前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: Other Instrument  

Nicole Mitchell / Awakening

  Nicole Mitchell (flute)
  Jeff Parker (g)
  Harrison Bankhead (b)
  Avreeayl Ra (ds, perc)

  Recorded March 2 & 3, 2011
  DE599 (Delmark) 2011

  1. Curly Top
  2. Journey on a Thread
  3. Center of the Earth
  4. Snowflakes
                      5. Momentum
                      6. More Than I Can Say
                      7. There
                      8. F.O.C.
                      9. Awakening All compositions by Nicole Mitchell

先日聴いた Jeff Parker(B1967)のトリオでの “Bright Light in Winter” だが、ギタリストとしての実体もはっきり見えてこないモヤモヤ感もあった
ことで、適当な他作も聴いてみたいと思いチェックしていたら、参加作ながら、おもしろそうなものがあったので、早速ゲットしてみた。
フリー系のフルーティスト Nicole Mitchell のクァルテットによるリーダー作である。
全て Nicole の手による全9曲という内容ながら、クァルテットという小編成参加作での Parker の役目も、バッキングにソロにと、ギタリストとしての姿も
何か見えてくるものもあるだろう、そして私的に好きな楽器フルートが絡んだ作ということで、期待するものもある。
先日の Parker作とは、同録音年になるが、自身のリーダー作と、こうした参加作で、プレイの違いはどうなのか?その辺にも興味がある。

さて、フリー系のフルートということで、ノンリズムで、どフリーなものも、ちょっとだけイメージはしていたのだが、意外とリズムもしっかりと、比較的ノーマ
ルな展開のものが多い。これは、冒頭曲にストレートに4ビートで快調に飛ばす曲を配したこともアルバム全体のイメージに関わったような気もする。
Nicole のフルートは、技量面でも高いものがあり、その多彩な技から繰り出される音の色にも表情豊なものがある。フルートの魅力は、リードの振動を利用
する楽器とはまた違い、人の吐息、そして時には声そのものが音に含まれてくることもあり、そういったものが混然一体となった生身の人の息づかいも伝わ
るような音の表情といったところに魅力があるが、必要に応じて、技を使い分ける Nicole のフルートには、巧みなものがあり、色、艶、そして時には香りさえ
感じるような音の動きは、生に溢れている。

音楽は、ノーマルなテイストのもの主体ではあるのだが、アドリブパートでは、かなり自由な動きも見せており、元来フリー系の感性も持っているというメン
バーだけに、ノーマルなテイストの中で見せるそういった感性の混入が普通ながら微妙に普通でないという状況をつくり出しており、その一見普通ながら
一味違った部分を含んだ仕上がりが今の自分には、なかなか心地良い。

本作での Jeff Parker のギターからは、元来、彼がベースに持っているものなのか、プリミティブ、アーシーといったものが感じられるのだが、この辺は
Parker自身を含め、シカゴベースのメンバーになっているということも大いに関係しているのかもしれない。
先日聴いた前述のリーダー作とは、参加作ということもあり全く違ったプレイをしており、違った面を見る事ができたのも収穫だった。印象では、こちらが
素なのかな?
先日の盤では、Parker のギターにたどたどしく感じられる場面もあったのだが、本作でもやはり同じようなところがあった。これは多分に、今時のハイテ
クギタリストに耳が慣れてしまっているのも一因として考えられる。ミュージシャンは、表現上必要ないことまでやらんでいいのだ。その技術を見せるために、
やらんでいいことまでやってしまい、そのムダな動きにより、音楽のクォリティを落としてしまっていると感じることも度々ある。
とは言え、この Parker にも、ややヘタウマ的傾向があるとも言えるかもしれない。が、2作を聴いてみて感じたことは、そういった技術面での小さなマイナ
ス面を大きくカバーできる独創性もある豊かな感性を持っており、実際、彼のギターは、ヘタな今時のハイテクギタリストの音と比べれば、人間味もある音
として自分の耳には入ってくる。
時々、華麗な技に見とれてしまい、ついつい己を見失ってしまうこともあるが、音楽は、やはり感性、技は単なる手段にすぎないこと、時々思い出したい。

M3 “Center of the Earth” での、Nicole の生き物のようにあちこちに自由に飛び、跳ね回る生命感に溢れたフルート、そして独創的な Parker の
ギター、捨て曲なしだが、これがベストかな。
全編に渡り、Nicole のcompositionも光る。

JAZZ-other instrument 44
Nicole Mitchell

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Category: Gallery > Photo  

201711-1

               

               親戚のねこ 秋の一日の巻

               以前、こたつに下半身を突っ込んでは、グダグダとしていたヤツである。
               吊るした干し柿の中で、すっかりくつろいじまってる!
               毎日が好きな時に 食う → あそび → 寝る、これをフリーな流れでやりつつ、
               適宜アクセントも入れては、生活のリズムにも変化もつけているらしい。
               脱力しまくりのノンストレス、人生もこうありたいものだね!

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Category: sax (第2期)  

Tobias Meinhart / Silent Dreamer

  Tobias Meinhart (ts, EWI)
  Ingrid Jensen (tp, Effects - 1,5,6,7,8,9)
  Charles Altura (g - 2,3,4)
  Yago Vazquez (p, Rhodes)
  Phil Donkin (b, eb - 1,5,6,,8,9)
  Orlando LeFleming (b - 2,3,4)
  Jesse Simpson (ds)
  Justin Carroll (syynth - 1,7)

  Recorded at H2 Studios, Berlin and Bunker Studios, Brooklyn, NY
  ENJ-9754-2 (enja) 2017

                       1. Fighting Your Fears
                       2. Letter of Intent
                       3. Silent Dreamer
                       4. Mariana’s Dream
                       5. Can’t Say Enough
                       6. Equality
                       7. Ghost Gardens
                       8. Purple Spsce
                       9. Simply Beauty

今回初となるドイツのsax奏者 Tobias Meinhart(B1983) の新作。ちょっと気になるメンバーも参加していたので手を出してみた。
一聴して、典型的な今時のスタンダードなコンテンポラリーサウンドといった印象。
メンバーは、リーダーの Meinhart の他は、tpの Ingrid Jensen が入った2管編成のグループで6曲、gの Charles Altura が入ったグループで3曲
というつくりになっている。

まずは、ながらで一回、通し聴きしてみたのだが、リーダーの Tobias のテナーが引っ掛かからなかった。はて、どんなテナーだったかと思い出そうとして
もイメージがわいてこない。それが初顔合わせの印象だったが、その後も何度か繰り返すが、やはりその印象はあまり変わらない。
決してヘタなテナーというわけでもないのだが、単純に自分の好みのフィルターには、引っ掛からない感性ということなのだと思う。
リーダーのテナーが、好みでなく引っ掛からないというのも困ったものだが、グループとしての音楽は、コンテンポラリーテイストで、そこそこのまとまり
も見せており、今時のJazzとしては、特別に良くもなく、また特別に悪くもなく極スタンダードな仕上がりとなっていると思う。と、ここまで書いてきて、
何だかこんなんだったら記事にすることもなかったのかとも思ってしまうが、気になるメンバーも入っていたということで、そこには、ちょっと触れておこう。

このサウンドの中にあっては、Vazquez のピアノ、そしてAltura のギターあたりに、ついつい耳が向いてしまう。
Jensen や Altura の出入りとは別に全編参加の Vazquez のピアノは、このグループを支える意味で、大いに貢献しており、時に見せるソロでも
輝きを放っている。
ちょっと気にしていた Altura のギターだが、やはり非常に巧さを感じるプレイだし、本作中にあっては、光っているとも感じられるのだが、現在の若手の
コンポラ系ギタリストは、高能力者も多く、普段からそういったプレイに接していると、何かマヒしてしまっているのか、特別の驚きもなく、他者と区別でき
る強い個性という点でも、物足りなさも感じている。人材豊富で裾野も広いギター界にあっては、それだけ高レベルにある才能も多く、それは、うれしいこ
とでもあるのだが、そんな中で生き抜く大変さも痛い程伝わってくる。生半可な個性では、頭一つも抜け出せない。これからが、自分独自のものを身につけ
本当の意味での個性が備わっていく段階となるのかもしれない、そして残された時間も年々少なくなっていくが、可能性も感じるギターだけに、いいステップ
を踏んでいってほしい。また、参加作ばかりで、本来の姿がいまいち見えてこないとも感じている Charles Altura の現状だが、自分の色を全面に出した
リーダー作が待たれる。その勝負作を聴いてみないと何ともはじまらない。

JAZZ-sax 92

Category: guitar (第2期)  

Claude Barthelemy / Roxinelle

 Roxinelle-2.jpg

Claude Barthelemy (g, oud) Antonin Rayon (org) Philippe Cleizes (ds) Sylvaine Helary (fl, alto fl)

Recorded December 2015
Maxiphone (2016)

1. La Pensee
2. Spring Beat
3. Spring Break
4. Eric Watson
5. Merle Adore
6. Princess Luce
7. Alexandria
8. La Nomenklatura
9. Flamentokyo

私的重要作ながら、迂闊にもそのリリースを見落としてしまい、最近になってやっと気づき、あわててゲットしたという一作。
フランスの強変態性ギタリスト Claude Bartheremy(B1956) にオルガニストでは、数少ない貴重なフリー系の使い手 Antonin Rayon(B1976)
参加のトリオを中心に曲によりゲストにフルートが入るという作だが、何もなく平穏に終わるわけがないというメンバーだけに、テンションもMAX。
この Claude Bartheremy などは、以前からオルガンの絡んだ作 (過去、一度だけEmmanuel Bexとの共演作 “3”がある) の出現を頭の中では、
期待し、待ち望んでもいたのだが、こういった特殊、先端の感性に対応できるオルガニストも少なく、また本人の音楽的方向性もあり、なかなか実現する
こともなかったのだが、フリー系との絡みも多い Antonin Rayon 参加のギター・オルガントリオ作がまさかのリリース済みだったとは、やっちまった!
チェックはマメにしていたつもりだったが、既に1年以上も過ぎていたとは、焼きが回ったようだ。

さて中身の方だが、やはり個性派らしいものとなっており、プロローグやエピローグそしてその間にと、中東やらオリエンタルなイメージも想起されるよう
なoudを使ったと思われる短い曲が仕込んであり、本題と思われる、これまたバラエティに富んだ数曲が配置されたつくりとなっている。
その冒頭のoudの調べの次のM2はギンギンのロックで Barthelemy らしく、ヒートするとアブない人と化す性癖もちらつかせながらのプレイは、
さすがにこれで全て攻められたらJazzファンにはキツイだろうというアウトした曲で、最初にこういうのを咬ましてくる手口も何とも彼らしい。
他曲も個性派らしい展開を見せており
M4 ミディアムハイの4ビート曲、orgをバックにgの変態フレーズも顔を出す。
M5 スローなgテーマからスタート、orgソロも入り、次第に3者入り乱れてヒートしていくカオス。
M6 dsソロからスタート、途中、爆発音らしき音が単発的に入り、ワンコードで刻むorgのベースラインが加わっていきながらのリズムがカッコいい。
M8 若干のハードボイルド感もあるミディアムの4ビート曲、ストレートな展開だが、平凡にしない個性派らしさ。
ざっと、こんな感じの曲が並ぶが、全編に渡り感ずるのは、やはり他の誰でもない彼でしかないギターであり音楽となっていること。やはりオリジナリティ
という部分は大事にしたい、プロとして不可欠の条件だ。彼の持ち味でもあるスピード感ある変態プレイも健在。
そんな Bartheremy だが、大学では数学専攻、その後にフランス国営オーケストラ ONJ の音楽監督も務めるというキャリアとアブノーマルなものも
漂わせるギタリストとしての顔とのギャップに変質性らしきものもイメージさせられ、何とも彼らしいとも思えるのだ。
ちなみに、その ONJ の歴代監督では、最も評判も高く、最近また復帰したとのうわさも聞いている。若い頃のトンガリ感も、やや丸くなった印象もあるが、
なかなかの才人である。

オルガニストとしての Antonin Rayon を初めて知ったのは、このブログを始める以前の参加作 (ピアニストとしては、その後のいくつかの Marc
Ducret作
への参加で出会う) だったが、貴重な才能の持ち主ながら、未だにリーダー作を出していないというのが不思議でもあり、残念でならない。
やはり、自分の色を全面に出したリーダー作を、ぜひとも聴いてみたいオルガニストだ。米国コンテンポラリー系のスタンダードな存在 Goldings,
Yahel, Versace..........などとは、異質の感性でもあり、その立ち位置としても、先端寄りで、フリーもいけるというトンガリ感もある感性は、オルガニスト
としては貴重な存在でもあり、さらに自身の感性の開拓を進めるためにも、欧州に限ることなく、米国系の先端の感性と、どんどん絡んでほしい才能でもある。
この機会に過去参加作もあらためてチェックしてみたい。

            
            Claude Barthelemy (g, oud) Antonin Rayon (org) Philippe Cleizes (ds)

JAZZ-guitar 189
Claude Barthelemy

Category: guitar (第2期)  

Jeff Parker Trio / Bright Light in Winter

  Jeff Parker (eg, Korg MS-20)
  Chris Lopes (ab, flute, Korg MS-20)
  Chad Taylor (ds)

  Recorded November 14 - 16, 2011, Riverside Studio, Chicago
  DE2015 (Delmark) 2012

  1. Mainz
  2. Swept Out to Sea
  3. Change
  4. Freakdelic
  5. The Morning of the 5th
                      6. Occidental Tourist
                      7. Bright Light Black Site
                      8. Istevan
                      9. Good Days

ポストロック系からフリー寄りのJazzまで、幅広い活動も続けるギタリストの Jeff Parker(B1967) は、長年いた活動拠点をシカゴから近年、LA
の方に移したらしい。ギタリストとしての彼には、関心もあったので、機会があれば、まずは聴いてみようと思いつつ、のびのびになってしまっていた。
そこで、ダマシのきかないトリオ作ということもあり、とりあえずチョイスしてみた本作だったが................
dsの Chad Taylor は、以前 Angelica Sanchez をピアニストで迎えたトリオ作 “Circle Down” で記事歴もあるのだが、他2名は今回が初。

全てメンバーのオリジナルとなる全9曲だが、一聴してみれば、いろんな要素が詰まっていて、一言では言えないようなものがある。
雑多なものが集まった感じだが、それでも一枚のアルバムとして、散漫さは無く、全9曲音楽は、一つの方向性も感じられ統一感もあるものとなっており、
一貫して感じられるユルめでクールなビート感に身を委ねていると、一種のアンビエントミュージックといった趣きもあり、あえてそうしたともとれる
強い主張の無いところが、通し聴きすれば、BGMとしてもいけるといったテイストさえある。この「強い主張の無い」ところが強い主張なのかな、とも
受け取れる。ギタープレイにおいても、たどたどしく感じるところもあるのだが、それもあえてのプレイなのか.............読めない。

予備知識も極力入れず初めての顔合わせとなった Jeff Parker だったが、そんなことで、何かつかみどころの無い、実体のはっきりしないモヤモヤ感
みたいなものが残りつつ、同時に漠然ながら何か目指しているものの大きなものも感じられる。それが何かはわからないが、同時に音楽には、垣根の
無い自由、開放感、広がり...........みたいな空気感もある。ただ、それは現在、自分が音楽に求めているものでもないのだが.............心地良いというほど
の前向きなものでもないのだが、少なくとも不快といった負の感覚は無い。

過大評価になるのかもしれないが、何か見えない部分、読めない部分に何か大きなものがあるとも感じられるギタリスト、本作で聴く限り、感性の質と
しては、自分が求める方向とは、逆に向いているようなところもあり、決して心惹かれるというタイプでもなさそうだが、その見えてない部分によっては、
どうなるかわからない。 引き続き要調査ということで、他作にも手を出してみたい。

JAZZ-guitar 188
Jeff Parker

Category: guitar (第2期)  

Wilfried Wilde / Oscilenscope

 oscilenscope-2.jpg

Wilfried Wilde (g)
Charley Rose (as)
Xan Campos (p)
Damian Cabaud (b)
Lago Fernandez (ds)

Recorded at Cangas Auditorium, Spain, July 27 & 28, 2015
FSNT526 (2017)

1. Feeling Droiden
2. Nerve Vibrations
3. Nasty Introduction
4. Nasty Meditation
5. La Valse a Huit Temps
6. La Houle
7. Ordering
8. Le Cri de I’Oiseau
9. Lynel All music composed and arranged by Wilfried Wilde

今回、初聴きとなるスペイン出身のギタリスト Wilfried Wilde の新作。
メンバー全員、未聴ながら、ジャケットの雰囲気、曲目などから求めるコンテンポラリー系のギタリストとの予測でゲット。
一聴して、大きく見るならば、現在の若手コンテンポラリー系ギタリストに多い Rosenwinkel から派生した流れの真っただ中にいるギタリストと
いうことで、その点では、初対面の若手ギタリストとしては、極平均的な今時のギタリストといった印象も持つのだが......................。
10年程前と比べると、この流れが全く普通になってしまっているということに時の流れを感じるね。

さて、内容の方は全曲、自身の手によるオリジナルとなっており、緻密さも感じられるつくりとともにアンサンブルもキレイな仕上がりを見せている。
この Wilde のハデな太刀回りを嫌うかのような地味さには、Rale Micic あたりも思い出してしまうのだが、現在のコンポラギターシーンの流れ
の中での立ち位置なども、流れの先端寄りで、その流れの方向にも大きく関わっていくといった感性ではないという点で、共通するものもあるように
思う。と、こんな書き方をしてしまうと、地味でつまらないとも思われてしまうが、そんなことはない。繊細な感性であるが故の一見地味に感じられる
ことは、インパクトもある見せ場を持たない地味さとは、根本的に違う。繊細なタイプにありがちな、言ってみれば、狭めた表現のレンジの中で
全てをハーフトーンで表現してしまう、それができてしまう繊細さみたいなものなのかもしれない。
ただ、これは広く一般に理解されにくい。表現のレンジを目一杯広げ、ダイナミックな表現ができれば、それだけ多くの人の心も動かせるというもの
だろう。聴いていると、何かそんなことも思わされてしまう繊細さも備えたギタリストとの印象も持つ。

そんなことで、全体的に強いインパクトに欠ける、ストロングポイントが見つからないといったところは、一般的な見方をしてしまえば、否定できない
ところでもあるのだが、それは本作においてということで、他作も聴いてみないと何ともわからないことでもあるが、ギタリストとしての個を全面に
押し出すよりもトータルな音楽に重きを置いた本作における彼の姿勢も多分に関係しているとも思える。また、それは全ての面ではないが、繊細な
感性であるが故の裏返しといったこととも言え、そこの開発によっては、逆にそこがストロングポイントにもなりうる、そんな未開発領域の存在も
多分に感じられる若い感性だが、個性として感じられるのが、随所に感じられる「哀愁」の響き。これは、米国系のギターには、あまり感じられない
ものだ。伝統的に優れたギタリストも多い欧州は、スペインという血の成せる技なのか?
その辺の受取りは自分だけなのかもしれないが、M6 “La Houle”やM7 “Orderling”などに、このギタリストの個性が見える。特にas抜きで
ギタリストとしての姿も見えるクァルテットによる M7 での漂う哀愁には、スペインだからこそのギターの響きとも感じるのだが.......................。

内容はともかくとして、未聴の感性に触れることは、何が飛び出すかわからないという、期待感も高まり楽しみも増すというものだ。やはり自分には
博打買いが性に合っているようだ。

JAZZ-guitar 187
Wilfried Wilde

Category: guitar (第2期)  

Pierre Perchaud / Waterfalls

  Pierre Perchaud (g)
  Chris Cheek (sax)
  Nicolas Moreaux (b)
  Seergio Krakowski (pandero)
  Andre Charlier (perc)

  GR1309 (Gemini) 2012

  1. Kora
  2. Le Paradisier
  3. Montreal
  4. Une Apres Midi
                      5. Because
                      6. No Moon at All
                      7. Le Vieux Piano Et La Lampe
                      8. Waterfalls

フランスのギタリスト Pierre Perchaud の Chris Cheek の参加も魅力だった2012年作。
基本は、ドラムレスのトリオで、曲により軽くパーカッション系のものが入るという内容。

メンバーから、コンポラ色の強いテイストの音楽を期待していたのだが、ふたを開けてみれば意外とオーソドックス、ストレートな展開となっている。
しかも、苦手としている、ちょっぴりフォーキーなテイストも一味加わったりして、ちょっと微妙だね。
これほど、全編ノーマル、オーソドックスに、そして何かノスタルジックとでも言ったらいいのか、ひと時代さかのぼったようなテイストで通す Cheek
に出会ったのも、あまり記憶がないのだが、音楽としての内容は決して悪くない。この辺は、あくまでリーダーである Perchaud の求めた質感であろ
うとは思うのだが、後は、聴き手である自分の感性の好みにフィットするかといったところだが、私的には、このノスタルジックでセピアカラーもイメー
ジさせる沈んだ質感とフォーキーな、ある意味、淡いグリーンの陽の光もイメージさせるようなテイストとのフィット感の悪さも感じてしまい、なかなか
楽しませてもらえない。

Perchaud のギターは、アルバム全体に通じる曲調もあり、曲によりアコギ使用、エフェクトもあまり使わず、ノーマルな音使いで通しており、アルペジオ
も多用するなど、しっとりとしたものが目立つのだが、コード感覚やシングルトーンでのソロにおける音の選択などには、このギタリスト特有のセンスも
感じられる。

ただ、ある方向に片寄ってしまったテイストと思える内容が、好みを分けるのではないだろうか。この片寄ったと受け取るのか、あるいは、統一されたと
受け取るのか、その辺が分かれ目なのだろう。私的には、やっぱり、ちょっと好みを外したかなといった感覚が最後までつきまとい、唯一他とは違い、
普通にJazzな曲調で仕上げたスタンダードの M6 “No Moon at All” に一番親しみを感じるという皮肉な結果となった。

Chris Cheek のテナーに Nicolas Moreaux のベースという私的関心度の高いスタッフを従えての Pierre Perchaud のリーダー作ということで、
それなりに期待もあったのだが、私的には、クラシカル、フォーキー、カントリーといったテイストをJazzに絡めるのは、せっかくのJazzを不味くしてしま
うことに他ならないという、これまでの過去の私的流れを覆すには至らなかった。言ってみれば、アボガドと絡んだ鮨を良しとするか否か.........あくまで
内容の良し悪しではなく、好みの問題ということで、悪しからず。

        

JAZZ-guitar 186
Pierre Perchaud

Category: Other Instrument  

Stephane Huchard / Panamerican

  Stephane Huchard (ds, perc)
  Jim Beard (p, Rhodes, Hammond B3, keyboards)
  Chris Cheek (ts, ss)
  Nir Felder (eg, ag)
  Matt Penman (b)
  Minino Garay (perc)

  Recorded in January 2012 at Brooklyn Recording Studio, New York City, U.S.A.
  JV570019 (JazzVillage) 2013

  01. Sleepless
  02. Groovy Side
                      03. Just an Herbie Vore
                      04. Boogaloo King
                      05. Bancal Cha-Cha
                      06. El Minino
                      07. Find a New World
                      08. Melodic City
                      09. Happy New York
                      10. Dream Solo All tracks composed by Stephane Huchard

先日来の Emmanuel Bex 関連作聴きの流れの中で、久しぶりにジャケットを見て、思い出したように聴いた一枚。
フランスのドラマー Stephane Huchard(ステファン・ウシャール B1964) は、世紀末の頃、同じフランスのオルガニスト Emmanuel Bexのアルバム “3” で
初めて出会ったのだが、その質の高いプレイが、印象に残っていたこともあり、彼名義のアルバム等をチェックしていた時、その魅力あるメンバーに、即ゲット
してみたというのが本作だった。久しぶりに聴いたので、ついでに記事としておきます。

全曲、ドラマーである Huchard の手による10曲だが、音楽は、あえて狙ったテイストと思われるポップ、ラテンタッチ............など、ライトな 感覚で統一されて
いるとも思える聴きやすいものとなっているのだが、けっこう作り込まれた印象もあり、ライトタッチながら、イージーといった 感覚はない。全体に抑え気味のプレイ
ながら、その多彩でコントロールのきいたドラミングからは、基本となる楽曲とともに、高いセンスも 感じられ、個よりもコンポーザーとしてトータルなサウンドに重き
をおいた姿勢も見える内容となっている。 その辺は、各種キーボード系を、曲調により使い分けバッキングにソロにサウンドに彩りを添える Jim Beard が、リーダー
Huchard の 補佐役としてサウンドメイキングにうまく機能しているといった感じだ。

全体にそんなつくりのサウンドなので、それぞれのソロに大きくスポットが当たるといった場面も、あまりないのだが Cheek, Felderなども この方向性の中で、抑え
気味ながら堅実なシゴトで大いに貢献しており、このサウンドの中にあって、Penman のウッドベースが、いい落ち着き をつくっているようにも思う。

JAZZ-other instrument 43
Stephane Huchard

Category: Other Instrument  

Mathias Levy / Playtime

  Mathias Levy (violin)
  Sebastien Giniaux (g)
  Jeremie Pontier (ds)
  Matyas Szandai (b)
  Emmanuel Bex (org)

  JMS1062 (JMS) 2013

  01. Birdy
  02. Venus
  03. Rue Myrha
  04. Portrait in Black and White
                      05. Chaloupe
                      06. Canson
                      07. Le Conteur
                      08. Anniversary Blues
                      09. Beyrouth
                      10. Ensoleillement
                      11. Valse Calme

フランスの若手バイオリニスト Mathias Levy のクァルテットに、やはり同じフランスのオルガニスト Emmenuel Bex(B1959)がゲスト参加したもので、
先日来の Emmanuel Bex 関連作聴きの流れで聴いた一枚。 Jazzでは、マイナーな楽器とも言えるバイオリンだが、それでもフランスには、既聴のバイオリニスト
も多く、Stephane Grappelli(B1908 - 1997)、Jean Luc Ponty(B1942)、Didier Lockwood(B1956)、Scott Tixier(B1986 生まれはモントルー)............
......などがいるのだが、本作の Levy に関しては本作が初めてとなる。

冒頭曲 “Birdy” で、いきなり高速4ビートに乗り、Levy のバイオリン、Bex のオルガン、そして Giniaux(ジニオー?)と快調にソロを飛ばすオープニング。
つづくM2 “Venus” では一転、スローな展開で、繊細な Levy のバイオリンがよく歌い、これで掴みはバッチリという感じだが....................
本作でのゲスト Emmqnuel Bex の参加は3曲、高速4ビートのM1、Bex得意のボコーダーを使っての繊細なスローナンバーM4、ミディアム・ハイの
ブルースM8 とバラエティに富んだ3曲で、本作中の魅力のナンバーになっている。
その他の Levy のカルテット曲については、マヌーシュ・ジャズあるいは中東を思わせるようなラインがあったりと、やや曲調が偏ってしまった印象も
なきにしもあらず。
スピード感溢れるキレ味、歌心........とハイレベルのものも感じさせる Levy で、伝統的に良いバイオリニストが存在してきたフランスにおいて、今後も
楽しみな若手とも感じるのだが、あまり狭い範囲の音楽にこだわってしまうと、行き詰まってしまうこともある。
このギタリストも、感性の質からすれば、おそらくそっち系のギタリストではないだろうか?
デビュー作の本作のみで、何とも言えないが、現代的感覚も十分持ち合わせていると思える Levy なので、あまり狭い範囲の音楽にこだわることなく、
また伝統芸の方向に走りすぎることなく、新しい時代にふさわしい Jazzバイオリンの形を求めていってほしい、そこが無いと、この分野も先細りになって
いってしまう。

            

JAZZ-other instrument 42
Mathias Levy
Category: oldies  

Sonny Rollins / A Night at the Village Vanguard

  Sonny Rollins (ts)
  Wilbur Ware (b - 1,2,3,4,6)
  Donald Bailey (b - 5)
  Elvin Jones (ds - 1,2,3,4,6)
  Pete LaRoca (ds - 5)

  Recorded Novvember 3, 1957
  CDP7 46518 2 (Blue Note)

  1. Old Devil Moon
  2. Softly As In A Morning Sunrise
  3. Striver's Row
                      4. Sonnymoon For Two
                      5. A Night In Tunisia
                      6. I Can't Get Started

先日、JD Allenを聴いていて、何となく思い浮かんできた Sonny Rollins のテナー、しかもピアノレスのトリオ、ということで引っぱり出してみた一枚。
昔、LPの時代にはよく聴いた盤だったtが、CDに切り替えてからは、あまり聴いた記憶がない

Sonny Rollins(B1930)が好んだピアノレストリオによる同年録音の “Way Out West” と並ぶ名作、Elvin Jonesの参加も魅力だった Village
Vanguardにおけるライブ。
豪快にドライブする、Rollins も好きだったが、剛柔兼ね備え、デリケートに独特の歌いっぷりを見せる Ballad も好きで、M6 “I Can’t Started”
は、当時好んで聴いていた一曲。
糸を引くように粘る Elvin のブラッシュワークをバックに、太くはっきりしたラインを紡ぎ出してゆく Rollins、こうしてあらためて聴いてみると
濃厚な Jazz Spirit でムンムンとして、むせ返るようだ。まさにJazz だね!

トリオという、ミニマルなフォーマットにおいて、全体にElvin のプッシュが音楽に活力と張りをもたらしており、この我々生物の鼓動、呼吸といった
生命の源とも言えるものと、どこか連動してるかのような流動性もある生きたタイム感覚は、天性のものだね。

            

JAZZ-oldies 22
Sonny Rollins

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