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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: organ (第2期)  

Something to Say / Pat Bianchi

  Pat Bianchi (organ)
  Wayne Escoffery (tenor saxophone, tracks 3 & 7)
  Paul Bollenback (guitar)
  Byron Landham (drums)

  1.Go Home
  2.Until You Come Back to Me (That’s What I’m Gonna Do)
  3.Superstition
  4.Moon Blue
  5.Isn’t She Lovely
  6.If It’s Magic
  7.Something to Say
  8.Just Callin’
  9.Ribbon in the Sky

Recorded at Trading 8s Recording Studio, Paramus, NJ on September 2 & 3, 2020
SCD2190 (SAVANT 2021)

The Music of Stevie Wonder
前世紀に長きにわたりオルガン界を支配してきたJimmy Smith(B1925-2005)の影をわずかに感じさせてはいたが、21世紀にふさ
わしいコンテンポラリーな感性も備えたオルガニストとして、過去に完全追尾体制もとっていた時期もあった Pat Bianchi(B1975)
でしたが、その期待していたコンポラオルガニストとして思うように伸びず、逆に従来路線に執着するかのようなプレイぶりが続い
ていたこともあり、2015年作の “A Higher Standard” で見切りをつけ完全追尾体制解除の処置をとっていた。
あれから6年程の月日が流れ、ミュージシャンとしても円熟期という年齢。かつては追ったこともあるという素材、その後の彼がど
うなったか気になっていたこともあり手を出してみた。

本作は、Stevie Wonderの作品集になっている。
聴いてみれば、前述作の記事で当方が期待していたコンポラ路線から逸れて王道路線を進む姿勢を見せた彼へ、最後に「その道を選
んだからにはそちらで頑張り結果を出してほしい」などと書いていたが、本作は、まさにそんな感じの一枚だね。メンバーを見て、
おおよその予想はしていたものの、わずかな期待は裏切られ、やっぱりねという感じだ。
で、本作だが、王道の一枚としてはまずまずの仕上がりになっていると思う。決して前寄りの要素は無いが、前世紀から引き継がれ
てきたOrgan の王道ど真ん中を行くという内容だ。それに、ただ前時代そのままではなく、今の空気感は持ちつつ今の時代のスタン
ダードなJazzのOrganとしてアップデートしているところは評価されて然るべきだと思う。

本作の具体的な内容についてだが、度々出てくるBianchiの速いフレーズが気になる。なぜ気になるかというと、それが目的になっ
てしまっているからだと思う。技術面でも今や師匠格DeFrancesco(B1971)に引けを取らない技の持ち主とも言えるが、技は、表
現上の必要に応じというのが基本で、あくまで心が主で技は従だ。テクニシャンタイプに多い傾向だが、そこが目的化してしまうと
表現の質は落ち、耳障りに感じるものだ。
Bollenbackの特にアコギ以外で、どこかで聴いたような既聴感が多々感じられるようなベタな表現がちょっと残念。これを良しとす
るか否か、この辺は好みの問題も入り正解はないが、当方などは、これで本作の評価を落とすことにもつながった。
そんな気になるところも多少はあったが、全体としてみれば、今の時代のJazz Organとして幅広く多くの人に受け入れてもらえる
内容になっているのではないだろうか。
ただ、Bianchi自身が望んでいたもの、目指していた方向は本当にこれだったのか?どうしてもそんな思いは残る…………………
Bianchiは、先進の感性を共演者として得た場合は、その効果もあってか全く違う質のプレイをしていた時期もあり、その可能性を
思うと当方にとっては現状は残念でしかない。(参考動画:With Jon Irabagon & Rudy Royston)

Bianchiのデビューからの流れを見ていると、DeFrancescoの姿がダブる。10代でマイルス・バンド参加など、早熟の天才として
デビュー、20代前半には J.McLaughlin(B1942)のバンドなどでもSmith時代の終わりを予感させる次世代の感性を思わせるもの
もあり、期待を持って見ていたのだが、その後の彼はeasyな方向に走りやすいクセとともにSmith時代を引きずったプレイも多く、
新しい時代のオルガニストと言い切れないもどかしい時が続いたこともあり、本作の Bianchi同様に見切りをつけたという過去が
あった。近年のDeFrancescoについては、変化の兆しと思えるものも見せてはいるが、過去幾度となく裏切られてきただけに、そ
れをもって判断するのも時期尚早、それが果たして良い方向に転じる流れとなるのか現在、経過観察中という状況である。
Bianchiの過去作を含め本作のメンバー人選についても、師匠DeFrancescoとの繋がりらしきものも感じられ、オルガニストとして
デビュー以降の経過の流れは、それが良いのか否か何とも言えないが、師匠と同じような道を歩んでいるようにも思えるのだ。

Jazz - organ 196     Pat Bianchi
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Category: Other Instrument  

Massimo Biolcati / Incontre

  Massimo Biolcati (bass)
  Dayna Stephens (ts, ss, bs)
  Sam Yahel (p, org)
  Jongkuk Kim (ds)

  1.Hello, I Lied
  2.Boo Boo’s Birthday
  3.Smile (C. Chaplin)
  4.Everybody Wants To Rule The World
  5.Duke Ellington’s Sound Of Love
  6.Incontre
  7.How’s Never
  8.Fellini
  9.Birthday Song, Almost

  Recorded at Big Orange Sheep in Brooklyn, NY on September 15, 2019
  SO 002 (Soundscore Records 2020)

ギターのLionel Loueke 率いるトリオ “GILFEMA” のベーシストとしてお馴染みの Massimo Biolcati がサックスに Dayna Stephens,
ピアノ& オルガンに Sam Yahel, 新進気鋭のドラマー Jongkuk Kim を迎えてのカルテット作。
Massimo Biolcatiのオリジナル4曲の他、お馴染みのジャズナンバーなどが並ぶ。

本作は、Biolcati がデビュー10年を経た節目として、これまで自身が作曲したものや、幾度となくプレイしてきたジャズナンバーなどを
記録として残したいといった思いもあり実現したようだ。
そんなきっかけだったかはわからないが、内容的には新しいものを創りだそうとする緊張感やら意欲といった張り詰めた空気感はなく、
脱力した中での各人のプレイは余分な力も抜け、その効率良いプレイからは、最大限の効果(結果)を生み出しているとも感じられる。
ミディアムからミディアムスロー系の曲調が多いという内容にもそんなところが現れているようにも思え、アップテンポでガツガツと
攻撃的にといった要素はなく、そのゆったりとした中にも一本芯の通った表現には、Biolcati のエレガント、優しさなどミュージシャン
としての個性あるセンスも感じられる。
各人のプレイの質は高く、決してきらびやかなハデさはないが、噛むほどに味も滲み出てくるようなスルメ盤だ。
Biolcati がつくり出す環境の効果もあるのかもしれないが、Stephens のサックス、そしてKim のドラムスについても然り、Yahel の
ピアノが、いつになくシブく、染みるラインを繰り出してくる。以前はこれほどに感じなかった Yahel のピアノだが、一段ステップア
ップしてきた感もある。オルガニストとして世に出てきた彼が、ここしばらくピアニストにシフトしたかのような活動状況だったことを
考えればなるほどとも思うが、オルガニスト Sam Yahel は、コンテンポラリーシーンにおいては、代えの効かない貴重なピース、その
初心だけは、決して忘れて欲しくない。

正直なところ、コンテンポラリーな質感も期待できるこのメンバーで S.Yahel がオルガンでも参加しているという、そこに微かな期待
感もあっての本作だったが、内容はほぼピアノで、やっぱりの結果だった。が、Yahel のオルガンどうこうという内容ではなく、アルバ
ムとして納得できる内容であることに一応の満足もできる一枚ではあった。

M5のスローな展開でYahelのオルガンのコードプレイが静かに盛り上げ、それをバックにStephensのバリトンへといい流れをつくる。
その他、全編にわたりYahelのピアノでのシゴトも光る。
BiolcatiのペンになるM1は、K.Dorhamの”Blue Bossa” を思い出してしまうが、彼の頭の中にももしかしたらそんなイメージもあった
のかも。

Jazz-other instrument 46
Category: Other Instrument  

Yvonnick Prene / New York Moments

  Yvonnick Prene(harmonica)
  Brian Charette(org)
  Jordan Young(ds)

  01.Ready, Steady, Blow
  02.Newyorker
  03.Very Early
  04.Dear Zlap
  05.Air On A Sunny String
  06.A Brooklin Tale
  07.Milestones
  08.46th Street
  09.The Owl Farm
  10.Bad April Fool

  Recorded in February 2019
  SCCD31886 (SteepleChase 2019)

フランス出身のハーモニカ奏者 Yvonnick Prene(イヴォニック・プレン?)のオルガンの Brian Charette を迎えてのトリオ作。
Preneは現在ミュージシャンとして以外にもハーモニカスクール、ハーモニカ関係書籍の出版など、ニューヨークを拠点として
活動しているようだ。

Jazzの世界において楽器としてのハーモニカは、奏者も少なく、かなりマイナーな楽器という位置付けになるが、同じフランス
出身のハーモニカ奏者としては、Olivier Ker Ourio(B1964)などの先人もおり、Ourioには、大先輩となるベルギー出身の大御所
Toots Thielemans(B1922)などの影も感じられるのだが、おそらく本作の若い Prene も何らかの形で彼らの音楽に接する機会も
多々あったものと想像する。

内容は、Preneのオリジナル7曲の他は、M5がCharette、M3がB.Evans、M7がM.Davis曲となる全10曲。
Prene の詳しい経歴などは分からないが、2011年にソルボンヌ大学で音楽の修士号を取得しているということから、おそらく30
代半ばぐらいと思われ、21世紀に青年時代を過ごしてきたであろう彼は、コンテンポラリーな感性を備えたハーモニカ奏者かとイ
メージしていたが………………

聴いてみれば、やはりそんな感じだった。今の時代の決して前寄りではないがスタンダードな感性の持ち主と見るが、楽器の特性
上、速いフレーズでの展開など、難しいものもあると思うが、技術面、唄心、コンポーズ面………などもしっかりと、今の時代に
生きるハーモニカ奏者としてなかなか魅力的な存在だと思うし、極めて少ないハーモニカ奏者でもあり貴重な存在として、その能力
を伸ばしていってもらいたいものだ。

感性面ではズレもある共演者の場合は、その能力を十分に活かせていないと感じることも多々あるCharetteだが、相手が今を生き
るハーモニカ奏者ということで、感性面での相性も違和感なく、またハーモニカとオルガンという楽器としての相性も悪くなく、
Preneが求めている音楽の質感にも合っているのではとも思える。20年ほど前の作になるが、ハーモニカとは、音出しの仕組みも
似ているアコーディオンのRichard GallianoとフランスのオルガニストEddy Louissによる“Face to Face” を思い出す。

テーマのスローからソロでミディアムに転じるM3の表現。
PreneのオリジナルM4では、ハードボイルドタッチのテーマがハーモニカという楽器の個性にぴったりハマり、昔よく見たフラン
ス映画をイメージさせ、彼がフランス生まれであることも感じさせる。Charetteのソロ後半ではコードプレイが、ちょっとしたゴ
ージャス感も出し、そんな雰囲気も出す。
マイルス曲のM7では、ミディアムの4ビートでガチに攻める。
………など、まとまった一枚になっている。

NYmoments-2.jpeg

Jazz-other instrument 45     Yvonnick Prene
Category: guitar (第2期)  

Lage Lund / Terrible Animals

  Lage Lund (guitar & effects)
  Sullivan Fortner (piano)
  Larry Grenadier (bass)
  Tyshawn Sorey(drums)

  01.Hard Eights
  02.Aquanaut
  03.Suppressions
  04.Haitian Ballad
  05.Ray Ray
  06.Octoberry
  07.Brasilia
  08.Take It Eas
  09.Terrible Animals
  10.We Are There Yet

                            Recorded April 26, 2018 at Systems Two Recording Studios, N.Y.
                            Criss 1402 CD (Criss Cross Jazz 2019)

Criss Crossからの5作目となるノルウェー出身のギタリスト Lage Lund (B1978) の “Terrible Animals”
前作 “Idlewild” でもそうだったが、そのユルいアートワークは、本作ではさらに加速し、全くテンションが上がらず、購入時の期待感、
ワクワク感もイメージできないでの購入は、寂しい限りだ。
そんな負のジャケットながら、そこを押してのゲットは、なんとなくネガティブ、ダークなものも連想させるアルバムタイトルと全曲
オリジナルで固めていることからの、微かな期待感だったが………………

微かな不穏、異様な空気感も漂う中でスタートするM1、その後のテーマは、それとは対極にあるような親しみあるシンプルな旋律が
顔を出し、双方をより強調するかのような企てともとれる……………テーマ後は、微量の不協成分を残しつつ始まるFortnerのピアノ
が徐々にパーカッシブに盛り上げ、続くLundが目眩く怒涛の攻めを見せるが、自身のプレイを俯瞰視しているかのような抑制の効い
た、その冷めたシゴトに勝負の盤であることを確信する。
この冒頭曲のテーマ、繰り返すほどに耳にこびりつくような中毒性もある親しみあるラインを使いながらも、どこかに不穏の響きも
仕込むというつくりは、特に3曲目あたりまで共通に感じられる要素で、本作全体の印象にも大きく関わっているとも思える。
M3のスタートには、それに微量のスピリチュアルな響きも加わり、その後の次第に熱を帯びていくLundのギターに続くFortnerのピ
アノのフリーな響きにもヤラれる。
M9の短いタイトル曲では、アコースティックな響きとエレクトロニクスな響きとの対比と絡みがリアルな現実ともイメージの中の
非日常ともつかない不思議な世界へと誘う。
他も楽曲は、いずれもシンプルで展開の自由度も感じさせるつくりは巧い。
そしてこれまでクリーンで端正な音を好む印象もあったLundが、本作で大胆に取り入れたエフェクターによる音の歪みは、そのまま
Lundの目を通した現実の歪んだ世界と、とれないこともないのだが、まあ、その辺は、そこまでLund自身にそんな目論みがあった
のかは、計りかねるが、あくまで道楽でJazzと付き合っている当方としては、よりイメージを膨らませ、そう受け取った方がより楽し
く聴けるのであれば、それでいい。受け取りはリスナーの自由だし、いろんな受け取りがあっていい、創り手にとってもそれは歓迎す
べきことだろう。

言葉少なくして多くを語るを理想としている当方としては、Tyshawn Soreyは苦手としているタイプで、その手数の多さに鬱陶しさ
を感じる部分もないこともなかったのだが、全体的に見れば、それをカバーする抑制の効いたプレイは、本作ではフィットしている
感もあり貢献度大との印象。

Lage Lundとの出会いは、彼の参加作(Mis En Bouteille A New York / Nickelsen Trio Rec.2006)だったが、その後2012年に
自身のLage Lund Quartet (Aaron Parks, Ben Street, Craig Weinrib) としてライブを聴く機会もあり、その時のコンディション
もあったのか、あまりいい印象は残らなかった。この生での出会いというのは特別なもので、その後の付き合い方にも大きく関わり、
それがきっかけで疎遠になったというミュージシャンも多い。そんな初めての生の出会いでの印象を引きずり、またモンクコンペ
ウィナーとしての当方にとっては負としての優等生的イメージも加わり、あくまでついでに買う、ついでに聴くという存在になって
いたように思う。
クリーンな音を好み、技術面でもしっかりとしたソツのないプレイ、折り目のしっかりついたスラックスを好み、ソフトなヘアスタ
イルの優等生……………と勝手なネガティブイメージのみが頭の中に出来上がっていたようだが、本作での彼の発する音こそがすべ
て、そのチャレンジングな姿勢も見えるアグレッシブで活力ある音にはウソがない。どうやらとんでもなく判断を誤っていたようだ。
決して抜くことのなかった腰の妖刀、その初めて見せた抜き身に勝負の姿勢も見えるLundだが、こういう展開になってくると、その
姿勢を維持し、さらなる挑戦の姿勢を見せてくるのか、あるいは尻窄みになってしまうのか、今後の彼を占う意味でも次作が極めて
大事だね。期待したい。
そして、このリスクを押してチャレンジする強い姿勢を見せた Lund、何よりもそこを評価したい。これなくして新たな世界などあり
得ないのだから。

Jazz - guitar 199     Lage Lund
Category: organ (第2期)  

UNITRIO / PICASSO

PICASSO2.jpg  Damien Argentieri (organ)
  Frederic Borey (ts)
  Alain Tissot (ds)
 
  Buste de Femme
  01. Vu par Alain Tissot
  02. Vu par Damien Argentieri
  03. Vu par Frederic Borey
  La nouvelle ronde de la jeunesse
  04. Vu par Alain Tissot
  L'Acrobate
  05. Vu par Frederic Borey
  Femmes d'Alger d'apres Delacroix
  06. Vu par Damien Argentieri
  07. Vu par Frederic Borey
                            08. Vu par Alain Tissot
                            Massacre en Coree
                            09. Vu par Damien Argentieri

                            Recorded on January 13. 14 & 15, 2017
                            FRESH SOUND NEW TALENT FSNT534 (2017)

フランスのオルガニスト Damien Argentieri 参加の Unitrio の3作目 “PICASSO”。
1作目(Page1)が2008年、2作目(Page2)が2013年の、いずれもスイス altrisuoni からのリリースだったが、今回はレーベル
チェンジして FSNT からということで、それなりの活動歴もある彼らの十分な間をおいてのリリースでもあり、前2作とは違っ
た変化も期待したいところだ。

そんな入手前の期待もあった盤ではあったが、一通り聴いてみると、全体にストーリー性も感じられるような一定のトーンで統一
されたような雰囲気もあり、その辺は、曲名表記が仏語ということもあり、詳しい彼らの意図するところは読めず、翻訳機にか
けようかとも思ったが、全ては彼らの音楽が発する音、自分がそれをどう受取り、感じるのかということのみ、余計な情報は入
れず彼らの発する音のみを至ってシンプルに受け取りたい。

繰り返せば、音楽は考えを巡らせ、練って、当然3者のやりとりもありつつ、かなり作り込んだものとの印象もあり、それが
全編に渡り統一されているとなると、曲ごとの変化も楽しむといった要素も薄れ、この音楽が肌に合わないといった向きには、
キツいものとなってしまうのかもしれない。この「作り込む」ということは、決して悪い手法ではない、それを好結果に繋げた
例は、いくらでもあるし、作り込んでトータルなサウンドで勝負という考えも理にかなった手法だとは思うが、全ては、その
作り込んだことによる結果がどうなったかということだ。
Argentieri参加の別グループClover Trio の”Puppet Dance” の前記事でも書いたが、その作り込んだと思われる結果に、わず
かな不満も感じたのだが、本作では、ちょっとそこが過ぎたのかといった印象を持ってしまう。
この3人で、この編成、そしてその力量を考えれば、自由度の高いやりとりの中から大きな可能性も見えてくるような気がしな
いでもない。外野の人間が手法の面まであれこれ言うのもなんだが、外野だからこそよく見えるということもある。
一言で言えば、ちょっと堅いなあという仕上がりの一枚だ。
それでも、その音楽からそれとなく感じ取れる音づくりの過程での真摯な姿勢、そこには納得できるものもある。これは、他の
ものづくりの分野にも通ずることだが、音づくりの過程での姿勢は最終的に音楽という形になった時、その音に正直に現れるも
のだ。ここはごまかせない。どんな姿勢で創り上げていくのか、その過程が何よりも大事。まあ、結果は時の運ってこともある。
それでもM9の短いラスト曲でのArgentieri の自由なオルガンに射し込む一条の光を見た思いがする。

           

Jazz - organ 195
Category: organ (第2期)  

Clover Trio / Puppet Dance

 Benoist Raffin (drums)
 Damien Argentieri (organ)
 Sebastien Lanson (guitar)

 1. Nationale
 2. Gil's Mood
 3. Puppet Dance
 4. Détournement
 5. Clover's Flight
 6. I'll Cut You
 7. Lover Trio
 8. Lili

 GREEN NOSE PRODUCTIONS GNP002(2020)

フランスのオルガニスト Damien Argentieri参加の Clover Trio の初作 “Harvest” に続く2作目 “Puppet Dance”。
Damien Argentieri は、今現在の正統派の感性を備えたオルガニストとして注目してきた存在で、ちょうどブログ休業中でしたが、
こうして新作に出会えたこと、ラッキーでした。
内容は、前作に続きメンバー持ち寄りでの構成と思われます。

全体的な印象としては、前作が今の時代のスタンダードな guitar-organトリオと位置付けできるものとの捉え方をしていましたが、
本作では、ギターにエフェクト効果を加えたり、音楽の質感としては、よりコンテンポラリーなテイストを前寄りにシフトしてきた
との印象もあり、グループの音楽は多少なりとも前進していると思えるのは、気にしていた存在だけにうれしいものがあります。
全8曲統一感もありアルバムとしては、まとまっているとの印象がある反面、それが全体に作り込まれた感につながり、Jazzの
魅力である即興性がやや希薄との印象につながってしまうようなところもあり、その点ではより直感、瞬発力といった部分を活か
した音楽とすることにより、より魅力的な音楽になっていくとも、そしてそれを可能にする高い能力であるとも感じている。
Argentieri のオルガンには当初から惹かれるものがあり、米国系のコンポラオルガニストにも勝るとも劣らない技量とともに、
彼らには無いフランス、欧州圏に育ったという出自からくる感性の質の違いが音楽に微妙に影を落としているとも感じられ、その
あたりも魅力につながっているのかとも考えている。フランスにはEddy LouissEmmanuel Bexなど独自性もある高能力の先人
達やオルガン界では貴重なフリーまでカバーする感性の Antonin Rayon など、自身を高めるためには格好の刺激剤も存在し、
彼らとの接点も、もしかしたらあったのではないだろうか?

ベストは、M1。テーマ後の4ビートの展開から現代感覚溢れた Argentieri のオルガンがシャープなキレを見せる。それに続く
ギターにも前作から前に進んでる感があり、それはM5のバラード表現にも感じられる。
Argentieri は、プロ以前の初期過程では、おそらくクラシックピアノで基本を学んだ(推測?)と思われ、しっかりした技術面と
具体的に表面化した音楽の質感にもその名残が感じられると考えているが、そのピュアな感性に今後の過程で多様な言わば不純物
のようなものが絡みついていくことにより、音楽はより魅力を増していくとも思える。あくまで、私的な感覚だが、”Pure” な
Jazz は深い魅力に欠けるのだ。

低知名度で、アルパム売上も低ランクという彼らだが、内容は高レベルだ。

           

Jazz - organ 194
Category: guitar (第2期)  

越智巌 / Dem New York Dues

  越智巌 (guitar)
  Sam Yahel (organ)
  Anthony Pinciotti (drums)

  01.2020
  02.Red Moon
  03.Isn’t This My Sound Around Me?
  04LIsten to Me
  05.Dem New YorkY Dues
  06.Somewhere in The Night
  07.Everything Happens to Me
  08.Mr.B

  Recorded 2019, NY
  AGIP3664 (AGATE)

しばらくの当ブログ更新休止中に出会った1枚。
やはりしばらくオルガニストとしての露出がなかったSam Yahelのリーダー作ではなく参加作ということではあったが、迷わず
手を出してみた。
未聴のしかも曲目やら諸々の雰囲気から現在自分の求める方向性ではないと思われるギタリストのリーダー作ではあったが、何せ
Sam Yahelのオルガンということで流すというバチあたりな選択肢は微塵もなかった。

内容は、越智氏のオリジナル4曲、他はジャズメンオリジナルという全8曲。
オープナーの “2020” はリーダーオリジナル、予想通りのブルージー、アーシーなフレーバーも漂わせた王道系ど真ん中のギターと
いうことで、あのクールなYahelのオルガンが、一体どんな音をかましてくるのかと思いきや、ハイテンションでキレキレ、美味しい
フレーズ連発のソロは、Yahelの過去作でもあまりないほどのノリ。こういう職人的ワザも奥に隠していたんだね!
そんなスタートだったが、エンディングまで越智色一色、4ビート系も多くストレートな展開で適度にバラードもはさみつつ全曲
攻めに攻めたといった印象の一枚になっている。
また、B.Hutcherson曲のM3は、YahelのP.Bernstein, B.Bladeとのトリオによる初作 “Trio(1997)” でも印象的な1曲として記憶
しているが、本作でもそれに負けず劣らずのオルガンだ。
越智氏のギターは、当方の求めている方向性のものではなく、技術面でも多々気になる点はあったりするのだが、この終始エネル
ギッシュ、アグレッシブに汗の飛び散るようなギターワークは、共演者にハイテンションという効果をもたらし、Yahelのオルガン
から、その奥に隠し持っていたものを引き出しているようにも感じる。Yahelは、このオーソドックスな展開という中で、自分の
目指す音楽を創り出すという産みの苦しみから解き放たれ、自身楽しみつつの素のプレイからは、普段の彼のオルガンにはない
解き放たれたヌケの良い響きも感じられる。本作の方向性は、現在の正統派コンテンポラリーオルガニストともいえるYahelの
それとはかなり違うものなのだが、そんな中でも違和感がないどころか、全くそこに溶け込み同化してしまうオルガンは、彼の
柔軟性そして対応力の賜物ということなのだろう。
そして同化しつつも、前時代のオルガンとは異質でそこにかすかにそして常に漂う今を感じさせる空気感は、彼の奥に潜んでいる
コンテンポラリーオルガニストとしての感性でもあり、この紙一重の部分がなければ、単なる凡作になってしまう。
Yahelの理屈抜きで楽しめるオルガンが聴ける一枚としてキープしておきたい盤だが、自身のリーダー作では、自身の求める方向性
の中で現代のオルガニストとしてその能力を全解放してほしいと願うばかりである。

参考
 ●本作と同じような方向性を持ったカナダのギタリスト Jake Langley の “Here & Now(2008)” がある。Yahelがサイド参加
  のトリオ作というのも同じ。
 ●ライバル Gary Versace が、やはり王道系の中で、自身楽しむオルガンに徹した “Reminiscence(2006)”

          
          

          

Jazz - guitar 198
Category: guitar (第2期)  

Ancient Grains / Will Bernard

  Will Bernard (guitar)
  Sam Yahel (organ)
  Donald Edwards (drums)

  01.Dry Land Tourist
  02.Ancient Grains
  03.Five Finger Discount
  04.Pleasure Seekers
  05.Stove Valley
  06.Trilobite
  07.Boo Boo’s Birthday
  08.Mazurka Tree
  09.Temescal
  10.Right As Rain
  11.Wake Up Call

                             Recorded September 21,2019 at Acoustic Recording, Brooklyn, NY
                             POSITONE PR8221 (2021)

ギタリスト Will Bernard の新作だが、近年、ピアニストにシフトしたかのようにピアノでの露出が多く、本来のオルガニストとして
の状況が見えない気になっていた Sam Yahel をチェックすべく手を出してみた。
リーダーのWill Bernardは、やはりオルガンのBrian Charette絡みで過去に4作ほど聴いてはいたのだが、私的好みのクールな味わいを
持つ強いContempolaryテイストからは外れた感性ということもあり、サイドメンとしてそれをサポートする立場のYahelのオルガン
にはあまり期待はできないのだが…………………。

内容は、Monk曲の7を除いて全てBernardのオリジナルとなっている。
これまで聴いてきたBernardの過去作からは、微量のJazz Guitar伝統臭と現代の幅広い分野からの影も感じさせ、広い意味での
Contempolary系と言ってもいい感性と受け止めていたのだが、本作では伝統回帰というほど大げさなものでもないが、多少そちらの
方向寄りのテイストとの印象もあり、音楽もストレートなタッチのものが多く含まれている。
根っこのところにアーシー、グルーヴィー、ブルージー時にレイジー、ダル……………といった味わいを持つBernardのギターに対し
サイド参加のクールでタイトな表現で強いコンテンポラリー臭が持ち味のYahelのオルガンがうまく機能していくのかとの危惧もあった
のだが、Yahelは、それにどっぷり浸かり従来路線のブルージー、アーシーなオルガンにすることもなく適度な微調整とともにクール
に対処しており、この辺は進化ということではないが、上手くなったとの印象を持った。
そんなYahelのシゴトが、Bernardの流儀の中で本来のタッチを十分に出しきれないといったもどかしさはあるものの、本作を全体とし
てコンテンポラリー系guitar-organトリオ作として認識できる要因としているようだ。サイドとしては、Edwardsと共にいいシゴトを
したということかな。
全体的に3~5分台の曲が多く小品集といった内容だが、M9での速い展開の4ビートでストレートに快調に飛ばすオルガンやM2での
アーシーなギターとクールなオルガンの対比……………など、曲構成もバラエティーに富み、なかなか楽しませてくれる1枚になって
いると思う。

振り返ってみれば、Yahelはオルガニストとして強いコンテンポラリー色を持ったギタリストとの絡みが少なく、これは自らが選んだ
道なのかはわからないが、この点では自身の開拓には、あまり良い時間を過ごして来なかったとの印象も持っている。唯一、10年以上
前になるが、Mike Morenoを従えての “Jazz Side of the Moon(2008)”といったアルバムもあったが、内容的には、楽曲重視で創り
こまれたといった内容でもあり、感性のやりとり、ぶつかり合いもある丁々発止の展開ではなく共演者の感性を自身をより高みに持っ
ていく刺激として十分に受け取れたかといえば?だ。
自身の先を行く感性との絡みを積極的に求めてゆく姿勢がないと、なかなか前には進めない。厳しい言い方になってしまうが、本作で
のこういった方向性、コンセプトを持ったギタリストとの絡みからは、いくら数をこなしてもYahel自身の進化はイメージできない。
こだわるべきはそこだ。頼むよ Yahel!

Jazz - guitar 197
Category: organ (第2期)  

Toy Tunes / Larry Goldings

 Larry Goldings(organ)
 Peter Bernstein(guitar)
 Bill Stewart(drums)

 1.Fagen
 2.Don’t Ever Call Me Again
 3.Lullaby for B
 4.I’m in the Mood for Love
 5.And Now the Queen
 6.Toy Tunes
 7.Calm
 8.Maybe

 Recorded February 15 & 16, 2016 at Kyberg Studio, Oberhaching
 PIROUET Records PIT3100 (2018)

長年続いてるお馴染み3人による 0rgan-Guitarトリオ作ということで、そこにCD購入時にある新しいものとの出会いでの発見という
ような期待感も薄れ、GoldingsとBernsteinのリーダーチェンジ作も含めこのトリオによる過去作はほぼ聴いてきたという当方だった
が、やっぱり手が出ず、その流れもストップしたままになっていたのだが、そこはそれ長年の付き合いもあるよしみということで結局
手を出してしまった。これこそがマンネリというか腐れ縁というか、はたまた意志薄弱の極みというのか……………?????

さて、そんなことで内容の方は、安定のプレイで、すべて予想通り概ね良好といってもいいデキだと思う。内容から星4つというとこ
かな。しかしながら、当方が新CDとの出会いに求める新たな発見といった要素は希薄で星4つの満足感は全くなく、その点残念だ。
ということで、そんな本作購入もいい機会でもあり、ここでLarry Goldings(B1968)というOrganistの現在までを振り返ってみたい。 

20代から活動していたGoldingsが、次代の感性を持ったOrganistとして広く世に知られるきっかけとなったのは、
Time is of The Essence / M.Brecker(Rec.1999)”あたりだろう。時は世紀末、御大 Smith の影響から抜け出せず、Organと言えば、
黒っぽいものといった固定された観念に縛られ、Organ Jazzといった特別のくくりで語られ、どうにも動きのとれない閉塞感もある時代
だったと思う。革命家とは言えないまでも、来るべき新世紀のスタンダードな Organ として、そのフレッシュな感性を見せてくれたの
が、この Goldings だったのである。私的には、Smith時代の終焉にトドメを刺したのがこれだったのかとの印象もある。
以来、新世紀の感性を持ったOrganistとして、さらなる進化も期待しつつ、ずっと追尾態勢を維持してきており、本作のこのトリオに
ついてもほぼチェックしてきたつもりだが、当初感じていた新鮮味は薄れ、全てが予測の範囲で事が進むという状況には、ちょっと複雑
な思いも残るが、20年以上も同じメンバーで演ってれば、それもなるべくしてなった結果だということだろう。Goldings自身もその辺
は間違いなく感じていたはず。3人の手練れによるシゴトということで常に一定レベルの内容は維持できてしまうということ、そして
そこに諸々のしがらみも重なり、なかなか思い切った決断に至らないという状況は、優柔不断な当方にもよくわかるのだが、当初特に
世紀の変わり目前後に感じられた新時代にふさわしい彼が持っていたフレッシュな感性は、だいぶ鮮度が落ちてきた感もある。
この鮮度を保つには、決して先端の音を開拓していくというほどの事でもないがコンテンポラリー系Organistとして、新時代のスタン
ダードになるようなOrganを継続的に追っていく必要がある。そして自身の感性の開発には、他の新しい感性との接触による刺激も不可
欠だ。この部分でこのトリオは、ちょっと馴れ合い、惰性でやってきた時間が長すぎたと思う。それにGoldingsの立場から見れば、メン
バーの人選も大きく関わってくるので、目指す方向性に向かうべく刺激、アイデアそしてヒントを得られる相手が必要だ。前にも書いて
きたことだが、Bernsteinというギタリストは、私的にも評価できるギタリストでもあり好きなギタリストだが、Goldingsの進むべき
音楽的方向性を考えれば、ちょっと違うと思う。そこに進化に必要な化学反応はイメージすることができないのだ。まあ、この辺りは
彼自身も当然感じてきたことではあろうけれど、傍目で見てきた当方としては、その過ぎ去った長い時の流れが何とも勿体ない。
新しい感性との出会いを積極的に求め、リスクを恐れずチャレンジしていく姿勢を継続的に維持できなければ、成し得ないことだが、
コンテンポラリー系オルガニストとして、先の時代につながるような何らかの成果を出すのがシゴトというものだろう。
振り返れば、彼の感性が最も際立っていたのは、世紀の変わり目あたりから2000年代前半あたり、4x4/Carla Bley(2000)、
As One/L.Goldings3(2000)、Keynote Speakers/B.Stewart3(2002)、Saudades/Trio Beyond(2004)…………といったところ。
もし、もう少し早い段階で自身の開発のために勇気をもってチャレンジする姿勢があったなら、結果はだいぶ違っていただろうとも
思えることが残念だ。Goldings もすでに50代前半、タイムリミットもすぐそこまで来ている…………………。

本作(Toy Tunes)についてだけの記事のつもりだったが、横道に逸れ始めたら、当方のこうあってほしいといった期待感なども入り、
一気に流れは変わってしまい、なんだかまとまらない話になっちまった。まあ勝手なことも書いているが悪しからず。

Jazz - organ 193
Category: guitar (第2期)  

Rez Abbasi / Django-shift

Django-shift.jpg
 Rez Abbasi(fretted and fretless acoustic guitars)
 Neil Alexander(organ, electronics, synthesisers)
 Michael Sarin(drums)

 1.Diminishing
 2.Swing 42
 3.Heavy Artillery
 4.Django's Castle
 5.Anniversary Song
 6.Cavalerie
 7.Douce Ambiance
 8.Hungaria
 9.September Song

 Recorded February 6 & 7, 2019 at Samurai Studios, Queens, NY
 Whirlwind Recordings WR4762 (2020)

パキスタン出身のギタリスト Rez Abbasi(レズ・アバシ B1965) は、コンテンポラリー系でも個性派と言える感性の持ち主、近年では
ややフリー寄りのプレイも見せるなど、好みのギタリストとして “Snake Charmer(2003)” で出会って以来、ほぼ聴いてきたという
ギタリスト。
一方、本作のテーマとなっている “Django Reinhardt” もその昔、独特のスピード感と哀感もあるギターでスウィングさせるサウンド
には惹かれた時期もあったというギタリストでもあり、聴く前の印象として、どうも両者の感性が結びつかないといったイメージも抱い
ていたのだが、本作は、カリフォルニアで開催された”ジャンゴ・フェスティバル”で依頼され始動したプロジェクトがきっかけとなって
いるらしい。

Django縁のナンバーが並ぶが、Abbasiのプレイは、現代的でクールでもあり、やはり個性派らしい独特の世界になっているのがAbbasi
らしくもあるが、随所に感じられる沈んだトーンのタッチにどことなくDjangoを感じさせるものもある。
そういった世界観の表現もあるのか、Abbasiのギターは、基本アコースティックなサウンドで通しており、それが本作のイメージにも
大きく関わっているような気もする。
逆にキーボードのNeil Alexanderは、曲によりSynth.も多用したエレクトロニクスを駆使したサウンドとしているのだが、これがAbbasi
のアコースティックな味わいのギターと真逆の電気的に処理した音とあって、はて、どうなることやらとも思えたのだが、音楽は不思議と
調和も見せ、本作の適度なレトロ感もありつつ現代的でもあるという本作の独特のイメージを決定づけるものとしているようだ。
ただ、私的にはやや細工過度といった印象もあり、この辺、キーボードは、真正面からアナログ感もあるハモンドでストレートに勝負し
た方が、本作にやや微量に漂うキワもの感も薄れ、真っ当なコンテンポラリー系Guitar-Organトリオ作としておさまった気がしないで
もない。もっとも Abbasi は、その”真っ当” という価値観とは距離をおいたところにいるギタリストかもしれないが……………。
そんなことで、特に表現手法面での多少の不満なりはあるものの、Djangoを扱った作としては、地味ながら総じて個性派 Abbasiらし
い1枚になっていると思う。音の表情を巧みにコントロールするKeyb.のNeil Alexanderの知的なプレイも貢献度大と見るべきだろう。

Emmanuel Bexを思わせるようなトーンコントロールでのSynth.のコードプレイをバックに抑えぎみにクールにヒートしていくAbbasi
のギターが良い M4 のBallad。
テーマ後のソロでは、4ビートでクールに押す Abbasi のギター、それにブラス風tun. で応じるKeyb. も良い M6…………など、ハデさ
とは無縁の内容にちょっとだけ心惹かれる、そんな1枚だ。

Jazz - guitar 196

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