前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort bypiano (第3期)

Category: piano (第3期)  

Jamie Saft / Loneliness Road

 LonelinessRoad-2.jpg

Jamie Saft (p)
Steve Swallow (eb)
Bobby Previte (ds)
Iggy Pop (voc - 4, 9, 12)

Recorded at Potterville International Sound, NY
RNR077 (RareNoise) 2017

01. Ten Nights
02. Little Harbor
03. Bookmaking
04. Don’t Lose Yourself w. Iggy Pop
05. Henbane
06. Pinkus
07. The Barrier
08. Nainsook
09. Loneliness Road w. Iggy Pop
10. Unclouded Moon
11. Gates
12. Everyday w. Iggy Pop

各種キーボードのプレイヤーとしての顔以外にも作曲、プロデュース、エンジニア............加えて振り幅の広い音楽と、マルチな才能も感じさせる
Jamie Saft(ジェイミー・サフト)のRareNoise からの同メンバーによる 2014年作 “The New Standard” に次ぐ2作目。
今回は、その基本のトリオに Iggy Pop(voc) がゲスト参加。その3曲の参加曲が Saft と Pop の共作、他は全て Saft のオリジナルとなっている。

フリー系ミュージシャンとの交流も多く、その創り出す音楽も、ひとひねりある屈折したものも感じさせる Saft だが、前作では、意表をついて、4ビート
でストレートに押すプレイに、逆に新鮮な何かも感じさせる魅力の一枚になっていたのだが、本作も冒頭曲から4ビートでグイグイ引っ張る展開には、
爽快感すらある。このトレモロなどの使い方には、感性としては違うが、どこかMcCoy Tynerや Harold Mabern、日本だと本田竹曠などにもどこか
通じるような形も感じられるが、何かそんな、今では少数派となったスタイルも懐かしくも新鮮に感じられるところなのかもしれない。
アルバムの冒頭曲だけに、4ビートの印象も強くなってしまうが、全体のつくりとしては、他にストレートに4ビートでやっているものは1曲のみ、その他、
バラード風、スローブルース、Pop が入ったボーカルナンバーなどバラエティーある内容となっているのだが、特にスローな展開のナンバーなどに、
微妙に漂うスピリチュアルなテイストが、本作における Saft のピアノに流れており、後で思い出した時にそれが本作のイメージにもつながっている
ようにも思う。このスピリチュアルというのも、昔、よく聴かれたものだが、それをそのまま持ち出してきたわけでもなく、あくまで今を生きる Saft の
現代の感覚を通して処理されてきたものなので、そこに古くさいものは無く、その音楽からは、伝統的なものと今をとりまく現代的なものからの取捨
選択、そしてマルチな活動を通してきた Saft のオーソドックスに4ビートをやっても、けっして平凡にしないといったセンスも感じられるのだ。

フリー系の曲者との絡みから、いかがわしくもダーク、ダーティーといった響き、時には解析不能となるような衝撃波まで繰り出してくる Saft だが、
このユニットに関しては、前作もそうだったが、比較的オーソドックスにノーマルに真っ当な攻めをするという位置づけのユニットのようだ。
他作での Previte のドラミングがインプットされている自分には、別人に聴こえてしまうような、真っ当さだw

某ショップの、新譜紹介欄には、Saft の担当楽器として organ もクレジットされていたので、その辺も楽しみにしていたのだが、何度か繰り返したが、
organ らしき音は、確認できなかった。また、ジャケットの方にも organ のクレジットは、確認できなかった。

その他の Jamie Saft 関連作は → こちらから

JAZZ-organ 90
Jamie Saft    

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Category: piano (第3期)  

Dan Kaufman / Familiar Places

  Dan Kaufman (p, B3 organ)
  Johnathan Blake (ds)
  Matt Clohesy (b)
  Gilad Hekselman (g)
  Sam Sadigursky (sax)
  Keita Ogawa (perc)

  Recorded January 2014 in Brooklyn, NY
  RPR 14599-4418-2 (RedPianoRecords)

  1. Windshadow
                       2. Kuumba
                       3. Cross Check
                       4. Danse Song
                       5. Falling Petals
                       6. Familiar Places
                       7. Dew Eye
                       8. Farmington      All Compositions by Dan Kaufman

リーダーのピアノとオルガンを担当している Dan Kaufman については、初めてで、素性などわからないながら、dsにJohnathan Blake、そしてギター
にGilad Hekselman などのクレジットもあり、手を出してみた1枚。Sam Sadigursky は、Gene Segal のアルバムにも参加していた。
Dan Kaufman について軽く調べてみたら、TZADIKレーベルなどでユダヤ系バンド “BAREZ” を率いて、ギタリストとしての活動もしているらしい。
ということは、Hekselman などは、ユダヤコネクョンといったこともあっての参加となったのか?
そんなことで、リーダーの Kaufman は、ギタリストとしての顔も持っているいることは、わかったのだが、本作で担当しているピアノ、オルガンなど、
いったい何を本業としているのか、得体のしれない人物ですが、まあ、肝心なのは音楽、早速聴いてみよう。

Kaufman の率いる前述のバンドでは、ロックテイストもありのバンドらしいという情報もあったので、本作もそういった要素も含んだちょっとラフなテイ
ストの音楽もイメージしていたのだが、聴いてみれば、イメージしていたものとは、だいぶ違い、繊細感もあるコンテンポラリーテイストの至極真っ当な
音楽をやっている。
その真っ当な音楽で、ちょっとテンションが落ちたというのもヘンな話だが、若手中心でオルガンなども使っているとなれば、ちょっとラフなテイストも
あり、イキのいい野心もある音楽といったものも期待していたのだが、その点では、ちょっと残念。
とは言え、音楽は、地味な印象は、あるものの、まずまずの出来だ。
Kaufman のピアノは、デリケートなタッチも印象的で技量面を含め片手間感は無く、やはりこれが本業といった質の高さも感じる。ただ特別に印象に
残るようなストロングポイントが無く、後でどんなビアノだったかと考えた時に、イメージしにくい、そんな個性面の物足りなさは、多少残る。
気になっていたオルガンは、2曲で効果音的に使うのみということで、ちょっと残念。

Gilad Hekselman については、リーダーの音楽の質感に合わせてということもあるのかもしれないが、まずまずの出来という印象ではあるものの、これ
までの米国でメジャーデビューしてから10年程というキャリアを考えると、もうちょっといけるんじゃないかというような感覚も残る。
同じイスラエル出身のギタリストでは、方向性の違うOz Noyなどは、別にして正統派としては、Rotem Sivan や最近、コンポラ寄りにシフトしてきた、
Yotam Silberstein などの中でも、若手コンポラ系ギタリストとして、最も早くから注目されてきた存在だったはずなのだが...............
巧さは感じるのだが、それがそのまま音楽の魅力につながっていないような感覚があり、それがどこかコギレイにソツなくといった負のイメージにつな
がってしまうようなところも感じている。M3やM8などオルガンを使用して、ちょっとラフなタッチも欲しい曲では、エフェクトの効果も加え、ワイルド
に攻める姿勢は見せるのだが、どこかハメを外しきれない、優等生といった印象も残る。
キャリアを考えれば、そろそろ次のステップの形も見せてほしい Hekselman 、好結果を期待したい。

JAZZ-piano 89
Dan Kaufman

Category: piano (第3期)  

Patrck Favre / Origines

  Patrick Favre (p)
  Pierre Perchaud (g)
  Gildas Bocle (b)
  Karl Jannuska (ds)

  LL333 (FREMEAUX & ASSOCIES) 2012

  1. Bigibop
  2. Passage
  3. Echo
  4. Elan
  5. Tourne Sol
                      6. Intuition
                      7. Origines
                      8. Ou Hirondelles
                      9. Au Revoir

フランスのビアニスト、コンポーザー Patrick Favre(B1960 パトリック・ファーブル) のピアノトリオを基本として、同じフランスのギタリスト
Pierre Perchaud が参加した一作。

冒頭曲は、ギターの Perchaud を大きくフューチャーした一曲。
Favre の、いかにも欧州らしい、リリカルなピアノに加えて、それにカウンターを当てるように、エフェクトをきかして違った質感のワイルドなテイスト
のPerchaud のギターを投入して、本作はこれで行くという Favre の意思表示ともとれるようなスタート曲。

全体に Favre のメロディックで透明感に溢れた硬質の、これぞ欧州といったタッチのピアノが、曲調に関係なく一貫した安定を維持しており、本作の
基本的なカラーを作っている。ブレないコンセプトと、それを実現するコンポジトョン、そんなものが感じられる。
M3 “Echo” は、Bocle のアルコからスタートし、こぼれ落ちた水が流れ伝わっていくようなピアノの音の流れが美しい美曲。
M6 “Intuition” は、硬質で透明感に溢れたビアノトリオによるスローナンバー。

Perchaud のギターは、コンセプトに沿って、エフェクトによるシングルトーンの伸びをいかしたプレイに徹しており、推測だが、透明なピアノの音との
対比をねらって、それぞれをより際立たせようといった狙いもあったのか?
ただ、Perchaud の持ち味、というよりも私的好みの部分でもあるクリヤートーンでの端正なフレージングやセンスあるコード感覚が、抑えられて
しまったと思えるのは残念。
対比という手法ではなく、同質のものでの協調による相乗効果という選択肢もあったが、私的にはそちらを聴いてみたいとも思った。
オープニング同様、M8 “Ou Hirondelles” もPerchaud を大きくフューチャーしたナンバーでラストにつなげる。

ある意味、Perchaud の持ち味を抑えてまで、狙ったイメージの Favre のコンポジション、部外者の私には、思うように成果が出なかったようにも
感じる。内容的には、水準以上のものになっていると思うが、Perchaud の持ち味を目一杯引き出して、自分も生かす方法がとれたら、星一つ増えた
とも思える。

JAZZ-piano 88
Patrick Favre

Category: piano (第3期)  

Medeski Martin & Wood / Tonic

  John Medeski (p, melodica)
  Chris Wood (b)
  Billy Martin (ds, perc, mbira)

  Recoded Live at Tonic. NYC, March 16 - 20 and 23 - 26, 1999.
  BlueNote 7243 5 25271 2 0 (2000)

  1. Invocation
  2. Afrique
  3. Seven Dead-Lies
  4. Your Lady
                     5. Rise Up
                     6. Buster Rides Again
                     7. Thaw
                     8. Hey Joe

Medeski 集中聴きの流れの中で聴いた一枚。Blue Noteでは、2作目になる。
アコースティックピアノによるトリオでの NYは “Tonic” におけるライブ作。

ピアノトリオで見せる顔は、あのエレクトリックセットで見せる、いろんな要素が混じり合ったゴッタ煮風サウンドとは違い、どこをどう切ってもJazzの
ビアノトリオとしての顔を見せる。Jazzはあまり好きではないが MMW は好きなどと言う人もいたぐらい、Jazz以外の人からも支持されたオルガントリオ
としてのサウンドだが、そんなジャムバンドブームの中にあっても、彼らの発する音の根っこのところでは、濃厚なJazzのスピリットが感じとれ、そんな
ところが惹かれたところでもあった。
本作を聴いた当時、そんな彼らの根っこのところにあるのは、やはりこれだったと、あらためて確認したという盤でもあったのだが、John Medeskiという
キーボーダーの、ピアノで見せる別の顔とともに、伝統の表現からフリーなアプローチまでピアノにおける表現そのものも、そのレンジの広さと柔軟な
感性に感心したものだった。
と同時に、「決めごと」というシバリの多い中での表現よりも、よりシバリの少ない自由な中に、より可能性、そして活路を見出してきたという側面も
あったJazzであったが、本作のライブという、まったなしの一発勝負という環境の中での、彼らの即興性の強い音楽を聴くにつけ、そんなJazzの原点に
触れた思いも抱くのである。

尚、この ”Tonic” には、特に本作と関連してリリースされたというわけではないのだが、エレクトリックバージョンとも言える、やはり同じTonicでの
ライブ作として “Electric Tonic(Rec.1998)” がある。
Jazz Organの歴史を振り返ってみても、フリーなアプローチでの全編インプロという内容は、オルガン史のなかでも意味のある一枚としてオルガンに関心
ある方には外せない内容だ。

Jazzの大きな流れの中で、常に本道から外れた、あるいはJazzがその生を維持するために必要となる細胞分裂のより激しい先端部で勝負してきた
John Medeski で、ともすると逸れ者扱いもされるというタイプだが、こういった開拓者がいて、はじめて全体が前に進める、そして生を維持することが
できるという側面があることも見逃してはいけないだろう。

その他の John Medeski 関連記事は → こちらから

JAZZ-piano 87
Medeski Martin & Wood

Category: piano (第3期)  

Myra Melford / Snowy Egret

  Myra Melford (p, melodica)
  Ron Miles (cornet)
  Liberty Ellman (g)
  Stomu Takeishi (bass guitar)
  Tyshawn Sorey (ds)

  Recorded December 2013 at Stadiumred, New York
  YEB-7752 (yellowbird) 2015

  01. Language
                     02. Night of Sorrow
                     03. Promised Land
                     04. Ching Ching
                     05. The Kitchen
                     06. Times of Sleep and Fate
                     07. Little Pockets
                     08. First Protest
                     09. The Virgin of Guadalupe
                     10. The Strawberry        All composisions by Myra Melford

フリー寄りのエリアで、ずっと活動してきているピアニスト Myra Melford は、波長の合う部分もあり、つき合いも長い。
このメンバーで “Snowy Egret” としてのの活動は2012年頃からだが、アルバムリリースとしては、本作が初ということで、どんなことになってるのか楽しみ
です。内容は、彼女がウルグァイ人ジャーナリスト Eduardo Galieano(1940 - 2015)の著書 “Memory of Fire trilogy(火の記憶)” からインスパイアされて
つくり上げた全10曲。

さて本作、私的に注目していたのが、リーダー作も少なく、なかなか正体がつかめていないという謎の多いギタリストでもある Liberty Ellman(B1971) の参加。
その Ellman が、冒頭1曲目から斬新なソロを聴かせてくれ、テンションは、一気に跳ね上がった。普段、耳にすることも多いコンポラ系ギタリストのしゃべり
とは違った語り口が新鮮に耳に入ってくる。しばらく放置してあった盤も再チェックしなれけばなるまい。

Myraの若い頃は、フリーのピアニストとして、力技で結構激しく攻めるプレイも見せていたが、近年の特にこのぐらいの編成のものになると、自身のピアニスト
という部分は抑えめに、コンポーザーという部分にややシフトして、グループのトータルなサウンドを重視するといった傾向もあり、本作においても、それぞれ
のソロももちろん入るが、それは、あくまでグループとしてのトータルなサウンドの一部分であり、緻密にコントロールされたアンサンブルの流れは、多様な
表情を描き出している。
自身のピアノとともにmelodica、そして一癖も二癖もある個性派役者を巧みに操り、魅力ある音の表情を生み出す彼女の演出は、冴えを見せる。
彼女のアルバムには、甘美とも思えるラインが入ることもよくあるのだが、本作においても、一種の怪しさ、いかがわしさ(悪い意味ではなく)を振りまく武石の
ベースが、アルバムをトータルに見ると、その甘美なラインにカウンターをあてるように甘くなり過ぎるのを抑え、キリっと辛口にしているようにも感じられる
のだが、その辺もMyraの計算と見るのは、考え過ぎであろうか。
最後に一転して濃厚なブルースフィーリングを振りまくイントロを持ってきたのも彼女らしい。


            
            Myra Melford: Piano
            Ron Miles: Cornet
            Liberty Ellman: Guitar
            Stomu Takeishi: Bass
            Tyshawn Sorey: Drums
            Performing on the Jay Pritzker Pavilion, August 29th, 2014

その他の Myra Melford 関連記事は → こちらから

JAZZ-piano 86
Myra Melford

Category: piano (第3期)  

Marc Copland / Marc Copland And .........

  Michael Brecker (ts - 2, 8)
  John Abercrombie (g - 3, 4, 6, 7, 9)
  Marc Copland (p)
  Drew Gress (b)
  Jochen Rueckert (ds)

  Recorded on June 6 & 7, 2002 at The Studio, NYC by Jon Rosenberg.
  hatOLOGY593 (HAT HUT Records)

  01. Old Friend 1
                      02. See You Again
                      03. Blue in Green
                      04. Balloonman
                      05. Old Friend 2
                      06. Air Conditioning
                      07. Spring Song]
                      08. Cantaloupe Island
                      09. You ana Night and the Music
                      10. Old Friend 3

Abercrombieの過去作などを引っ張りだしては、聴いていたら、久しく聴いてなかった盤だが、強い印象とともに頭の片隅に残っていた1曲 “Blue in Green”
の入った本作が目についた。

早速だが、まずはその “Blue in Green” から手始めに聴いてみた。これを聴くのも、このブログを始めてから初になるんじゃないだろうか。
デリカシーに富んだAbercrombie独特の柔らかいタッチのテーマからそっと滑り出し、インテンポになってからのギターも、そっと寄り添うピアノをバック
に、そのピックという人工物を介さず、弦を直接親指の腹で弾く奏法とともに、ハンマリングやプリングを巧みに取り入れ滑らかに音をつないでゆく彼独特の
弦の響きは微細な心の揺れまで伝えてくる。
続くCoplandのピアノもそれに輪をかけて繊細極まりないタッチが冴え渡るという展開になるのだが、単に繊細というだけでなく、突き刺してくるほどの硬質感
をともなった鋭さが痛く染みる。その無駄のない音の選択の美しさは、やはり限られた人のものであろう。

Copland と Abercrombie は、これより以前にも2001年作 “That’s for Sure” でも共演しているが、後に “Speak to Me(2011)” など多くの作に
つながっていく相性の良さを感じさせ、それぞれの音による心のやりとりは、高いレベルにあることをつくづく感じさせられる。
久しぶりに再会したこの曲は、2人によるDuo曲だが、またしばらくヘビロテになりそうな気配、そして今の自分の方向性にも何らかの影響が出そうな予感。

本作には、今は亡きMichael Breckerもゲストとして2曲に参加しており、彼らしい音と押しでテンション高めのプレイは、楽しめる内容ともなっている
のだが、アルバム全体として見た場合、この2曲だけ異質になっており、私的には、Brecker参加作をこれとは別に1枚つくっておいてくれたら良かったなどと
思ってしまう。その辺は、変化に富んで、あるいは気分転換として良いなどと見る向きもあるだろうが..................。

久しぶりに聴いた本作だったが、いいきっかけを貰った気がする。その先にある自身の流れを変えるという点で、一番求めているところなのだから...............。

JAZZ-piano 85
Marc Copland

Category: piano (第3期)  

Kaja Draksler

前回記事のスロヴェニアのピアニストKaja Draksler

            
            jazzahead! 2014 - European Jazz Meeting - Kaja Draksler


            
            
            Kaja Draksler & Matiss Čudars - Kor Improvisation


JAZZ-piano 84
Kaja Draksler

Category: piano (第3期)  

Olivia Trummer / Fly Now

  Olivia Trummer (vo, p, el-p, org, wurly, shaker)
  Kurt Rosenwinkel (g-3, 6, 10)
  Matt Penman (doubl bass)
  Obed Calvaire (ds)

  Recorded at Systems Two Studio, Brooklyn/NYC
  with Rich Lamb and at Jazznova Recording Studio, Berlin with Axel Reinemer
  CMN14005 (Contemplate 360) 2014

  01. Precious Silens
  02. Snow Coloured Streets
                     03. Sharing My Heart
                     04. Gotta Miss Someone
                     05. Fly Now
                     06. All is Well
                     07. Watching the Moon (Intro)
                     08. Watching the Moon
                     09. Stay Awake
                     10. Fly Now - Reflection
                     11. DoN't Ask Love

Olivia Trummer はドイツのピアニスト。デビュー当時は、大きな可能性も感じ惹かれたピアニストだったこともあり、このブログではカテゴリー
"ピアノ" の一発目の記事にしたほどだった。
このデビュー作(Nach Norden)そして第2作(Westwind)と順調な歩みを見せていた彼女でしたが、3作目(Nobody Knows)では、ヴォーカルも数曲歌う
など、それまでの方向性とは、大きな変化を見せた。変化を見せること自体は、進化の過程ではつきものでもあり全く問題ないのだが、音楽の魅力が薄れて
しまったこと、そこが問題なのである。
そんなことで、それ以来彼女のアルバムからは遠ざかっていたのだが、かつてはピアニストとして大きな可能性も感じていた才能、今回、NYに乗り込んで、
そうそうたるメンバーを従えての録音ということで、現在の状態も確認すべく久しぶりの対面となったしだい。

一通り聴いてみれば、内容はピアニストとしてデビューし、惹かれた当時の音楽とはだいぶ違い、1曲を除いて全てボーカル入り、しかもそのインスト曲も
プレイしているのは得意のピアノではなくwurlyあるいはorganといったところ、内容的には完全にボーカルアルバムといった変身を見せている。
そのボーカルに関しては、3作目(Nobody Knows)で初めて聴いた彼女のボーカルからは、進化が感じられ、その表現力もアップしており、元々ピアニスト
だったこともあるのか、自身の声を楽器として扱うかのようなボーカルには、個性とともに巧みなものも感じられ、彼女にとって新しい世界を築きつつある
との印象も持った。

そんなボーカルでも光るものが感じ取れる彼女だが、あの繊細さと大胆さを持つピアニスト Olivia Trummerが聴けなくなってしまうのはさびしい。
本作でも、歌の合間に入るビアノのちょっとしたソロなどを聴いても、私としては、やはりそちらで生きるべき才能と思うのだが..................何分、本人が
決める道なのでどうにもならんのだが、おそらく彼女自身もいろいろ可能性を探っているといったところなのだろうか。
これだけのメンバーを集めて、Kurtさえも彼女を支える存在にしてしまい、中心で存在感を放つOlivia Trummerという才能は、やはり何かを持っている。
もし彼女がピアニストとしてガチで勝負していたら、きっとすごいことになったんだろうなぁ.............などと、どうしても想像してしまうのだ。

JAZZ-piano 83
Olivia Trummer

Category: piano (第3期)  

Stephan Oliva, Francois Raulin / Sept Variations Sur Lennie Tristano

  Stephan Oliva(p)
  Francois Raulin(p)
  Marc Ducret(g)
  Laurent Dehors(cl)
  Christophe Monniot(sax)
  Paul Rogers(b)
  Bruno Chevilon(b)

  Recorded 2002
  SKE 333024 (SKETCH) 2003

                     01. Tautology
                     02. Avant April
                     03. April
                     04. Combined Lines Paintings
                     05. Gaspation
                     06. Requiem
                     07. Turkish Mambo/Lennie's Pennies
                     08. East Ogan
                     09. 317 East 32nd
                     10. Victory

Stephane Oliva(ステファン・オリヴァ) と Francois Raulin(フランソワ・ローラン)、2人のピアニストによる Lennie Tristanoトリビュート作。
私的にはMarc Ducretの参加も魅力となっている。

ドラムレスでピアノx2、ベースx2を含むという編成は、Jazzとしては、 かなり変則的となっているが、内容の方は、現代音楽、室内楽といった要素と
ともに、フランスらしさも感じられるものとなっている。
Tristanoトリビュートらしく、ユニゾンでの一糸乱れぬ複雑なテーマなど、いずれも技量面でのハイレベル、そして現代フランスの先端を感じさせる面々。
楽曲はTristano曲4、Lee Konitz曲1、Oliva曲1、Raulin曲3、Oliva - Raulin共作曲1で全10曲という構成となっているが、いずれもかなりつくり込ま
れた感もある楽曲揃い。
そんな緻密につくり込まれた秩序とその間に挟まれた、時には凶暴性も見せるDucretのギターやら2人のピアニストのクールな音列などの自由な瞬時の
パッションが絶妙にブレンドされ、そしてバランスを見せており、音楽はフランスのエスプリも感じられるクールな現代性に溢れたJazzとなっている。

ベーシックな部分に疑問を感じるというフリー系ギタリストも多々見かけるという昨今、この展開でクールにシゴトをこなすDucretに、あらためて
本物を感じる。

JAZZ-piano 82
Stephan Oliva

Category: piano (第3期)  

Laurent Coulondre / Opus II

  Laurent Coulondre (p, organ, voc-4)
  Jeremy Bruyere (b, voc-4)
  Pierre-Alain Tocanier (ds)
  Guest:Laura David (voc-4, 7, 8)

  Recorded at Bop City Studio
  LCOP2 (cristal) 2014

  01. Unexpected (part 1)
  02. Left Out
                     03. Take-Off N'1
                     04. Plane
                     05. An Awkward Dream
                     06. Area of Turbulence
                     07. Inner Child
                     08. Last Seven
                     09. C'est Ting
                     10. Unexpected (part 2)
                     11. Crash Landing
                     12. Shadows of Our Love

フランスの若手ピアニスト Laurent Coulondre(ローラン・クーロンドル?) の"Opus 1(2013)" に続く2作目。
同じフランスの若手アルト奏者 Sylvain Del Campo のアルバム参加作では、オルガンで新世代の感性を見せるなど注目していた Coulondre ですが、
本リーダー作でも一部オルガンの使用ありということで、これはもうチェックしないわけにはいきません。

内容は、Coulondreのオリジナル7曲の他、Bruyere曲4、David-Coulondre-Bruyere共作曲1の全12曲。
メンバーを見れば、前述のオルガンでの参加作でも抜群のキレを見せていたドラムスがPierre-Alain Tocanierとなっている。調べたら、まだ未聴の前作
"Opus 1" でもベースは違うがドラムスはこのTocanier、Coulondreお気に入りの相性良しのドラマーなのかもしれない。

一聴してみれば、現在の若手一般に言えることだが、その演奏能力の高いことにはあらためて感心してしまう。3者はいずれも凄腕、アクロバチックなプレイ
も難なくこなしてしまう技術は一級品だ。しかし、技術はあくまで技術で、問題はそれをどう使うか、使えるのかといったソフトの部分、そこが音楽として
の魅力、クォリティにつながっていくのだが、とは言っても表現上の選択肢が増え、幅が広がるということで基本に高い技術を持っていることは、やはり
それもりっぱな才能だ。

ということで、本作も間にゆったりとした展開はあるのだが、全体の印象としてはハードな立ち回りの一遍といった感じ。フランスには結構いいピアニスト
もいるのだが、また新手の才能がといったインパクトも受ける内容だ。
ベストはM9、ワンノートでベースが音を刻む中、かなり自由にピアノが動きながら始まるこの曲、緩急自在に音の流れをつくるCoulondreの持ち味が良く
出たと思える一曲。
ちょうど中盤のM6〜8にかけて、ビアノトリオ以外のオルガン曲やらLaura David のvoice, vocalが入る曲が仕込まれており、この辺は好みを分けるところ
なのかもしれない。ピアノファンからすると余計なことということになってしまうのかもしれないが、ピアニストの表現だけではない、これがCoulondre
の感性として、素直に受け止めている。年令的にも大いにいろいろ試してほしい。
他のコンポラ系、特に米国系のオルガニストとは違った過程を経て飛び出して来た異質のオルガンも可能性大と思える。

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Category: piano (第3期)  

Andy LaVerne / I Have a Dream

I Have a Dream  Andy Laverne (p)
  Gary Versace (Hammond B3)
  Anthony Pinciotti (ds)

  Recorded Live at The Kitano Hotel, New York November 30 & December 1, 2007
  SCCD 31782 (SteepleChase) 2014

  1. Fire Wire
  2. Memoir
  3. Upside
  4. Refried Bananas
                     5. I Hav a Dream
                     6. I Fixed The Moon
                     7. Cantaloupe Island

Andy LaVerne(p)とGary Versace(org)とによる鍵盤楽器同士によるこの変則ブロジェクトもこれで4作目になるのだが、このブログでも
"All Ways (2005)"、"Andy LaVerne's One Of A Kind At The Kitano Vol.1(2009)" で記事歴がある。
本作は、彼ら、特にVersaceの最新の状況が知りたいということで、即ゲットしたのですが、クレジットを見たら前述のホテル北野でのライブ盤とは、同日
の録音ということでテンション一気に下がりました。
前述のホテル北野でのライブ盤もタイトルをよく見りゃ、'Vol.1" という文字が最後にクレジットされてるので、当初から "Vol.2" にあたるものを出すつもり
は、あったのだろうが、それにしてもこんなに間をおいて出すこともないと思うのだが........................

内容は、M5, M7のHancock曲を除く全てがLaVerneオリジナルとなる全7曲。
こういったケースの場合、いいものを選んだ後の残り物テイクというこことで、あまり期待もできないのだが...............と、低いテンションのまま聴き始める。
その印象は一気にひっくり返った。
無駄な飾りやいだずらに虚仮威しのプレイをすることもなく、ハデさを抑えたLaVerneのピアノには、確かな説得力が感じられる。それを支えるというより
は、Versaceのプレイにも、ソロにバッキングにアイデア豊かなものが感じられ、LaVerneから多くを引き出す触媒の働きとしても十分だろう。
勿論、VersaceにとってもLaVerneの質の高いプレイが自身のオルガンに普段ない何かをもたらしていると感じつつのプレイではないだろうか。

こうして聴いてみると、内容的には、Vol.1と比べても劣る要素は何も無く、充実の出来となっているのだが、その玄人受けするような内容ながらも、変則
編成でハデ、キャッチーといった要素の無い地味さが、録音から7年目のリリースとなった原因なのだろうか?だとしたら、その辺のレーベルの判断には
疑問を感ずる。

変則編成と書いたが、内容的に変則なものは何も無く、過去にも事例は多くはないだけに、開発余地を十分残した可能性も感じられる編成だ。
新たな開拓者の出現も期待したい。

JAZZ-piano 80
Andy LaVerne

Category: piano (第3期)  

Mark Isaacs Resurgence Band / Aurora

with Bonus DVD "Tell It Like It is"

  Mark Isaacs (p)
  James Muller (eg, ag)
  Matt Keegan (ss, ts, shaker)
  Brett Hirst (b)
  Tim Firth (ds)

  Recorded and mixed by Richard Lush at Studios 301 Sydney June/July 2010
  GR003 (Gracemusic) 2010

  1. Wll-o'-the-wisp
  2. Good Tidings
                     3. Emergence
                     4. Threnody
                     5. For the Road
                     6. Bagatelle
                     7. Aurora         All songs composed and arranged by Mark Isaacs

前作 "Tell It Like It is (Rec.2008)"に続くMark IsaacsのResurgence Bandによる2作目。
ボーナスとして前作のLive DVDが付いており、お得盤となっている。

前作同様、Isaacsのコンポーズワークが自由な部分を残しながらも隅々までキッチリ行き渡り、オーストラリアらしさも感じる明快で見通しの良い音楽と
なっている。こうした創り込むことでの巧みさという点では、映画音楽などの分野でもきっといいシゴトを残せるのだろう、などとも思えるものがある。
Isaacsのピアノももちろんだが、フロントの2人が非常に良く、このバンドのカラーには欠かせない存在となっている。

そんな何の不満もなく、明快で気持ち良い音楽とも言える本作で、何も考えずに無になって楽しめれば良い音楽とも言えるのだが、どこか素直ではなく屈折
した要素があったほうがより楽しめるというのが私的好みでもあり、そんな要素が少しあってもなどとそんなことが頭をよぎってしまうというあたりが、
そもそも前作とは違うのかもしれない。
前作のライブに対して本作のスタジオ録音といったあたりなのか? それとも、約2年前の録音と比べても音楽のクォリティーは同等だが、強いて言えば
その2年間の時の流れが音楽に反映されないことへのちょっとした不満なのか?
前に進むことでの変化を求める私としては、この2年間変化なく同等と受け取れる音楽に後退を感じているのかもしれない。
前作を聴かずに、これだけを聴けば、バランスよくまとまったコンテンポラリーテイストのJazzとして、おそらく満足の一枚となったのではないだろうか。
無になって素直に楽しめない自分ではあるのだが、そこにこだわらないとやはり道楽にはならない。

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Mark Isaacs

Category: piano (第3期)  

Jamie Saft / The New Standard

  Jamie Saft (p, organ)
  Steve Swallow (eb)
  Bobby Previte (ds)

  Rec. ?
  RNR041 (Rare Noise Records) 2014

  01. Clarissa
  02. Minor Soul
  03. Step Lively
                     04. Clearing
                     05. Trek
                     06. The New Standard
                     07. I See No Leader
                     08. Blue Shuffle
                     09. All Things to All People
                     10. Surrender the Chaise

Jamie Saftに初めて出会ったのは、15年程前、Bobby Previteのリーダー作 "Bobby Previte's Latin for Travelers / My Man in Sydney"、
そこではオルガニストとして、それまで出会ったことのない新種の感性の持ち主として好印象を持ったのをよく覚えており、またギタリストMarc Ducret
に出会ったアルバムとしても、私にとっては、その後の流れにも関係する大きな意味のある一枚だった。
Saftについては、その後上記作の続編 "Dangerous Rip" や TZADIKレーベルからの作など、そこそこチェックは、してきていますが、元々各種キーボード
を操るマルチ・キーボーダーといったタイプだったことや、プレイヤーとしてばかりでなく作曲、プロデュース、エンジニア......といった広範囲な活動をして
いたことも関係しているのか、なかなか彼の本当の姿が見えず、掴みきれないといった印象も持っていましたが、そんな流れにちょっと変化の兆しを感じた
のが"New Zion Trio" としての活動あたりからでしょうか。

本作は、"New Zion Trio" とは全く違ったプロジェクトということになるんでしょうか?
旧知の仲Bobby Previteをドラムスに、ベテランSteve Swallow をベースに迎えた布陣は、なかなか興味をひかれます。
内容は、M3,M9の3者共作曲を除いて他全曲Saftのオリジナルとなる全10曲。

冒頭1曲目から3曲ほどは、これまで持っていたSaftのイメージを覆すような、ストレートに押すプレイ、しかも粘るようにブルージーなスパイスも入り、
今までSaftがあまり見せなかった、ある意味そんな普通さに逆に神経が集中してしまいます。伝統の形でありながらも、そこに流れる空気感は、あくまで
今現在のもの、その辺が彼の感性なのでしょう。
いろんな要素が感じられる曲を3曲挟んでM7は、モーダルに飛ばすピアノ。こういった4ビートでストレートな展開でのPreviteもなかなかお目にかかれま
せんが、強力な推進力を引き出してます。
本作でSaftは、3曲でオルガンを担当しているのだが、専門職のオルガニストではないということからかもしれないが、ベースラインは自ら担当せず、
ベース奏者を置くということで、同じ考えの、そして同じようにTZADIKとの関わりも深いJohn Medeskiにも極微量だが通じるものがあり、またオルガン
らしい持続音を生かしたプレイやコードワークには独自性も感じられる。コンテンポラリー系の主流ともなっているGoldings, Yahel, Versaceといった
タイプとは異なり、これまでの自身の活動、John Zorn絡みのシゴト状況から判断すれば、あまりJazzの本道という枠の中で勝負するタイプではなく、
いろんな要素も抱えるこれまでの彼の音楽から、先の展開の読みにくいタイプとも言えるのだが、多才な彼でもあるので、常にレーダーの範囲には置いて
おきたいアーティストでもある。

ラストM10は、ピアノによる重厚さと哀愁に溢れた美曲、中近東あるいはユダヤらしき旋律か?
本作一枚の中でいろんな顔を見せるのだが、それが決して散漫な感じにならない、その多彩、多面性を素直に彼の感性として受け止めた方がよいのかも
しれない。

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Jamie Saft

Category: piano (第3期)  

Trichotomy / Fact Finding Mission

  Sean Foran (p)
  Patrick Marchisella (b)
  John Parker (ds)
  James Muller (g) - 2, 6, 8
  DVA:Tunji Beier (perc-6) & Linsey Pollak (reeds-6, 8)

  Recorded by Chris Vallejo at Linear Recording Sydney July 16-20, 2012.
  naimcd186 (naimJazz) 2012

  1. Storm
                     2. The Blank Canvas pt 1
                     3. Lullaby
                     4. Fact Finding Mission
                     5. Song to EV
                     6. Civil Unrest
                     7. The Brook
                     8. The Blank Canvas pt 2
                     9. Brick by Brick

オーストラリアのピアニスト Sean Foranを中心としたグループ Trichotomy(トライチョトミー)の目下のところ最新作。同じオーストラリアのギタリスト
James Mullerのゲスト参加も魅力となっている。
この Trichotomy は、以前 Misinterprotato(ミスインタープロテイト) というグループ名で活動してしていたのだが、このブログでも "Variations"で
記事歴がある。また"Tokyo Jazz 2011"でも来日しており、実際に生を聴いているのだが、それも記事があるので参考まで。

さて、このグループですが、99年にMisinterprotatoとして結成以来、ずっとグルーブ名として活動してきているのだが、それがグループとしてのサウンド
にも表れており、個を際立たせるというよりもトータルなサウンド重視の姿勢が見え、その辺は3者対等の録音状態などからも感じとれる。
そんなグループとしてのまとまりとバランスの良さも見られるTrichotomyだが、その分、James Mullerがゲスト参加した曲では、そのギターが際立つ
展開となっており、特にM6 "Civil Unrest" などにおける中近東〜アジアを思わせるようなラインのソロは、聴きものである。

このTrichotomyの音楽も、Jazzをベースとしながらも、そこにはいろんな要素が入り混じり、彼らが当初から一貫して通してきたそういった方向性も、
より広がりを見せてきたとの感もある本作で、彼らの音創りに対する真摯な姿勢には共感できるものもあるのだが、それが一般Jazzファンにとって、より
受け入れられる方向にきているのかとなると甚だ疑問だ、その辺は彼ら自身も痛い程感じているところであるとは思うが、くれぐれも安易な選択はしない
でほしいというのが願いである。

             

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Trichotomy

Category: piano (第3期)  

August Rosenbaum / Beholder



August Rosenbaum (p)
Jakob Bro (g)
Thomas Morgan (b)
Dan Weiss (ds)

Recorded by Michael Brorby at Acoustic Recording, Brooklyn NY, March 16-17 2009
AROS 001CD (Gateway Music) 2010

1. Beholder
2. Absentia
3. Way Out
4. Romantica
5. Still
6. It Moves
7. Heinseit
8. Delicate Matter
9. Shoyn Fargessen     All compositions by August Rosenbaum except Romantics by Jacob Bro

デンマークの若手俊英ピアニスト August Rosenbaum(B1987)と奇才 Jacob Bro(B1978)、それに米国のMorgan、Weissという強力なリズム陣も
加わり、NY、ブルックリンでのレコーディングとなっている。
全9曲中8曲がRosenbaum曲、残り1曲がBro曲という内容。
一聴してみればRosenbaum名義作ではあるが、Motian、Frisell, Rosenwinkelなどとの共演もあり経験も豊富な同じデンマークの先輩格でもある
ギタリストのJacob Broのカラーも色濃く反映されたものと感じられる。
Broは、このブログでも "Bandapart" で記事としたことがあるのだが、本作でもそれに通じる一種のアンビエント感が常に漂い、音楽は、澄み切って
どこまでも見通しのきくような空間を漂い、緊張感ある張りつめた空気感を形成する一方ではホッとするような日常性も感じられるという摩訶不思議な
世界を創り出している。
アドリブパートと言えるようなものもあまり無く、ビート感も無く、掴みどころの無い浮遊感を伴う音の流れは、ともすると単に退屈な音楽とも受け取られ
かねないのだが、この創り込まれた音列、これほど自身のプレイに抑制を利かすことができるのは、よほど強い意志をもって表現されているからこそなの
だろう。
全てはリスナーの価値観、そこで評価は大きく分かれるのだろうか。

             
             Live at Vega, March 24th 2012

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August Rosenbaum


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