前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: organ (第2期)  

Zeppetella Bex Laurent Gatto / Chansons!

  Fabio Zeppetella (g)
  Emmanuel Bex (org, voc)
  Geraldine Laurent (as)
  Roberto Gatto (ds)

  WJ 113 (jando) 2017

  01. E La Chiamano Estate
  02. Bocca Di Rosa
  03. Buona Notte Fiorellino
  04. A Me Me Piace O' Blues
                      05. Napule È
                      06. Luna Rossa
                      07. Avec Le Temp
                      08. C'est Si Bon
                      09. L' Été Indien
                      10. Les Temps Des Cerises
                      11. Le Bon Dieu

フランスのオルガニスト Emmanuel Bex(B1959)は、90年代に出会って以来、ほぼ全作聴いてきている。もっとも他のコンテンポラリー系の主な
オルガニストについても同様なのかもしれないが、この Bex については、特に90年代に出会った1枚のアルバム(”3” 1998)、中でもある1曲が、
自分の中での彼の高い評価を決定づけてしまい、その爆発的プレイは、自分のOrgan史の中でも特別の1曲として刻み込まれており、私的には、コン
テンポラリーオルガンを語る上では、外せない一曲となっている。そんなことで、以来、常にレーダー圏内においてきたオルガニストでもあった。
本作での Zeppetella Bex Gatto の3名については、過去 “A Tribute to Wes Montgomery(1998)” にて共演歴もあり、その後も度々共演も
ある周知の仲、今回はそれに気鋭の女流アルト奏者 Geraldine Laurent の参加も目を引く。
本作は、共同名義作ということになるのだろうか? リーダーもはっきりしないし、一応 Emmanuel Bex目当てのゲットでもあったので、カテゴリー
“organ” の記事とします。

本作は、シャンソン縁の曲を題材としているようで、フランス人である Bex や Laurent にとっては、昔からよく接してきた曲ということなのかも。
こういったコンセプトのアルバムにありがちな、ヘンな方向に偏ってしまい、Jazzのスピリットも希薄にといったことも、ちょっと心配したが、個性派
Bex のこと、普通にJazzではないものの、十分にJazzとなっていることに、まずは安心。

形としては、ZeppetellaのギターとLaurentのアルトをフロントに配して、Bexのオルガンがバッキングそしてソロに全体をコントロールしつつの
音楽は、Bexの感性が色濃く出たものと感じられ、コンポーズ面ではBex中心のユニットといった印象も持つ。
他の誰でもない、極めて個性的な感性の持ち主である、Bexのオルガンは、 他のコンポラ系オルガンの流れの主流ともなってきた主に米国系の
Goldings, Yahel, Versace.........といったコンポラ系の本道を行くスタイルからは、外れた道を歩んできており、今後も本道に合流してくるような
流れにはならないだろうと予想している。
そんなBexなので、通常のJazzの感覚、あるいは他のオルガニストによく見られるブルースの感覚といったものは、一切、持ち合わせていないので
はと思われる方もいるかもしれないが、前述のアルバム “3” 中の一曲では、濃厚なブルース感覚を放出し、周囲の空気まで振動するかのような
重低音のハモンドが炸裂するのには、かなりのインパクトがあった。個性派ではあるが、Jazzオルガニストとしての基本のところは、しっかり通過して
きており、その上での現在の形というのも確認できる。未聴の方は、問題の一曲 “Where?” とともに、ぜひ体験をおすすめしたい。なぜ、 Bex なのか、
一発屋と勝手に言ってるが、その彼の高い能力が最も高みに達した瞬間をとらえた一曲である。

本作から話が逸れてしまったが、けっしてまずくはない、が、いい時のBexを記憶している身としては、やはりちょっと物足りないものがある。
Zeppetella のギターは、澱みない流れを作り出し巧いのだが、個性派 Bex の音楽の中では、そのソツなく、クセなくといった部分が、やや負の要素
として感じてしまうところもある。

その他の Emmanuel Bex 関連作は → こちらから

JAZZ - organ 191
Emmanuel Bex
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Category: guitar (第2期)  

Gene Segal / Matter

  Gene Segal (g)
  Jon Irabagon (ts)
  Sam Sadigursky (cl, bc)
  Sean Conly (b)
  Jameo Brown (ds)

  Recorded December 3, 2014
  SCCD33121 (SteepleChase) 2015

  1. Faint Memories of Home
  2. Ordinary Matter
  3. Mood
                      4. Vortex
                      5. Patiently
                      6. Waiting
                      7. Strange Matter
                      8. Morph
                      9. Sun King

ロシア出身、幼少期に米国移住というギタリスト Gene Segal の2015年作。
前作 “Mental Image” とは、同じメンバーながら Irabagon は、asからtsに、そしてtsとcl系を担当していた Sadigursky は、cl系に専念するといった
楽器担当に変更がある。

g と cl のテーマから始まる冒頭曲、中東を思わせるようなライン、そして一瞬だが、あのジャンゴ・ラインハルトを思い出させるような響きも交えての
Segal のギターソロがなかなか良い。いきなり本作中の魅力の一曲が飛び出してしまった感じだが、コンテンポラリー系ギタリストの中心として
Metheny やら Rosenwinkel あたりを通過してきたといった感性のギタリストに関心が集まる中、こういったそれ系とは、異質の個性ある感性は、
貴重な存在だ。
シングルトーンで押しまくるだけのギタリストではない。コードプレイも多用しつつ、時には浮遊感ある表現、そして時にはエフェクトも加えてワイルドに攻める
M8 “Morph” など、加えて曲調もバラエティに富むなど、多彩なものがある。一瞬だが、Scofield を感じる響きには、通り過ぎてきた過去もイメージされる。
細かくチェックしていけば、もちろんそれなりの個性も感じられる多くのコンテンポラリーギタリストだが、一歩引いて大きな目で見れば、大同小異と
いう感じもなくはないという中で、そんな大きなメインの流れとは、どこか異質という感性は、生まれという血の部分も関係しているかは、わからないが、
やっぱり魅力だ。個性派として、大事にキープしておきたい存在だ。うまく伸びていってほしいね。

Irabagon と Sadigursky も良好だが、本作では、cl系に専念したSadigurskyの存在感が目立つ。
Conly - Brown のリズムセクションも良し、今後もリリースがあるかは、わからないが、次作も聴いてみたくなるユニットだ。

JAZZ-guitar 183
Gene Segal
Category: guitar (第2期)  

Nigel Price / Hit The Road

  Nigel Price (g)
  Pete Whitaker (org)
  Matt Home (ds)
  Vasilis Xenopoulos (ts - 9)

  Recorded in London in February of 2013.
  33JAZZ241 (2014)

  1. Hit The Road
  2. Up Jumped Spring
  3. Chelsea Bridge
  4. Lover Man
                      5. Dreamsville
                      6. Go!
                      7. Detour Ahead
                      8. Bizzy Bee
                      9. Hot Seat (Chas’s Chair)

Nigel Priceは、英国の British Jazz Awards でベスト・ギタリストに選出されていたことなどもあり、名前だけは記憶していたのだが、おそらく今、自分
が求めている方向性のギタリストではないとの推測もあり聴いたことはなかった。が、未聴のオルガニストが入っていたこともあり、2人同時にチェック
もでき、知るには、ちょうど良い機会ということで手を出してみた。
毎度のことだが、この知らない人の音を聴くというパターンが、楽しみとなっている。なので、何が飛び出すかわからないという期待感が薄れるということ
もあり、試聴しての購入はしない。博打買いを原則としている。ハズレも多いが、それを含めての楽しみと考えている。

Price のオリジナルは4曲、他の曲目の状況などから予想していた通りのストレートに押しまくる見事なほどの王道系ギターだ。
このパターンだと、何か新しい発見という点では、期待薄になってしまうのはやむを得ないのだが、あとはいかにノリ良く、気持ち良く楽しませてくれるの
かといったあたりがポイントになる。
Price のギターは、ベストギタリスト選出歴もあるだけに、なかなか巧みだ。細かなピッキングも寸分の狂いもない。バラード系の曲になってもダレないし、
ブルージーに良く歌っている。元をたどれば Wes あたりにたどりつくといった感性なのかな、間に挟んでくるオクターブもそんな感じだし。
かつて、自分も通ってきた道だが、巡り巡って今、自分が求めている方向は違うものになってしまい、積極的にこの伝統に回帰するということもないのだが、
それは決して伝統を軽視しているというわけでもなく、表面には出てこなくても奥の方にしまい込んでいるような感覚は自覚しているし、さらに前の時代に
のめり込んでいたブルースの感覚はすっかり奥の奥まで染み込んじまって、何をもってしても洗い落とすことは不可という感じだ。
この染みついた特にブルースの感覚が、後のいろいろなJazzとの出会いの中で、当初は、白人系ミュージシャンの感性に拒否反応を出したりの悪さを
はたらくことになるのだが、逆に白人系ミュージシャンの音に関心を持ち始めると、その奥に潜んでいるブルースの感覚が邪魔になり、排除しようとする
心の葛藤があったりと、まあ厄介な代物だ。振り返ってみればJazzに入ってからの10年、15年は、そんな葛藤の繰り返しだったように思う。
まあ、その辺は話が長くなってしまうので、やめときますが、かつてよく聴いていた王道のJazzも、今は自分が求める方向性もだいぶ変わってしまい、聴く
機会も極端に減ってしまっては、いるのだが、それでも聴くことはあるし、強く反応するものもある。ただ、この反応するもの、しないものの違いは何なの
か、自分でもことばでは、うまく説明できないような部分だ。
本作の内容も、あまり書ける要素が無いといった内容ということもあり、話をヘンな方に引っ張ってしまったが、Price のギターは、技術面では何の不満も
無いのだが、音楽には反応できなかった。今回初となるオルガンの Pete Whitaker も同じような印象を持った。ただ、Whitaker については、あくまで
ギタリスト Nigel Price の音楽の中でのプレイなので、これが彼本来の感性であるのかはわからない。
本作も、仮に20年前、30年前に出会ったとしたら、その受取も全く違ったものだったと思うが、自分の感性も多くの新種の感性との出会いから、時の流れ
とともに変化してきており、それが生きるということだろう。

本作も、今現在の自分の求める方向性とは違うが、そこを離れてフラットな目で見れば、Jazzの王道を行くギター・オルガントリオとしては、上質の一枚に
なっているのではないだろうか。

JAZZ-guitar 182
Nigel Price

Category: Other Instrument  

Machine Mass / INTI

 Michel Delville (g, Roland GR09, electronics)
 Tony Bianco (ds, loops, perc)
 Dave Liebman (ss,ts, wooden flute)
 Saba Tewelde (vocal-7)
 Recorded at Red Rock Recording Studios, Saylorsburg, PA(USA), October 10, 2012
 MJR060 (Moonjune) 2014
  1. INTI
  2. Centipede
  3. Lloyd
  4. In a Silent Way
  5. A Sight
  6. Utoma
  7. The Secret Place
  8. Elisabeth
  9. Voice

MachineMass-2.jpg

2011年の グループ“Machine Mass”としてのデビュー作”As Real As Thinking”からのメンバーであるドラマーの Tony Bianco とギタリスト
の Michel Delville に 新しくサックスに Dave Liebman 参加という、興味深い面々を揃えての2作目。
M4のおなじみZawinul曲を除いては、メンバーのオリジナルとなっている。

sax系とギターの入ったベースレストリオというつもりで、聴き初めたが、すぐ気がつくのは、けっこう生々しく入っているベースとキーボードのような音。
楽器クレジットには、表記されていないので、これはたぶん Tony Bianco の操作する loops によるものなのか?
彼ら3人のプレイによる生音とPCプログラミングなどを混合したサウンドには、全く違和感は無く、まずその点での高いレベルには、感心するものがある。
この手のものを非人間的なものとして拒否反応が出るという人も多いが、要は、それをいかに使っていくかというソフトの部分がカギであり、あくまで
使う人の問題で、結果もその音創りの姿勢に左右される。

形としては、メンバーからフリーなものもイメージするかもしれないが、完全フリーな部分はなく、至って真っ当な内容だ。コード数も抑えて、基本の
ところはシンプルに、その分ソロパートにより自由を求めたといった印象。

Tony Bianco のLoopsと終始、緊張感を持続させていくかのようなドラミングをベースとして、そこに絡んでいく Liebman のサックスと Delville の
ギターの奔放な動きからは、尽きることのないイマジネーションとともに、その音世界には、鋭利で精緻な構築美も感じられる。
Delville のギターのエフェクトも、曲調に合わせて単に音色に変化をつけるというレベルではなく、音楽表現の手段として自在に使いこなしている感も
あり、この辺は Bianco のLoopsの扱いと同じような感覚を覚え、3者の絡みも極めて高いレベルでの以心伝心が感じられる。

M4 “In a Silent Way” での和あるいはオリエンタルな質感もあるLiebmanの木笛そして一部、琵琶を思わせるようなDelvilleのギター、この緊張感
が持続していくスローな流れにゾクっときた。

M7 “The Secret Place”、vibを思わせるような音でスタート、そこにギターが絡んでいき、続いて中東でも思わせるようなラインの vocal が入り、独
特な美の世界が広がる。

等々、捨て曲なし、全編高密度の一枚になっている。もちろん私的には、星5つ。

JAZZ-other instrument 41
Machine Mass

Category: sax (第2期)  

David Murray / Ballads

DMballads.jpg  David Murray (ts)
  Dave Burrell (p)
  Fred Hopkins (b)
  Ralph Peterson Jr. (ds)

  Recorded at A&R Recording, New York in January, 1988
  DIW-840 (1990)

  1. Valley Talk
  2. Love in Resort
  3. Ballad for The Black Man
  4. Paradise Five
                      5. Lady in Black
                      6. Sarah’s Lament

David Murray(B1955)の Ballad集。同じ Murray のBallad集としては “Lovers” があるが、同メンバーで同時期に録音したものである。
本作は、Ballad集としてのタイトルもついているのだが、厳密に言うと、ラテンタッチで、Balladなのかな?といった曲など、2〜3入ってはいる。
もっとも Murray の場合は、Ballad の雰囲気でスタートしても、テーマからソロに入っていくと、ヒートするとともにしだいにテンポも速め、
奔放にブロウするといった展開も多く、そんな、あまり形にこだわらない自由なところも Murray らしさということなのだろう。

Murray曲3、Burrell曲2、Peterson曲1という内容。
人の受け取り方は様々だが、私的には、Murrayの Ballad の魅力は、アドリブ部分に凝縮されているように思う。これは Getz がテーマ部分
を、ただストレートに吹いただけで、それはもう見事な歌にしてしまうのとは、全く違った印象を覚える。
Murray の場合は、テーマからアドリブに入っていくとスイッチONになったように、音は自由に飛び、奔放なソロ展開となるのが彼のスタイル。
そんなエモーショナルに起伏ある展開も見せるのだが、そんな流れの中でも、決して己を見失うことない自らを俯瞰視する眼を持ち、ヒート
しつつも、クールに音をつなぐ、いい意味での冷めた制御機能も持ち合わせている。
また、音楽には、彼が黒人であるというルーツの部分を、常に感じさせる何かが流れており、それは聴き手の好みを分ける部分になっているの
かもしれないし、広く多くの人に受け入れられない部分ともなっているのかもしれない。
個性派というのは、すなわちそれを強く支持する人と嫌う人に大きく分かれ、中間層が比較的少ないといった傾向がある。どこの世界も
同じだな........................。

JAZZ-sax 90
David Murray

Category: piano (第3期)  

Jamie Saft / Loneliness Road

 LonelinessRoad-2.jpg

Jamie Saft (p)
Steve Swallow (eb)
Bobby Previte (ds)
Iggy Pop (voc - 4, 9, 12)

Recorded at Potterville International Sound, NY
RNR077 (RareNoise) 2017

01. Ten Nights
02. Little Harbor
03. Bookmaking
04. Don’t Lose Yourself w. Iggy Pop
05. Henbane
06. Pinkus
07. The Barrier
08. Nainsook
09. Loneliness Road w. Iggy Pop
10. Unclouded Moon
11. Gates
12. Everyday w. Iggy Pop

各種キーボードのプレイヤーとしての顔以外にも作曲、プロデュース、エンジニア............加えて振り幅の広い音楽と、マルチな才能も感じさせる
Jamie Saft(ジェイミー・サフト)のRareNoise からの同メンバーによる 2014年作 “The New Standard” に次ぐ2作目。
今回は、その基本のトリオに Iggy Pop(voc) がゲスト参加。その3曲の参加曲が Saft と Pop の共作、他は全て Saft のオリジナルとなっている。

フリー系ミュージシャンとの交流も多く、その創り出す音楽も、ひとひねりある屈折したものも感じさせる Saft だが、前作では、意表をついて、4ビート
でストレートに押すプレイに、逆に新鮮な何かも感じさせる魅力の一枚になっていたのだが、本作も冒頭曲から4ビートでグイグイ引っ張る展開には、
爽快感すらある。このトレモロなどの使い方には、感性としては違うが、どこかMcCoy Tynerや Harold Mabern、日本だと本田竹曠などにもどこか
通じるような形も感じられるが、何かそんな、今では少数派となったスタイルも懐かしくも新鮮に感じられるところなのかもしれない。
アルバムの冒頭曲だけに、4ビートの印象も強くなってしまうが、全体のつくりとしては、他にストレートに4ビートでやっているものは1曲のみ、その他、
バラード風、スローブルース、Pop が入ったボーカルナンバーなどバラエティーある内容となっているのだが、特にスローな展開のナンバーなどに、
微妙に漂うスピリチュアルなテイストが、本作における Saft のピアノに流れており、後で思い出した時にそれが本作のイメージにもつながっている
ようにも思う。このスピリチュアルというのも、昔、よく聴かれたものだが、それをそのまま持ち出してきたわけでもなく、あくまで今を生きる Saft の
現代の感覚を通して処理されてきたものなので、そこに古くさいものは無く、その音楽からは、伝統的なものと今をとりまく現代的なものからの取捨
選択、そしてマルチな活動を通してきた Saft のオーソドックスに4ビートをやっても、けっして平凡にしないといったセンスも感じられるのだ。

フリー系の曲者との絡みから、いかがわしくもダーク、ダーティーといった響き、時には解析不能となるような衝撃波まで繰り出してくる Saft だが、
このユニットに関しては、前作もそうだったが、比較的オーソドックスにノーマルに真っ当な攻めをするという位置づけのユニットのようだ。
他作での Previte のドラミングがインプットされている自分には、別人に聴こえてしまうような、真っ当さだw

某ショップの、新譜紹介欄には、Saft の担当楽器として organ もクレジットされていたので、その辺も楽しみにしていたのだが、何度か繰り返したが、
organ らしき音は、確認できなかった。また、ジャケットの方にも organ のクレジットは、確認できなかった。

その他の Jamie Saft 関連作は → こちらから

JAZZ-organ 90
Jamie Saft    

Category: oldies  

My Reverie (from “Tenor Madness”) / Sonny Rollins

  Sonny Rollins (ts)
  John Coltrane (ts - 1)
  Red Garland (p)
  Paul Chambers (b)
  Philly Joe Jones (ds)

  Recorded in Hackensack, NJ, May 24, 1956.
  OJCCD124-2 (Prestige)

  1. Tenor Madness
  2. When Your Lover Has Gone
  3. Paul’s Pal
                      4. My Reverie
                      5. The Most Beautiful Girl in The World

あのJazz史に残る Rollins の名作 “Saxophone Colossus” とは、ほぼ同時期(3ヶ月ほど前)の録音となる本作は、1曲のみだが、 Coltrane が
ゲスト参加したことでも当時、話題となった盤。
本作中の Ballad M4 “My Reverie” は当時、お気に入りとしていた一曲。
Ballad だが、甘さに走ることなく、スケール感ある広がりと、豪放且つ力強い歌いっぷりが、まさに Rollins の Ballad だ。
こうしてあらためてこの当時の Rollins のBalladを聴いてみると、アドリブでありながらもキレイにバランスのとれたラインは、まさに絶好調という
感じがするし、しかも、どれもがすぐ Rollins とわかるような独自のスタイルを持っていることは、私的に高ポイントのテナーマンとしているところ
だろう。

            

JAZZ-oldies 21
Sonny Rollins
Category: piano (第3期)  

Dan Kaufman / Familiar Places

  Dan Kaufman (p, B3 organ)
  Johnathan Blake (ds)
  Matt Clohesy (b)
  Gilad Hekselman (g)
  Sam Sadigursky (sax)
  Keita Ogawa (perc)

  Recorded January 2014 in Brooklyn, NY
  RPR 14599-4418-2 (RedPianoRecords)

  1. Windshadow
                       2. Kuumba
                       3. Cross Check
                       4. Danse Song
                       5. Falling Petals
                       6. Familiar Places
                       7. Dew Eye
                       8. Farmington      All Compositions by Dan Kaufman

リーダーのピアノとオルガンを担当している Dan Kaufman については、初めてで、素性などわからないながら、dsにJohnathan Blake、そしてギター
にGilad Hekselman などのクレジットもあり、手を出してみた1枚。Sam Sadigursky は、Gene Segal のアルバムにも参加していた。
Dan Kaufman について軽く調べてみたら、TZADIKレーベルなどでユダヤ系バンド “BAREZ” を率いて、ギタリストとしての活動もしているらしい。
ということは、Hekselman などは、ユダヤコネクョンといったこともあっての参加となったのか?
そんなことで、リーダーの Kaufman は、ギタリストとしての顔も持っているいることは、わかったのだが、本作で担当しているピアノ、オルガンなど、
いったい何を本業としているのか、得体のしれない人物ですが、まあ、肝心なのは音楽、早速聴いてみよう。

Kaufman の率いる前述のバンドでは、ロックテイストもありのバンドらしいという情報もあったので、本作もそういった要素も含んだちょっとラフなテイ
ストの音楽もイメージしていたのだが、聴いてみれば、イメージしていたものとは、だいぶ違い、繊細感もあるコンテンポラリーテイストの至極真っ当な
音楽をやっている。
その真っ当な音楽で、ちょっとテンションが落ちたというのもヘンな話だが、若手中心でオルガンなども使っているとなれば、ちょっとラフなテイストも
あり、イキのいい野心もある音楽といったものも期待していたのだが、その点では、ちょっと残念。
とは言え、音楽は、地味な印象は、あるものの、まずまずの出来だ。
Kaufman のピアノは、デリケートなタッチも印象的で技量面を含め片手間感は無く、やはりこれが本業といった質の高さも感じる。ただ特別に印象に
残るようなストロングポイントが無く、後でどんなビアノだったかと考えた時に、イメージしにくい、そんな個性面の物足りなさは、多少残る。
気になっていたオルガンは、2曲で効果音的に使うのみということで、ちょっと残念。

Gilad Hekselman については、リーダーの音楽の質感に合わせてということもあるのかもしれないが、まずまずの出来という印象ではあるものの、これ
までの米国でメジャーデビューしてから10年程というキャリアを考えると、もうちょっといけるんじゃないかというような感覚も残る。
同じイスラエル出身のギタリストでは、方向性の違うOz Noyなどは、別にして正統派としては、Rotem Sivan や最近、コンポラ寄りにシフトしてきた、
Yotam Silberstein などの中でも、若手コンポラ系ギタリストとして、最も早くから注目されてきた存在だったはずなのだが...............
巧さは感じるのだが、それがそのまま音楽の魅力につながっていないような感覚があり、それがどこかコギレイにソツなくといった負のイメージにつな
がってしまうようなところも感じている。M3やM8などオルガンを使用して、ちょっとラフなタッチも欲しい曲では、エフェクトの効果も加え、ワイルド
に攻める姿勢は見せるのだが、どこかハメを外しきれない、優等生といった印象も残る。
キャリアを考えれば、そろそろ次のステップの形も見せてほしい Hekselman 、好結果を期待したい。

JAZZ-piano 89
Dan Kaufman

Category: sax (第2期)  

Archie Shepp / Ballads for Trane

BalladsForT.jpg  Archie Shepp (ts, ss)
  Albert Dalley (p)
  Reggie Workman (b)
  Charlie Persip (ds)

  Recorded at Long View Farm Recording Studio, May 7, 1977, North Brookfield, Massachusetts.
  DC-8570 (Denon)

  1. Soul Eyes
  2. You Don’t Know What Love is
  3. Wise One
  4. Where Are You?
                      5. Darn That Dream
                      6. Theme for Ernie

Archie Shepp(B1937)が、師匠 Coltrane没後10年という節目の年に吹き込んだ Trane縁の曲により、彼に捧げたBallad集、Shepp ちょうど
40才時の作。
Shepp は、初期に “Four For Trane (1964 Impulse)” そしてTrane死後わずか3ヶ月という時期のドイツ Donaueschingenでのライブ盤
“Live at The Donaueschingen Music Festival (1967 SABA)” という、やはり本作同様に Coltrane に捧げる意もあるアルパムを出しており、
SheppにとってColtrane がいかに大きな存在であったかも伺い知れる。

そんな意味もある本作だけに、Shepp のメンタル面もいつにない充実を見せており、何かを確かめるかのように丹念にラインを辿りつつ、歌い込ま
れるTrane縁の一曲、一曲には、濃密に詰まったSheppのほとばしる思いも感じられる。
特にBalladで見せるSheppの豊かな感情注入力には際立ったものもあり、静の中にも時折、抑えきれなくなった激しいエモーションの吐出も見せ、
静かにそして激しく、緊張感を保ちつつも、奔放に紡ぎ出される起伏に富んだラインは、極めて味わい深い、Ballad集としている。
リラクゼーションに満ちたBalladではなく、張りつめた空気が漂う心地良さであるところが、40才時のSheppのBallad集らしい。
同じBallad集では、約20年後の Venus における4部作中の一枚 “True Ballads” とともに、私的には常に一軍帯同を認めてきた2枚である。

小細工なし、テナー一本で勝負するといったあたりも魅力な Tenor Ballad だが、この “You Don’t Know What Love is” も、間にピアノソロを
挟むこともなく、甘さを押し殺して一気に吹ききるリラックスや癒しといった世界とは無縁の Ballad は、厳しくも美しい。

            

JAZZ-sax 89
Archie Shepp / Ballads For Trane

Category: Gallery > Photo  

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