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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

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Ben Allison / Think Free

  Shane Endsley (tp)
  Jenny Scheinman (violin)
  Steve Cardenas (g)
  Ben Allison (b)
  Rudy Royston (ds)

  PM2140 (Palmetto )2009

  1. Fred
  2. Platypus
  3. Broke
                     4. Kramer vs. Kramer vs. Godzilla
                     5. Sleeping giant
                     6. Peace Pipe
                     7. vs. Godzilla
                     8. Green A1

1996年 "Seven Arrows" でデビュー以来、比較的コンスタントにアルバムリリースしている感もあるBen Allison(B1966)の2009年作。

どちらかというと、アレンジ面に力を入れた創り込まれたサウンドといった印象を持っているAllisonの音楽ですが、本作も自由なソロパートは抑えめに
音楽は緻密に創り込んだものに仕上がっている。
全体に淡いカントリーテイストとも言えるようなノスタルジックなものも感じられるのだが、そんなテイストがわかりやすくキャッチーとも言えるような
メロディーとともに、芯のところにあるNYブルックリンの尖った部分をオブラートで包み込むように全体をややマイルド感もあるサウンドにしているとの
印象も持つ。
もちろんAllisonの決めた方向性だろうが、そんな本作のイメージに大きく関わっているのが Jenny Scheinmanのバイオリン、本作のカラーを決定づけ
る重要なアイテムとなっている。

ただ全体に同じような印象の曲が並び、私的には何か変化の一つも欲しかった気もするのだが、その辺は統一されたと受け取るのか、変化に乏しいと受け
とるのかで本作の評価も変わるところかも。

昔、ブルース小僧だった私にとって、白人をルーツとするカントリー、フォーク系のものは敵性音楽として甚だ相性が悪い音楽だった遠い記憶がある。
その名残ということか野良ジョーンズ、Bill Frisell................等々、いまだに苦手なタイプなのだが、本作にもある微量のカントリーフレイバーに、私的に
は多少の相性の悪さも感じた一枚でもあった。

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Ben Allison

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Chris Lightcap / Lay-Up

  Chris Lightcap (b)
  Tony Malaby (ts)
  Gerald Cleaver (ds)
  Bill McHenry (ts)

  Track 1-7 Recorded September 13 & 14, 1999 at Tedesco Studios, Paramus, NJ
  Track 8  Recorded live September 12th at Cornelia Street Cafe, NYC
  FSNT 074 (2000)

  1. Lay-Up
  2. I Heard It Over the Radio
                     3. Port-Au-Prince
                     4. Guinbre
                     5. All Choked Up
                     6. Las Tijeras
                     7. Sad Morning
                     8. Philly's Blount

前回の記事で Gerald Cleaver参加の "Plymouth" を聴いた関係で、Cleaver の入った作を他にも聴いてみたくなり、いろいろ引っ張り出してはさがし
てみたら2000年作の本作が目につき、聴いてみた。

Tony Malaby、Bill McHenryの2本のテナーを擁したベーシスト Chris Lightcapのクァルテットによる初作。この後グループ "Bigmouth" として
途中メンバーの変更なども経て現在も活動しており、最新作 "Epicenter" も直リリースという予定となっている。
聴くのも久しぶりになるという本作だが、変則ぎみの編成とメンバーの顔ぶれから、ちょっと尖ったテイストのものもイメージしてしまうかもしれないが、
音楽の方は至ってノーマルで、ちょっと味付けを変えたハードバップとも言える味わいのものになっている。

Lightcap と Cleaver の繰り出すどちらかというとあまり動きの無い一定のリズムをバックに Malaby と McHenry の2本のテナーがユニゾンしたり
あるいはハモったりの一糸乱れぬ呼吸を見せたかと思うと、軽くジャブの打ち合いで遊んでみたりといった展開が続く。
緊迫感もあるちょっと尖ったものも期待してしまうと、そのサラっとした展開にちょっと肩すかしを食らった感じも受けるという内容だが、
脱力感とともに余力を残したとも思える2本のテナーには、確かな力も感じられ、変な言い方だが、見せない部分の大きさも何となく伝わってくるような
ところもあり、それは Cleaver のドラミングについても同じような印象を持つ。
そんな本作なので、聴き手によりその受け取り方も大きな違いを見せる一枚と言えるかもしれない。

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Chris Lightcap

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Sam Most / Organic Flute

  Sam Most (fl)
  Joe Bag (org)
  Mark Ferber (ds)

  Recorded at Multi Media Music, Hollywood, California by Mark Vincent, January 2009
  LiquidJazz 2010

  01. Speak Low
  02. Bluesette
  03. Yesterdays
                    04. The Nearness of You
                    05. Darn That Dream
                    06. So in Love
                    07. Relaxin' at Camarillo
                    08. We'll be Together Again
                    09. Pensativa
                    10. Indiana
                    11. Blue Daniel
                    12. You Stepped Out of a Dream

最近、聴く機会も多かった1枚。
本作でフルートを担当そしてリーダーの Sam Most は、たしか昨年亡くなったなどと思っていたら、新しい年が明けたのでもう一昨年ということになるん
ですね。
本作録音時は、80になろうかという時期ですが、その活き活きしたフルートのプレイには驚く。あらためてフルーティスト Sam Mostを見直した。
Most は、フルート以外にも cl や ts などでのプレイもあるのだが、私的には好きな楽器でもあるし、このフルートとの相性が一番良い。

音楽の方は、小難しい要素は皆無、スタンダードを並べて実に気持ちよく楽しく聴けるという内容に仕上げている。
こういった流れだと、ついついイージーな方向へもという展開にもなりがちだが、小粋、コジャレ感とともにイージーになる一歩手前、紙一重のところに
コントロールしている。これも長年Jazzと良い関わり方をしてきた Most の音楽性、Jazz観といったものの表れなのだろう。
音楽は全編に渡り、ほぼ4ビート主体の定型スタイルながら、その決まった枠の中で職人的技が冴え渡り、実に活き活きとした無になって楽しめるJazzに
仕上げている。職人という言い方はアーティストに対して悪い意味で使われる場合もあるが、ここでは年季の入った経験豊富なツボを心得たといういい
意味での職人だ。

そんな4ビートのグルーヴ感をつくりだしている大きな原動力にもなっているのが、地味ながら確かな職人 Joe Bag の左手、そのベースラインが
Mark Ferber のドラミングとともに音楽に推進力をもたらしている。
Joe Bag については、このブログでは、ボーカリスト Anna Callahan作の "It's Just the Rain" で記事歴もあるが、独自性も備えたコンポラ系の
クールな感性のオルガニストとして、もっと評価されてしかるべき存在だと思っている。本作でも彼の働きは大きく、大ベテラン Most の枯れたフレージ
ングを支えるとともに、そのクールなオルガンワークは、音楽に今の空気感を吹き込みフレッシュなスパイスとなっている。

            
            

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Sam Most

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Arthur Kell / See You in Zanzibar

  Arthur Kell (b)
  Bill McHenry (ts)
  Steve Cardenas (g)
  Allison Miller (ds)

  Recorded and mixed by Joe Ferla at Avatar Studios, February-July, 2000
  自主制作?

  1. Song for LJ
  2. Pisciotta Blue
                    3. Waterlines
                    4. See You in Zanzibar (At the Blue Ocean)
                    5. At the Outset
                    6. Intro / Odyssey
                    7. Lullaby / Omi
                    8. Red Rose
                    9. Grace

Arthur Kellについては、2012年作の "Jester" で記事歴があるのだが、欧州での活動が多いことやメジャーなシーンで目にする機会も少なく知名度は低い。
しかしながら、過去作からベーシストとしてのみならずコンポーズ面でも優れたものがあり、諸作はいずれも高いクォリティが感じられ、そんな彼の音楽の
"優れたB級' といった印象(そんなイメージを抱くのは自分だけかもしれないが)は、これまでのメンバーの人選の傾向、好みなどからも感じとれる。

本作も、全曲 Kellの手によるもので、やはりそのコンポーズワークには、しっかりとしたものがあり、グループとしてのコンビネーションにも高いものが
感じられ、Kell のフロントの2人の役者を活かしストーリーを創りあげていく手腕は相変わらず巧い。流れをコントロールする堅実さとイマジネイティブな
ソロなど、そのヘビーなベースワークも魅力。
木質を感じる柔らかなMcHenryのテナーとそれを支えるCardenasのバッキングそしてこれまた柔軟性に富んだソロが好調だ。
Cardenasは、この後のKellの "Traveller" にも参加しており、やはりそのプレイは印象的だった。このKellと活動を共にした時期に得たものは大きなものが
あったのではないだろうか。
Allison Millerのプッシュも良い。アタックの強さとキレは、女性であることをつい忘れる。

地味な作ながら好内容という誠にArthur Kellらしい盤と言えるのだろうか。

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Arthur Kell

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Paco Charlin / Organic Motion Philosophy

 paco-2.jpg

Marcus Strickland (ts, ss)
Lage Lund (g)
Paco Charlin (b)
Juanma Barroso (ds)

Recorded at Teatro Principal (Pontevedtra, Galiza), August 23, 2008
FC45CD (free code) 2009

1. Sunlight
2. Rhythm Flow
3. Organic Motion Philosophy
4. The Question
5. Step B
6. The Answer
7. Melodic Speaking
8. Extended Capacity
9. River Sprit

スペインはガリシア出身のベーシスト Paco Charlin(パコ・シャルラン)のリーダー作ですが、先日記事とした "Paco Charlin / Kiuye" とは、レーベル、
録音場所も同じということで、同じような流れの中で製作されたものと思われ、楽器編成も同じ、前述盤ではdsを担当していた E.J. の双子の兄弟
Marcus StricklandのテナーとLage Lundのギターという布陣。前述盤のVicente Marcian (ts)とMike Moreno (g)との違いが音楽にどう現われるのか
といったあたりも興味のあるところです。

前述盤同様、全てCharlinのオリジナルで固めた全9曲。
前述盤と同じく、冒頭にアルバムの核となるような曲を配置しており、やや不穏さもあるオープナー、Lundのギターも妖しさを放ち、まずまずのスタート。
聴き進めていくと、意外とストレートでカラッとしたテイストの展開で彩られており、そのあたりがちょっと私的期待とは、若干ズレが生じたかなといった
ところだが、プレイ自体に何ら問題はなく、上質の一枚に仕上がっていると思える内容だ。
ただし、あくまで自分の感性を通して聴くわけだから、そこに私的好みといったものがはたらくのは当然のことであり、シゴトとしてではなく道楽としてと
いうことになれば、何よりもそこが唯一の判断基準となるのである。
回りくどい言い回しになってしまったが、本作、微妙に私的好みを外した盤のようだ。
この辺の受取り方も、今回は特に前述のMoreno参加作とほぼ同時期に聴くことになったので、いやでも比較する結果になってしまうのはやむを得ないとこ
ろだが、本作も前述盤とは関係なく単独で聴いたら、満足の一枚だったかもしれない。その点では不運だったと言えるのかもしれないが、自分とは感性(好み)
が違う人が聴けば、全く逆の受け取り方をする人も多いだろう。そのぐらいの微妙な質感の違いだ。
Strickland のストレートで米国流のテナーと曲によりソプラノの使用、対するMarcianの木質の音とやや影を感じるテナー、この差がそのまま音楽の質の
違いにもつながったのか、そしてMorenoとLundのギターの質感にも微妙な影響を及ぼしたのか.........................
共演者との対話の中から、その互いの刺激により新たなsomethingを生み出そうとするJazzにおていは、その共演者の持つ意味が大きいこと、あらためて
感じます。

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Paco Charlin / Kiuye

 kiuye-2.jpg kiuye-3.jpg

Vicente Marcian (ts)
Mike Moreno (g)
Paco Charlin (b)
E. J. Strickland (ds)

Recorded at Teatro Principal (Pontevedtra, Galiza), July 18, 2009
FC50CD (free code) 2011

1. Kiuye
2. The Wrestler
3. Open Road
4. Line
5. Fcl
6. Hum
7. Mad Circle
8. Toy
9. Magnetic Tape

日本では Abe Rabade Trio のベーシストとしてピアノファンには、おなじみのスペインはガリシア出身の Paco Charlin(パコ・シャルラン)ですが、
この Rabade Trioとは別に自身のリーダー作として気になるメンバーでのアルバム情報は得ていたのですが、Jazzとしてはマイナーな地域のスペインと
いうこともあり、なかなか入手機会に恵まれず放置状態でしたが、たまたま機会に恵まれgetとなったしだい。

内容は、全てCharlinの手による全9曲。
冒頭のタイトル曲、のっけからガツンっというよりは、その不安定な要素と妖しさも漂う静かな出だしに惹き付けられます。
このテナーは、今回お初になりますが、最初のテーマ部あたりで見せる歌わせ方やら持っている雰囲気で、なかなかの実力者であることも伝わってきます。
柔らかな身のこなしからイクべきところではイク緩急の出し入れ、写真で見る限りでは若手、楽しみな存在です。

そして、そのMarcianとともにフロントで本作のカラーに大きく関わるシゴトを見せているMike Moreno、いいです。
特に本作において、私的には冒頭曲やラスト曲の不穏な響きも感じられるゆったりとした展開の中で時折、速いパッセージも絡めてくるといった緩急ある
展開が好みです。
こうして本作、通して聴いてみると、Morenoのギターにも、NY絡みのメンバーによる他作とは、その音楽に微妙に質感の違いも漂い、そのあたりも魅力と
感じるのだが、リーダーであるCharlinそして、出自不明だが名前から判断すればやはり欧州系と思われるMarcian、彼らの感性の質と絡んだことによる
化学反応の成果とも言えるのだろうか。

堅実なベースワークとともに、楽曲の魅力とトータルに音楽を俯瞰視できるリーダー Paco Charlin の存在も大きい。

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Linda Oh / Sun Pictures

Sun Pictures  Linda Oh (b)
  Ben Wendel (ts)
  James Muller (g)
  Ted Poor (ds)

  Recorded at WKCR, Columbia University on November 12th 2012.
  GRECD 1032 (Greenleaf) 2013

  1. Shutterspeed Dreams
  2. Polyphonic HMI
                     3. Footfall
                     4. Blue Over Gold
                     5. Yoda
                     6. Terminal 3
                     7. 10 Minutes till Closing     all compositions by Linda Oh

マレーシアと中国という両親のもとでマレーシア出身、オーストラリア育ちの女性ベーシスト Linda Oh の3作目となる本作、オーストラリアのギタリスト
James Muller(B1974)の参加もあり即買いしたものですが、ちょうど先日、彼女参加のLiveを聴いたこともあり、あらためて彼女の諸作品を聴き直し
ていましたので、ついでにこの機会に彼女名義作としては一番新しい本作を記事としておきます。

内容は、Lindaが旅行した際の印象などをスナップショットとした彼女の手による全7曲となっている。
購入前、本作には、クール、ダーク、無機質..........といった質感のものを期待していましたが、前述の彼女のコンセプトもあるのでしょう、ダークといった
質感はあまり無い。それでもカッティングエッジ感に溢れたクールな緊張感は、なかなか魅力的アルバムに仕上がっている。
ダークが多いブルックリン系に対しオーストラリア出身で明快で見通しの良い質感が持ち味のJames Mullerの参加もそういったアルバムコンセプトには、
適切だったのかもしれない。
実際、印象では本作の成功に大きく貢献しているのはMullerのギター、ソロにバッキングに本作のカラーを決定づけているように思える。
いたずらに無機質感に走ることもなく、カラッとした見通しの良さを感じさせつつスピード感に溢れたソロで持ち味を良く出している。Lindaとは、
オーストラリアつながりということなのか?

Linda のベースは、本作においてはコンセプトもあり、抑えぎみながら、巧みなコンポーズワークとともに、これまで同様、リーダー作では全て異なる
人選の多彩な個を巧みにまとめ上げてきたというリーダーとしての高い能力も感じられる。Mullerのギターから本作に合った適切なカラーを引き出している
のも彼女が大きく関わっていることは間違いないだろう。
先日のライブでは、そのイマジネイティブでエッジの効いた現代感覚に溢れたベースワークで一際存在感を放っていたし、よく歌うベースという印象も残った。
今後が楽しみな存在である。

パワーと瞬発力を感じるTed Poorだが、本作においては丁寧な抑えぎみのシゴトで大いに貢献している。そういう流れをつくり出しているのもLindaなの
だろう。

             

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Linda Oh

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Urban Hansson / Flute Fascination

Urban Hansson  Urban Hansson (fl)
  Mats Oberg (p, harmonica - 01)
  Pierre Sward (org - 02)
  Jonny Johansson (9-string guitar - 03)
  Andreas Oberg (g - 04)
  Jerker Hallden (fl - 05)
  Lars Ekstrom (b - 06)
  Staffan Hallgren (fl - 07)
  Uffe Flink (brushes - 08)
  Jonas Kullhammar (bs - 09)

                     Recorded in Grottan Studio, Stockholm Martch 1, 2007
                     GBCD 071 (GillbolLaget)

                     01. All Blues
                     02. I Got It Bad
                     03. Winds Over Tannisby
                     04. All of Me
                     05. All the Things You are
                     06. Monk Delight
                     07. Sweet and Lovely
                     08. Take the A-Train
                     09. Body and Soul
                     10. Flute Fasciation

かつて、米国でBooker ErvinにSaxを学んだというスウェーデンのUrvan Hansson(B1943)が全編フルートにより全て違った相手とDuoで1枚のアルバム
をというコンセプトでできたのが本作であったようです。
内容は、Hansson曲3他スタンダードなどで全10曲。
Duoの相手となる顔ぶれも様々で、楽器の違い、感性の違い................など顔ぶれもバラエティーに富んだものとなっているが、私的には、スウェーデンのフ
ァンキー野郎、オルガンのPierre Swardや爆裂テナーのJonas Kullhammarがバリトンサックスで参加などが魅力となりゲットしたもの。

初めての顔合わせとなるHanssonだが、多彩な顔ぶれが相手ということで、Hanssonのフルートもオーソドックスから先鋭性ある表現まで幅広い対応力を
見せており、フルート奏者として確かな技術の持ち主であることも確認できる。Duoということで1枚のアルバムを通すと、とかく単調になりがちだが、全
曲、全て違う感性が相手ということもあり、音楽も多彩でバラエティーに富んだものとなっているのは、彼の狙いでもあったのだろう。
日本では、無名の存在だが、繊細な表現から、Jeremy Steigばりのアグレッシヴな奏法まで多彩な技も飛び出すハイレベルなフルートだ。

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Urban Hansson

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Joe Locke / Sticks and Strings

Sticks  Strings  Joe Locke (vibes)
  Jonathan Kreisberg (eg, ag)
  Jay Anderson (b)
  Joe La Barbera (ds)

  Recorded on May 13-14, 2007 at Mountain Rest Studio / New Paltz, N.Y.
  Eng:Jay Anderson
  Jazzeyes003 (2008)

  1. Time Like te Present
                     2. The Rosario Material
                     3. Sword of Whispers
                     4. Terzani
                     5. All of You
                     6. A Word Before You Go
                     7. Appointment In Orvieto
                     8. I Fall in Love too Easily
                     9. Sixth Sense

Joe Locke(B1959)に初めて出会ったのは、Verve時代のBarbara Dennerleinの "Take 0ff(1995)" や "Junkanoo(1996)" あたりだったと思う。
Barbaraの創り出すサウンドの中で、あくまでその歯車の1つではあったが、時代の感覚を備えた若手ヴァイブ奏者として光っていたのを記憶しているが、
その後、リーダー作としての購入歴などもなく、密なつきあいはしてこなかったという存在ですが、本作もギターのJonathan KreisbergB1972)の参加が、
購入の大きなきっかけともなっている。

Locke曲5、AndersonとLa Barbera曲がそれぞれ1、残り2曲がスタンダードという構成になっており、幅広い対応のできるLockeの感性にKreisberg参加
ということで、本作の購入時には、コンテンポラリーな質感に溢れた緊張感あるサウンドを期待していましたが、結果は意外と軽めで、曲によってはユルい
と感じるものもあり、Kreisbergも他盤で見せるようなコンポラ色に溢れたキビキビした動きはあまり見られないものの、内容としては決して悪くなく、
元々こういったサウンドカラーを狙っての本作だったのかもしれない。そう考えると、堅実なドラミングを見せるLa Barberaの起用もうなずけるものがある
のだが、逆にLa Barberの起用がこのカラーになった大きな要因という見方もできるのかもしれない。

そんな印象も最初に持った本作ですが、全体として適度なリラクシンを踏まえた良質のコンテンポラリー・サウンドとでも言ったらよいのでしょうか。
曲によってはアコギを使い、いつになく端正なプレイを見せるKreisbergのギターも、そういった本作のコンセプトには、合っているとも言え、特にLocke
のオリジナル t3 "Sword of Whispers" は、哀愁溢れる美曲、伸びやかなLockeのヴァイブの響きと対称的に響きを抑えたKreisbergの乾いたタッチのアコ
ギが織り成すサウンドが染みる。本作を象徴するような1曲。


             
             Große Konzertscheune, Jazzbaltica, Salzau/Germany, 6th July 2008

             Joe Locke - Vibes
             Rosario Giuliani - Alto sax
             Jonathan Kreisberg - Guitar
             Jay Anderson - Bass
             Joe LaBarbera - Drums

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Joe Locke


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Dave Holland / Prism

  Dave Holland (b)
  Kevin Eubanks (g)
  Craig Taborn (p, Fender Rhodes)
  Eric Harland (ds)

  Recorded at Sear Sound / August 9-10-2012
  Engineer : James Farber
  88883721802 (Dare2) 2013

  1. The Watcher
  2. The Empty Chair
                     3. Spirals
                     4. Choir
                     5. The Color of Iris
                     6. A New Day
                     7. The True Meaning of Determination
                     8. Evolution
                     9. Breathe

当ブログには、甚だふさわしくない話題盤、まあ、たまにはいいだろうということでジャケット画像をUPして記事編集画面に置いてみたら、やっぱり話題
盤は華がある、きらびやかなオーラを放っている。ひたすら地道にマイナー盤を並べる当プログにおいては、掃き溜めの鶴みたいなもんだ。

さて、ということで普段、記事としては、あまり取り上げることもない話題盤とも言っていい本作ですが、内容はメンバーがそれぞれ2〜3曲ずつ持ち寄って
の全9曲という構成、Holland自身が立ち上げたDare2レーベルからのリリースとなっている。
編成面で目を引くのが、ホーンレスの編成、しかもディストーションを利かせたEubanksのギターとRhodesを多用するTabornを前面に配したエレクトロ
ニクスを駆使したサウンド、ヘビーなHollandのベースとタイトで瞬発力に富んだHarlandのドラムスが推進力となって展開されるサウンドには、今を生き
るミュージシャンの旬な音を感じる。60代後半になるというリーダーのHollandだが、ミュージシャンとして旺盛な戦闘意欲を維持していることは何よりも
評価したい。活きた音とするか否かは、すべてその音創りの姿勢にかかっているのだから。
Eubanksは、アルバムリリースが途切れていた時期もありましたが、ここ2〜3年復活のきざしも見え、本作でも、かつて無いようなハジけぷりを見せており
その好調ぶりは、目を見張るものがある。
全体をカチッと締まったサウンドにしているHarlandの貢献度も極めて大きい。
Tabornは、共演者、自身のアルバム等により多彩な表情を見せてくれるが、本作のブレイぶりからもまだまだ余力が感じられ、潜在能力とその可能性には
大きなものがあり、今後楽しみな存在であることを再確認できた。

それぞれの高い次元でのプレイに音楽として、そして音創りの姿勢にも納得できる一応の満足できるサウンドと感じるが、結果として出来上がったものは全
面的に共感できるというレベルには至らなかった。
それは、彼らの目指す方向と、自分が今現在求める音楽の方向性との違いなのだろうか?あるいは感性の質の違いといったところなのか?
素直にそして単純にこれを諸手を上げて受け入れるという内容ではないと感じるのだ。購入以来、ヘビロテ盤となっていないことが、全てを物語っている。
もっともヘビロテ盤になれるのは、1〜2割の確率、本作もその1〜2割の確率に入れなかっただけで、上物であることに違いはないのだが..................。


             
             Dave HOLLAND Electric Quartet: Prism - Charlie Jazz Festival 2012


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Prism

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The Steve Swallow Quintet / Into the Woodwork


  Chris Cheek (ts)
  Steve Cardenas (g)
  Carla Bley (org)
  Steve Swallow (b)
  Jorge Rossy (ds)

  Recorded November 15/16, 2011 at Studios LA Buissonne. Pernes-Les-Fontaines
  Engineers:Gerard de Haro and Nicolas Ballard
  XtraWATT/13 2798380 (2013)

Woodwork-2.jpg  01. Sad Old Candle
  02. Into the Woodwork
  03. From Whom It May Concern
  04. Back ih Action
  05. Grisly Buisiness
  06. Unnatural Causes
  07. The Butler Did It
  08. Suitable for Framing
  09. Small Comfort
  10. Still There
  11. Never Know
                     12. Exit Stage Left       Music by Steve Swallow

冒頭1曲目から、眼前にミステリアスで、ある意味、懐かしさも憶えるようなファンタジックで摩訶不思議な世界が投影される。
何かの始まりも予感されるような見事なつかみから始まるSwallowのオリジナル全12曲からなる物語である。

聴き進めていくと、5人の役回りが 脚本・演出家(Swallow, Bley) − 媒介者(Rossy) − 役者(Cheek, Cardenas)といった構図が目に浮かんでくるのである。
ストーリーを考え、存分に役者に演技してもらうベーシックな舞台環境を整えるSwallowとBley、その意図を的確に伝えるRossy、全てが整った好環境に
何かが乗り移ったかのように普段以上の力を発揮し演じる2人の役者。
ここでのCardenasは、かつて聴いたことのない私の知らないCardenasだ。妙に力が抜けていながら要所はきっちりシメてくる。力みが無いからメリハリ
があるし、フレージングにもキレを感じる。よくいいピッチャーは、力みの無いフォームからリリースの瞬間のみ力を集中させることにより球にキレが出て
くるなどと言われるが、全くそんな感じだ。このしなやかさとスピード感もあるCardenasのギターは、本作を通じて何かを掴んだか?
同様にCheekのテナーにも、そんな雰囲気が漂う。決して熱くなることもなく坦々としたブロウなから溢れんばかりの歌心が伝わってくるのである。その
彩度を抑えたモノクロームに近いトーンが、演出家の要求を的確にとらえていると思えるのである。
随所に出てくるこのテナーとギターのユニゾンによる表現がまた緻密だ。全体のサウンドに豊かなバリエーションと厚みを与えクォリティを一段高いものに
している。

予測不可の自由でスリリングなJazzも良いが、本作は真逆の結果を予測して、そこに至るべく精緻に創り込まれたJazz、その音の創り手の意図が見事に再現
された音楽となっており、多種のイメージが喚起され不思議な世界へと誘う12のつながりもある仕掛けも巧みだ。
そこにはSwallowの強い意志が感じられるのだが、同時に音楽のベーシックなカラーづくりに徹したCarlaの貢献度も大きい。
2人の役者から力以上のものを引き出し、物語をまとめた彼らの手腕は確かだ。

普段は、1枚のアルバムを通し聴きせず、つまみ食いが好きな私だが、それぞれの曲を単独で聴かず、通し聴きすることにより、より楽しみも増す、そんな
アルバムを通しての一貫したポリシー、意志も感じられる1枚だ。


            
            Steve Swallow & Carla Bley - Ning my tune (New Morning - Paris - November 9th 2011)

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Steve Swallow

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Didier Lockwood / Storyboard

  Didier Lockwood (violin, as-6)
  Steve Gadd (ds)
  Joey DeFrancesco (organ, tp)
  James Genus (b)
  Steve Wilson (ss-1, as-2,3)
  Denis Benarrosch (percussion-6)

  Recorded from April 21 to 25, 1996 in New York at Clinton Studio
  Engineer : Claude Ermelin
  FDM 36582-2 (DREYFUS)

                     01. Thought of a First Spring Day
                     02. Back to Big Apple
                     03. En Quittant Kidonk
                     04. Mathilde
                     05. Tableau d'une Exposition
                     06. Serie B
                     07. Storyboard
                     08. Irremediablement
                     09. Sprits of the Forest

Didie Lockwoodは、Stephane GrappelliやJean-Luc Pontyと並んで、世界に名を知られるフランスのジャズ・バイオリニストだが、当初は、ロック寄
りの音楽での活動が多かったこともあり、ジャズ・ファンの間では、彼らより一般的知名度も低いのかもしれない。
そんな幅広い音楽性が持ち味のLockwoodが、Steve Gaddのパワフルな推進力と当時、新進気鋭のオルガニストJoey DeFrancescoの勢いを得て、彼とし
ては、ストレートにJazzに取り組んだ代表作と言えるのではないだろうか。エレクトリック・ヴァイオリンを駆使しての粘るようにグイグイ引っ張るプレイ
は、独特のスウィング感を生み出し、好演を見せている。

さて当時、本作購入の大きな目的でもあったDeFrancesco、10代でデビューしたという彼は、すでにそこそこのキャリアはあったわけですが、それでも本
作録音時点でわずか24才、御大Jimmy Smithの影響も強く感じられた初期DeFrancescoながら、他の若手としてGoldingsもまだこれからという時期にあっ
て、技術面でも抜きん出たものを持つ彼に対する周囲の期待は、将来への感性の進化も含めて大きなものがあったのではないでしょうか。
そんな若いDeFrancescoの上手さとともに勢いも感じるプレイには、オルガンの新しい時代も築いてくれるかと、大いに期待していましたが、相変わらずの
上手さは見せているものの、感性面での進化が思うように進まないといった印象もあり、従来から続く、いわゆるオルガンらしさを演出する使い古したフレ
ーズが随所に表れるのも気になるものがあり、現在の彼も基本的には、何も変化は見せていません。

本作録音の96年という時代を考えれば、若手オルガニストでは、Larry Goldingsと並んで、最も期待される存在であった彼ですが、感性面では、Goldings
とともに後続のSam YahelやGary Versaceらに遅れをとってしまった感がありますが、Smith直系の単に上手いオルガニストのまま終わってしまうとした
ら、あまりにも惜しいとも思うのですが..................。
私の求める「常に現在進行形で将来に向かって進化による変化の見込める感性」といった枠からは、外れる方向に来てしまっていること、残念でなりま
せん。

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Didier Lockwood

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Arthur Kell / Jester

  Arthur Kell (b, compositions)
  Loren Stillman (as)
  Brad Shepik (g)
  Mark Ferber (ds)
  
  Recorded in Regensburg, Passau and Pfaffenhoffen in December 2010.
  BLUR0033 (Brooklyn Jazz Undeground Records) 2012

  01. Quarter Sawn
  02. Ijinna
                     03. Jester
                     04. Song for the Journey
                     05. Anima Negra
                     06. Tiki Time Bomb
                     07. Arts et Metiers

Arthur Kell名義の本作ですが、Loren Stillman(B1980), Brad Shepik(B1966)揃っての参加も魅力で手を出してみました。
このBJU Recordsからは、本作の姉妹編とも言える "Victoria" が2010年にリリースされており、dsがJoe SmithからMark Ferberに変わっての2作目とな
る。本拠地とするNYだけでなく、欧州での活動も多いKellだが、本作もドイツコンサートツァーでのライブ録音となっている。

この一筋縄ではいかないというスタッフを擁しながらも、オーソドックスな展開の中に4人のチームプレイは、見事なコンビネーションを見せており、その
ウィットに富んだ音楽は、時にトリッキーな動きを見せたり、またユーモアや遊び心を巧みに配しながらのその高い完成度のアンサンブルは、Kellのコンポ
ジションによるところ大なのであろう。

Stillmanは、Kellのコンポジションのもと、普段の自身のアルバムで見せる、巧みなコンポーズワークから解き放たれ一アルト奏者としての、そのしなやか
なプレイから創り出されるラインは、無上の美を放っており、普段の彼のリーダー作とは、また違った一面を見せているが、彼のいっぱい詰まった引き出し
の全てを覗いてみたいものである。
それを支え、触発するShepikのギターも独創性に富んでおり、組み合わせの妙というか、このShepikのギターがあってのStillmanのアルトなのか、あるい
は、アルトあってのギターなのか、このひたすら地味を押し通すギターの存在感も見事。

タイトルの道化師のごとく、Kellは、決して主役になることはないが、3人を生かすサイドワークは、まさに一流の道化師といったところか。


               
               Arthur Kell / Loren Stillman / Brad Shepik / Joe Smith at Jimmy Glass Jazz Club - Valencia / Spain


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Arthur Kell

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Bobby Previte & Latin for Travelers / Dangerous Rip

Dangerous Rip  Bobby Previte (ds,voice)
  Jerome Harris (g, eb, voice)
  Stewart Cutler (g on tracks 1-5))
  Jamie Saft (org, elp, moog, eb)
  Marc Ducret (g on tracks 6)

  track 6 recorded live January 22, 1997, Basement Club, Sydney, Australia
  all other tracks recorded live May 25, 1998, Teatro Puccini, Merano, Italy
  Eng:Chris Vine
  ENJ9324-2 (enja)

                     01. Heart on My Sleeve
                     02. Clear the Bridge
                     03. You Tell Me
                     04. Bobby's New Mood
                     05. Open Jaw
                     06. Surf Medley(Misirlou - Walk Don't Run - The Victor - Telstar)

本作は、当ブログ始めて間もない頃、記事歴のある"Bobby Previte / My Man in Sydney(Rec.1997)"(別頁あり)の続編的位置づけのアルバムとして、購入
したもので、その目当てはMarc Ducretでしたが、後でジャケットをよく見たら、Ducretは、1曲のみでの参加で、しかも前述のアルバムとは同日録音のも
のということで、ちょっと肩すかしを食らった感じでした。

内容の方ですが、大半の5曲がDucret抜きということで、前作に比べ多少毒気も薄くなったかなといった印象もあるものの、その分Harrisの出番が増え、彼
のボトルネックを駆使したプレイとSaftのオルガン、エレピが絡み、全体に米国の南部臭も漂うブルース、ロック、ジャズとが入り混じったようなサウンド
となっているのだが、時期的にはその後に訪れるMedeski Martin & WoodやZony Mashなどジャムバンドブームのちょっと前となる。

さて、肝心のDucretが入った1曲ですが、60年代のサーフ・ミュージックのメドレーということでディック・デイルやベンチャーズでおなじみの曲が並び、
おそらく、ライブの場所とシドニーの最も暑い時期ということで、その場のノリでお遊びといったところなのでしょうか。
リードをとっているのは、Ducretと思われますが(?)、結構マジで弾いており、オリジナルにも忠実にやっているところが、ちょっと笑えますが、おそ
らくこれをやるにあたって、そんなに練習を重ねたわけでもないと思いますが、難なくこなしてしまうあたりは、さすがです。Ducretは、少年時代にこう
いったところに夢中なエレキ小僧だったのでしょうか?

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Bobby Previte

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Jean-Philippe Viret Trio / Autrement Dit

Autrement Dit   Jean-Philippe Viret (b)
   Edouard Ferlet (p)
   Antoine Banville (ds)
   
   Recorded in November 2002 at Mainichi Broadcasting Systems Studio 1.
   AS 044 (ATELIER SAWANO) 2004

   01. I'll Remember April
   02. Hayaku
   03. A Nightingale Sang in Berkeley Square
   04. A Weaver of Dreams
                       05. I Got Rhythm
                       06. The Days of Wine and Roses
                       07. Changements
                       08. All the Things You Are
                       09. I Didn't Know What Time It was
                       10. Le Cerf Est Dans La Fac

フランスのベース奏者 Jean-Philippe Viret(B1959)については、私もこれまでよく聴いてきた同国のオルガニスト Emmanuel Bex とは幼なじみという間柄だ
ったこともあり、Bexのアルバムに参加していたものや、Stephane Grappelliのアルバム他、多くのサイドメン参加のアルバムで度々聴く機会がありましたが、
グループのリーダーとして彼のベースを初めて聴いたのは、本作のメンバーを引き連れての2006年の来日時で、その時のライブでは、現場の雰囲気も手伝って、
メンバー3人のそれぞれのベストと思えるプレイが飛び出し、それまで経験してきた多くのライブの中でも特別と思えるものとなりましたが、リーダーであるViret
はもちろんですが、このFerletのピアノそしてBanvilleのドラムス、その予想を遥かに超えたケタはずれの能力には驚いたものでした。こういったライブも、おそ
らく生涯でも、数えるほどしか出会えないでしょう。
本作は、そんなライブの満足感というより驚きも手伝って、直後に即、手を出したという盤でもあります。

内容は、メンバー3人のオリジナル1曲ずつの他、スタンダードで全10曲ということで、このトリオの他のオリジナルで固めたアルバムとは違い、スタンダード
中心となっているのは、彼らの来日時、急遽レコーディングが決まったようで、オリジナルの用意もなく、スタンダードでという流れになったようです。従って、
おそらくレコーディングにあたっては、他作と違い、準備期間や綿密な打ち合わせ等もなかったものと推測します。そういった事情が他作のジャケットデザイン
とは違い、録音現場でのの写真を利用といったところにも見えるような気がします。

そういった状況もあり、他作の魅力とはまた違った、下描きなしで半ば即興的に描いた水彩画の小作品集的味わいも感じられるものとなっています。
題材として使った原曲も、かなり自由な単純化のデフォルメが施され、その余分なものを削ぎ落としたた原曲も、リ・フレッシュかつシェイプアップされ全く新
しい命を吹き込またかのような魅力を放っていることに彼らの非凡な能力も感じられます。
私的には、T6 "The Days of Wine and Roses" で見せるFerlet(B1971)のピアノタッチに特別なものを感じ、出会って以来、お気に入りの1曲として度々お世
話になってきました。この鋭さとキレには、練習からは決して生まれない天性のものを感じます。フレージングのセンスにもやはり限られた人であることを強
く感じさせるものがあります。Ferletは、自身のアルバムとしては、数枚出していますが、いずれも商業的には成功しているとは言えず、極めて高い能力を持ち
ながらも、知名度が低いという状態は、ちょっと残念なところです。

彼らの素も感じられる、飾りっけの無いラフ・スケッチ集といった趣の本作だが、必要最小限の、ここぞのところで使う色の選択に彼らの鋭敏な感性も見えてく
る。

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Jean-Philippe Viret

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