前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort by 03 2010

Category: sax (第2期)  

Winter Fruits / Loren Stillman

Loren Stillman

Loren Stillman (as)
Nate Radley (g)
Gary Versace (org)
Ted Poor (ds)
Recorded June 4, 5, 2008 at Bennett Studios, New Jersey 
PIT3042(PIROUET)
 
7才でサックスを始めたという天才肌の若手硬派アルトサックス奏者(B1980)によるPIROUET
レーベル2作目。
前作では、ピアノで参加のVersaceは今回は本来のorgでの参加、ギターのRadleyも加わり
organ trio + as という編成。

全体的に、個々のソロは抑えめに、緻密に計算された繊細なアンサンブルを重視した作品と
言え、彼のコンポーザーとしての高い能力を実感できる一枚ともなっています。

10代でKonitzの指導を受けたといわれる彼のアルトは、ほのかにアブストラクトな空気感を
漂わせつつ、根底には硬質でクールなリリシズムが流れている。

Versace もここでは、Stillman のコンセプトのもと、裏方に徹しており、その繊細な音表現
によりデリカシーに富んだ、現代感覚溢れたJazzとなっています。

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Loren Stillman

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Category: organ (第2期)  

Jazz(z) / Emmanuel Bex

  Disc 1)
  Emmanuel Bex (p)
  Jean-Phillippe Viret (b)
  Aldo Romano (ds)

  Disk 2)
  Emmanuel Bex (org)
  Michael Felberbaum (g)
  Aldo Romano (ds)   

  Recorded 2002 Y226200(Naive)


Disc 1がpiano Trio, Disc 2がorgan Trioという本アルバムだが、私としては一応Bexのorganをターゲットとしとしての購入。

しかし見ての通り、Disc 1のpiano Trioでのバックをつとめるのは、bにJean-Phillipe Viret,dsにAldo Romanoという布陣、これで期待しないわけにはいかない
だろう。Viretのよく唱うベースに反応し、Bexもpianoの一音一音を大事にしたかのようなプレイを見せ、上質のpianoTrioアルバムに仕上がっている。
余談ではあるが、BexとViretは幼なじみであったらしい。

Disc 2では、若手guitarist Michael Felberbaumを起用し、先進性に富んだJazzが展開される。フランスは、いいguitaristがひしめいているが、このFelberbaum
も、モダンなテイストに先進性を備えた私好みのタイプであり、いろんな語法も身につけている彼は有能な新人(当時)と言えそうだ。彼を起用したBexの眼力も確
かだ。Bexは、ロックテイストのものから4ビート、フリーに至るまで多様な展開を見せ、相変わらずのNon Styleぶりを発揮しており、何が飛び出すかわからな
いBex Worldになっています。そのめまぐるしい変化に対応する術を持ち、音を変え技を変え、彩り豊かなplayを見せるFelberbaumもgood! 自分のplayを俯瞰で見れる冷静さを持ったクールなguitaristだ。
音楽とは関係ないかもしれないが、Bexのこのアーティスト然とした風貌もフランスのorganistらしくていい。

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Emmanuel Bex

Category: guitar (第2期)  

Liberte Surveillee / Daniel Humair

Surveillee-2.jpg

Daniel Humair (ds)
Marc Ducretr (g)
Bruno Chevillon (b)
Ellery Eskelin (ts)
Recorded June 25, 26 & 27, 2001  SKE333018.19(SKETCH)

Daniel Humair名義のアルバムだが、Marc Ducret(g)をターゲットとしての購入。

内容は、Humair曲3、Humair-Joachim Kuhn共作曲1、Joachim Kuhn曲2、
Ducret曲1、Michel Portal曲1の2枚組、全8曲。

Marc Ducretは、57年パリ生まれ、ギターは全くの独学らしい。どんな独学をすれば
こんな危険きわまりないギターが生まれてくるのやら。それにしてもフランスには、強い
個性を持ったguitaristが多く、Jazz道楽者としては、目の離せない危険地帯だ。

リーダーでもあるHumairの考えでもあると思うが、本アルバムでは、いつもの超過激な
Ducret とは違った、どちらかというと静の部分を多く見せてくれる。空間を音で埋めつくす
のではなく、逆に音を抜くことにより、そこに出来る間というものを非常に感じる音楽に
なっていると思う。その空間に危ない香りを漂わせつつ時には鋭角的に切り込んでくる
Ducretのハードトーンのギターと不穏な空気を漂わせるEskelinのテナーは、場の空気を
一気に張りつめたものとし、緊張感溢れた中での4者による瞬間の音のやりとりは、まれに
見るスリリングなアルバムとなっている。

全体として分厚くヘビーなサウンドは、作品としての重みも増しているようだ。
間の文化のない、米国では生まれないであろう、アーティスティックなJazzと言える
のではないだろうか。

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Marc Ducret

Category: guitar (第2期)  

guitar 編プロローグ

楽器ごとに集中するような聴き方をしてきた私は、Jazzとつき合い始めるようになった頃、
それまでblues少年だった時代に馴染みのあった楽器であるguitar, organなどを集中して
聴きました。Wes Montgomery、Kenny Burrell、Jim Hll、Larry Coryell, Joe Pass,
Grant Green, Django Reinhardt, Gabor Szabo,............等々、当時の代表的なところ他
第一期guitar期と呼べる時代に、ほとんど一度は聴いているといっていいでしょう。

その後、piano, tenor saxなど他楽器では集中して聴く時代があったのですが、guitar に
関しては、ありませんでした。それは、guitar にのめり込むようなきっかけの節目となる
ような大きな出会いが、たまたまなかったというのも理由かもしれません。
しかしながら、それぞれの楽器時代に、それらと関連したものを中心に、コンスタントな
つき合いは続けてきたということで、細く長い付き合いと言えるのかもしれません。

そんなguitarとの関わりでは、あったわけですが世紀変わり目あたりから第2期organ期
に入ると、organとの関連ということで、聴く機会もぐんと増え、新しい感性を持った
guitaristとの出会いに非常に期待しているという現在の状況です。

このguitar編では、第1期で出会ったgutarに関しては、もういろんなところで語り尽く
されていること、私にとっても、もう過去のことであり、このブログのタイトル通り、
前を向いたJazzとの関わりが基本の私としては、いまさらということでもありますので、
今の時代を踏まえたという内容に絞って第2期guitar期として進めていきたいと思います。

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Category: piano (第3期)  

Look at the Doorkeeper / Sebastian Steffan

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Sebastian Steffan (p)
Andreas Edelmann (b)
Martin Stieber (ds)
Recorded December 2006  KCD5194(KONNEX)

79年生まれのドイツ人ピアニスト。全8曲が彼のオリジナルという内容。

耽美派全盛の欧州において、珍しくハードでゴツいテイストを持ったpianoだ。
そんなダイナミックでメリハリあるという第一印象ではあるが、時にアブストラクトな
面を覗かせたり、甘美なロマンティシズムあふれるタッチも顔を出すという振り幅の大
きいpianoと言えそうだ。重量感あるベースもなかなかいい。

そんな彼ではあるが、バラード系の曲、特にT3「Wieder Frei」などでは、明らかに
Keithの影を残しており、この部分の顔とハードなプレイをしている時の顔とが一致せず
違和感を憶えてしまうという部分もあり、まだ自分の語法を模索中であることもうかがわ
せる内容となっている。

幾度となく経験してきたことではあり、ちょっとここで心が折れそうになってしまうが、
他の多くのKeith Followerと違い、独自の強い個性も見せてくれる彼のピアノは、まだ十分
伸びしろを残した、いい意味での荒さを持っていると思う。その大きな影を踏み台として、
大きく羽ばたける可能性を持っていると思うのだ。そう思えるpianistである。

JAZZ-piano 9

Category: organ (第2期)  

Saudades / Trio Beyond



John Scofield (g)
Larry Goldings (organ, ep)
Jack DeJohnette (ds)
Recorded Live November 21, 2004 at Queen Elizabeth Hall, London
ECM 1972/73

Jack DeJohnetteをリーダとするこのトリオだが、購入当時はorganにドップリ浸かっていた
時期でもあり、ターゲットは、Larry Goldingsのorgan。

DeJohnetteにとっては、所属していたマイルスのグループのds前任者Tony Williamsと彼の
バンド Lifetime へ捧げたロンドンでのLive2枚組。

曲目は、Miles, Lifetime 関係のものが多くを占め、同じ楽器編成でもあるLifetimeの方向性を
ある程度意識した内容となっているが、やはり時の流れは大きく、Lifetimeと比べると、進化
したサウンドと言えるでしょう。考えてみれば 少年時代 Emergency なる単語を憶えたのも
このLifetimeの同名アルバムがきっかけだった。時の流れを感じますねえ!

DeJohnetteのドラムは、8ビート、4ビート、はてはアブストラクトなフリーテイストのもの
まで飛び出すという多様な展開の中でグループの核となり、実にヘビーなサウンドを叩き出
している。Keithのトリオでは、しばしば流してるのかなあと思える場面も目撃してきた彼で
すが、ここでは別人になってます。

最前線のScofieldもジョンスコ節も全開に縦横無尽の動きを見せ好調のようだ。高速4ビート
での疾走感あふれるplay、一転してスローなBalladもいい。私は、このこれでもかというぐら
いタメを効かした唄心あふれるScofieldのBallad表現には、以前から魅せられていた。
多少のミスピックも、このあふれる唄心にまかせ、弾ききってしまうあたりは、逆にいい意味
でのラフな味わいにもなっていると思う。Disc2 T2 "I Faii in Love too Easily" における泣き
のBalladは、絶品の感あり。

さて、ターゲットのGoldingsですが、Scofieldとの繋がりもあるし、当時、新主流派と呼べる
ようなこの感性を持ったorganistは少なく、positionの近い Sam Yahel, Gary Versaceなど
もいますが、この2004年の録音当時を考えれば、このアルバムの役どころとしては、やはり
彼が最適任でしょう。3人ともブチキレてしまったら収拾がつかないということで、ここは
オトナの対応、Hotになってアブナイ2人のとっつぁんを横目に、抑えながらもあくまでCool
にキレてます。あらためて彼が、コンテンポラリーなorganの流れの中心にいることを感じさ
せられます。そして今後のorganの主流となる基礎をつくるのは、Goldingsを中心として
Yahel, Versaceあたりの流れであろうということも感じさせられます。
この種のorganを、たっぷり聴けるアルバムが少ないだけに、私としては満足の時間でした。
久しぶりのアドレナリン出まくり、血湧き肉踊るという怒濤のブチキレLive!スッキリ!

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Trio Beyond

Category: piano (第3期)  

Lunare / Franco Piccinno

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Franco Piccinno (p)
Aldo Vigorito (b)
Peppe La Pusata (ds)
Recorded September 2003  ITN002(Itinera)

イタリアはナポリ出身のpianist(1973生)によるデビュー作。

このブログも始めて、実質一月ちょっとという段階ですので、それ以前のアルバムで基本
内容良しのものも少しずつUPしてるわけですが、このアルバムなどは、確か一昨年ぐらい
の購入だったと思います。中でも特に気に入っていたものですが、本日、やっとUPとなった
しだいです。

さて、内容の方ですが、ミンガスのT8 "Good Bye, Pork Pie Hat" 以外は全てオリジナルと
いうことで勝負の姿勢が見えます。

ナポリというと、明るくハッピーなものをイメージしますが、彼のpianoには、そんなイメー
ジは微塵もないようです。
あくまで暗く沈んだ重めのタッチ、その向こうに、ほのかなロマンティシズムが見え隠れする
何ともCoolな美しさを発散するpianoだ。
そのロマンティシズムもEasyな甘さは皆無、硬質でドライな中にフレキシブル、時に軽いアブ
ストラクトな展開も見せ、フレーズの端々にはセンスがほとばしる。
b, ds も腕達者でグループとしてのレベルも高い。
録音時ちょうど30才という若さだが、独自の確かな美学を持ったpianistと言えそうだ。
要注意人物としてリスト入りしてもらいましょう。


Interview with Franco Piccinno presenting his work "Lunare"
at Pomigliano Jazz Festival 2005.


JAZZ-piano 8


Category: vocal  

My Swedish Heart / Viktoria Tolstoy



Viktoria Tolstoy (voc)
Jacob Karlzon (p)
Lars Danielsson (b, cello)
Peter Danemo (ds, perc)
Ulf Wakenius (accoustic guitar)
Nils Landgren (voc, tb)
Special Guests :
Ale Moller (mandola, fl)
Christian Spering (b)
Wolfgang Haffner (ds)
Bohuslan Bigband
Recorded October 2005  9705-2(ACT)

何かにつけ、文豪トルストイのひ孫という形容詞が付けられた彼女も、今ではすっかり
ACTレーベルの看板娘となった感のあるTolstoy嬢ですが、このアルバムでは、Sweden
のtraditional他、Sweden musicianのオリジナルで固めた、アルバムタイトル通り、
Swedenの心を感じるような内容になっています。

Nils Landgrenのプロデュースになるこのアルバムは、Swedenの伝統をPOPで現代的
テイストで料理し、Coolでありながらも柔らかなHotさも感じるという秀逸な内容と
なっています。一言で言うならモダン、スタイリッシュという感じでしょうか。

T5 "You Gave Me The Flow" でのKarlsonのP、T11 "Jag Yet En Dejtig Rosa" での
Landgrenのtbなど聴き所は多い本アルバムですが、私的には、T3 "From Above" で
のWakeniusのギターの何とも切ない響きにヤラれます。泣きの一曲です。

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ViktoriaTolstoy



Category: organ (第2期)  

Reminiscence / Gary Versace



Gary Versace (org)
Vic Juris (g)
Adam Nassbaum (ds)
Recorded December 2006  SCCD 31631(SteepleChase)

このアルバムでは、ベテラン Vic Juris(g)と過去何度も共演してきたAdam Nasbaum(ds)を
バックに、Versaceのorganは、4ビートにバラードに彼の非凡なメロディーメーカーとして
のセンスも冴え渡り、終始快調に飛ばしきって、理屈抜きに楽しめるorgan Trioアルバムと
なっている。
Versace主体に見るならば、同じorgan Trioでこれより2年前の録音、Jonathan Kreisberg(g)
の「New for Now」あたりと比べると、ベテランJurisとの相性は良く、Jurisの豪快でよく唱
うguitarと相まってVersaceのoganは水を得た魚のようにイキイキしている。

Versaceの本質は、position的に近いGoldingsやYahelよりは、やはりメインストリーム寄り
なのであろうか、このアルバムでは、現在のorganの主流とも言える形を見せつけてくれる。

曲目内容は、Versaceのオリジナル2曲、Cedar Waltonの「Hindsight」、Monkの
「Thelonious」、Hancockの「Alone and I」、Keithの「Prism」、Tristanoの「Lennie's
Pennies」、Carla Bleyの「Floater」、Roland Hannaの「Let Me Try」、Bud Powellの
「Webb City」とバラエティに富んでいるが、いずれもVersace流に料理した全10曲となって
いる。いつも自身のアルバムでは、オリジナルが多めのVersaceだが、そんなところにも、
このアルバムのコンセプトが表れているように思う。

リラックスした中でVersace自身楽しんでいるかのように、快調なPlayではあるが、欲を言え
ば、もうちょっと冒険してほしかったと思う気持ちもちょっとあるけど、まあ、こんだけ楽し
ませてくれれば、それは贅沢ってもんか...............。

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Gary Versace



Category: sax (第2期)  

People Time / Stan Getz & Kenny Barron

People Time-1  People Time-2

Stan Getz (ts)
Kenny Barron (p)
Recorded Live on March 3, 4, 5 & 6, 1991, at the Cafe Montmartre, Copenhagen.
 
第2期sax編、最初は、長い間のtenor sax冬の時代を経て、再びtenorの時代に入るきっかけ
ともなったアルバムから始めましょう。

すでに、あちこちで語り尽くされているこのアルバムですが、私の音楽史の中では、一つの
流れを変える節目ともなったということで大きな意味のあるアルバムでもあり、これを出さ
ないことには、このブログのサブタイトルにもなっている「感性の変遷の歴史」の説明にも
ならないということであえて出させていただきました。

このアルバムに出会ったのは、90年代に入って間もない頃、このアルバムが丁度リリース
された頃だったと思います。
Getzとの出会いは、これが初めてではなく、第1期sax期でもある程度聴いており、特に
Bosa Nova系のものは、だいぶ聴きましたが、こんな形で再び出会うことになるとは思って
もいませんでした。

CDショツプの試聴コーナーにあったこの盤、何気なくヘッドフォンをとって聴いた音は、
妙に、心の奥底まで染み込んできました。長年の勘というやつでしょうか、そこに新しい
出会いを感じた私は、即購入したのは言うまでもありません。

GetzはこのアルバムのLive3ヶ月後、癌により帰らぬ人となり、このアルバムがGetzの
ラストアルバムとなってしまいました。
考えてみれば、このLive時点では、体調面でかなり厳しいものがあったことは容易に想像
できますが、おそらくGetz自身もラストになるかもしれないであろう思いの中での
コンサートであったと思います。
そんな背景もあったのでしょうか、ここでのGetzの音は非常にピュアです。思いの全てが
詰まったかのような音はストレートに突き刺さってきます。
中でも特にballad「First Song」は、後にtenor saxのballadにのめり込むきっかけとも
なった生涯忘れられない一曲となりました。
死を目前に予感したGetz入魂のballad「First Song」は、哀しくもLast Songになって
しまいました。

写真左は国内92年リリースの2枚組、全14曲のOriginal盤、写真右は、このCopenhagen
での数日間のLive完全記録の2009年末リリース7枚組、全50曲のComplete盤、表情の違う
別テイクが多数入っており、インプロバイザーGetzの最後の貴重な記録が刻まれています。

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Stan Getz

Category: sax (第2期)  

sax 編プロローグ

私とtenor sax との始めての出会いは、Coltraneが、あの黄金のquartetでバリバリやって
いた頃、来日時のTVの映像で見た時であったろうか。
当時、Blues好きの少年だった私の耳には、出会ったことのない新しい音楽ではあったがそれ
以上の夢中になる音ではなかったと記憶している。

そんな私が、Jazz突入期の第1期guitar, organ時代、第1期piano時代を経て、67年の
Coltrane没後数年経った頃からであったろうか、tenor saxの図太い音色に惹かれ始め、いろ
いろ聴いたあげく、たどり着いたのがこのColtraneでした。寝ても覚めてもColtrane、まさに
出口の見えないColtraneの崇高なる(当時の私はそう感じていた)ドツボの世界にはまり込ん
でしまったのです。
言ってみれば、教祖さまみたいなもんでしょうか。この世界から抜け出すのに、かなりの時間
を要してしまいました。抜け出してからの後遺症も長く続いたようです。

Coltraneのこの世界も、一旦離れてしまうと、逆にそれを避けようとする心理が働くのか
tenor sax自体、しばらく聴かない時代が続きました。
考えてみれば、当時、Coltrane以降のtenor sax sceneは、Coltraneの強大な影響力がしばら
く続き、Coltrane以降に表れたtenor sax playerはScott Hamiltonなどの例外はありました
が、ほとんどが彼の影響を受けたと言ってもいい状況でした。
tenorを聴けばColtraneの匂いがするということで、tenorを聴かなくなったのも自然な流れで
あったように思います。

こうしてtenor saxを聴かない時代が、しばらく続いてしまうのですが、90年代に入りまも
なく1枚のアルバムとの出会いが、この流れを大きく変えることになります。

このtenor sax編では、第1期のtenor期は、もう今さらの話ですので、90年代以降の第2期に
絞って、またtenor sax playerの場合、同時にalto saxやsoprano saxのplayerである場合も
多く、baritone saxも含めて、カテゴリーとしては、第2期sax編として進めることにいたし
ます。

JAZZ-sax 1
Category: piano (第3期)  

Logo / Marc Perrenoud



Marc Perrenoud (p)
Cyril Regamey (b)
Marco Muller (ds)
Recorded June 9, 10, 11 2008  NCD4028(NEU KLANG)

81年生まれのスイス人ピアニスト。
購入時、私にとっては、全く未知のpianist。レーベルのNEU KLANGにつられてというのが
きっかけかもしれない。つまり、このブログのピアノ編一発目で取り上げたOlivia Trummer
と同一レーベルだったことで、もしかしたらと思い、2匹目のどじょうを狙ったというのが
購入に至る動機だった。
大体、私の場合、購入時は試聴はしないし、周りの評価も参考にせず、まっさらの何の先入観
もなくというのがスタイルで、過去の経験から蓄積された情報と勘に頼るという一発屋的購入
の仕方をしている。当然ハズレも多く出るが、それも含めて楽しみと思っている。内容全く
わからずの大穴狙い、このワクワク感は、捨てがたいものがある。

ということで、前置きが長くなってしまったが、2匹目のどじょうは、とりあえずいたという
表現にしておきましょう。
急速調の疾走するプレイ良し、一転して、音数を極端にしぼった深く沈み込むほどのバラード
では、詩情豊かな耽美的側面も見せてくれるが、決して甘くなり過ぎない、辛口のテイストが
彼の持ち味であろう。
録音時27才という年齢を考えれば、自身の語法もしっかりと持つ彼の将来は明るいものがあ
る。ベース、ドラムスもしっかりした高レベルのピアノトリオだ。

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Marc Perrenoud

Category: piano (第3期)  

Diary / Cattleya



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Michel Bisceglia (p)
Volker Heinze (b)
Harald Ingenhag (ds)
Recorded November 11th, 2005  PRO705 CD3(Prova)

Michel Biscegliaをターゲットとしての購入だが、このグループCattleyaは、dsのHalald
Ingenhagをリーダーとしてのトリオユニット。
日本国内では、某評論家が話題にしたこともありBiscegliaのリーダーアルバム「Inner You」
あたりが受けがよかったようだが、道楽でJazzとつき合っている私としては、あくまで自分の
感性での好き、嫌いこそが全てである。

このアルバムは、彼のoriginal T6「Red Eye」が入ってなかったらこうして取り上げること
もなかったかもしれない。この曲は、Biscegliaのデビューアルバム、97年録音の「About
Stories」にも入っており、ちょっと気になる曲として記憶していたのですが、このアルバムも
この曲が入っていたからこその購入と言えるかもしれません。
Bisceglia自身、再録するぐらいですから、何か思い入れのあった曲なのかも、と思うのは考え
過ぎでしょうか。

このアルバムでのこの曲は、デビューアルバムでのそれと比べると、多少手を加えられ私が
不満に感じていた部分も改善され、より完成度の高い一曲となっています。
緊張感を伴う不安定な単音の連続から始まるこの曲は、色彩感がありながらも、それはあく
まで淡い色のみで彩られた限りなくモノクロームに近い世界とでも言いたくなるような音で
綴られていき、淡い色は重ねるごとに徐々に色づき、やがて一瞬の鮮やかな光の走りとともに
クライマックスを迎える....、そんな繊細な彼の美意識が凝縮されたような一品と言える
でしょう。
一曲、一瞬に全てを見いだそうとする私にとって、彼の評価もこの一曲が全てであると言って
もいいのかもしれません。

牧歌調のT7「Relax Song」あたりはもろにそうですが、この「Red Eye」でも一部にKeithの
影を感じる部分があり、そこに彼の出発点を見つけることができます。

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Michel Bisceglia

Category: organ (第2期)  

The Champ / Spacelab



Nikolaj Hess (org)
Anders Christensen (b)
Mikkel Hess (ds)
Recorded March 2009 by Thomas Vang On Location Studios Copenhagen
STUCD09142(Stunt)

同じOrganのJoey Defrancescoに同名タイトルのアルバムがあったが、基本Jimmy Smith
のDeFrancescoとは、感性面でも全く違うタイプであり、特につながりはないと思われる。

Stuntレーベルと言えば、S.Bollani、J.Bodilsen、M.Lundなどをすぐ思い浮かべるが、デン
マーク出身のこのNikolaj Hessも同レーベルからは、pianistとしてBen Monder(g)なども
参加のアルバムを出している。本職はpianoの彼だが、全曲彼のオリジナルを全てorganで
通している。多様な要素の混じったコンテンポラリーな感性を漂わせ、フィンランドの
organist J.P.Virtanenあたりの感性と通じるものがあるようにも感じるが、おそらく直接的
なつながりは無く、近い環境で生まれ育ったことでの同質の感性というレベルであろうと
思われる。

organistでは、他にあまり無いような北欧あたり特有のCoolでcontempolaryな感性であり、
非常に興味をそそられるが、本職のorganistではないということで、hammond organの
持ち味を十分に生かしきれていないのは否めず、せっかくの感性を持ちながらも抑揚のない
印象になっているのは残念である。
同じ鍵盤楽器とは言っても、全く性質の違う楽器であり、この2つの楽器を同時に完璧にマス
ターするのは至難の技といってもいいかもしれない。特にpianistが片手間に手を出した場合
は、好結果を期待できない場合が多い。フランスのpianist B.Trotignonが、organをplayし
ていたアルバムがあったが、あれほどのpianistでもorganでは、平凡なplayに終始していた。

とは言え、このNikolaj Hessは、organ好きの私にとっては、貴重な感性の持ち主であり、
organ一本で勝負してくれたら、おもしろい存在になるとも思えるのだが、所詮organは
あくまでサブのものでしかないという認識であろうことは、このアルバムを聴いての感想
でもある。


a little film about the recording of Spacelab the champ.


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Spacelab
Nikolaj Hess

Category: organ (第2期)  

Open Gate / Emmanuel Bex

Open Gate

Emmanuel Bex(hammond B3 organ, liturgical organ)
Francesco Bearzatti (ts, clarinet)
Simon Goubert (ds)
Recorded February 25, 26 & April 16, 2009

Emmanuel Bexとは、もう10年以上のつき合いになるが、この人ほど私を困らせる人も
いない。はっきり言って、おもしろくないアルバムも多い。が、それぞれに内容は、決して
悪くないから困ってしまう。内容悪しでおもしろくないなら、はい2ツ星という判定でサヨ
ナラということになるのだが、このとっつぁんは、そんな一般的ケースにあてはめて考えら
れない、やっかいな部分がある。
普段は、とぼけているのに、時にとんでもない大仕事をやらかすから困る。
私が彼を一発屋と呼んで、一目置いている所以である。

本アルバムは、2009年録音、彼の最新盤であるが、そんな彼の持ち味が一枚のアルバムの
中に、よく出た例と言っていいような内容である。
つかみどころのない曲に混じって、左手の粘っこいベースラインに乗った斬新なフレーズが、
斬り込んできて思わず「おおっ」と思うようなところもあるという具合だ。

この腐れ縁も当分続きそうだ。

Francesco Bearzatti とのコンビは、dsがAldo Romanoになっての「Virus」Rec.2002も
あり。

Virus.jpg

追記)今迄にも述べてきたように、楽器ごとに集中して聴くというサイクルを繰り返してきた
   私は、世紀の変わり目頃からorgan、そして4~5年前からpianoにシフトしてきました
   が、organの魅力は捨てがたく、現在もpianoと平行して聴いています。過去のように
   pianoに完全シフトとならないのは、流れを変える節目となるような大きな存在との
   決定的出会いが無いというのが一番の原因でしょう。
   星の数程いるpianist、夢中になるような存在との出会いはあるのでしょうか?
   出会いを求める旅は、続く。

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Francesco Bearzatti

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