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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Sort byorgan (第2期)

Category: organ (第2期)  

Lonnie Smith / Evolution

  Dr. Lonnie Smith (org, key)
  Robert Glasper (p-1)
  Joe Dyson (ds-1,2,3,5,7)
  Jonathan Blake (ds-1,2,3,4,5,6,7)
  John Ellis (ts,fl-1,2,3,5,7)
  Joe Lovano (ss, ts-2,3)
  Jonathan Kreisberg (g1,2,3,4,5,6,7)
  Keyon Harrold (tp-1,2)
  Maurice Brown (tp-5)

  (Blue Note) 2016

                    1. Play It Back
                    2. Afrodesia
                    3. For Heaven's Sake
                    4. Straight No Chaser
                    5. Talk About This
                    6. My Favorite Things
                    7. African Suite

Lonnie Smith(B1942)、73才にしての新録ということで、はたして新しい発見ができる内容になっているのだろうかといったところもあり、即、手が
伸びなかったのだが、これまで全作とはいかないが、そこそこ聴いてきたSmithでもあるだけに、70を超えた今の状況も確認しておくべきだろうという
ことで遅まきながらのゲット。
Smithは、本作でもギタリストとして起用しているJonathan Kreisberg以前には、Peter Bernsteinを起用していた時代が5年ほどあり、前世紀の
黒っぽさを色濃く残したオルガンサウンドをやや引きずっていた感もあったのだが、2010年作の “Spiral” で若手の典型的コンテンポラリー系ギタ
リストのこのKreisberg、そしてdsにJamire Williamsを起用したことにより、より今の空気感も漂う音楽へと質を変えてきた感がある。
こういった新しい血を入れては、そのパワーを利用し、またそれを刺激とし自身の音楽を少しでも前に進めようというような姿勢は、継続的にに見られた
Smithだが、本作でもRobert GlasperやJoe Lovanoらをゲストに迎え、またdsにJonathan Blake、 Joe Dysonを起用したツインドラムスという
試みもしており、73才にしてなお衰えぬ前進意欲を見せているのには、感心する。アーティストとしては、当然の姿勢だが、これを保てない人が多いのが
現実だ。

モンクの”Straight No Chaser”など2曲を除く5曲がSmithのオリジナルとなっているが、内容はファンク調、バラード、速い展開の4ビートやスケール
感もあるものなどの他、曲により編成変えも加えるなど一本調子にならずバラエティに富んだものとしており飽きさせない。ファンク調なども古くさく
なることなく現代の味付けをしており、その年令を感じさせない音楽は、リリース時に即、手が伸びなかった心配は無用のものだった。
本作通して感じることだが、一オルガニストとしてという部分よりも、周りを活かしてトータルな音楽として勝負という姿勢が一段と鮮明になってきた
ように思う。戦い方を年令に合わせ、最大の効果を出すべくシフトする。それまで生きてきたこだわりもあり、これができないまま消えていく人も多い
という中、これも一つの才能なのだろう。ミュージシャンには、いろいろなタイプもおり、必ずしもこれがベストな形とは言わないが、ハフォーマンスの質
を維持すべく、自身にアーティストとして適した道、とるべき道を適切に判断できることも、やはりミュージシャンとしての才能なのだろう。
Jazzは生き物、同じことを続けていれば衰退につながる。そこに絶えず向上心があってこそ維持できるというもの。さらにそこに前進を求めるならば
向上心だけではない+αも求められるというものだろう。

その他の Lonnie Smith 関連記事は → こちらから

JAZZ-organ 180
Lonnie Smith

Category: organ (第2期)  

Devin Garramone / Nite Blues

  Jeff Palmer (org)
  Devin Garramone (ts)
  John Abercrombie (g)
  Adam Nusbaum (ds)

  Rank Records (2004)

  1. Bear Hug
  2. Walkin’ Taller
  3. Bird Groove
                     4. Attitudinal
                     5. Wiggie - Waggie
                     6. Bulls Eye
                     7. Maps Blues
                     8. Move It

オルガニストのJeff Palmer(B1951)は、90年代から2000年代前半ぐらいにかけて John Abercrombie(B1944)との活動も多く、私的には、その
あたりも魅力となっているのだが、本作はテナーのDevin Garramone名義ながら、一応オルガンのJeff Palmer目当てのゲットなのでカテゴリー”organ”
の記事とします。

フリーなアプローチなど、結構自由な展開にも手を染めていたPalmerですが、ここはあくまでも参加作ということで、音楽はGarramoneのカラーが強く出た
オーソドックスなものとなっており、Garramoneのブルージーなテイストもあるノーマル過ぎるくらいノーマルなブロウに対して、逆にAbercrombieや
Palmerのちょっとしたソロに強い個性も感じられるといった面もあるのだが、アルバム全体としてみれば、出番の多いGarramoneのイメージが、アルバム
のイメージを支配してしまっており、せっかくの個性に溢れたAbercrombieやPalmerの持ち味を生かしきれてないとの印象も残る一枚になっているのは、
ちょっと残念な気もする。

それでも、こうしてあらためてPalmerのオルガンを聴いてみると、現在のコンテンポラリー系オルガンとその原点とも言えるLarry Young(B1940)との間
の世代にいる地味ながら先進性ある感性を持ったオルガニストとして、貴重な存在であったことをつくづく感ずる。

今世紀に入ってからの Palmer は、話題となるような新作リリースもなく、何かを求めさまよっている感もあり、若くして旅立った Young の人生終盤の
混迷の時期に重なるものもある。

Jeff Palmerに関するその他の記事は → こちらから

JAZZ-organ 179
Jeff Palmer
John Abercrombie

Category: organ (第2期)  

Simone Gubbiotti / The Hammond Trio

  Simone Gubbiotti (g)
  Joe Bagg (Hammond org)
  Joe La Barbera (ds)

  DT9033 (Dot Time Records) 2014

  1. Mind the Gap
  2. Ana Rita
  3. Simone Blues
  4. It Could Happen to You
  5. J. And J.
                     6. Lidia
                     7. Beautiful Love
                     8. E. N.
                     9. We Will Meet Again

出身国イタリアと米国とを股にかけ活動するギタリスト Simone Gubbiotti のオルガンを加えたトリオ作。
私的には、リーダー作も少なく、参加作ながらJoe Baggのオルガンが聴ける貴重な音源ということでゲット。従ってカテゴリー “organ” の記事とします。

ギターのSimone Gubbiottiを聴くのは、今回初めてとなり、曲目やらジャケ写の雰囲気などから、今現在、自分が求める方向性を持ったギタリストでない
ことは、予想もしていたのだが、それでもゲットしたのは、ひとえに、あまり音源も出回っておらず、聴ける機会に恵まれていない Joe Bagg の参加。
Gubbiottiのギターは予想通り、王道のスタイルを基本としたものだった。しかもJesse Van Rullerのように、王道とは言っても、今の空気感を持ち、
現在のコンテンポラリー系の主流につながるといった類いの感性でもなく、その流れの中でも、かなり後ろ寄りに位置するといった感性と見た。
こうなると焦点は、彼の音楽である定型の枠の中で、いかに楽しませてくれる巧さを見せてくれるのかといったあたりになってしまうのだが..................
決してマズくはない、けれども際立った巧さもといったのが率直な印象。ただし一点、独特の哀愁ある響きを感じさせる瞬間がある。これはイタリア出身と
いう血のなせる技か、米国系ギタリストには無い響きだ。その部分を生かし、それを自身の音楽の魅力につなげていければ、それはギタリストとして生きて
ゆく上で、強力な武器になるのだろう。
とりわけ豊富な人材がひしめき合っているギター界、生半可な個性では苦労する。そこを意識した活動で、難所をクリヤーしてほしいものだ。

さて、そんな王道色も濃い音楽の中で、リーダーのアシスト、そしてソロにと、きっちり巧さも見せ、魅力としているBaggのオルガンには、毎度のことだが、
地味ながらセンスを感じる。さしずめ、昔気質でシゴトは、キッチリやる職人のとっつぁんといったところか。
Baggが入ることにより、音楽が落ち着くというか、リーダーに足りないところがあれば、さりげなく補い、いい雰囲気になってくれば、これまたさりげなく、
さらに盛り上げ、このあくまで目立たず、さりげなくといったあたりが彼らしいところで、この地味なシゴトぶりが、いまいち知名度UPにつながらないのか。
そんなBaggなので、これまでを振り返ってみれば、共演者にもそんな傾向が見える。いつも思うことだが、例えば先進性に溢れた感性のギタリストが相手
だったらどうなのか、その刺激から、Baggのオルガンから、いったいどんな音が飛び出し、そしてどんな対応をしてくるのか、これまでの彼の状況、そして
そこから感じられるオルガニストとしての能力を考えると、ついついそんなことを思ってしまうのである。そんなめぐりあいの機会に恵まれなかったことが
残念に思えるオルガニストでもある。そして、それを自ら掴みにゆく積極性も欲しい。

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JAZZ-organ 178
Simone Gubbiotti

Category: organ (第2期)  

Pat Bianchi Trio / A Higher Standard

  Pat Bianchi (Hammond organ)
  Claig Ebner (g)
  Byron Landham (ds)

  自主制作 (21H Records) 2015

  01. With Out A Song
  02. Blue Silver
  03. So Many Stars
  04. Will Of Landham
  05. Some Other Time
                     06. Bohemia After Dark
                     07. Very Early
                     08. Satellite
                     09. Blues Minus One
                     10. From The Bottom of My Heart

Pat Bianchi(B1976)久々のリーダー作。ギターを加えた自身リーダーのトリオ録音としては、Gilad Hekselmanを起用した “Back Home(2009)
以来になる。
このBianchiは以前、モーダルなプレイを見せるなど、新世紀にふさわしいオルガニストとして強い期待を持って見ていた時期がありましたが、その後の
参加作などでは、前世紀臭も漂うようなオルガンに逆戻りしたとも思えるような状況が続いており、そろそろタイムオーバーとの危機感も感じていたところ.........

さて、同じような立ち位置にいるとの印象もあるギターのCraig Ebnerをパートナーに、音楽は王道路線のど真ん中を行くテイストのものとなっている。
自身のやりたいようにもできる自主制作のリーダー作という条件の中でも、やはりこれかと、ちょっと裏切られた感はあったのだが、内容は決して悪くない。
王道路線とは言っても、そこは今のオルガントリオ、前世紀の王道路線をそのまま引きずっているわけではなく、幾分後ろ寄りではあるが、あくまで現在の
オルガンの王道ということで、今の空気感漂うそのオルガンの響きは、師匠 DeFrancesco にもひけをとらないワザとノリの良さも見せている。
この10年程、私的好みから、ある方向に進化をしてほしいといった期待とともに見てきたBianchiではあったが、どうやら彼の選んだ道は、ど真ん中の道、
私的には、王道路線から外れて少し前を向いた方向に舵を切ってもらいたいと思っていたPat Bianchiだったが、まあ、これも彼の感性、ちょっと残念だけど、
それを選んだ彼を尊重するということで、決めたからには、ぜひこの道でがんばっていい結果を出してほしいものだ。

ギターのCraig Ebnerも、地味ながら今の感性としっかりした技術、そしてBianchiの打ち出す音楽の方向性とも違和感無く、今の時代のオルガン-ギター
トリオの王道を行く一枚として、まずまずの内容になっているのではないだろうか。

             
             Pat Bianchi - organ Craig Ebner - guitar Byron Landham - drums

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JAZZ-organ 177
Pat Bianchi

Category: organ (第2期)  

Ben Paterson / For Once In My Life

  Ben Paterson (Organ)
  Peter Bernstein (Guitar)
  George Fludas (Drums)

  Recorded, mixed & mastered by Chris Sulit at Trading 8's Studios,Paramus NJ,
  January 6th and 7th, 2015
  ORIGIN 82700 (ORIGIN RECORDS) 2015

  1. Cubano Chant
  2. I'll Close My Eyes
                     3. 50 Ways To Leave Your Lover
                     4. Cry Me A River
                     5. For Once In My Life
                     6. Decision
                     7. Nutville
                     8. Blues For C.F.
                     9. Near Miss
                     10. We'll Be Together Again
                     11. I've Never Been In Love Before

シカゴを拠点として活動してきたピアニスト Ben Paterson のオルガンによる初リーダー作。
王道系のピアノをスタイルとしてきた Paterson なので、楽器がオルガンに代わっても、基本的な感性は変わるわけでもないだろうし、まして相手が
Peter Bernsteinということであれば、音楽も王道ど真ん中のオルガン-ギタートリオも予想されるのだが、まあ、たまにはそんなストレート、ブルージー
な世界にどっぷり浸かってみるのもよいでしょう。

そんなことで、知らないオルガンは、とりあえず聴くという流れになっていることもあり、あまり期待もなく聴いてみたらビックリ、歌心よし、ノリよし、
ツボにくるフレージング、音よし、小気味良いメリハリ感、.......................やたら巧い!
スタイルは、前世紀を思わせる王道のオルガントリオ、偉大な先人のおいしい、もはやアドリブというより定型化しているようなキメのフレーズの連発、
おいしいところを、あっちこっちから寄せ集めた、もはや完コピの世界なのだが、これだけ見事にやられると、なんだか気持ち良いものもある。
独自性という点では、評価しずらいものもあり、面と向かって音と対峙してという聴き方には向かないが、ながらでサラっと聴いていると、Patersonも
そこを狙ったわけでもないと思うが、非常に気持ち良いものがある。
この種のパターンのものだと通常、聴いているのも苦痛を感じるというものも多いのだが、そんな、音が気持よく入ってくるのも、先人の音の単なるコピー
ということではなく、自分の歌として消化し、ひとえにそこに豊かな歌心があるからなのだろう、それを支える技術もある。

ただ、本作は、彼のオルガンによる初リーダー作ということで、そういったある意味、変わった形の発見もでき、一応の納得はできたのだが、これが同じよう
に続けば、徐々に客も減るだろうし(もしかしたらその方が一般にウケが良いという見方もできるが)、客は毎回、新しい発見を期待するものだ。独自のものを
創り出していくという部分が無いと未来は拓けてこない。
伝統のエキスもしっかり蓄えた彼のオルガン、私的には、時代のエキスも取り入れて,変化していく様もぜひ見てみたい。それが生きるということでもあり、
それがないと衰退あるのみだ。今回はオルガンでの初リーダー作ということで、これでもよかったが、同じようなパターンが続けば、再び手を出すこともない
だろう。未来に向かって、その可能性を切り拓いていく姿勢がイメージできないというのはまずい。そここそがアーティストのシゴトなのだから。

Patersnばかりになってしまったが、”ど”がつくほどの王道オルガントリオの中で、Bernsteinのギターも、水を得た魚状態になって、すっかり馴染んで
ます。デビュー当時、特に似ていたとも思わないが、なぜか白いGrant Greenなどと呼ばれていた時代を思い出す。

             

JAZZ-organ 176
Ben Paterson

Category: organ (第2期)  

Guillermo Bazzola / Hora Libre

  Guillermo Bazzola (g)
  Ernesto Jodos (Hammond organ)
  Rodrigo Dominguez (ts, as, ss)
  Juanma Barroso (ds)

  Grabado en Buenos Aires, el 1 de mayo de 2005 en estudio El Zoologico.
  BARCD-163 (BlueArt) 2014

  01. More Changes Needed
  02. Even
  03. Sonderhen
                      04. Extrana Mente
                      05. Street People
                      06. One Thousand Waltzes
                      07. Hora Libre
                      08. Facil De Usar
                      09. Batman
                      10. My Last Seven Bars for Tonight

アルゼンチンのギタリスト Guillermo Bazzola(ギジェルモ・バソーラ?)は、今回初めてとなるのだが、同じアルゼンチンの Ernesto Jodos(エルネスト・
ホドス)は、魅力あるピアニストとして既聴であったこともあり、そんなJodosがオルガンを担当しているということで、内容も王道系にはならず、コンテンポラ
リー系のものとの予想のもとに手を出してみた。ということでErnesto Jodosのオルガンをターゲットとしたゲットでカテゴリー "オルガン"の記事とします。

ジャケット表記は、英語ではなくはっきりしないのだが、1〜2曲を除いてBazzolaの手によるものらしい。
一通り聴いて、一様に巧さと安定感とともに、根底にラテン系特有のホットな部分が微妙に感じられるが、全体的印象で時代の感覚も備えた典型的コンポラ
系ギタリストといったところ。
技術面では、特に気になるようなところはないのだが、ストレートアヘッドなものからちょっとポップテイストなものまで、曲の表情にバラツキがあり、それに
伴いギターの音や表情が変わるあたりが、多彩とは受け取れず、アルバムとしてのまとまりという点でマイナスと感じられるのは、巧いギタリストだけに
もったいない気もする。

そんなリーダーの音楽の表情に対応すべく、Jodosのオルガンもいろんな表情も見せるのだが、それが決して散漫な印象にならず多彩と受け取れるあたりは、
やはりこの人のセンスなのだろう。音楽の表情を変え、スタイルを変え、音を変え..................ても、そこに一貫した彼の感性が感じられる。
ピアニストのやる片手間感はなく専門職のオルガニストと言ってもいいような手慣れたプレイは、これまでにもおそらくそれなりの経験もしてきたのだろうか。
メロディックに歌うアドリブの歌わせ方、そして音のチューニングなどには、影響されたわけでもないと思うが、どこかドイツのBarbara Dennerleinに
通じるものもある。そしてやはり南米アルゼンチンなのか、欧米系とは異質の感性が、このJodosの魅力の根っこのところにあるようだ。

ギタリストGuillermo Bazzolaのリーダー作ではあったが、ソロにバッキングに、このグループのサウンドメイキングに大きく関わっていたのがオルガンの
Ernesto Jodos、オルガニストとしてこの魅力的感性は、ぜひ伸ばしてもらいたいし、できれば自身のリーダー作で、思いっきり自身のオルガニストとしての
表現をしてもらいたい。ということで、いい出会いができたことに感謝。

JAZZ-organ 175

Category: organ (第2期)  

Brian Charette / Alphabet City

  Brian Charette (organ)
  Will Bernard (g)
  Rudy Royston (ds)

  Recorded September 23, 2014 Acoustic Recording Brooklyn, NY
  PR8140 (Positone) 2015

  01. East Village
  02. They Left Fred Out
  03. West Village
                     04. Not A Purist
                     05. Sharpie Moustache
                     06. Disco Nap
                     07. Hungarian Major
                     08. Avenue A
                     09. Detours
                     10. Split Black
                     11. White Lies
                     12. The Vague Reply     All songs by Brian Charette

近年は、いいペースでアルバムリリースしている感もある Brian Charette ですが、オルガン・ギタートリオでは、ちょっと前に記事とした “SquareOne
の10ヶ月程後の録音になるという本作、その前トリオ作での Yotam Silberstein(g) - Mark Ferber(ds) という共演者に対して本作での
Will Bernard(g) - RudyRoyston(ds) といった違いが、彼の音楽にどんな違いが出てくるのか非常に興味のつきないところです。

全体通し聴きしての印象では、Charetteのオルガンは、コンテンポラリー系のオルガニストとして、安定感とともに巧さも感じられ、共演のWill Bernardと
Rudy Roystonにしても、個々のプレイを見れば、前トリオ作のYotam Silberstein - Mark Ferber のコンビよりも質の高いプレーとも感じるのだが、
全体として見れば、音楽に何となく軽さを感じてしまい、面と向かって聴くには、ちょっと物足りなさも残るといった印象。
考えられるところを、あげてみれば、前トリオ作では、感じられた作曲面でのセンスが感じられない。曲はベタな感じも残るチープな印象のものが多いのだが、
このチープ感は、いい意味での軽さを持つWill Bernardの持ち味を引き出すために、あえてそうしたととれなくもないのだが、その手のものも好きでよく耳に
してきた自分には、その狙った方向性も、どうもリアルな方向にやや片寄ってしまったと思える。この辺のさじ加減は非常にむずかしく、紙一重でどちらにでも
転ぶといったところもあり、John Medeski - John Scofieldなどのその分野で経験豊富な曲者でさえ、ちょっとなあと感じる時もあり、まして、どちらかと
言えばストレート寄りのテイストのものを持ち味とするCharetteにとっては、ちょっと冒険だったかもしれない。
Charetteの考え、狙ったところは、どの辺なのか読めないところもあるのだが、ファンキー、グルーヴィー系といったものも得意とし、結構何でもこなせる器用
さ、巧さもあるというWill Bernard、そんないい意味での軽い味わいもあるBernardそしてRoystonを迎え、いろんな要素も詰まった音楽にしようと考えた
のかもしれないが、すべてが中途半端で軽さばかりがが目立つ音楽になってしまったようだ。折角のメンバー、どうせやるなら、思い切って、ハズしてほしかった。
この辺の受け取りは、微妙なところだが、その微妙な感覚の違いが、結果として正直に現れてきてしまうのが音楽というものだろう。
そんな全体の印象もある本作だが、あまり小細工しないでストレートに攻めた曲の方が、好結果につながっているように思う。
前トリオ作の記事では、「Goldingsをはじめ先行するコンポラ系オルガニストと比べても遜色ないレベルになってきた」などと書いていたが、本作を聴いて、
そう言うのも、まだちょっと時期尚早かという気にもなった。

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JAZZ-organ 174
Brian Charette

Category: organ (第2期)  

Sam Yahel / Truth and Beauty

 TruthandBeauty-2.jpg

Sam Yahel (Hammond B3 organ)
Joshua Redman (ts)
Brian Blade (ds)

Recorded at LoHo Studios, New York City, September 2005.
EWCD2016 (East Works Entertainment) 2006

1. Truth and Beauty
2. Man O' War
3. Check Up
4. Bend the Leaves
5. Saba
6. Night Game
7. Child Watching
8. A Paz
9. Festinhas

オルガニストとしてのリーダー作は、長年リリース無しという状態にある Sam Yahel(B1971)。
たまに、思い出したようにYahelのオルガンをチェックしてみようと思っても、こうして旧作を引っぱり出してみるしかない。
そんなことで本作、記事としてなかったので、ついでと言っちゃあ何だが、記事としておきます。

メンバーは、Joshua Redmanをリーダーとしていた "Elastic Band" と同じで2002年作の"Yaya3"(ヤヤ・キューブ)と同じようにSam Yahelがリーダ
ーとなっての本作である。内容は、Yahel曲6、Ornette Coleman曲のT3"Check Up" 他で全9曲。

1971年ジョージア州アトランタ出身のSam Yahelは、似た方向性を持った先輩格のオルガニストLarry Goldings(B1968)、そしてちょっとだけデビュー
の遅かったGary Versace(B1968)の3歳年下という関係になるのだが、前世紀に君臨したJimmy Smithに代わり21世紀のオルガン・シーンでは、共に
正当派として、甲乙つけがたい重要な働きをしてきたと言ってもよい3人である。
近年、彼ら3人以外にも、ぽつぽつと新しい才能は出始めてはいるものの、大きくジャズ・オルガンの流れを変えてしまうほどの決定的イノヴェイターの出現
はなく、年齢的にも若手から中堅世代になった彼らには、まだまだジャズ・オルガンの進化に貢献してもらいたいものである。

さて、オルガニストとしてのリーダー作としては、通算5作目となる本作ですが、リーダーとしての統率力、コンポーズ面での能力、クールにコントロール
を利かせながらも奥のところではエモーショナルな面も見せるスリリングなオルガンワークなど、彼の持ち味もよく出た1枚となっているのではないでしょ
うか。
ただ、私的には、編成面での不満が残り、これが違った形であればとも思えるのはちょっと残念なところです。Redmanは、けっして悪いプレイをしている
わけではないのですが、サックスなのでソロがない時は、常にオルガン - ドラムスのデュオという形を強いられてしまい、それはそれでおもしろさはありま
すが、これが対等の立場をとれるギターであったなら、別のものも生まれたろうとも思ってしまいます。
Yahelにとっては、逆に刺激を貰えるような先進性に富んだギタリストとの共演が、彼自身の進化にもつながり、ぜひ実現してもらいたいものである。

近年は、ピアニストとしての露出が多く、Smith後の新世紀にふさわしい新しい感性を持ったオルガニストとしてシーンに登場してきた世紀末の頃を
知らない若いJazzファンなどは、ピアノが本職の人といったイメージを持つ人も多いのかもしれない。
Jazz界現状では、あくまでその他の楽器という位置づけでしかない、いまひとつ盛り上がりに欠けるオルガン界を前に進めるためにも、欠かせない人材で
あることは間違いない。

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JAZZ-organ 173
Sam Yahel




Category: organ (第2期)  

Jiannis Pavlidis - Adam Nussbaum - George Kontrafouris / Migration

  Jiannis Pavlidis (g)
  George Kontrafouris (0rgan)
  Adam Nussbaum (ds)

  Recorded and mixed by Dimitris Karpouzas at Lizard Sounds in Athens, Greece.
  FMRCD346-1112 (FMR Records) 2012

  1. Counter Fury
  2. Migration
  3. Brother Charles
                     4. Sco Away
                     5. Lisbon
                     6. All the Thanks I Get
                     7. Darn That Dream

Dayna Stephens の”A Week Ago Today” で出会ったギリシャのピアニスト兼オルガニスト George Kontrafouris(B1967)、ちょっと気になる
ところもあり、関連作など調査していたら、ちょうどタイミングよく彼参加の比較的新しい3者共同名義作に出会うことができた。
共同名義とはいっても、内容を見るとギターのPavlidis曲が5、共作曲1と7曲中6曲にPavlidisが関わっているということで、彼が中心となるプロジェクト
なのだろうか。

一通り聴いてみて、バンドカラーとして頭に浮かぶのは、Roy PowellのオルガンとJacob Youngのギターを軸としたトリオ “Interstatic”。
かすかなプログレ臭も漂うサウンドとベテランNussbaumは別として世代的にも近いものがある。
目当てでもあった George Kontrafouris のオルガンに関しては、過去のピアニストとしての活動状況やら上述の参加作のStephens盤などからイメージ
していたストレートアヘッドなものではなく、雑味あふれるテイストの音楽もやるのが意外だったが、彼の違った面にも触れることができるということで、
それはそれで全く問題はない。それに、この辺の盤に漂うマイナー感、B級感とでも言ったらよいのか、メジャーなミュージシャンには無い独特の味も結構
好きだしね。

やはり、ギターのPavlidisが目立つ展開が多く、音楽の方もおそらく彼の意向を多分に反映したものなのだろう。情報なく、写真で判断すればオルガンの
Kontrafourisとは同年代の中堅といったところ。昔、Rockあたりを通ってきた痕跡も残すそのギターは、適度にラフ、ワイルド感もありつつ、ヘンな辛気
くささにもつながるようなブルージーなテイストはなく、その辺が今の時代のギター・オルガントリオを感じさせる。
「オルガン=黒っぽい」は、一昔もふた昔も前に定番となっていた文法だ。

Kontrafourisのオルガンは、このPavlidisの世界が濃く出たと思われるラフな音楽の中で、前述のStephens盤で感じられたクォリティは、いまいち感じ
られない。おそそらくもう少しストレートアヘッドな質感の中の方が本来の彼の感性が生かせるのかといった印象も持つ。
いずれにしても聴いたのは参加作のみということで本来の彼のオルガンは、はっきり見えてこない。自分の色が出やすい適当なリーダー作でもあれば、機会を
見て、ぜひチェックしてみたい。

               
               live in bacaro, athens janouary 2010
               jiannis pavlidis-guitar adam nussbaum-drums george kontrafouris-organ

JAZZ-organ 172
Category: organ (第2期)  

Brian Charette / Square One

  Brian Charette (organ)
  Yotam Silberstein (g)
  Mark Ferber (ds)

  Recorded December 3, 2013 at Acoustic Recording, Brooklyn, NY
  Rec. Eng.:Nick O’Toole
  PR8120 (PosiTone) 2014

  01. Aaight!
  02. If
                     03. Three for Martina
                     04. People on Trains
                     05. True Love
                     06. Ease Back
                     07. Time Changes
                     08. A Fantasy
                     09. Yei Fei
                     10. Things You Don’t Mean
                     11. Ten Bars for Eddie Harris

Brian Charette(B1972)のリーダー作としては、久しぶりのオルガン - ギタートリオ作、内容も全11曲中9曲にオリジナルを並べ、現在の彼の状況を
知る上でもプチ注目していた一枚。
ギターは、2009年デビュー作 “Next Page” でも記事歴のあるイスラエル出身の Yotam Silberstein。そのデビュー作では、今自分の求める方向性
ではない王道系の匂いを多分に残したギタリストとの印象もあり、本作もリリースして即、手が伸びず、ズルズルと入手が遅れた理由もその辺にあった。

さて、中味の方ですが、正統派のコンテンポラリー系オルガニストの作として、なかなか気持ちの良い一枚に仕上がっている。漂うのはあくまで今の空気感
であり、まさに21世紀今現在のスタンダードなオルガントリオの形と言っていいだろう。
Charetteのオルガンもデビュー当初からずっと聴いてきているが、目に見えて大きな変化は見せないものの、小さいながら確実に進化してきており、同じ
コンポラ系オルガニストとして先行していた年代の近いGoldings(B1968), Versace(B1968), Yahel(B1971)......................あたりと比較しても、
遜色ないレベルと思えるようになってきたのは、うれしいところである。Charetteは、オルガニストとしてのデビューが遅かったこともあり、後発として
その分開発が遅れたという事情もある。
本作で、かすかに一時期のSam Yahelの音質、音の立ち上げ方、フレージングなどに通じる部分が感じられたのがまた興味深いところだが、あくまで過程
の作ということで、いずれ自身の形も確立してもらいたい。
オリジナル曲にも感じられる曲づくりのセンス。速い展開でのモーダルな攻めなどは、勢いもあり彼のオルガンの魅力となるところだろう。
左手のベースラインの作り出すドライブ感とともに速い展開での滑らかな運指など、技術面でも余裕と安定感が増してきたように思う。

ギターのSilbersteinについては、前述のデビュー作あたりと比べるとコンポラ色も多少出てきたと思えるところもあるのだが、それは、多分に本作の
Charetteの今を漂わせる感性に引っ張られた結果でもあるのだろう。やはり基本に持っている感性は伝統の王道系と言えるもので、Charetteから新たな
何かを引き出す刺激としては、あまり機能していないとの印象も持った。
今を振りまくCharetteのソロの間に、Silbersteinのオクターブが入ったりする場面もあるのだが、私的には、やはり違う気がする。巧いギタリストだけに
惜しい。

本作のCharetteのオルガンを聴いて、つくづく感じるのは、外部からの何らかの刺激によっては、次のステップへの扉が開く予感がするということ。
後は、Charette自身がそのことに気ずいているのか、そしてその扉を開ける強い意志があるのかといったあたりになるのだろうか。
今後の展開を見守りたい。

その他の Brian Charette 関連記事は → こちらから

JAZZ-organ 171
Brian Charette

Category: organ (第2期)  

Hammond Organ Trio (Gianni Giudici) / Hot Interplay

  Gianni Giudici (Hammond organ)
  Alessandro Fariselli (sax)
  Max Ferri (ds)
  guest:Fabrizio Bosso (tp, fh - 1, 2 , 3, 4)

  Recorded April 17-20 2008 at Teatro di Montefiore Conca
  TUSCIA IN JAZZ-LIVE0902

  1. Drops
  2. Cicoria
  3. 3/4 of a Waltz
                     4. Gingerbread Boy
                     5. Just Funk
                     6. 13 Words
                     7. Footprints
                     8. Alligator Bogaloo
                     9. Auld Lang Sine

イタリアのオルガニストGianni Giudici は、未聴だったのでゲットしてみた。
ジャケットの雰囲気やら曲目、Bossoが参加していることなどから、求めている音楽でないことは、容易にイメージできたのだが、知らないオルガンは、
とりあえず聴いてみるということでちょっと消極的ながらゲットです。
というのも同じイタリアのオルガニストAlberto Marsicoのトリオ+Fabrizio Bossoの盤があり、どうもその辺が負のイメージとしてちらついてしまう
といったこともあったようです。

最初の4曲は Bossoが入って、ハードバップティストの曲が並ぶ。ハードバップが悪いわけではないが、今を生きるミュージシャンとしてそこに今の自分
の感性でクリエイトしたといった部分があまり感じられないのが、ちょっと新鮮味に欠ける印象を持ってしまう。
Giudici のオルガンは、あまり期待はしていなかったのだが、非常に上手い、オルガンのツボも心得た技術面もしっかりしたものを持っている。ただし
この4曲では、新しく発見できたものは無かった。
次の4曲が Bosso抜きのトリオによるものなのだが、オルガンのソロパートで見せるプレイは、前半の表情とは違い、コンテンポラリー臭もちょっと感じ
させるものとなっており、この自身のトリオで見せている姿が、彼本来の今の感性なのだろうとも思える。
ラスト1曲は、Giudici によるオルガンソロとなっており、特徴であるオルガンの持続音も生かしたゴージャス感あるプレイも見せる。

こうしてGiudiciのオルガンを聴いてみて、技術面ではしっかりしたベースの部分と現代性も程々に備えた感性を確認できたのですが、過去の共演者なども
見ると、自身の中にある新しい部分を引き出す、あるいは開発するといった面では、必ずしも恵まれた環境にはなかったとも思える。その辺の道を作って
いくのも自分であり、それも能力と言ってしまえばそれまでだが、部外者である私から見れば、自身の開発に有効な刺激との出会いがもっとあれば、
だいぶ違った状況になっていただろうにとも思ってしまうのである。

消極的ゲットのGianni Giudici 盤だったが、イタリアにこんなオルガニストもいることを知ることができたことは、とりあえずは小さいながら収穫だった。
きっかけを掴んで、花を咲かせてほしい。

JAZZ-organ 170
Gianni Giudici

Category: organ (第2期)  

Joe Bagg Organ Trio

  Joe Bagg (org)
  Jon Gordon (as, ss-2)
  Mark Ferber (ds)

  Jazz Collective Records (2012)

  1. Rio
  2. Water Babies
  3. For All We Know
  4. Bethny and Alex
  5. New E-Flat
                     6. Outsider
                     7. Elmo
                     8. Infant Eyes

地味で低知名度ながら少ない参加作では、コンテンポラリー系オルガニストとして安定したプレイを見せ、確かなワザを持った職人といった印象もある
Joe Bagg ですが、リーダー作も少なく、もしかしたら本作だけなのかもしれない。

そんな貴重な彼のリーダー作にも、地味ながらコンポラ系ミュージシャンとして確かなウデを持つ手堅い人選に彼らしさがよく出ているようにも思う。
内容の方も小細工無しのストレートな展開の全8曲、3者のバランスもとれた今の空気感に溢れたOrgan Jazzとなっているのが気持ち良い。
一人のミュージシャンを判断する場合、その音楽状況とともにそれまでの経験等も考慮する上で年令も大事な要素となるが、Baggについては、情報不足も
あり年令もわからないのだが、写真から判断すれば、他のコンポラ系オルガニスト Larry Goldings, Gary Versace, Sam Yahelあたりとは、同年代
あるいはちょっと下、少なくとも彼らより上ということはなさそうだが、そうなるとオルガニストとしてのベーシックな部分は、既に出来上がっており、
今後大きく変化をしていくことも普通ではあまりないのだが、過去参加作等から判断すれば、自身の進化に大きく影響を及ぼすような存在との共演は無く、
その点では、自身の感性に未開拓部分を多分に残しているとも考えられ、そういった出会いに恵まれれば今後、進化の可能性も残したオルガニストといった
見方もできるのだが、音楽状況から判断すれば、手堅いタイプとも思え、自身の未来を左右するような新しい出会いというのも、自身意識してそれを強く
求めていく活動でもしなければ、なかなか難しいものもあるのかもしれない(勝手な想像だが.........)。

オルガンを特殊な楽器としてそこにある種の黒っぽさを求めてしまうという前世紀から続く風潮はいまだに残っている。オルガン界も時代の流れとともに
正常な進化をしていく上でも、こうした今現在の感性を持ったコンテンポラリー系のオルガニストが今後のオルガン界の中心となっていかなければならない
のだが、オルガニスト自体の絶対数が少ない上に、こうしたコンポラ系の感性を持ったオルガニストはさらに少なく、そういった意味では、このBaggも
順調な進化を見せ、オルガン界を少しでも前に進める力になってくれることを祈るばかりだ。
さらには、もっと細胞分裂の激しい先端部で他に刺激、アイデアを与え全体を前に引っ張ってくれるような革命家の出現もぜひ期待したいものだ。

JAZZ-organ 169

Category: organ (第2期)  

Plymouth

 Plymouth-2.jpg

Jamie Saft (p, organs)
Joe Morris (eg)
Marry Halvorson (eg)
Chris Lightcap (eb)
Gerald Cleaver (ds)

RNR040 (RareNoise) 2014

1. Manomet
2. Plimouth
3. Standish

これまで各種キーボードを扱うミュージシャンとしてのみならず、プロデュース、エンジニア............などマルチタレントと言ってもいいような活動をして
きているJamie Saft の新作。
ジャケット表には "Plymouth" の表記しかないので、これがタイトルであると同時にグループ名といった扱いになっているのか? 情報なく判断できません。
既に記事歴のある同じRare Noiseレーベルの "The New Standard(RNR041)" とは一つ若いCD No.になっているので、ほぼ同時期のものと思われる
が、メンバーからイメージできるように、こちらはフリー色濃厚な内容となっており、"The New Standard(RNR041)" の比較的ストレート感もある
プレイを考えると、ほぼ同時期にこれだけ表情の違う音楽をこなすというのも何ともSaftらしいマルチなものが感じられる。
本作でSaftが担当しているのはピアノとオルガンなのだが、ピアノは曲のスタートあるいはエンディングあたりのテーマらしき部分で使われ、主要部分では、
オルガン主体のプレイになっているので、本記事もカテゴリー "オルガン" の記事といたします。

なかなかの曲者揃いの本作ですが、収録は3曲のみ、いずれも約20分、13分、28分という長尺曲は、テーマらしき、その後の展開のきっかけとも言える
ような部分の後は集団即興演奏といった感じで、混沌として、迷路にでもはまり込んでしまい息詰まるような展開が続く。
互いの発する音を刺激、きっかけとして新たな流れが生まれ、音楽の表情も刻々と変化していくという展開は、緊張を強いられるとともに重い。
そんなシリアスな展開が持続する本作だが、3曲目後半あたりから、その混沌から抜け出すようにSaftのオルガンがフルスロットルで怒涛の展開を見せる。
こんなヘヴィーなSaftのオルガンを聴いたのも本作が初めてとなるが、思えば 15年程前、Saftのオルガンに初めて出会った
"Bobby Previte's Latin for Travelers / My Man in Sydney" の頃のオルガンと比べると変化、そして進化により彼の音楽も時の流れとともに
確実にStep Upしてきていると感じられるのは、感慨深いものがある。
神経質そうでクセのあるプレイを見せる Marry Halvorson のギターは、そのメガネのルックスと妙に重なってしまうw、おもしろいキャラクターだ。

Jazzの歴史においては、常にその他の楽器という位置づけにあり、他楽器に比べプレーヤー自体の絶対数も少なく、Jazz全体を考えた場合、その流れに
変化をもたらすようなイノベーターといった人材も出にくい状況もあったわけですが、そういった意味では、こういった感性を持ち、フリー寄りのプレイ
もこなすオルガニストは少ないだけに、貴重な存在だ。後に残る何らかの成果をぜひ残してほしいものである。

JAZZ-organ 168
Plymouth

Category: organ (第2期)  

Jermaine Landsberger / Gettin' Blazed

  Jermaine Landsberger (Hammond B3 organ, rhodes)
  Pat Martino (g - 1, 2, 6)
  Andreas Oberg (g)
  James Genus (ab, eb)
  Harvey Mason (ds)
  Gary Meek (ts, ss, fl - 1, 2, 9, 10)
  Kuno Schmid (synth, rhodes)

  RCD 1009 (Resonance) 2009

                     01. Sno' Peas
                     02. Brazillian People
                     03. Ballada para J
                     04. Three Base Hit
                     05. Valse Manuche
                     06. Romance
                     07. Babik
                     08. Another Star
                     09. Night Ballad
                     10. Filthy McNasty

ドイツ出身のオルガニストJermaine Landsbergerは、末聴だったこともあり過去作ですがゲットしてみました。

Landsberger曲2、3曲に参加しているベテランPat Martinoが目を引きますが、そのMartino曲が1他で全10曲という内容になっており、
Landsbergerに関しては今現在、情報を持っておらず年令や経歴などわかりませんが、一聴してみれば、基本的な音出しからなかなかの腕達者です。
いつもそうしているのかわかりませんが、James Genusがベーシストで参加しているので、ベースラインは自分が担当しないという、
オルガニストでは少数派になるのでしょうか?
感性の質としては、前世紀、オルガンの主流だった黒っぽいコテコテ感はないものの、クールといった印象もなく、適度なブルージーさも時々、
顔を出すそのオルガンは、一応コンテンポラリー系という範疇で見るにしても、先進感といった部分では希薄で、現在のメンンストリームの中でも、
かなり後ろ寄りの立ち位置にいる感性でしょうか。
技量面での安定感と巧さを備えており、その点では、プレイに強い吸引力は無いものの、聴いていて安心感があり、確実に平均点を出すタイプと言えるかも
しれません。しかし大きい一発が期待できないというのがちょっとというところでしょうか。

メンバーもMartinoの他、腕達者を揃えており、全体として、いわゆるオルガンジャズの定番とも言っていいような、ある意味ホッとするようなサウンドに
仕上がっているのではないでしょうか。
Martinoは、相変わらずの健在ぶりをを見せ、Obergのギターもけっこうガツンとした攻めを見せてます。

従来のオルガンらしさを残しながらも、少しは今の感覚もといった方には、安心して聴ける好内容の一枚といったところでしょう。

JAZZ-organ 167
Jermaine Landsberger

Category: organ (第2期)  

Randy johnston / People Music

  Randy Johnston (g, voc-3, 6)
  Pat Bianchi (Hammond organ)
  Carmen Intorre, Jr. (ds)

  Recorded at Tedesco Studios, Paramus, NJ
  Random Act Records 2011

  1. Garden State
  2. Nostalgia for What Never Was
  3. Parchman Farm
                     4. Chavez
                     5. Everyday Heroes
                     6. Trouble
                     7. Humpty Dumpty
                     8. Passing By
                     9. Cold Duck Time

Randy johnstonは、今現在自分が求める方向性のギタリストではないのだが、オルガニストとして参加しているPat Bianchiの状況を少しでも掴むべく
ゲットとなったしだい。したがってカテゴリー "オルガン" の記事といたします。

Pat Bianchi(B1976)は、バークリー出身のオルガニスト。流れの先端で新しい流れを作っていく、開拓していくといったタイプではないにせよ、時には
モーダルなプレイも見せるなど、前世紀のオルガンの主流とは違った21世紀のオルガンの中流を行く感性として、一時期からその成長を期待し、完全追尾
モードでずっと見守ってきたのですが、なかなか期待するような方向には変化を見せてくれず、ちょっとその期待も薄くなってきた感があるというのが現状
です。そんな中、ちょっとだけ前の参加作ですが未聴の盤だったのでチェックしてみました。

音楽の方は、予測はしていましたが、やはり前世紀の流れを強く感じる内容。Randyのギターはウェス直系などとよく言われてますが、そういったブルー
ジーなJazzギター伝統のテイストを基本に感じるものの、本作は過去の一時期のホワイトブルース臭のようなものも漂い、かなり雑味が感じられるなど、
過去にそこを通り過ぎてきた今現在の自分の感性にはしっくりこないものも残ります。
ただ技術面に関しては、レベルが高く、この種のテイストが好きな方には、それなりの内容となっているのではないだろうか。

さて、お目当てのBianchiですが、この音楽の中で、どうなんでしょうかねぇ。
ミュージシャンも大きく分けると、どんな環境でも自分の色を強く出していくタイプとその環境に合わせてしまうタイプといますが、本作でのBianchiは
後者の方で、完全にこの音楽の中に馴染んでしまっており、一時期彼のオルガンに感じられた先進感といった大げさなものでもないのだが、今現在の空気感
といったものが希薄になってしまっており、大きな目で見れば時代の流れとともにわずかだが前に進んでいる流れの中で、その音楽は変化を見せていない分、
後退してしまっているとも感じられるのは、期待感を持って見て来たオルガニストだけにもったいない気がする。きっかけさえ掴めば花開けるいい感性を
持っていながらつぼみのままという状況が何とも歯痒い。進む方向に疑問ありとも思うが、何分本人のことなのでどうにもならない。
振り返ってみれば、けっこうユルい環境の中で活動してきている。当然、出会いのタイミングやら、いろいろとしがらみなどもあるのだろうが、自分より
先を行く感性との共演により、自分から引き出されるもの、共演者から得るものなども多い、そのためにも自分から厳しい環境を求めていく姿勢は不可欠だ。
師匠格 DeFrancesco と同じような道を歩んでしまっているのも気になる。ついついイージーな方向へ走ってしまう姿勢までマネする必要はない。
年令的には40手前、若手と思っていたらもう中堅といっていい年代、この辺で悪い流れを断ち切る強い意志を見せないと手遅れになってしまう。

Pat Bianchi関連記事は → こちらから

JAZZ-organ 166
Randy Johnston

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