前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 06 2010

Category: organ (第2期)  

Live at the Fez - NYC 07.03.03 / Jay Rodriguez

Jay Rodriguez

Jay Rodriguez (sax, fl)
Marco Benevento (organ)
Joe Russo (ds)
Recorded Live March 7th, 2003 by - Charles "Chicky" Reeves
KUF-0029(KUFALA)

これまでオランダ、デンマークとサッカーW Cup日本対戦国のMusicianを取り上げてきまし
たが、今回はパラグァイということで、さすがに困った。パラグァイのJazz と関わったこと
はない。そこで少し範囲を広げて南米ということで、関係者をリストアップしてみたら結構
ある。ということで、今回は67年、南米コロンビア生まれのJay Rodriguezのアルバムにしま
しょう。

Rodriguez名義のアルバムではあるが、organが目的の私は、Marco Benevento(org)を
ターゲットとしての購入。ご容赦いただきたい。

Beneventoは、普段はdsのJoe Russoとのデュオでorganistとしての活動が多かったが、最近
ではpianistとしての露出が多くなってきている。同じorgan のSam Yahel もそうだが、二股
かけてよろしくない結果にならなければいいが.......。

Rodriguezは、NYを中心にラテンからヒップホップまで全ての音楽を超えて活動をしている
新しいタイプのミュージシャンと言えるかもしれない。ジャム系バンドのMMWとの共演経験
もある。本アルバムは若手のBenevento - Russoのデュオとのジャム的セッションという形
でのLiveである。ファンク色の強いBeneventoのorganに、時にアヴァンギャルドな味付けも
してエモーショナルにブロウするts, flが絡みハイテンションのスピリチュアルな演奏が展開
される。

Beneventoのorganは、タイプとしては、John Medeskiに近いものもあるが、何が飛び出し
てくるかわからないMedeskiのようなスリリングなものは、本盤リリース時点では、あまり
感じられず、勢いでプレイしているという荒さもあるが、年齢的にも可能性を十分残してお
り、今後の進化も彼の考え方しだいというところであろうか。

2枚組全10曲中6曲が、Rodriguezのオリジナルという内容。

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Jay Rodriguez

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Category: organ (第2期)  

Ignition / Independent Trio

Independent-2jpg.jpg

Thomas Gromaire (g, b)
Stephane "PIT" Le Navelan (organ, ep, b)
Franck Mantegari (ds)
Recorded Live In Paris (23, 24, 25 of june 2009) at Popcornlab.
PCL003(popcornlab)

フランス発ジャムバンド系トリオによるパリでのライヴ録音による一枚。
新顔の organ 奏者に目がない私の目的は、Navelan のorgan チェックとともにフランス産
ジャムバンドのチェック。

内容は、クレジットなくはっきりしないが、全てオリジナルと思われる全10曲。

メンバーは、全員若手ではあるが、マライア・キャリー、フィル・コリンズなどのサポート
も勤めた実力派であるらしい。まあ、その辺はあまり関係ないことではあるが.....。
問題は、このCDの内容だが、まず Soulive が頭に浮かぶ、しかし決して MMW ではない。
MMWのある意味厳しさのある音であってほしいという淡い期待を抱いていた私は、ちょっと
肩すかしを食った感じだ。
全体的にメロウな曲調が多く、ギターもこの種の展開にありがちなオクターブを入れたりと
そのeasyなパターンに今さらという感じもしてしまう。
organ目的でもあったわけだが、Navelan はepのプレイが多く、organもソツなくやっては
いるものの、やはり片手間感は拭えない。
メンバーは3人とも、それなりに技術も持っているし、本作でもしっかりしたプレイをして
いるとは思うが、こうして晴れて自分達名義のアルバムを出すに至ったわけだから、もっと
思い切ってハジけたプレイをしてほしかった、そして自分達にしかない売りの音を聴かせて
ほしかったと思うのだ。
便利屋としての習性が染み付いてしまっているプレイは、つらい。

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Category: information  

祝 W Cup 対デンマーク戦勝利!


Category: piano (第3期)  

Trinity / Rasmus Ehlers

 Rasmus Ehler

Rasmus Ehlers (p)
Poul Ehlers (b)
Kresten Osgood(ds)
Recorded November 2007, on Location Studio, Thomas Vang
YFJCD009 (Your Favorite Jazz Records)

前々回は、W Cup 日本対戦国のオランダのミュージシャンを取り上げてみましたが、今回
もそれにならって、決勝ラウンド進出をかけて対戦するデンマークのミュージシャンを取り
上げてみようと思います。もっとも前回は、負けちまったが、今回もそのパターンにならぬ
よう祈るばかりだ。頼むよ!

ということで、ちょうど渡りに船で手元にあったのが、デンマークのピアニスト
Rasmus Ehlers (B1971) の最新作。
日本では、George Garzone(ts) をフィーチュアした2002年作 "Brooklyn Days"が人気
だったこのピアニスト、今回はトリオで勝負です。

スタンダード半分の全8曲という内容だが、スタンダードは、彼らしく料理されており
個性の詰まった決して甘くはない辛口のスタンダードとなっている。
こうしたスタンダードで見せるマイルドな叙情性も、オリジナル(クレジットなく不確か)
になると一転、フリーな展開も入り、非常にハードで骨太な面を見せてくれる。
私としては、スタンダードを演る彼よりも、オリジナルをハード、ダイナミックにそして
自由に攻める彼の方が断然、魅力的に映る。
全体として、ソフトからハードへと振り幅大きく、暗めのタッチが彼の持ち味であろうか。
飾り気の無い端正なプレイにも好感が持てる。
Osgoodのドラムスも大きく貢献している。

しかし、デンマーク戦は、夜中の3時過ぎの放送、これ見てたら金曜日は仕事にならん
よなぁ!

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Category: guitar (第2期)  

Standards / The Nuttree Quartet



John Abercrombie (g)
Jery Bergonzi (ts)
Gary Versace (org)
Adam Nussbaum (ds)
Recorded February 2007 KOB10023(Kind of Blue)

この Nuttree Quartet は、特にリーダーというものがないようで、アルバム名義人はなく、
Versace参加が購入の後押しをしたのは事実ですが、こういったメンバーでスタンダードを
Abercrombieがどうこなすのかに注目しての購入ということでカテゴリー guitar といたし
ます。

過去この4人、私の記憶ですとBergonzi とVersaceが共演歴がなく、あとはそれぞれに
共演歴もあり旧知の中ということになると思われます。

こういうフォーマットだと、一番目立つ形になるtsのBergonziですが、過去、orgでは
Dan Wall との共演歴もあり、私の印象としては、Breckerの兄貴分的存在でもう少し
ハードなプレイをしていたイメージを持っていたのですが、本盤のコンセプトも関係して
いるのでしょう、多少丸くなったという感じです。しかしこれが本盤に限った変化である
のかは、他作も含めての検証が必要になります。
そういった意味では、ギターのAbercrombieも、同じように丸くなったと感じるのですが、
彼の場合は、いい年の取り方をしていると受取れるものがあります。
近年、シブさが増し、そのプレイには、以前にも増して陰影を感じるようになってきており、
いい変化を見せているのはうれしい限りであります。
この深みが出てシブくなったと感じるのとおとなしくなったと感じるのでは、だいぶ違う
ものがあります。
本作は、タイトルが示す通り、スタンダードナンバーを材料としてはおりますが、やはり
このメンバー、一般的なスタンダード集ではなく、彼らなりのさばき方を見せてくれたのは
納得です。

organのVersaceは、相変わらず安定した力は発揮しているのですが、ちよっとだけ気になる
ところがあります。これは本盤に限らずいつものことではありますが、アドリヴのスタート
段階で、音を探るという意味があるのでしょう、途切れ途切れに音を発するプレイが目立つ
ことである。度々なのでちょっと気になってしまう。彼が一流と呼ばれるためには、最初から
トップスピードで入り込める技も必要となろう。

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The Nuttree Quartet

Category: vocal  

Fay Claassen sings Two Portraits of Chet Baker



Fay Claassen (voc)
Jan Menu (bs)
Jan Wessels (tp)
Karel Boehlee (p)
Hein Van de Geyn (b)
John Engels (ds)
Recorded July 2005 at Le Roy Amsterdam
BMCD 497 (JAZZ'N PULZ)

本盤はChet Baker 75回目の誕生日を迎えるにあたり、Chet縁の曲でかためた2枚組
Chet トリビュートアルバムである。
Fay Claassenは69年生まれ、オランダのVocalist。バックもおなじみのオランダの
Musicianでかためている。
そう、今日のW Cupサッカー、日本の対戦国オランダということで、思い浮かんだのが
このアルバム。急遽、本日の記事として登場してもらうことにしました。

このアルバムは、Chetをテーマとしていることもあり、Chetが漂わせていた、あの独特
の哀愁が全編に渡り流れており、それがこのアルバムの魅力にも繋がっている。
演劇学校でも学んだ経歴があるというClaassenの詩情豊かで懐の深いvocalは、この
アルバムのコンセプトにもマッチし味わい深い作品としている。
スキャットでのアドリヴ表現も巧みで、バックのメンバーそれぞれのプレイの質も高く
あらためてオランダJazzのレベルの高さも感じさせてくれる好内容である。
サッカーのレベルも半端なく高いのは、日本にとっては困りものだが.....。

このアルバム入手まもないころ、2006年、同一メンバーでのステージを横浜みなとみらい
ホールの最前列かぶりつきで見る機会に恵まれましたが、本盤同様、高いQualityのステージ
を見せてくれました。即興性を重視する彼女の姿勢の表れでしょうか、スキャットを巧みに
操り、アドリヴでも管と五分に渡り合っている姿が印象的でした。
サウスポーのEngelsは、ds setの配置が全て逆という変則的スタイルで、その巧みな
ドラミングを披露してくれました。このEngels(ds)やHein Van de Geyn(b)などは、確か
Chetとの共演歴もあったと記憶しているが、そう思うと何か感慨深いものがある。

ここからは、脳ミソをWorld Cup Modeに切換えます!では!

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Fay Claassen

Category: sax (第2期)  

Clubhouse / Dexter Gordon



Dexter Gordon (ts)
Freddie Hubbard (tp)
Barry Harris (p)
Bob Cranshaw (b)
Billy Higgins (ds)
Recorded on May 27, 1965 (Blue Note)
 

I'm a Fool to Want You

tenor saxのballadに特別なものを感じていた私は、ひたすらtenor balladを追いかけた時期が
ありました。そんな時期、私が好んで聴いたのが、Dexter Gordonでした。そして、そのDex
のBalladに惹かれるきっかけとなったのがこのアルバム中の1曲"I'm a Fool to Want You"
との出会いだったでしょうか。

62年に欧州に活動拠点を移していたDexが、久しぶりに米国に里帰りした機会を利用して
3日間で2枚のアルバム録音をしましたが、1枚は名盤として名高い "Gettin' Around" として
まもなくリリース、しかし本盤は、長い間お蔵入りとなったまま、79年にキングレコードより
やっと世界初リリースとなったというのが本作です。その後、米国Blue Noteからもリリース
されましたが米国での評価は、あまりよろしくなかったようです。
(写真のジャケットはBlue Note盤)

本盤では、F.ハバードが参加してますが、録音当時、彼は新進気鋭のトランペッターとして
注目されていた時期で、同年、本盤とはだいぶコンセプトも異なるColtraneの "Ascension"
などにも参加していました。
この曲でも彼のtpは、シヤープなロングトーンにより、Dexのゆったりとしたバラードの中
に、いい意味での張りつめた緊張感を創り出しています。
Dex特有のタメを効かし遅れぎみに音を置いてゆきながら切々と唱うこの曲は、比類なき
豊かな情感を伴い、tenor ballad の私的名演となっています。




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Dexter Gordon

Category: guitar (第2期)  

Moderne / Claude Barthelemy



Claude Barthelemy (g)
Jean-Luc Ponthieux (eb, ab)
Jacques Mahieux (ds, p, voc)
Manuel Denizet (ds, Peugeot 504 Bumper)
Jean-Marc Padovani (ts, ss)
Philippe Deschepper (g on 1,7)
Gerard Buquet (tuba, kontrabass trombone)
Recorded at Piccolo Studio, Paris from December 27 to 31 1982
OWL 014 739 2

Claude Barthelemy (B1956) は、フランスのギタリスト。フランスでは、このブログでも
たびたび登場しているMarc Ducret (B1957) やベトナム系フランス人のNguyen Le
(B1959) などと同じ50年代生まれの同世代ギタリストとしてよく比較されるが、3者とも
にタイプの全く違う個性派揃いである。
Barthelemyは、当ブログ初めの頃、紹介したEmmanuel Bexの爆発的プレイが収められた
Live盤 "3 Bex" において、まさにその曲でギターを担当していたギタリストである。

大学での専攻は数学であったというBarthelemyは、なかなかの理論派でもあり、ギタリスト
としての才能だけではなく、コンポーザーとしての高い能力を持つ彼は、後にフランス国営
オーケストラ ONJ の音楽監督なども務めている。
Ducretのギターの変態性に対し、よりアブノーマルでエキセントリックとも言える感性を
奥に潜ませている彼のギターは、何か危ないものを漂わせ、変質的という言葉がハマるかも
しれない。誤解なきよう一言付け加えるなら、この辺の受取り方は、受け手の感性に
大きく左右されるものであり、これはあくまで私の感性によるものです。
類は友を呼ぶではないが、こういう音に惹き付けられてしまう、私に真っ当でない同質の
ものがあるということで、けっして多くの方におすすめできるものではありません。

決して流麗とは言えない独特のフィンガリングながらも、スピード感に溢れたプレイから
繰り出された音は、神経を逆なでされるような刺激臭を発散し、張りつめた空間を創るが、
時折、顔をのぞかせるユーモラスな感性も奥に潜ませているのは、危険なピエロをイメージ
させ、よりその変質性を際立たせている。
個性派揃いのフランス・ギター・シーンでも最右翼のエリアに位置づけられる彼は、その
中でも重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。
ジャケットの写真も危ない!

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Claude Barthelemy

Category: organ (第2期)  

In The Brink of an Eye / Sam Yahel

In the Brink of an Eye

Sam Yahel (org)
Peter Bernstein (g)
Brian Blade (ds)
Recorded April 18, 1999 86043-2(NAXOS)

最近は、piano Trioやサイドメンとしてpianoでの参加など、organ離れともとれる行動を
とり、organist Sam Yahelに期待している私をイライラさせてくれる彼だが、本作は、
サイドメンとして安定感抜群のPeter Bernstein(g)と才人Brian Blade(ds)を従えての好内容
の一枚である。
しかしながら、私にとっては、上質のorgan Trio盤という評価とは裏腹に同時に物足りなさ
をおぼえる一枚でもある。それは、Yahelが本来持っている先進性がちょっと希薄に感じる
からなのだ。まあ、ほんのちょっとしたところなのだが。
もっとも、それは私が期待と希望をこめて彼の中に潜む先進性を過大に評価していることも
原因で、これが彼の本来の姿であると言えないこともないのだが。
もっと冒険をしてほしい、それがなければ進化は無いとも思ってもしまうのだ。

本作では、先輩格である保守派のPeter Bernstein(g)が入っており、彼の感性の質に合わせた
内容となったと見るのが妥当なところであろうか。Bernsteinは、確かに良いguitaristでは
あるが、Yahelよりは、main stream寄りのノーマルな感性であり、感性の質としては、明ら
かにYahelとは異質だ。
Bernsteinは、同じorganのLarry Goldingsとも共演が多く、本盤ほどではないが、同様の
違和感をおぼえる。
異質同士の共演の場合、それがぶつかり合って、新たな創造へとつながる場合もあるが、互い
の良いところを打ち消しあったり、あるいは一方に合わせてしまったりと結果は様々だ。
本盤もこの一方に合わせてしまったというケースには、あてはまらないだろうか。
まあ結局、その合わせてしまわなければならなかったということも含めて、それがmusician
の能力でもあるのだろうけどね。(苦笑)

McCoy Tynerの曲T2「Inception」において、Yahelの持つ先進性の片鱗をちょっとだけ
見せてもらっただけでもよしとせねばなるまい。
同メンバーによる97年録音の前作 "Trio (Criss Cross 1158)" も同様の印象だが好内容。

余談ではありますが、ここで参加のBrian Bladeに関しては、2年半ほど前に生を見る機会に
恵まれましたが、次元が違うとも思えるドラミングを見せつけられ、驚いた経験があります。
過去多くのdrummerに生で出会いましたが、その中でもトップクラスであることは間違い
ないでしょう。
また、ピアニストSam Yahelも生で体験しており、確かにピアニストとしてもおもしろいもの
を持っていると感じるところはあるのですが、慢性的人材不足に悩むマイナーなOrgan界に
あっては、貴重な感性、個人的にはOrganに専念してもらいたいと切に願うしだいでありま
す。頼むよ!

Trio.jpg

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Sam Yahel

Category: organ (第2期)  

Lawrence of Newark / Larry Young

Lawrence of Newark

Larry Young(org, bongo, vo)
James Blood Ulmer(g), Cedric Lawson(el-p), Pharoah Sanders(sax, vo)
Dennis Mourouse(sax, el-sax), Sharles Magg(el-tp), Abdul Shhid(ds)
Jumma Santos(tom-tom, cow bell, whistle, tambourine, hi-hat), Howerd King(ds)
James Flores(ds), Staceu Edwards(conga), Don Pete(b), Umar Abdul Muizz(conga)
Amen Halburian(conga, bells, perc), Diedre Johnson(vc), Juni booth(b)
Art Gore(ds, el-p), Abdul Hakim(bongo), Poppy La Boy(perc)
Recorded 1973 CMRCD288(Castle)

1. Sunshine Fly Away
2. Khalid of Space, Pt. 2 Welcome
3. Saudia
4. Alive
5. Hello Your Quietness (island)


今世紀になり初CD化となった、イノヴェイター Larry Young (B1940~1978) 混迷期の
一枚。
60年代に入り、新しいorganの世界を創り出し一応の評価を受けたYoungは、それに甘ん
じることなく、そのとどまることのない先進的姿勢を持って、創造という戦いの場へ身を
投じることになる。本盤は Lifetime 脱退後の録音。

本盤は、新しい音を探し求め苦悩する姿が目に浮かぶような、混迷とも言えるこの時期を
象徴するかのような内容ではあるが、そこにはイノヴェイター Young の熱くストイック
な姿勢が垣間見え胸が熱くなる思いである。呪術的とも言える怪しい芳香を発散する総勢
18名に及ぶ音空間をエフェクトのかかったorganが浮遊するディープ、アブストラクトな
サウンドは混沌とし、明日が見えない。
そんな中の1曲 "Saudia" では、彼が、かつて誰も到達し得ない地点に到達したかと思わせ
るような一瞬に遭遇し、ハッとさせられる。混沌の中に差す一条の光を見た思いである。
長年CD化されなかったことからもわかるが、この時代の彼を評価する人も少ないであろう。
しかし、結果が全てとは思いたくない、こういう前向きな姿勢こそがアーティストの条件で
もあり、評価されるべきなのではないだろうか。創造することは、戦いでもある、最後まで
戦う姿勢を失わなかった彼こそ真のイノヴェイターと呼ぶにふさわしいのではないだろうか。
彼は38才に満たない若さで混迷の中に、去りましたが、この1曲を聴きあらためて思うのは、
この混迷の時期の先に何かを見つけ出した彼を見てみたかったという思いです。返す返す
残念。きっと現在のorgan sceneも全く違うものになっていたことでしょう。

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Larry Young

Category: piano (第3期)  

Abend / Anja Mohr Trio



Anja Mohr (p)
Andreas Edelmann (b)
Willi Hanne (ds)
Recorded on 12 and 13 March 2007 INT 3422 2(INTUITION)

1.Abend
2.Afro Blue
3.How Deep is the Ocean
4.Cloche
5.Tutu
6.Georgy Porgy
7.Beschneide Keine Pflanze, Die im Begriff ist zu Wachsen
8.Night Dreamer
9.Schnipsel

Anja Mohrはドイツ、ハンブルク出身の女流ピアニスト。
曲目を見てもある程度イメージできるかもしれないが、Coltraneの "Afro Blue" 、Milesの
"Tutu" 、Shorterの "Night Dreamer"などが入っており、一般的にイメージするリリカル
で耽美的な欧州の女性ピアニストとは趣を異にする。

骨太で時にアブストラクト、スピリチュアルな表現も入るというハードなものを見せるが
一方て゛ダークでデリカシーに富んだ感性も潜んでおり、特にT1のタイトル曲 "Abend"
で見せる繊細なガラス細工のごとく、危うく、はかなくも妖しい美を発散するダークな感性
には惹かれる。
しかし、技術面で難があり、せっかくの非凡な感性も表現しきれていないと思わせるような
部分もあるのは残念である。
今は、技術面では優れたものを持ちながら、それがために必要以上にやたら音数を多く
使ってしまうというような感性面で難ありのタイプが多いが、こういう逆のパターンは
非常にめずらしいのではないだろうか。
明るくハッピーな音を楽しいものとして受取れないJazz道楽者にとって、まさにうってつけ
のダークな感性の持ち主である彼女は、練習では補えない部分を既に持っているし、後は
彼女の考え方しだい、おもしろい存在になれる十分な資格は持っているのだが.....。

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Anja Mohr

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