるところだと思います。
私が今求めている美とは、言ってみれば、元々ダーティーなもの、そのヨゴレを磨きに磨い
て出来上がった美(あるいはその過程で美を求め突き進んでいる過程の完成されてないもの
も含む)とでも言ったらよいのでしょうか、当然のことながら、元々汚れのないものから生
まれた美とは、同じ美でも、生まれの違いが微妙に影を落とし、そこに発散するものが違っ
てきます。この辺のところは、直感的、瞬間的に己の感性が判断する、ことばの及ばない世
界で、こうしてことばにすると、徐々にニュアンスの違うものになり、誤解の元になるので
この辺にしておきます。
現在、自分が求めているものには、忠実でありたい、とことんこだわりたい、それでこその
道楽であろうと思っています。

さて、時系列的には、まったく逆になってしまいましたが、この "Cubicq" に関して、今回
のソロコンにあたり、予習の意味で何度か聴いてみました。
だいぶ間を空けて聴くこともあり、印象が変わっていればとのかすかな期待も持っていたの
ですが、以前、聴いた時の印象を覆すには至りませんでした。
私の感性では、どうもその甘さが私的許容範囲を超えてしまい、そこでどうしても引っかか
ってしまうのです。
この辺の受取り方は、聴き手の感性により大きく分かれるところであると思います。どちら
が正解というようなものでもありません。全ては、何を美と感ずるか、聴き手の感性しだい
で評価も大きく変わるということでしょう。
そして、残念ながら、この2005年録音の "Cubicq" で描くGalatiの美の世界は、今の私が
捜しているそれとは、やはり違う質の美であったようです。

私は、出会ったことのない美を求め、そしてその出会いにより私自身の美の価値観も変化さ
せてきました。それは、今後出会うであろう未知の美により、これからも変化していくであ
ろうし、またそれを望んでの開拓でもあります。ですから5年後、10年後の私の美の基準も、
当然違ったものになっているのでしょう。
将来、私自身の美的価値観の変化により、あるいはGalati自身の美的価値観の変化により、
もしかしたら、Galatiの美が受け入れられる日が来ることもあるかもしれません。それは神
のみぞ知るということでしょうか。

最後に、もう一度、今回のAlessandro Galati のソロ・コンサートは、おそらく日本にも多
くいるであろう彼のファンにとっては、それを誇りと思えるほど、すばらしい内容であった
ことをお伝えしておきます。

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Alessandro Galati

Category: sax (第2期)  

Jupiter featuring Jonas Kullhammar

  Jupiter-2.jpg
 Live at Glenn Miller Cafe       Featuring Jonas Kullhammar(2枚組)
 (2006 AM RECORDS)         (2008 BOLAGE)

Havard Stubo G)
Steinar Nickelsen (org)
Magnus Forsberg (ds)
Featuring:Jonas Kullhammar (ts)

前々回記事にてJupiterとJonas Kullhammar (ts)との共演についてちょっと触れましたが、
中途半端にしておくのも良くないということで、今回は、引き続きJonas Kullhammar (ts)
特集とし、彼のレギュラーカルテット以外の部分を記事としてみます。
彼は、このブログでも紹介済みのノルウェーのオルガニスト Steinar Nickelsen(別頁あり)
参加のグループ Jupiter との共演により、現在までに上記2つの作品を残しています。
Steinar Nickelsenについては、以前紹介した"Mis En Bouteille A New York"では、
Lage Lund(g), Ari Hoenig(ds)という俊英を擁したトリオながら、どこかよそ行きのプレイ
という印象がありましたが、この2作品では、いつものメンバーの中で、ギターのStuboと
共に、のびのびとハジけたプレイをしています。CDでは、わからなかったのですが、映像
として見ると、このStuboのルックスは、ダーティーな雰囲気も漂い、ギタリストとして、
なかなか魅力的キャラクターであることに気づきました。ギタリストとしても、かなりの
ハイレベルで、予期せぬ収穫に思わずニンマリです。

そんな自身のレギュラーカルテットとは違い、多少のジャムバンド的テイストも残すラフな
展開の中を、モードからフリーとあらゆるスタイルを吸収したJonasのテナーが、うねり、時
にフリーキーに吠えるという、得意の荒れ技も冴え渡り、爆裂テナーファンには、まことに
たまらない内容になっております。また、ノン・ブレスでの長いブロウなど、高度な技も見せ
ており、このJonasも、録音時20代という若さであることを考えると、この先どれだけ伸びる
のかJazz道楽者としては、まことにに楽しみな素材であります。
ジャケットは二流でもプレイは、超一流!


Jupiter feat. Jonas Kullhammar-"Lotus" part 1(Havard Stubo - guitar)
Live et Belleville, Oslo Nov 16 2007



Jupiter feat. Jonas Kullhammar-"Lotus" part 2(Jonas Kullhammar - tenor sax)



Jupiter feat. Jonas Kullhammar-"Lotus" part 3(Steinar Nickelsen - organ)



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Jupiter

Category: oldies  

"His Holy Modal Majesty" / Al Kooper & Mike Bloomfield

Blues小僧時代、アルバム "Super Session" 中の一曲 "His Holy Modal Majesty"。

Blues好きの少年時代、周りにBluesなど聴いているような悪いガキは、誰一人いなかった。
当然かもしれない、TVのアイドルを見ては、夢中になったり、キャーキャー言ったり、
それが一般的健全な少年少女の姿というものだろう。そういう意味では、学校においては、
まさに隠れキリシタンの心境、孤立した少年時代だったと言えるのかもしれない。
文部省の掲げる、健全な青少年の教育方針からは、かなり逸脱した少年だったようです。

探究心旺盛な私は、絶えず何か新しい音を捜し求め、ちょっと小耳に挟んだJohn Coltrane
にも、度々ちょっかいを出しては、はねつけられていた時期だったと思う。
そんな時期に、たまたま出会ったこの一曲、Al Kooperのorganの響きの中に、Coltraneの
ソプラノをダブらせて見たのは少年時代の私にとっては、かなりのインパクトのある出来事
だったのです。
Al Kooperもこれだけ影響されるJohn Coltrane、いつかきっと............と誓ったのでした。


His Holy Modal Majesty / Al Kooper & Mike Bloomfield (Rec.1968)


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Al Kooper

Category: sax (第2期)  

Son of a Drummer / Jonas Kullhammar

Son of a Drummer

Jonas Kullhammar (ts)
Torbjorn Gulz (p)
Torbjorn Zetterberg (b)
Jonas Holgersson (ds)
Recorded May 6th, 2005 at SAMI, Stockholm, Sweden
mm pcd 045 (MOSEROBIE)
 
Jonas Kullhammar(B1978)は、スウェーデンのテナーサックス奏者。本作は、自身が
オーナーを務めるMOSEROBIEからのリリースで、彼にとってはレギュラーカルテット
通算5作目となる。
Kullhammar曲4、スウェーデンのピアニスト Berndt Egerbladh曲1の全5曲。

彼は、このブログでも紹介済みのSteinar Nickelsen(org)(別頁あり)参加のグループ
Jupiterとの共演でも知られ、アルバムも2枚残している。現在スウェーデンを代表する、
と言うよりも欧州を代表するテナーと言ってもいい存在に成長を見せている。
1曲目の速い展開の4ビートに乗っての疾走感溢れるブロウでもう掴みはバッチリ、や
がてヒートし、吠えるという荒々しい部分を見せてくれるが、そんな中でも破綻するこ
となくコントロールされたプレイは、鋭敏な感性の持ち主であるとともに強い意志を持
ってのプレイであることも感じさせてくれる。
一転、しっとりとバラードかと思わせる曲においても、徐々にテンションは上昇曲線を
描き、最終的にはハイテンョンなブロウまで持ち込んでしまうのは、彼のヒートしやす
い癖でもあり、エモーショナルに大いに盛り上がるというテナー奏者としての魅力とも
なっているようだ。
注意して聴いていると、他のsax playerでは、聴かれないような音が点在しており、高
度な技術の持ち主であることもうかがわせる。

ハード・バップ - モード - フリーとあらゆるスタイルを吸収した彼は、感性面では、
Coltraneを通過してきたであろう面を見せながらも、現代的感性も付加し、徐々に独自
のスタイルもできつつあり、今年で32才という年令を考えれば、その可能性は計り知れ
ないものがある。

現在、MOSEROBIEレーベルのオーナー兼看板テナーマンでもある彼にとって、事業主と
しての活動が、才能あるMusicianとしての活動の足かせにならなければよいのだが......。


爆裂テナーのエネルギー源は、こんなところにあるのかも!
Jonas Kullhammar eating a scorpion in Beijing.


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Jonas Kullhammar

Category: organ (第2期)  

Conference de Presse / Eddy Louiss & Michel Petrucciani

Conference de Presse

  
  Eddy Louiss (hammond organ)
  Michel Petrucciani (piano)
 
  Recorded live at
  "Petit Journal Montparnasse" - Paris, 1994
  VACR-2019/20 (DREYFUS)

                     Disc 1)1.Les Grolets
                         2. Jean-Philippe
                         3. All the Things You Are
                         4. I Wrote You a Song
                         5. So What
                         6. These Foolish Things
                         7. Amesha
                         8. Simply Bop
                     Disc 2)1. Autumn Leaves
                         2. Herbien Hub Art
                         3. Caravan
                         4. Naissance
                         5. Rachid
                         6. Caraibes
                         7. Au P'Tit Jour
                         8. Summertime

この盤は、記事にする言葉が邪魔になるくらい、何の説明もいらないという理屈抜きに
楽しめる作品ということで、あえて記事としてとりあげてこなかったのですが、t師匠の
絶対おすすめ盤との重いお言葉をいただき、やはり記事にすべきということで、鞭の入
った馬のごとく、急遽UPに至りました(笑)。

organ と piano の Duoということで、退屈な展開をイメージされる方も多いかと思います
が、心配無用。一曲目で、そんなイメージは吹っ飛んでしまいます。唸るorgan、畳み掛け
るpiano、丁々発止のやりとりとドライヴ感に溢れたHotなJazzが全編に渡り展開されると
いう痛快極まりない一作となっています。
この作品に、これ以上の言葉はヤボというもの、下に収めたムービーでお試しあれ!
最後になってしまいましたが、ペトちゃんには申し訳ないけど、私としては、Eddy Louiss
をターゲットとしての購入。
Eddy Louissに関しては下記別頁あり、参考まで。
"Dynasty" "HLP" "Face to Face" "Multicolor Feeling Fanfare"

余談になりますが、Petruccianiに関しましては、'99年、彼の来日コンサートのチケットを
入手し、コンサートを楽しみにしていたのですが、彼の突然の死によりコンサートはなくな
ってしまい、チケットを払い戻しに行ったという悲しい思い出があります。
このアルバムでの生き生きしたプレイを聴いていると、5年後、彼に死が訪れようとは、とて
も想像できません。合掌!


Eddy Louiss and Michel Petrucciani / Autumn Leaves



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Eddy Louiss

Category: organ (第2期)  

4 x 4 / Carla Bley

4 x 4  Lew Soloff (tp)
  Wolfgang Puschnig (as)
  Andy Sheppard ts)
  Gary Valente (tb)
  
  Carla Bley (p)
  Larry Goldings (org)
  Steve Swallow (b)
  Victor Lewis (ds)

                    All Music Composed and Arranged by Carla Bley Recorded 2000 (Watt30)
  
                    1. Blues In 12 Bars
                      Blues In 12 Other Bars
                    2. Sidewinders In Paradise
                    3. Les Trois Lagons
                    4. Baseball
                    5. Utviklingssang

Carla Bley のアルバムでは、ありますがLarry Goldings(org)をターゲットとしての購入。
以前、記事にした "Time is of The Essence / Michael Brecker"(別頁あり) でのGoldingsをはじめ、この2000年前後の彼は、前向きな姿勢を強く感じる時期
でもあり、それがプレイに表れていたとも思える時期でもありました。
また、前にも書いたような気がしますが、高い能力を持ったプレイヤーのサイドにまわった場合に好結果を残す傾向があるということで、2000年録音の本作も、Carla Bleyのもと、たぶんにその辺の期待があっての購入でもあったわです。しかしながら兵隊向きとは言え、68年生まれの彼も、もう指揮官としていい仕事を
残さなければならない年令がんばってほしいものです。

さて、本作もコワいCarla姉御に、引きつられGoldingsをはじめ、7人の男達が兵隊として、という構図が、ジャケットに、ものの見事に表れておりますが、内容
の方も姉御の統率のもと、見事なアンサンブルを見せ、やはりそのセンスは、並の人ではないことを感じさせてくれます。当然のことながら、Carla姉御のアルバムですから、彼女の意向が色濃く反映され、アンサンブルを重視した内容ということで、お目当てのGoldingsのソロもたっぷりというわけにもいきませんが、そ
れでもT3 "Les Trois Lagons" では、Goldingsが目の覚めるようなソロを聴かせてくれ、一応の成果を得ることができたことで納得です。やはり、この時点で、
これだけ先進性に富んだフレーズを並べてくるオルガニストは、いません。前述の"Time is of The Essence / Michael Brecker"の記事でも書きましたが、この
あたりの彼のソロを聴くにつけ、やはり期待しないわけには、いかなくなってしまいます。
しかしながらその後、今日までの10年間、思うような進化を見せていないのは、なんでかなあという思いでいっぱいになってしまうのです。ポジション的には、
どんどん新しいものを吸収し変化していかなければという位置にいるMusicianだと思うのですが..................。

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Carla bley

Category: piano (第3期)  

Franco Piccinno - info.

ちょっと気になるピアニストとして、以前 "Lunare" (別頁あり)というアルバムで紹介した
イタリアの Franco Piccinno(B1973)、その彼のデビューアルバムは、2003年、彼が30才
での録音ですが、先進性とともに、既に独自のスタイルもできつつあり、可能性を感じさせ
るピアニストとして記憶されていましたが、現在は、Alexander Greig(b)率いる
"Bank of No Land" というグループでの活動がメインとなっているようです。
しかしその後、自身がリーダーとなってのアルバムリリースの情報はなく、ちょっと気に
なるところです。

Franco Piccinno Trio at Pomigliano jazz festival 2005.
Franco Piccinno(p), Aldo vigorito(b), Giuseppe La Pusata(ds)



Bank of No Land



Bank of No Land

  
  Bank of No Land's first album
  Alexander Grieg(b)
  Andun Waage(tp)
  Franco Piccinno(p)
  Laurie Lowe(ds)
  September 2008 ACR9834(Acoustic Records)

JAZZ-piano 22

Category: guitar (第2期)  

Oceana / Ben Monder



 
  1. Still Motion
  2. Light
  3. Oceana
  4. Echolalia
  5. Double Sun
  6. Rooms of Light
  7. Spectre

Ben Monder (g)
Theo Bleckmann (voice)
Kermit Driscoll (b) on 3 and 4
Skuli Sverrisson (b) on 6 and 7
Ted Poor (ds)
Recorded at Brooklyn Recording January 25-27 2004
Track 1 recordedat Shelter Island sound October 22, 2004
SSC 1146 (Sunnyside Records)

ちょっと前に、"Upside / Brian Charette" (別頁あり)で初めてこのブログに登場して
もらったBen Monderですが、そのアルバムでは、あくまでオーソドックスな展開の中
で、彼がいったいどんなプレイをするのかという点に興味の焦点があったということで、
本来の彼の姿ではなく、言わば変則的な形でのこのブログ登場となったわけですが、彼
らしいアルバムもUPしておかねばと思い本作を選んでみました。

果てのない宇宙空間をイメージさせられるような、壮大なスケールを感じる音楽である。
そして、ジャズ、ロック、クラシック............だのとジャンルにこだわることが、とても
小さなことに思えてしまうほど、彼のめざしていることがそれらを超えた、遥か先にある
何かであることを感じさせられるような音楽でもある。
いきなり、そんなことを書いてしまうと、どうせジャズ色希薄な、なんだかわけのわから
ない音楽であろうと思われる方も多いかもしれないが、ジャズに形を求めない私にとって
は、りっぱなジャズなのである。いや、むしろそんなことはどうでもよいことで、大事な
のはジャズであるか否かではなく、すばらしい音楽であるか否かである。

アルペジオを駆使しての広がりある空間をイメージさせるのは、言わば彼の形ともなって
いますが、本作でも繊細でしなやかでありながらも強靭なアルペジオ奏法により、その
一音々々が、あくまで温度感の無い光を放つ無数の星のごとく、広大な宇宙空間にちりば
められてゆく様には、言いようの無い不思議な感動を覚える。
そしてそのイメージ創出には、Theo Bleckmann の透明感あるvoiceも大きく貢献してい
ることは言うまでもない。

高い技量を持ちながらも、トータルなサウンドを重視するMonderには、あえて個を捨て
プレイすることのできる、その強い意志も感じとることができる。
しかし、出るべき時には、ためらいなく出るのがMonder。T6 "Rooms ofLight" では、
宇宙空間を飛び交う光を思わせるような、目の覚める光速ソロが走る。ヤッてくれます。
テクニックにまかせ、のべつ幕無しの速弾きがまかり通る昨今、技の使いどころ、そして
キメどころを心得た仕事人である。
いやはや、何ともドラマチックな感動を覚えるアルバムだ。


Theo Bleckmann (voice & loops) and Ben Monder (guitar)
live at the re: thinkjazz festival in Brescia, Italy


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Ben Monder

Category: piano (第3期)  

The End of a Summer / Julia Hulsmann Trio

Hulsmann-2.jpg

Julia Hulsmann (p)
Marc Muellbauer (b)
Heinrich Kobberling (ds)
Recorded March 2008 Rainbow Studio, Oslo (ECM 2079)

夏の終わりに

今回は、夏も終わろうというこの時期に、タイムリーなアルバムタイトルにつられ、前回
聴いたのも、やはり去年の今頃であったような...........約1年ぶりで聴いた、ドイツ人女性
ピアニストでもありコンポーザーのJulia Hulsmann(B1968)の本作をとりあげてみます。

内容は、Hulsmann曲6、メンバー曲3、他1の全10曲。

モノクロジャケットのイメージを裏切らないECMらしいクールで詩情溢れる音楽である。
Hulsmannのピアノは、メロディーを大事にする、一音を大事にするといった、彼女の
姿勢がよく反映されており、その音数を絞ったシンプル、端正な音楽は、本作のアルバム
タイトルでもある "The End of a Summer" のごとく余韻を感じさせるものとなっており、
そういった彼女の意志の通った一枚となっている。
オリジナル曲以外では、1曲だけSealの "Kiss from a Rose" のカバーがありますが、
Hulsmann は、見事チャーミングな一曲に仕立て上げています。

近年、やたら手数の多いピアノ(まあ、他の楽器においても同じ傾向だが)が多いが、これ
も表現上の必然性がありそうなっているのなら納得できるのだが、のべつ幕無しにこれをや
られると聴く方は疲れる。しかも手癖が多いと、もう興ざめだ。表現者は緩があって、はじ
めて急が生きることを知るべきであろう。そして「ことば少なくして多くを語る」という表
現もあることも知るべきであろう。
Hulsmannの時代に逆らったプレイは、好感度大である。


Julia Hulsmann Trio "The End of a Summer" 02.12.09 Gruner Salon, Berlin


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Julia Hulsmann

Category: organ (第2期)  

Fascination / Michael Shrieve







  Michael Shrieve (ds)
  Wayne Horvitz (org)
  Bill Frisell (g)
  Recorded 1993 (CMP67)


初期のサンタナ・バンドでドラムを担当していたMichael Shrieve名義のアルバムではあり
ますが、ここはorganのWayne Horvitzをターゲットとしての購入。
また、この盤はFriesell参加で且つ彼とHorvitzにとっても、珍しいオルガン・トリオという
フォーマットになっていることに、当時大いに魅力を感じての購入でもあったわけです。
内容は、全て彼らのオリジナルという全10曲。

Horvitz (B1955)は、80~90年代にかけ、ニューヨーク・ダウンタウンの新しい音楽シーン
において、その中心で活躍していたキーボード奏者で、交流のあった仲間としては、本アル
バムにも参加のビル・フリーゼル他、ジョン・ゾーン、ボビー・プレヴィット、エリオット
・シャープ、フレッド・フリス、ロビン・ホルコム.......などがいる。

キー・ボード全般を操るHorvitzは、専門のorgan奏者ではない。テクニックにまかせて弾き
まくるというタイプではない彼は、うまく周りを生かし、バンド全体のトータルな音に神経
が行き届く知的プレイが持ち味と言えるかもしれない。
本作でも、そういった彼の持ち味が十分発揮され、常に、Shrieve, Frisell をバックアップ
且つコントロールし、全体のクール、ドライ、タイト、ソリッドな空間創りに大いに貢献して
いる。
そんなHorvitzのバックがあってか、Frisellのギターも、いつになく自由にやっていると思える
一枚でもある。


Wayne Horvitz live at The Goodfoot Lounge, Portland, OR Feb. 1, 2009
あえてOld StyleなところにUp to dateなHorvitzの感性が見えます。


JAZZ-organ 35
Michael Shrieve
Wayne Horvitz

Category: sax (第2期)  

Voladores / Tony Malaby's Apparitions

Voladores-2.jpg

Tony Malaby (ts, ss)
Drew Gress (b)
Tom Rainey (ds)
John Hollenbeck (ds, perc, marimba, vibraphone, xylophone, glockenspiel
melodica, small kitchen appliances)
Recorded June 30th, 2009 at Systems Two Recording - Brooklyn, NY
CF165CD(clean feed)

現在、ニューヨーク・アンダーグラウンド・シーンのファースト・コール・テナーとも言え
る存在のTony Malaby(B1964)は、メキシコ系アメリカ人。
このブログでは、初の顔見せということになるが、本来ならば、真っ先に登場してもらうべ
き存在である。が、彼の音楽をこうして言葉を並べて伝えることなど到底不可能と思えてし
まうのである。言葉を重ねれば重ねるほどウソに染まってしまうとも思えるのである。
土台、音楽を言葉で表現し、伝えること自体が無理なことなのであり、それができれば、音
楽の存在価値など無くなってしまうとも思えるのである。
特にMalabyのような抽象性の強い音楽は、具体的な意味のある言葉を並べるほどに、本来の
彼の意図するところとは、遊離したおかしなものとなってしまうとも思えるのである。
彼の音楽について言葉を並べることの無意味さは十分わかっているのだが、それではブログ
が成立たなくなってしまうので、とりあえず言葉を並べお茶を濁させていただくことにする。
以下は、印象である。極力余計な飾り言葉は避けたつもりである。読者がイメージを膨らま
すのに役立てば幸いである。

サックス・トリオにdsをはじめ、あらゆる鳴りものを担当するJohn Hollenbeckが加わった
カルテットという編成で展開される本作は、時にはtwin drumsになり、時にはあらゆる鳴り
ものによる味付けなど、終始、多彩なサウンドとリズムの変化を見せながら流れていく。
Malaby独特の金属的ではない、木質の柔らかいが、太い音色のテナーには、彼の中に流れる
血の成せる技であろうか、米国系Musicianとは、明らかに異質のものが潜んでいるいること
を感じ取ることができる。この部分を独自性として過大に評価することは慎みたいが、多くの
tenor sax奏者の中での異質の感性としてこの部分が魅力の一部となっているのも否定できな
いところであろう。
一音で、その場に不穏な空気を充満させてしまう、その圧倒的存在感を前にして、我々は、
ただただひれ伏すしかできないのである。そして新しい何かが生まれつつある期待感を持た
せてくれる音楽でもあり、その部分こそが終わりのない旅をしているJazz道楽者にとっては、
Jazzを聴いている意味を感じる一瞬でもあり、ある意味、一時の達成感を享受できるところ
でもある。
何よりもそういった出会いを求めての旅なのだから......................。

JAZZ-sax 11
Tony Malaby

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