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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort bysax (第2期)

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Category: sax (第2期)  

JD Allen / Love Stone

  JD Allen (ts)
  Liberty Ellman (g)
  Gregg August (b)
  Rudy Royston (ds)

  Recorded at Systems Two Recording Studio, Brooklyn, NY on January 9, 2018
  SCD2169 (SAVANT) 2018

  1. Stranger in Paradise
  2. Until the Real Thing Cimes Along
  3. Why was I Born
  4. You’re My Thrill
  5. Come All Ye Fair and Tender Ladies
  6. Put On a Happy Face
  7. Prisoner of Love
  8. Someday (You’ll Want Me to Want You)
                             9. Gone with the Wind

長年続く JD Allen のトリオにギターの Liberty Ellman が加わっての “Radio Flyer(2017)” に続く第2弾。

その前作では、コンテンポラリー系のサックス奏者ながらも偉大な先人 Coltrane やら Rollins の影を残すAllenのトリオに、ややフリー寄りの
エリアでの活動も多い彼らとは異質の感性の Ellman のギターが混入したことにより、この長年続く Allenトリオの音楽にも何か変化が生まれる
のかと期待してもいたのだが、結果、音楽としては満足できるハイレベルのものになってはいたのだが、Ellmanサイドから見れば、Allen に合わせる
形に終始してしまい、前寄りの異質の感性を持つ Ellman を自身のトリオに取り込んでの Allen の新作としては、そこに大きな意味が見出せない
とも思えたものだったのだが、その前作のやや不満に感じていた部分が、本作ではどうなっているのか、大きな関心を持って手を出した一作でもあった。

内容的には、オリジナル無しのスタンダード他、そして曲目などからも、なんとなく推測できるようにバラード集といったものになっている。
Allen のブロウには、Coltrane や遅れ気味に音を置いていくといった部分では D.Gordon なども頭に浮かぶのだが、ここでの Ballad には、
何よりも Rollins の影を強く感じてしまう。
これは、Ballad集ということもありこの傾向が強くなったのか、はたまたこれをやりたいがために Ballad集としたのか、Allen の頭の中までは読めない
のだが、元々そういった伝統のスタイルも根っこのところに潜ませているといったところはあったものの、いつものコンポラ系サックス奏者としての
語法まで変えてしまっていると思えるような語り口には、次作や今後の展開を見てみないと何とも判断に迷うところでもあるのだが、Liberty Ellman
という言わば先を行く感性を巻き込んでの作としては、私的には、納得できないものがある。鋭角的感性を持つ Ellman の魅力は、消されてしまって
いるし、前作では、わずかに感じていた不満な部分だったが、音楽は前作以上に後退したものとも感じられ不満部分も大きく広がってしまっている。
Ellman という今まで自身のトリオにはなかった感性を利用して、新しい何かを引き出すきっかけにでもなればというような前向きな考えがあれば
と期待もしていたのだが、音楽を聴く限り、どうもそんなコンセプトは全く無く、確信犯的にこれをやってる感じだ。こういった展開でも、巧みにバック
をとる Ellman に出会えたことは、発見でもあり、それはそれで嬉しいことではあるのだが、アルバム名義人である Allen サイドに立って見るならば、
Ellman という核爆発を起こすかも知れない程の危険な触媒を取り込んでのこの結果には疑問が残る。
Allen や Ellman を初体験という人が、もしこれを聴いたなら、非常にハイレベルの音楽と感じるかもしれない、私的にも余計なことを考えず無になって
聴くならば、やはりそう感じるだろう。でも、ミュージシャンはそれぞれに、それまで生きてきた背景があり、そこからそれぞれに考え方やら進むべき方向性
みたいなものを持っているものだ。そこを思った時に、どうも素直に楽しめないものが残るのは、自分だけなのだろうか?
Allen にとっては、一時の遊びなのかもしれないが、厳しさの無い遊びは、所詮アソビでしかない、そんな印象も持ってしまう Allen の新作だ。

JAZZ-sax 94
JD Allen
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Category: sax (第2期)  

Alexandra Grimal Trio / Shape

 Alexandra Grimal (ts, ss)
 Antonin Rayon (Hammond organ, clavinet)
 Emmanuel Scarpa (ds, perc)

 Recorded live at the Sunset in Paris, june 30, 2008
 MARGE 42 (2008)

 1. Mouvances
 2. En Silence
 3. Le Sang N’est Pas Bleu
 4. Forets Aleatoiles
 5. Petite Plage
 6. Texture
 7. Suite Du Temps Absorbe  all compositions by A. Grimal, A. Rayon & E. Scarpa


先日、”Claude Barthelemy / Roxinelle” を聴いて以来、Antonin Rayon の参加作を、あらためて聴いているのだが、その流れの中で聴いた一枚。
エジプト出身のサックス奏者 Alexandra Grimal のオルガンを加えたトリオによるパリはクラブ “Sunset” におけるライブ作。
当ブログを始める以前に出会ったアルバムで、この3名とは、当時いずれも初めての顔合わせだったが、Antonin Rayon については、この後のいくつか
の参加作で聴く機会もあり、かなりの好印象は、持っているのだが、未だにリーダー作が無く、本来の彼の姿、音楽を掴みかねている、判断しかねていると
いったところもあり、そのわずかな参加作からは、秘めたポテンシャルも感じられ、そんな未知の部分から、より想像をかきたてられるといったことで、私的
には謎のオルガニストといった存在にもなっている。
この “謎” という部分が、道楽でJazzとつき合っている自分としては、想像を膨らませるという点で、より楽しくつき合っていける要素にもなるということ
で都合の良い材料にもなっている。より楽しくつき合っていけるのであれば、思い込みでも何でも結構ということだ。そこを求めているのだから。

内容は全曲、3者の共作、しかもフリー度も強く、ライブということで、しっかりした譜面らしきものもなかったのではないだろうか。
ということで、音楽はポイントでは、多少のキメごとは、あるにせよ、かなり自由な流れの中で流れていくので、すべて予定の行動をとるわけでもなく、曲時間
も20分を越えるものから1分台の短いものまで、まちまちな内容となっている。
おおむね Grimal のリードでスタートする展開が多く、途中、曲調の変化、あるいはそれを求めてか、テナー、ソプラノは半々ぐらいで使い分けているのだ
が、その不穏な空気をまき散らしながら、時にフリーキーにも吠えるブロウを聴いていると女性らしからぬものもあり、まさにこのジャケットの表情だね!
先日、Mike Moreno の新作ジャケットでは、ダメ出ししたが、ジャケ写を含めて、そのアートワークの考え方にも考えさせられるものがある。
その Grimal が浮遊する空間をつくり出し、また時には、Grimal の提示したものにカウンターをあてるように反応し、アタックをかける Rayon のオル
ガンも多彩なものがあり、Grimal そして Scarpa から、新たなものを引き出すという意味でも Rayon の刺激は、次なる化学反応を促し、このトリオの
音楽を構築する上では、重要な役目を担っている。コードプレイ、シングルトーンでのソロ、ベース効果、ワウなどを使ったエフェクト........................など、
バッキングにソロに、このトリオというミニマルなユニットでのオルガンの機能をフルに使った Rayon の貢献度は高い。

本作は、こうしてあらためて聴いてみると、当時、受け取っていた印象とだいぶ違うことを感じている。新しいものとの出会いなどにより、自分の感性も
当然のことながら変化してきており、もちろん好む方向性にも変化があるわけで、当然の結果とも言えるのだが。
この Rayon の果たしている役割という点で、当時は、それほど感じてはいなかったはずだが、今回はその辺を強く受け取ることができ、本作も Rayon
という存在があったればこそとも感じとれたのは、先日来の Rayon 参加作聴きの流れの中で大きな収穫であり、あらためて Antonin Rayon のオル
ガンを高評価できる機会になったことはうれしい限りである。
そして、こういったエリアで威力を発揮する感性を持つ数少ないオルガニストでもあり、引き続きの追跡調査を進めたい。

JAZZ-sax 93
Alexandra Grimal

Category: sax (第2期)  

Tobias Meinhart / Silent Dreamer

  Tobias Meinhart (ts, EWI)
  Ingrid Jensen (tp, Effects - 1,5,6,7,8,9)
  Charles Altura (g - 2,3,4)
  Yago Vazquez (p, Rhodes)
  Phil Donkin (b, eb - 1,5,6,,8,9)
  Orlando LeFleming (b - 2,3,4)
  Jesse Simpson (ds)
  Justin Carroll (syynth - 1,7)

  Recorded at H2 Studios, Berlin and Bunker Studios, Brooklyn, NY
  ENJ-9754-2 (enja) 2017

                       1. Fighting Your Fears
                       2. Letter of Intent
                       3. Silent Dreamer
                       4. Mariana’s Dream
                       5. Can’t Say Enough
                       6. Equality
                       7. Ghost Gardens
                       8. Purple Spsce
                       9. Simply Beauty

今回初となるドイツのsax奏者 Tobias Meinhart(B1983) の新作。ちょっと気になるメンバーも参加していたので手を出してみた。
一聴して、典型的な今時のスタンダードなコンテンポラリーサウンドといった印象。
メンバーは、リーダーの Meinhart の他は、tpの Ingrid Jensen が入った2管編成のグループで6曲、gの Charles Altura が入ったグループで3曲
というつくりになっている。

まずは、ながらで一回、通し聴きしてみたのだが、リーダーの Tobias のテナーが引っ掛かからなかった。はて、どんなテナーだったかと思い出そうとして
もイメージがわいてこない。それが初顔合わせの印象だったが、その後も何度か繰り返すが、やはりその印象はあまり変わらない。
決してヘタなテナーというわけでもないのだが、単純に自分の好みのフィルターには、引っ掛からない感性ということなのだと思う。
リーダーのテナーが、好みでなく引っ掛からないというのも困ったものだが、グループとしての音楽は、コンテンポラリーテイストで、そこそこのまとまり
も見せており、今時のJazzとしては、特別に良くもなく、また特別に悪くもなく極スタンダードな仕上がりとなっていると思う。と、ここまで書いてきて、
何だかこんなんだったら記事にすることもなかったのかとも思ってしまうが、気になるメンバーも入っていたということで、そこには、ちょっと触れておこう。

このサウンドの中にあっては、Vazquez のピアノ、そしてAltura のギターあたりに、ついつい耳が向いてしまう。
Jensen や Altura の出入りとは別に全編参加の Vazquez のピアノは、このグループを支える意味で、大いに貢献しており、時に見せるソロでも
輝きを放っている。
ちょっと気にしていた Altura のギターだが、やはり非常に巧さを感じるプレイだし、本作中にあっては、光っているとも感じられるのだが、現在の若手の
コンポラ系ギタリストは、高能力者も多く、普段からそういったプレイに接していると、何かマヒしてしまっているのか、特別の驚きもなく、他者と区別でき
る強い個性という点でも、物足りなさも感じている。人材豊富で裾野も広いギター界にあっては、それだけ高レベルにある才能も多く、それは、うれしいこ
とでもあるのだが、そんな中で生き抜く大変さも痛い程伝わってくる。生半可な個性では、頭一つも抜け出せない。これからが、自分独自のものを身につけ
本当の意味での個性が備わっていく段階となるのかもしれない、そして残された時間も年々少なくなっていくが、可能性も感じるギターだけに、いいステップ
を踏んでいってほしい。また、参加作ばかりで、本来の姿がいまいち見えてこないとも感じている Charles Altura の現状だが、自分の色を全面に出した
リーダー作が待たれる。その勝負作を聴いてみないと何ともはじまらない。

JAZZ-sax 92

Category: sax (第2期)  

JD Allen / Radio Flyer

  JD Allen (ts)
  Liberty Ellman (g)
  Gregg August (b)
  Rudy Royston (ds)

  Recorded at Tedesco Studios, Paramus, NJ on January 2, 2017
  SCD2162 (SAVANT) 2017

  1. Sitting Bull
  2. Radio Flyer
  3. The Angelus Bell
  4. Sancho Panza
                      5. Heureux
                      6. Daedalus
                      7. Ghost Dance

ここ一週間ほどは、あれもこれもと、引っぱり出しては聴きの、アバクロにどっぷり浸かった日々になってしまったが、それぞれのアルパムに出会った
頃の状況なども思い出しつつ、これまでの流れを振り返っては、頭の中を整理するいい機会にもなったと、残念なことだが、そう考えよう。
しかしながら、これからは彼の新たな考えの詰まった新作にも出会えなくなってしまうというのは、何ともさびしいことだね.......................合掌!

で、アバクロの記事は、いずれまた機を見てということで、気分を変えます。

ここ10年近く続く JD Allen(B1972) のレギュラートリオに、ギターの Liberty Ellman(B1971) が参加するという私的注目の一枚。
Allen は、ピアノや管などを入れる時は、基本的に本作のこのトリオ以外のメンバーで、ユニットを組むことが多く、その点でも、この互いに知り尽く
した3人に新たな感性を迎え入れることの意味を考えると非常に興味深いものがある。また、Allen としては、珍しいギターという楽器、そしてそれが
コンテンボラリーからフリー寄りといった中間のエリアでの活動も多い Ellman という感性が、このトリオに及ぼす影響がどうあらわれるのか............
と、誠に興味の尽きないところだ。

根っこのところで、Rollins やら Coltrane なども感じさせる Allen だが、本作でも、その音楽の端々に微妙に漂うスピリチュアルなテイストやフレー
ジングなどからは、偉大な先人の影も感じることができる。コンテンポラリー系Sax奏者の中でも特に愚直なまでに硬派一直線といった姿勢には、
昔から一貫したものもある Allen だが、本作においてもその変わらないブレない音づくりの作法も感じられる。
本作の一つの関心事でもあった、感性面では、より先端寄りの尖ったものを持つ Ellman が、混入したことにより、Allen の音楽も変わるのかと、
興味もあったところだったのだが、この男、なかなかの頑固者のようで、音楽は、まっすぐ一直線、ブレを見せていない。
どう変化を見せるのかといった部分で、ある程度の期待もしていた自分としては、多少の不満もあったことは確かだが、その提示された音楽のクォリティ
には十分満足できるし、その不器用なまでの、融通もきかないまっすぐな姿勢には、何か共感させられてしまうものもある。
一般的には、融通のきかない、柔軟さもない音づくりの姿勢には、共感できない自分だが、彼の場合は、その先に自分の音楽を前に進めるといった
強い意志も見え、そこに共感できるのだ。
なので、本作の印象としては、その頑固なまでに自分を通す Allen に Ellman が、歩み寄ったといったところだろうか。まあ、Allen のリーダー作
だから、当然のことなのかもしれないが。
なので、普段はもう少し不穏度の強い空気感を振りまく Ellman のギターも、音そのものの印象とともに、多少ノーマルな立ち居振る舞いといった
印象もあり、Ellman サイドに立って見れば、多少の不満も残るのだが、それはあくまで Ellman 中心に見てということなので、このクァルテットの
トータルな音楽として考えれば、誠に魅力の一枚に仕上がっている。

この瞬間の対応と自由な動きも求められる音楽の中で、変幻自在に攻めのプッシュも見せる Rudy Royston のドラミングは、音楽に活力と推進力
を産み、その貢献度も絶大なものがある。

私的には、好みのテイストを持つ一枚として十分満足できるものだったが、欲を言えば、せっかく参加させた Ellman という自身のトリオには、今まで
無かった先進の感性を利用して、自身の新たな世界を打ち出すといったところまで、踏み込む柔軟性を持ち合わせていたなら、まちがいなく星5つ、いや
もう星半分おまけが付く内容だ。
Allen のSaxは、表面上のテイストにおいては、典型的コンテンポラリー系のものを感じさせてはいるのだが、よくよくそのフレージングなど細部を
聴いていると、先人の残した伝統の影を随所に感じ取ることができる。それは、決して悪いことではなく、むしろ好ましいこととも言えるのだが、
全ては程度問題、まっすぐブレない姿勢も大事だが、度を超すと可能性を狭めてしまうことにもなる。結局、その辺の塩梅を判断するのも才能
ということになるのかもしれないが............。

M5 ”Heureux” あたりでの速めの4ビートの展開における Ellman のソロなどを聴いていると、あらためて Liberty Ellman というギタリストの
独自性もある魅力も感じるという1枚でもあったが、この Ellman の立ち位置とカブるエリアでシゴトのできるところも見せてくれた Rez Abbasi
を、ここにあてはめても、何かまた違ったおもしろいイメージができた。そんな1枚でもあった。

JAZZ-sax 91
JD Allen
Category: sax (第2期)  

David Murray / Ballads

DMballads.jpg  David Murray (ts)
  Dave Burrell (p)
  Fred Hopkins (b)
  Ralph Peterson Jr. (ds)

  Recorded at A&R Recording, New York in January, 1988
  DIW-840 (1990)

  1. Valley Talk
  2. Love in Resort
  3. Ballad for The Black Man
  4. Paradise Five
                      5. Lady in Black
                      6. Sarah’s Lament

David Murray(B1955)の Ballad集。同じ Murray のBallad集としては “Lovers” があるが、同メンバーで同時期に録音したものである。
本作は、Ballad集としてのタイトルもついているのだが、厳密に言うと、ラテンタッチで、Balladなのかな?といった曲など、2〜3入ってはいる。
もっとも Murray の場合は、Ballad の雰囲気でスタートしても、テーマからソロに入っていくと、ヒートするとともにしだいにテンポも速め、
奔放にブロウするといった展開も多く、そんな、あまり形にこだわらない自由なところも Murray らしさということなのだろう。

Murray曲3、Burrell曲2、Peterson曲1という内容。
人の受け取り方は様々だが、私的には、Murrayの Ballad の魅力は、アドリブ部分に凝縮されているように思う。これは Getz がテーマ部分
を、ただストレートに吹いただけで、それはもう見事な歌にしてしまうのとは、全く違った印象を覚える。
Murray の場合は、テーマからアドリブに入っていくとスイッチONになったように、音は自由に飛び、奔放なソロ展開となるのが彼のスタイル。
そんなエモーショナルに起伏ある展開も見せるのだが、そんな流れの中でも、決して己を見失うことない自らを俯瞰視する眼を持ち、ヒート
しつつも、クールに音をつなぐ、いい意味での冷めた制御機能も持ち合わせている。
また、音楽には、彼が黒人であるというルーツの部分を、常に感じさせる何かが流れており、それは聴き手の好みを分ける部分になっているの
かもしれないし、広く多くの人に受け入れられない部分ともなっているのかもしれない。
個性派というのは、すなわちそれを強く支持する人と嫌う人に大きく分かれ、中間層が比較的少ないといった傾向がある。どこの世界も
同じだな........................。

JAZZ-sax 90
David Murray

Category: sax (第2期)  

Archie Shepp / Ballads for Trane

BalladsForT.jpg  Archie Shepp (ts, ss)
  Albert Dalley (p)
  Reggie Workman (b)
  Charlie Persip (ds)

  Recorded at Long View Farm Recording Studio, May 7, 1977, North Brookfield, Massachusetts.
  DC-8570 (Denon)

  1. Soul Eyes
  2. You Don’t Know What Love is
  3. Wise One
  4. Where Are You?
                      5. Darn That Dream
                      6. Theme for Ernie

Archie Shepp(B1937)が、師匠 Coltrane没後10年という節目の年に吹き込んだ Trane縁の曲により、彼に捧げたBallad集、Shepp ちょうど
40才時の作。
Shepp は、初期に “Four For Trane (1964 Impulse)” そしてTrane死後わずか3ヶ月という時期のドイツ Donaueschingenでのライブ盤
“Live at The Donaueschingen Music Festival (1967 SABA)” という、やはり本作同様に Coltrane に捧げる意もあるアルパムを出しており、
SheppにとってColtrane がいかに大きな存在であったかも伺い知れる。

そんな意味もある本作だけに、Shepp のメンタル面もいつにない充実を見せており、何かを確かめるかのように丹念にラインを辿りつつ、歌い込ま
れるTrane縁の一曲、一曲には、濃密に詰まったSheppのほとばしる思いも感じられる。
特にBalladで見せるSheppの豊かな感情注入力には際立ったものもあり、静の中にも時折、抑えきれなくなった激しいエモーションの吐出も見せ、
静かにそして激しく、緊張感を保ちつつも、奔放に紡ぎ出される起伏に富んだラインは、極めて味わい深い、Ballad集としている。
リラクゼーションに満ちたBalladではなく、張りつめた空気が漂う心地良さであるところが、40才時のSheppのBallad集らしい。
同じBallad集では、約20年後の Venus における4部作中の一枚 “True Ballads” とともに、私的には常に一軍帯同を認めてきた2枚である。

小細工なし、テナー一本で勝負するといったあたりも魅力な Tenor Ballad だが、この “You Don’t Know What Love is” も、間にピアノソロを
挟むこともなく、甘さを押し殺して一気に吹ききるリラックスや癒しといった世界とは無縁の Ballad は、厳しくも美しい。

            

JAZZ-sax 89
Archie Shepp / Ballads For Trane

Category: sax (第2期) > Tenor Sax Ballads  

Tenor Sax Ballads

Harry Allen (B1966)
 Maybe September (Day Dream 1998)

John Coltrane(B1926)
 Violets for Your Furs (Coltrane 1957)

Stan Getz (B1927)
 But Beautiful (Stan Getz & Bill Evans 1964)
 Close Enough for Love (The Dolphin 1981)
 Dear Old Stockholm (Line for Lyons 1983)
 First Song (People Time 1991)

Dexter Gordon (B1923)
 Don’t Explain (A Swingin’ Affair 1962)
 I’m a Fool to Want You (Clubhouse 1965)
 The Christmas Song (The Panther 1970)
 The Shadow of Your Smile (The Shadow of Your Smile 1971)
 album “Nights at the Keystone 1978-1979”

David Murray (B1955)
 album “Lovers 1988”
 album “Ballads 1988”
 For Cynthia (Shakill's II 1993)

Spike Robinson (B1930)
 The Shadow of Your Smile (Spring Can Really Hang You Up The Most 1985)

Sonny Rollins (B1930)
 My Reverie (Tenor Madness 1956)
 You Don’t Know What Love Is (Saxophone Colossus 1956)
 I‘ve Grown Accustomed to Your Face (Rollins Plays for Bird 1956)
 I Can't Get Started (A Night at the Village Vanguard 1957)
 
Archie Shepp (B1937)
 album “Ballads For Trane 1977”
 In a Sentimental Mood (Live in Tokyo 1978)
 Go Down Moses (I Didn’t Know about You 1990)
 album “Black Ballads 1992”
 album ”Blue Ballads 1995”
 album “True Ballads 1996”
 album “True Blue 1998”

Zoot Sims(B1925)
 Violets for Your Furs (Jutta Hipp with Zoot Sims 1956)

武田和命(B1939)
 album “Gentle November 1979”

JAZZ-tenor sax ballads
Category: sax (第2期)  

Dexter Gordon / The Shadow of Your Smile

  Dexter Gordon (ts)
  Lars Sjosten (p)
  Sture Nordin (b)
  Fredrik Noren (ds)

  Recorded at “Stampen”, Stockholm, Sweden by Sveriges Radio April 21, 1971
  SCCD 31206 (SteepleChase)

  1. Once I Had a Secret Love
  2. Polkadots and Moonbeams
  3. The Shadow of Your Smile
  4. Summertime

ゆったりとした流れの中で、ちょっと遅れぎみに音を置いてゆくといった、独特のタイム感を持つ Dexter Gordon(B1923-1990)のBallad は、
ゆったりとした中にも適度にハリのある空気感を生み出し、沈んだトーンの絵画でも思わせるような、味わい深いものがある。
本作中の Ballad “The Shadow of Your Smile” も彼のBalladレパートリーとしては、おなじみのナンバーで、ライブや他アルバムでもよく見ら
れる持ち歌のような一曲。
E.テイラー & R.バートン主演の映画「いそしぎ(The Sandpiper 1965)」のテーマ曲(J.マンデル)ということで、ヘタにやるとベタでチープな
イメージにもなってしまうところだが、そこは Dex、Jazz の Ballad として気品もある堂々とした Ballad に仕上げている。
一見普通なのだが、他の誰でもない個性もあるこの歌い手は、私的には、Tenor Ballad を語る時、外せないひとりである。

同曲では、アルバム “True Ballads(1996)”中のArchie Sheppの厳しいBallad表現もお気に入りだが、Sheppは、’67年のDonaueschingen
における全1曲というライブ盤の中でも、この「いそしぎ」のテーマを挿入させる箇所があり、彼にとっても縁のある曲となっている。
また、テナーでは、Spike Robinson の ”Spring Can Really Hang You Up The Most” での同曲も当時、度々聴いていたのを思い出す。

            

JAZZ-sax 88
Dexter Gordon

Category: sax (第2期)  

武田和命(Kazunori Takeda) / Gentle November

 GentleNovem2.jpg

武田和命 (ts)
山下洋輔 (p)
国仲勝男 (b)
森山威男 (ds)

Recorded Sept. 20, 21, ‘79 at Sakado-Bunka-Kaikan, Saitama
SC-7104 (OMAGATOKI)

1. Soul Trane
2. Theme for Ernie
3. Aisha
4. It’s Easy to Remember
5. Once I Talked
6. Our Days
7. Little Dream
8. Gentle November

1989年、49才の若さでこの世を去ったテナー奏者、武田和命(B1939)のBallad集。
録音は、埼玉県坂戸市の文化会館となっているが、ライブではなく、スタジオとしてそこを使ったようだ。
武田和命というと、10年程、シーンから姿を消していた時期もあり、幻のテナーマンなどと呼ばれていたのは、よく知られた話だが、彼のイメージとしては、
この復帰後の山下洋輔グループでのフリーキーに吠える印象が強く残っているのは、多くの人が持つところかもしれない。

本作は、そういったある意味、現在の自分を越えて新しいものを産み出そうというクリエイトすることの産みの苦しみを伴う緊張感から離れ、現在(当時)の
武田和命の素が素直に現れたという点で、いろいろのシバリから解き放たれたかのような、その純な音にただただ心打たれるのである。その一音一音噛み
締めるように歌うことに徹した武田のテナーから繰り出されるラインは、清らかな流れのごとく澄み切っており、心の奥底まで直に染み込んでくるのである。
おそらく彼自身も感じていたに違いない、生涯でも数少ない、メンタルの境地にあることを。
その辺りを、敏感に感じていたであろう、山下のピアノが好サポートをみせている。というよりむしろこのgentleなピアノは、武田のテナーにより引き出され
たといった感じもあり、素で歌うピアノは、邪心の無いテナーにそっと寄り添い、ひたすら支え、絶妙な絡みを見せている。
普段の慣れたスタイルではないというあたりが関係しているかはわからないが、山下のピアノは、運指にややスムーズさを欠くといったあたりも微妙に感じ
るところはあるのだが、あるいは、あえてのタッチなのか.................そんな小さなことはどうでもよいと思えるほどに、それを吹き飛ばすほどの武田を支え
るという気の充実が見られるあたり、本作の好結果を生んだ要因でもあるだろう。

後半4曲が、武田のオリジナルとなっているが、M5 “Once I Talked” など、何か感じるものもある美曲で、私的お気に入りとなっている。

以前、心惹かれた Tenor Ballad に耳を傾けることも度々というこの頃で、20年ぶりぐらいで聴いた本作、ストイックに自身の心の音と向き合う武田和命
のテナーに心打たれる、我が国のTenor Ballad史に残るほどの名作であるには違いない。が、やはり、John Coltraneという偉大な先人の存在があった
ればこその本作であることも違いない、そこはしっかりおさえておきたい。

JAZZ-sax 87
武田和命 
Category: sax (第2期)  

For Cynthia (from “Shakill's II”) / David Murray

             

             David Murray (ts)
             Don Pullen (Hammond B3 Organ)
             Bill White (g)
             J. T. Lewis (ds)

             Recorded October 5-6, 1993 in New York Columbia
             DIW 884 (1994)

本作は、昔、ロック → ブルースを経てJazzに流れ込んできた当時、それまで馴染みのあった guitar やら organ を集中的に漁った結果、他楽器へと
関心が向き始めたのも手伝って、当時のorgan の主流でもあった黒くコッテリした世界から距離をおきたくなり、その結果、長い間 organ とは、無縁の
時が続くことになったのだが、そんな頃、出会った盤。
本作の前作「Shakill’s Warrior」中の1曲「In The Spirit」とともに本作中の1曲「For Cynthia」での Don Pullen の organ が、離れていたorgan に
再び目を向けるきっかけとなった。

時にディープ、スピリチュアルといった顔もある Murray だが、あくまで軽いノリの Medium Ballad とでも言いたくなるようなキャッチーで哀感ある
曲調の流れの中、サラッとした Pullen のハモンドの、第一期と言える時代にイヤと言う程、接してきた黒いオルガンの世界とは違うそのテイストに
新たなオルガンの世界に入るきっかけとなったもの。
後半の Murray の泣き節もディープになることなく、あくまでライトにそして奔放に歌うテナーが、本曲を一段レベルアップさせた感もある。

本作記事UP当時は、YouTubeにこんな曲がリストされてるはずもなかったのだが、最近はかなりマイナーなものまであるのには、おどろいた。
あらためて動画をUPしておきます。

JAZZ-sax 86
Category: sax (第2期)  

David Murray / Lovers

MurrayLovers.jpg  David Murray (ts)
  Dave Burrell (p)
  Fred Hopkins (b)
  Ralph Peterson Jr. (ds)

  Recorded in January, 1988
  DIW-814

  1. Teardrops for Jimmy (Dedicated to Jimmy Garrison)
  2. Lovers
  3. In a Sentimental Mood
  4. Ming
  5. Water Colors
                        6. Nalungo (For Nalungo Mwanga)

Tenor Sax 全般とはまた別に、Tenor Sax による Ballad には、なぜか特に心惹かれるものもあり、よく聴いていた時期があったのだが、今年に入り、
その辺のやつを、ちょっと引っぱり出しては聴いていたら、歯止めが利かなくなっちまい、以後時々お世話になっている。
ここ何年かは、どちらかというと無機質、冷徹..........と厳しいテイストのものを好んで聴いていた傾向が続いており、まあ、それも別に嫌いになった
わけでもなく、そういったテイストのものとは真逆のものも多いという Tenor Sax Ballads は、しばらく離れていたこともあり、新鮮かつ心地良く聴け
たといったことで、定期的に聴くということが、しばらく続いている。
今、自分の感性が、それを心地良く感じ、求め、楽しめているわけだから、それを拒む理由は何もない。普段とは、方向性の違ったものに接するのも、
感性のバランスを保つためにも、良いことだろう。

ということで、本日の一枚は、久しぶりの David Murray(B1955)の Ballad集 “Lovers”。

David Murray というと幅広いスタイルに対応できる柔軟性とそれを支える技術面でもハイレベルのものを備えたサックス奏者と私的には受けと止め
てはいるのだが、我が国では、その高い能力に見合った評価は受けていないとの印象も持っている。
それは、何でもできてしまうという彼の器用さ、万能性みたいなものが、もしかしたら掴みどころの無いといった印象、あるいはファンを分散させて
しまうといったことにもつながっているのかもしれないが、技巧面に優れ、何でもできるということそれ自体は優れた能力でもあり、私的には、
高評価のサックス奏者の一人でもある。
そんな多様、多面性も感じさせる Murray だが、表面上の形はいろいろ見せつつも、その根っこのところに常に感じるのは、彼のルーツでもある黒人
としての「血」の部分。伝統のスタイルから新しいスタイルまでカバーするワイドレンジの そういったスタイルは、別として「血」あるいはそこから
生まれた彼らの音楽の「伝統」といったものが一貫して感じられ、そのあたりは Archie Shepp にも通じるところとも感じている。

本作は、同時期に同じ当時のメンバーで録音された、「Lovers」 「Deep River」 「Tenors」 「Spirituals」 「Ballads」 といった言わば5部作中の
一枚で、Ballad を中心に選曲されたもの。
本作の Ballad にも、白人系テナー奏者には出し得ない、明らかに黒人としての血の部分を色濃く感じさせるものが底辺に絶えず流れており、そういった
強い個性の部分は、一方ではアクの強さといった負の要素として受け取られる場合もあり、広い層に受け入れられない要因ともなっているのかもしれない。
こうして、あらためて Murray をチェックしてみると、感性の質は違えど Shepp と共通するところが結構あることに気づく。また根っこのところにある
「血」の部分とともに Albert Ayler などの顔も浮かんでくるのだが、この辺もいずれ他作などでチェックしてみたい。
Ballad でありながらも、決してリラックスや癒しと言ったものではなく、エモーショナルではあるが、それに流されない醒めた目を持つその厳しい Ballad
表現の中にイージーに走ることのないMurray の音づくりの姿勢とともにその美学が見て取れる気がする。

             
             

JAZZ-sax 85
David Murray

Category: sax (第2期)  

Jon Irabagon John Hegre & Nils Are Drønen / Axis



  Jon Irabagon (sax)
  Jon Hegre (g)
  Nils Are Drønen (ds)

  Recorded at N.K. Berlin 11th June 2013 and at New Combo Fukuoka 14th January 2015
  RAC2190 (Rune Grammofon) 2017

  1. Berlin
  2. Fukuoka


2008年モンク・コンペのウィナーでもあるフィリピン系米国人 Jon Irabagon(B1978) の新作。といっても録音は、2013年のベルリンそして2015年
の福岡でのライブという内容になっている。
Irabagonを初めて知ったのは、彼の初期作 “Forty Fort” なるアルバムのジャケットだったのだが、これが自分のJazz歴では、初期の頃の大のお気に
入り盤だった“Roy Haynes / Out of The Afternoon” のジャケットを模したものだったこともあり強い印象として残る結果となり、他にも調べて
みたら御大 Rollins の “Way Out West” のジャケットをビキニのおネエちゃんを入れて、おふざけでつくったようなものなどもあり、Irabagon の
初期印象として、自分の中では、すっかり際物的イメージがつくられてしまったのは、まずい出会いだったとも言える。

ストレートアヘッドからフリー、そしてその中間的なエリアなど幅広いところでの活動もしてきた Irabagon だが、それは元来持っている多様・多面性
の結果なのか、あるいは自身進むべき方向模索の結果なのか、自分でも彼の全てを聴いてきたわけでもなく、掴めないところだが、漠然と陰と陽の顔を
持ったミュージシャンとの印象も持っている。
そんな Irabagon だが、本作は、フリーインプロビゼーションというスタイルをとりながら、陰の面が色濃くあらわれた一作。
本作と似た編成では、いずれもギターの Jostein Gulbrandsen 絡みで、ベース入りクァルテット編成の参加作、コンポラテイストのものは聴いているのだ
が、ベースレス、ギター入りトリオという編成では、初めてのリリースになるんじゃないだろうか?これも本作の、フリーな展開を求めた結果なのだろう。
ノイズ系ギターの使い手とも言われる Jon Hegre(B1967)は今回聴くのは初めて、そしてドラムスの Nils Are Drønen は、Hegre とはユニットを組む
など周知の仲らしい。
1曲18分前後といったものが2曲、Irabagon のサックスが起点となり、それに Hegre, Drønenが反応していくといったフリーな展開が多いのだが、
どちらかというとノイズ系ギターを苦手としている自分としては、フリーな作としてまずまずとする一方、3者のあり方を見直せば、もっと何かが生まれ
たかもといった印象もあり、トータルに見て、さらによくなる余地を残す作として、満足の内容というわけにはいかなかった。
ただ、Irabagon のプレイには、いずれ何かヤラかすんじゃないかといった得体の知れない大きなポテンシャルを感じることができたという点で、そこに
出会う機会を得たことは何よりの収穫だった。

全くの自分勝手な見方だが、これは彼にとって、言わば開発・試作の場といった位置づけのもの、ここで得た成果を彼が求める方向性での表現に生かし
たいと考えるのが自然。これほどの才能、これとは別に多くの人にインパクトを与えられる形でその表現の場をぜひ設けてもらいたいという思いである。
Jon Hegre のギターは、ここではノイジーというより空間系を感じさせるプレイが目につくが、Drønen のドラムスとともに、あくまで起点となっている
のは Irabagon であり、それに反応していくといったプレイからもう一歩踏み出して、対等に関わっていく形がとれれば、その刺激により Irabagonから、
さらなるものも引き出せたかもといった思いもある。私的好みで言わせてもらえば、どフリーではなく。ある程度の秩序を持たせた中での自由度という
ことで、メインストリームとフリーの中間エリアでのシゴトにいいイメージができ、Irabagon の感性は、そのあたりにフィットするとも思えるのだが......、
共演者を含めた活動フィールドによっては、爆発の予感もさせる才能だ。


Jon Irabagon Organ Trio
Jon Irabagon(sax) Pat Bianchi(org) Rudy Rotston(ds)

Irabagonが、オルガンにPat Bianchiを迎えたトリオだが、
以前は、追った時期もあったBianchi は、近年の自身作、参加作では、コンテンポラリー系オルガニストとして、すっかり輝きを失ってしまった感もあった
のだが、Jon Irabagon そして Rudy Royston という感性(触媒)の効果か、全く質の違うオルガンを見せていいる。
当ブログでも Bianchi には、自身をステップアップさせるためにも、自身の先を行く感性との共演を積極的に求めていってほしいと度々書いてきたのだが、
コンポラ系オルガニストとして、新しい道を切り開いていく気があるならば、険しい道を選択していく覚悟が必要だ

            

            

JAZZ-sax 84
Jon Irabagon

Category: sax (第2期)  

Maybe September (from ”Day Dream”) / Harry Allen

  Harry Allen (ts)
  Tommy Flanagan (p)
  Peter Washington (b)
  Lewis Nash (ds)

  Recorded September 14 & 17, 1998
  BVCJ31004 (NOVUS J) 1998

  01. A Sleepin’ Bee
  02. Maybe September
  03. I’m Checking Out, Goodbye
  04. A Child is Born
                      05. Shibuya After Dark
                      06. The Midnight Sun Will Never Sets
                      07. Three and One
                      08. Day Dream
                      09. Low Life
                      10. They Say It’s Spring
                      11. The Christmas Song

普段の記事内容から、あまりイメージできないかもしれない、この Harry Allen だが、元々雑食性で節操がないという自分であり、あるジャンルにこだわ
って、出会いの可能性を狭めたくはないという気持ちでいる。Jazzファンであるよりも音楽ファンでありたいというのがスタンスである。
Jazzにおける“Tenor Ballads” は、材料となる曲を、奏者がTenor一本で、いかに料理するかというシンプルな世界。あまり新旧のスタイルにこだわると、
おいしい部分を逃してしまうといったこともあり、奏者の音楽的方向性も広くカバーしている。

また、Ballad集は別として、通常のアルバムでも、なかなか納得のBalladに出会えることが多いわけでもなく、それでも出会えればいい方で、せいぜいあっ
ても1〜2曲というところだろう。本作も、ほとんど Ballad “Maybe September”の1曲聴きアルバムになっていた。それでも満足のアルバムである。
アルバムトータルを平均点で計るような見方、評価はしない。私的には、最高到達点こそが問題であり、そこでアルバムの評価、つき合っていいけるアルバ
ムかが決まる。たとえ、1曲でも高いレベルで評価でき、好きと感じられるものがあれば、それが評価であり、常に平均点でプレイする奏者より、バラつき
はあっても、時に平均を遥かに越えられる奏者に魅力を感じるし、やはりそこが能力であり評価の基準として考えたい。道楽でつき合っているので、それで
よいと思っている。

良い Ballad の条件として、曲自体に魅力が無いと、なかなか魅力の Ballad にはならない。曲と奏者の感性、技量などの条件が高いレベルでかみ合って
こそ魅力の Ballad が生まれる。本曲は Percy Faith の作曲によるもので、その辺にも恵まれ Harry Allen のデリカシーに富んだ歌心が加わり魅力の
Tenor Ballad としている。
ビターテイストもいいが、Balladだし、甘さに徹した繊細な表現にも納得。正解などない世界、これもありだ。
(動画は、本アルバムのものとは、別です。)

            

JAZZ-sax 83
Harry Allen

Category: sax (第2期)  

Blue Train (from “True Blue”) / Archie Shepp

            
            Archie Shepp (ts, as, vo)
            John Hicks (p)
            George Mruz (b)
            Billy Drummond (ds)

            Recorded at Clinton Studio “A” in N.Y. on September 13, 1988.

            初っ端から、コジャレたJazzなど、吹っ飛ばしてしまうような、情け無用のドスの効いたテナーが吠える!

本作記事は → こちらから
その他の Archie Shepp 関連記事は → こちらから


告)当ブログの記事をコピーし、自身サイトの記事として使っている方へ

Archie Shepp の当プログ 2010年11月13日付の記事 「Live in Tokyo / Archie Shepp」 について、記事内容をそのままコピーして、自身の記事
として使用しているサイトがあるが、実に情けなくも恥ずべき行為である。そして、それが同じSheppのファンであるらしいことに、何とも寂しい
気持ちにもなるのである。Shepp が好きなら、彼の音楽から、自分自身が感じた思いをなぜ書かないのかと.................。
それにより、逆に当方がコピーしたかのような疑いの目で見られたと思われるようなこと、また将来に渡り、そういったあらぬ疑いもかけられる余地
を残すということで、この状況を断じて容認するわけには、いかない。
自身の感性が受けとめた感覚を素直に表現すること、そこに音楽ブログとしての存在する意義がある。そこを曖昧にしてしまうと、すべてが信頼性を
欠き、読者を裏切る結果になることは自明の理。
しばらく前から気がついては、いたのだが、こんな告知は、する方も気持ちのよいものではないし、できれば自身で非に気づき、あらためてくれれば
との思いも空しく、一向に変わる様子もないので、告知に踏み切ったしだい。
今一度、良心を信じ、該当ブログを公にすることは、今は、控えますが、コピーした該当記事の削除もしくは、間違いをあらため、自身のことばで
表現することを期待する。   当ブログ管理人 2017.2.16

JAZZ-sax 82
Category: sax (第2期)  

David Fettmann / Ruby Project

  David Fettmann (as)
  Guillaum Naud (org)
  Jonathan Blake (ds)

  Recorded in September 2014 by Nicolas Charlier at Studio des Egreffins(Videlles)
  DMCHR71150 (DoubleMoon) 2015

  1. Pop 1
  2. Lecha Dodi
  3. Before
  4. Maoz Tzur
  5. Pontoise
                      6. Abi Gezunt
                      7. Kabanos Time
                      8. Avinu Malkeinu
                      9. Phoenix           All compositions by David Fettmann, except 2, 4, 6, 8

リーダーでasの David Fettmann は、フランスのオルガニスト Matthieu Marthouret の”Upbeats” に1曲ゲスト参加しており、記事歴はあるのだが、
1曲のみ参加で、彼目当てでのゲットではなかったこともあり、ほとんど記憶には残っていない。
本作ゲットのきっかけとなったのは、未聴のオルガニスト Guillaum Naud が参加していたこと。
未聴で若手というのは、知らない新しい感性に出会うことを1つの目的としている自分にとっては、最も求めるパターンであり、ましてドラムスに
Jonathan Blake の参加、曲目などの状況から、おぼろげながら、おおよそ求める方向性の音楽も予想できるとなれば、尚更のことである。

一聴してみれば、旧時代を引きずった感もなく、求めていた今の空気感も溢れたコンテンポラリーサウンドになっており、まずは一安心。

Fettmann のasは、特別に先端寄りで先進感もある音というものはなく、あくまで今の時代の中庸を行くといった感性。したがって、その音楽も、小難しい
要素も一切なく、よく歌うアルトは、余計なことも考えずに気持よく聴いていられるといった印象の一枚に仕上がっている。
通常、こういった感じだと、もうちょっと捻ったところもなどと、多少の物足りなさも伴うものだが、不思議とその辺の感覚がないのも、センスと言ってしま
えば、そういうことなのだが、言葉では説明のできない部分だ。

情報不足ではっきりした経歴等は、わからないが、名前からフランス系と思われるオルガンの Guillaum Naud も、そのクォリティは高い。先進感という
点では、中庸を行くリーダーよりも、先をゆく部分もあり、ノーマル路線のリーダー Fettmann の作に、ほんのわずかではあるが、新しいテイストをプラス
してアルバム全体としてフレッシュな印象にしたとも思えるところは見逃せない。
これまで、現代Jazz Organシーンの中心となっていた Larry Goldings、 Sam Yahel、 Gary Versace............など主に米国系のコンテンポラリーオルガ
ニストが、そのオルガニストとしてのリーダー作リリース頻度が極端に落ちているという状況もある中、こういった今の感性を持った若手オルガニストに
出会える機会があったことは、その停滞感に不満を持ちつつ現代のJazz Organシーンをずっと見てきた自分としては、何にも代え難い収穫なのである。

本作は、難しい要素一切なし、オルガン参加のJazzとしては、今の時代のスタンダードなJazzとして、コジャレ感、粋にスイングする曲、哀感溢れた曲など
バラエティに富んだ楽しめる一枚となっており、3者のセンスも感じられるが、そんな活力ある音楽としているのも Jonathan Blake の貢献度大とも感じる。

M6 “Abi Gezunt” の Fettmann の哀感あるアルトのライン、鋭い切り込みも見せる Naud のオルガン、多彩なショットの Blake のドラムスなど、
コジャレたラテンタッチで、なかなか盛り上がる。

JAZZ-Sax 81
David Fettmann


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