前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 05 2010

Category: sax (第2期)  

Live at Louis 649 / Eli Degibri

Eli Degibri

Eli Degibri (ts, ss)
Gary Versace (org)
Obed Calvaire (ds)
Recorded August 27-28, 2007
ANZ-3001(ANZIC)
 
Gary Versace参加の Degibri 盤ということで、迷わず購入の一枚。
このブログは、今年に入ってからスタートしましたが、実際公開し始めたのは、記事数が
ある程度揃ってからでしたので、2月ごろからだったと思いますが、ブログ開始前の所有音源
で、記事としてUPしておかねばなどと思っていたものが、全くかたずいていきません。
まあ、気長にやらせていただきます。この盤などは、Versace関連のものとしては、私的上位
にランクしていたものですが、やっとUPにこぎつけました。
Degibri曲5、スタンダード2曲の全7曲という内容だが、Liveということもあり、10分以上の
曲が5曲と長尺ものが多い。

ちょっと前の記事で、同じVersace参加の若手ts奏者のリーダー作ということで、Wayne
Escoffery
を取り上げましたが、本盤では1曲目を聴き始めるとすぐに、それとは違った密度
の濃い音に確かな内容であることを実感させられる。

イスラエル出身というDegibriの音には、やはり米国系、欧州系とは違った、その出自を
イメージさせる音が奥に潜んでおり、そのあたりも魅力となっているのではないだろうか。
それはsoprano saxに持ち替えた時、より顕著になるようだ。
終始、自信に溢れたエモーショナルなプレイは、バラードでも速い展開でもブレることなく
安定しており、そういった抑制の利くという一方で、高い感情注入力によりHotな面も見せ
る場面もあり、まさに多くの進化の可能性を持ち合わせた、今の感覚を持ったsax奏者と言
えそうだ。

Versaceは、最近特に出番が多いが、2005年を過ぎたあたりからの彼の成長ぶりを見ている
と、多方面から声がかかるのもうなずける。似たpositionにいる先輩格のGoldingsやYahel
を追い抜くような勢いを見せており、旬のorganistと言えるだろうか。元々ノリの良さでは
定評の彼は、Degibriに負けず劣らず大いに楽しませてくれるが、締めるべきはきっちり締め、
このLiveを創っている。こんなバックがいたら、さぞ頼もしいであろうと思わせる、Versace
の成長ぶりであろうか。

最後になってしまったが、このアルバムの高評価は、Calvaireのds抜きには考えられないとい
うほど、dsの良さが目立つ一枚と言える。限られたドラマーのみが持ちうる、息を呑むような
タイム感、久しぶりに味わった感覚である。Obed Calvaire、名前を記憶しておこう。

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Eli Degibri

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Category: vocal  

A Time for Love / Debra Mann

Debra Mann Debra Mann-2

Debra Mann (voc, p)
Mark Carlsen (b)
Jack Menna (ds)
Recorded September 2 & 3, 1996 (Jobe Records 001)

独特の声質とハスキーぎみのvoiceが特徴。
vocalは、クセを含めてそれらが自分の感性にフィットするかどうかが最重要ポイント
などと、かなりいい加減な選択基準を設けている。
何だか嫁さん選びと似ている気もするが、いろいろ能書きを並べてもしょうがないし、
私のように道楽でJazzとつき合っているもんは、単純に聴いて良い、悪いだけの話なん
だけどね。(苦笑)
つまるところ、何を良しとするかの判断基準が私のように時とともに、かなり変化して
いったり、人によって全く違ったりするからこそおもしろいとも言えるんでしょうね。
何だかわけのわからない話になってきてしまったので、とりあえずシンプルに先に進め
ましょう。

ということで、Debra嬢の声には、私の感性もGOサインを出したようであります。
T3のoriginal "You can Count on Me" は、セミハスキーのvoiceでなげやりぎみに唱う
というヒット曲まがいの快調なノリノリナンバー、もうちょっと行き過ぎたら、あちらの
世界へというギリギリのところで踏み止めた彼女はエラい!この紙一重の際どさが美だよ
ねぇ。一転してタイトル曲「A Time for Love」ではしっとりとバラードでキメる。いいよ!

今日は、時間がなかなかとれなく、この記事も即興3分間reviewというつもりで、勢いの
イケイケ一発勝負で上げてみたけど、わけがわからなくなってきました。後で修正するかも!

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Debra Mann

Category: trumpet  

Live from The Moonlight / Chet Baker Trio



Chet Baker (tp, voc)
Michel Graillier (p)
Massimo Moriconi(b)
Recorded Live:MACERATA. Moonlight Club, November 24, 1985 
PHILOLOGY W 10/11-2

Disc1) 1. Polka Dots and Moonbeams
    2. Night Bird
    3. Estate
    4. Polka Dots and Moonbeams(Rehearsal)
    5. Arbor Way(Third set)
Disc2) 6. Dee's Dilemma
    7. How Deep is the Ocean
    8. My Foolish Heart
    9. My Funny Valentine
    10. Broken Wing(Third set)
    11. Funk in Deep Freeze(Third set)
 
特別な存在として見守り続けてきたアーティスト Keith に別れを告げてしまった私は、まだ
ちょっぴりその後遺症が残っているようです。そんな時、いつも決まって手が伸びるのが
Chet です。Chet Bakerは、やはり私にとっては、特別な存在と言えるのかもしれない。
しかし、それは私の音楽史の中で、その方向性を決定づけるようなきっかけとなったという
ような意味合いのものではなく、いつの時代にも、何かの時にふと思い出したようにその音
に触れたくなるような数少ないmusicianということで、いつもは表に出てこないのですが、
どこか近くにいつも居てくれるというような存在と言えるかもしれません。

LPからCDへと時代が変わりしばらくした頃、LPを中心にそれまで所有していた貴重なものを
含めた多くの音源を処分整理したことがありましたが、本盤は、なぜか不思議と愛着があり
Chet のアルバムとしては、残したアルバムです。

イタリア PHILOLOGY レーベルから2枚組ライブ盤としてリリースされた本盤は、リハーサル
の様子やChetがマイク状態を確認するためコンコンとマイクを叩く細かい音まで入るなど現場
の生々しい様子が収められているという Chetファンには、たまらない内容となっています
が、現在は廃盤となり再発の予定もない幻のアルバムとなっているようです。

内容も愛着があり残したというだけあり、私にとっては愛聴盤として生涯つき合い続けるで
あろう好内容です。
Chetが好んだドラムレストリオという編成になってますが、この時期のChetにしては、メン
タル面でも前向きななものが感じられ、アグレッシブな姿勢も見せてくれるなど、いつになく
好調とみました。trumpeter Chet Bakerのすばらしさも再認識させられるなど非常に充実し
た内容となっています。もちろんBallad "My Foolish Heart" で聴かせてくれるvocalも泣き
です。もっとも、特に晩年のChetは、不調の時でもそのLazyな雰囲気が逆に魅力になってし
まうというまれな存在で、そのプレイに滲み出る人生の悲哀は、彼の音に陰影と深みを与え、
たまらなく惹き付けられるものがあります。
Graillierのピアノも好調でドライヴ感溢れるソロも聴かせてくれます。ピアノがピンと張った
金属のワイヤーをハンマーで叩いて音を出す楽器であることを実感させられるような生々しい
録音も本盤の魅力となっています。
本盤はLiveということもあり、全て10分を超える長尺曲で占められるなど、85年当時の貴重
なChetの生の記録として再発されずに、眠ったままというのはChetファンにとっては、大き
な損失と言えるでしょう。

久しぶりに耳にするChetの音は、理屈抜きにカッコいい、泣かせるぜ!

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Category: organ (第2期)  

Altitude / Groundtruther



Charlie Hunter (7 strings g)
Bobby Previte (ds, electronics)
Guest: John Medeski (org, el-p, synth, p)
Recorded August 2006  (THI 57181.2)

現代NY前衛Jazz Sceneで活動するCharlie HunterとBobby Previteの2人のプロジェクト
Groundtrutherに毎回ゲストを迎えての3部作の最終章である本作は、購入のターゲットで
もある鬼才John Medeskiを迎えての2枚組。

Charlie Hunter (B1968) は、普段は特注8弦ギターによりギターパートとベースラインを
同時に弾くという異色のギタリスト。本盤では7弦ギターを使用。

disc 1は、エレクトリック・セットの全7曲。
ダーク、スモーキーな空気感の中、フリー・フォーム・ファンクといった趣きの展開で曲は
進められてゆくが、途中、バスクラや日常音を模したような音が入るなどエレクトロニクス
を駆使したダーク・シリアス・アンビエントな空間は、あたかも先端技術に囲まれた無機質
な未来空間に迷い込んだかのような錯覚を覚える。やがてdisc 1のラスト曲、15分を超える
T7 "Empire State" でのMedeski登場でピークを迎える。
こういった展開の中で生きるorganは、やはりMedeskiであろう。フリーキーで妖気漂う
organは、この張りつめた空間を、駆け抜け、全てを破壊するかのように荒れ狂い、第一幕
の終了となる。このMedeskiのフリーフォームで暴れるorganにはヤラれます。

disc 2は、アコースティック・セットの全16曲。
個々のソロよりもトータルなサウンドに重きを置いた表現の中、狂気をはらんだ、異様な
緊迫感が持続する。シリアスな現代音楽的アプローチも加わり、Previteが時折見せるクラシ
カルなパーカッション的プレイは切迫感をより煽り、HunterのギターとMedeskiのピアノは、
そのアコースティック楽器の生々しさで、よりリアルさを伴って、身も凍る世界へと誘う。
かなりヤバイです.......???

Medeskiファンには、このブログ開始当初取り上げたLive盤 "Elctric Tonic / MMW" もお薦め!

altitude-2.jpg

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Groundtruther

Category: sax (第2期)  

Jutta Hipp / With Zoot Sims

Jutta Hipp  Jutta Hipp (p)
  Zoot Sims (ts)
  Jerry Lloyd (tp)
  Ahmed Abdul-malik (b)
  Ed Thigpen (ds)

  Recorded July 28, 1956, NY
  CDP8524392 (Blue Note)

  1. Just Blues
                    2. Violets for Your Furs
                    3. Down Home
                    4. Almost Like Being in Love
                    5. Wee Dot
                    6. Too Close for Comfort

90年代に入り、”Stan Gets / People Time” との出会いをきっかけとして、しばらく離れていた tenor sax と再びつき合うようになった自分は、
中でも特に tenor saxのBallad を追いかけた時期があった。そんな中で出会った本盤中の1曲 "Violets for Your Furs" は、自分の中での
Zoot Sims(B1925)の評価を決定づけた忘れられない1曲。
tenor sax の Ballad については、昔からなぜか特別のものを感じていたようで、少年時代に尾田悟さんのtenor Balladを聴いては酔っていました。
まあ、こんなどシブのおやじテナーに反応するようなガキはおらんでしょう。当然、真っ当な道は歩めません。

生き物であるJazzは、その時代々のエキスを吸収しては、少しずつ変化しながら生き続けてきました。それと関わってきた自分も、常にそれまで出会
ったことのない美との出会いを求めることにより、自分の美的価値観を少しずつ変化させてきました。
「いいものはいつまで経ってもいい」などとよく聞くことばですが、Jazzの世界では、どうなんでしょうか?時代と密接なつながりを持って生きてき
たJazzにおいては、どんなにいい曲でも、哀しいかな、時の流れとともに少しずつ 色褪せてゆくのはいたしかたないこと。
それが生きものであるJazzの宿命とも言えるのではないだろうか。

そんな半世紀以上前、Zoot 31才の時の録音であるこの1曲。確かに多少の色褪せ感はありますが、ハードボイルドテイストを漂わせたテナー特有の
サブトーン含みの音、間、歌わせ方、フレージング...........等々、今聴いてもどれもが見事です。

Ballad は、曲自体の魅力とともに、奏者の感性、歌心、それを表現する技量が絡んで、結果に反映されるというシンブルさもある世界だけに、
他のスタイルより、時代の流れの中で経年変化の影響の出にくい分野と言えるのかもしれない。(あくまで私的感覚だが)
なので、一般に、時代とシンクロしたものに指向がある自分だが、このBalladに関してだけは、新旧問わず反応する傾向があり、この辺は、自分でも
分析できていないところである。そんな意味でも自分にとって、他とちょっと異質の分野と言えるのかもしれないし、また魅力となっているところ
なのかも。

            

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Jutta Hipp

Category: piano (第3期)  

Jasmine / Keith Jarrett & Charlie Haden



Keith Jarrett (p)
Charlie Haden (b)
Recorded March 24-25, 2007 at Cavelight Studio, NJ

私の音楽史を振り返り、それを川の流れに例えるなら、その流れを変えるきっかけともなった
節目となるようなMusicianが存在する。Keith Jarrettは、私にとっては、そんな生涯でも出会
える数少ない特別の存在であることに間違いはない。

数ヶ月前、このアルバムのリリースを知った私は、期待感でいっぱいになった。なぜなら私
は、現在のトリオとは違った美の形を見たいと思い続け、新しいメンバーでの新しい美の創出
に是非チャレンジしてほしいと心から願っていたからである。
そしてこのアルバムが、いつものトリオではなく旧知の仲であるHadenではあったが、デュオ
というフォーマットであったことで、Keithがやっと新しい冒険に旅立ってくれるのかと早計
にも大きな期待を抱いてしまったのだ。しかし後日、現在のトリオは存続し、本アルバムの
デュオは、あくまで一時的な本盤限りのものであることを知るに至り、その大きな期待は失望
に変わってしまいました。

デビュー当時のKeithと出会ってから、もうどれほどの年月が過ぎてきたのであろうか、
初めて出会った時、限られたMusicianにしか感じないただならぬものを感じ取った私は、
特別な存在として、2007年のコンサートに至るまで周期的に計6回のLiveも聴いてきました。
今のトリオ結成間もないころの厚生年金ホールでのLiveのなんとすばらしい体験であったこと
か、思い返せば、新しいものが生まれつつあることを感じることができた、この最初のLive
がベストであったとも思う。

共演者との対話の中から、その互いの刺激により新たなsomethingを生み出そうとするJazz
においては、その共演者の持つ意味は大きい。今のトリオは、あまりにも長く続いてしまっ
た。それがために新しいsomethingを生み出すための大事なものが希薄になってきているの
は否めない。

そんなことで、既に30年ほど続いている現トリオでの演奏は、現在でも常に高レベルの
piano trio jazzを演ってくれることは十分わかっているのだが、私が求めてやまないのは、
単にQualityの高い音楽ではなく、今まで出会ったことがない新しい美であり、そうした瞬間
に出会いたいがための道楽でもある。
現トリオには、期待できない新しい美の形を求める私は、ある時期から、彼らのアルバムを
あまり聴かなくなってしまいました。

前置きが長くなってしまいましたが、そんな状況の中、久しぶりのKeith盤購入です。
デュオということで、現トリオとは違ったものに淡い期待を寄せてはいたのですが、過去の
彼を知っている私には、残念ながら新しい発見ができません。常に前に進む姿勢を求めて
しまう私にとっては、生涯でも出会える数少ない特別な存在であるKeithの音に、それが
感じ取れないことが寂しくもあり、残念でもあり、辛くもあり、複雑な心境です。

今回は、"Jasmine" の記事であるはずが、特別な思いのある人 Keith の記事ということも
あり不覚にも気持ちのコントロールができず、だいぶ話が逸れてしまいました。従ってCD
購入時の参考新譜評としてこのブログをご覧いただいている方が、もしいらっしゃったら、
新譜評を目的としていない当ブログは甚だふさわしくありません。他にしっかりした評価を
されているブログがありますので、そちらをご覧ください。

Keithも年令的には新しいチャレンジができる時間がだんだん残り少なくなってきていると
いう現在、9月には、現トリオでの日本公演が予定されているなど、Keithには、そんな考え
はないようです。現トリオで、その音楽の完成度を高める方向に進んで、どれだけのものが
残せるのかを考えると、残念な気持ちでいっぱいになってしまいます。
それだけの能力と可能性を持っている希有な存在だけに.........。
新しい美創出のために、リスクを背負って荒波に向かう姿勢を失ってしまったアーティスト
Keith Jarrettには、出会った頃の輝きは、もはや私には見出せません。
さらば Keith!

休み明け最初の記事が、図らずもこんな記事になってしまうのも何かの縁というものでしょう
か。新しい門出の繰り返し、それが人生........。

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Keith Jarrett

Category: information  

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       都合により、1週間ほどお休みいたします。
       その間、ブログの方は公開状態に設定しておきますが
       コメント等については、対応できませんのでご了承ください。
       以上、よろしくお願いいたします。


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Category: Gallery > CD Jacket  

Original CD Jacket 2

Sleeping Souls

)このOriginal Jacketは、あくまで個人使用目的で作成したものです。
  商用への転用、転載等はご遠慮ください。
  ご理解のほど宜しくお願いいたします。

この英文タイトルは、カナダ在住のまん丸クミさん(Jazz from 43rd Parallel north)に
ご指導いただき作成したものです。
彼女のブログは、現場取材も多く、生のカナダジャズシーン情報が満載、粋な姉御の
HOTなブログです。

Gellery-CD Jacket-2

Category: guitar (第2期)  

Crime Scene / Terje Rypdal

Crime Scene

Terje Rypdal (g)
Palle Mikkelborg (tp)
Stale Storlokken(Hammond B3)
Paolo Vinaccia (ds, sampling)
Bergen Big Band: Directed by Olav Dale
Recorded May 2009 at Nattjazz Festival, Bergen  (ECM 2041)

ノルウェーの実験的精神あふれたベテランギタリスト Terje Rypdal(B1943) の最新作。
タイトルのCrime Sceneは、そのまま訳せば犯罪シーンとなりますが、何やら物騒なタイトル
ですなぁ。まあ、こういうタイトルをつけようという心根がまずいいですねぇ。
全14曲中13曲がRypdalのオリジナルで、このジャズフェスのために "Crime Scene" という
大題のもと、全て用意された曲であるようだ。

2006年リリースの前作 "Vossabrygg" はMilesトリビュート作だったが、本作は、Rypdalが
大きな影響を受けたColtraneをテーマとして、活動を共にしてきた旧知の仲間で脇を固め、
さらに同じく仲間のOlav Daleが指揮するBergen Big Bandが加わり、Rypdalの大キャンバス
の上でビッグスケールのライブショーが展開される。
organ好きの私としては、StorlokkenのorganチェックとベテランRypdalの状態チェックと
いう仕事が購入の大きな目的であったわけですが、Big Bandをバックに大がかりでトータルな
サウンドで勝負というのが本盤の方向性ということで、個々のソロをたっぷりというわけには
いかず、思うような仕事はできませんでしたが、それでもこのファンク、ロック、フリー
ジャズが撹拌されたような意欲的ビッグスケールのサウンドを聴くにつけ、60代後半になると
いうRypdalのヒートアップしたプレイも入り、変わらぬ実験意欲を確認できたことはうれしい
限りであります。それにしてもこの40年代生まれのguitaristは、他にもAbercrombie,
McLaughlinなどいますが、人生の先輩とも言えるような年令の彼らが前向きな姿勢を維持
しつつ、こうも意欲的なアルバムを出している状況を見るにつけ、勇気づけられるものがあり
ますねぇ。
Storlokkenの脇役に徹し、計算されたorganも、本盤のコンセプトをより確かなものとする
ため大きな役割を果たしています。
Milesを想わせるMikkelborgのtp、そしてこのビッグプロジェクトの推進力を生み出している
Vinacciaのdsと言葉のサンプリングもいい味付けをしています。

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Terje Rypdal

Category: piano (第3期)  

Nature Boy / Rony Verbiest

Nature Boy

Rony Verbiest (bs)
Michel Bisceglia (p)
Werner Lauscher (b)
Mimi Verderame (ds)
Recorded January 29, 2007
PR0704(PROVA)


Rony Verbiest名義のアルバムだがMichel Biscegliaをターゲットとしての購入。
本盤は、Bisceglia自身のレーベルPROVAより、彼のプロデュースによるもの。

Verbiestは、アコーディオン奏者でもあり、そちらでの活動の方が多いかもしれない。
とは言っても本盤を聴く限り、baritone saxを片手間にやっているという印象はない。
LauscherはBiscegliaのレギュラートリオでのベース奏者。

本盤では、全10曲スタンダードという内容にて、Biscegliaは、自身のトリオやCattleya
ではあまり見せないストレートな4ビートジャズというオーソドックスな展開の中で洗練
されたクールなpianoを披露してくれる。
その右手のシングルトーンに重きを置いたスタイルは、メロディーラインを際立たせ、
シンプル、クールな印象をより強める好結果をもたらしていると言えるのではないでしょ
うか。昔、タイプは全く違うが、ほとんど右手一本で勝負というPim Jacobsというpianist
がいたことを思い出す。

Verbiestは、bs特有のサブトーンを含んだ音色で、唄心溢れた叙情豊かなプレイを見せ、
そのソフト & ウォームな味と、Biscegliaのクールで硬質なタッチとの対比が、互いを
強調する結果を生み、ゆったりとした中にも適度な緊張感ある、非常に洗練されたJazz
となっている。

非4ビート系の多い普段のBisceglia盤では聴けないオーソドックスな中でのクールにスウィ
ングする彼が聴けるという点でBiscegliaファンにもおすすめの一枚。

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Rony Verbiest

Category: guitar (第2期)  

In the Grass / Marc Ducret & Bobby Previte

In the Grass

Marc Ducret (eg, fretless eg, baritone eg)
Bobby Previte (ds, p, keyb, electronics)
Recorded September 11-12, 1996 at Feedback Studio, Vienna Austria
ENJ-9343-2(enja)

先に紹介した"My Man in Sydney"で出会ったMarc Ducretをターゲットとしての購入。
Marc Ducret は、57年パリ生まれの、変態派ギタリスト(そんな派あるのかなぁ)。
Bobby Previte は、ジャンルを超えた広い活動をしてきたフリー系ドラマーであり作曲家
としても有能である。

全10曲は、全て2人のオリジナルと思われる。

まず、このお洒落な感覚とは、対極にあるような2匹の蛇らしきものが入ったジャケットに
胸騒ぎを覚えます。極彩色のドギつさとハ虫類は、アブノーマルなものをイメージさせます
が、同時に現実のリアルな世界も呼び起こさせ、このイメージは、本盤での彼らの音楽の
イメージにもそのまま繋がっているかのような内容です。

本作は、フレキシビリティーの高いデュエットというフォーマットにて、 異端とも言える
2人のインプロバイザーが、複数楽器を使い分け、ありとあらゆる技法を駆使し、何でもあり
の、まさに何が飛び出してくるかわからないという展開は、フリーフォームジャムとでも言っ
たらよいのでしょうか。
デュオというと静かな対話ものが多く、そんなイメージを抱くが、そんなものは1曲目で吹っ
飛んでしまう。早くもDucretのハードトーンのギザギザフレーズが飛び出し、それに瞬時に
反応していくPreviteのdsもめまぐるしい変化を見せる。
鳥の鳴き声やら電子音らしき日常の音を模したような音が入る箇所もあり、非日常的な中にも
ふと日常も想起させ、シュールな空間を創り出しています。
互いの閃きが更なる閃きを生み、激しく、時に静寂に、予測不能の展開からは、シリアス、エ
キセントリックなシーンも見え隠れする。

Ducretのギターは、一聴してラフなイメージを抱くが、全てしっかりした技術に裏打ちされた
精緻に制御された表現である。破綻しかねないほどの激しいプレーの奥で、それを冷徹にコン
トロールする目を持つのがMarc Ducretという仕事人である。

世間は、ゴールデンウィークの真っただ中ではありますが、そんな世間のハッピーな状況に反
して、昼はお仕事、夜は遅くに、こっそりと変態ギターの記事をUPするという図はどうなんで
しょうかねぇ...............うーむ。

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Marc Ducret

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