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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

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Category: sax (第2期)  

JD Allen / Love Stone

  JD Allen (ts)
  Liberty Ellman (g)
  Gregg August (b)
  Rudy Royston (ds)

  Recorded at Systems Two Recording Studio, Brooklyn, NY on January 9, 2018
  SCD2169 (SAVANT) 2018

  1. Stranger in Paradise
  2. Until the Real Thing Cimes Along
  3. Why was I Born
  4. You’re My Thrill
  5. Come All Ye Fair and Tender Ladies
  6. Put On a Happy Face
  7. Prisoner of Love
  8. Someday (You’ll Want Me to Want You)
                             9. Gone with the Wind

長年続く JD Allen のトリオにギターの Liberty Ellman が加わっての “Radio Flyer(2017)” に続く第2弾。

その前作では、コンテンポラリー系のサックス奏者ながらも偉大な先人 Coltrane やら Rollins の影を残すAllenのトリオに、ややフリー寄りの
エリアでの活動も多い彼らとは異質の感性の Ellman のギターが混入したことにより、この長年続く Allenトリオの音楽にも何か変化が生まれる
のかと期待してもいたのだが、結果、音楽としては満足できるハイレベルのものになってはいたのだが、Ellmanサイドから見れば、Allen に合わせる
形に終始してしまい、前寄りの異質の感性を持つ Ellman を自身のトリオに取り込んでの Allen の新作としては、そこに大きな意味が見出せない
とも思えたものだったのだが、その前作のやや不満に感じていた部分が、本作ではどうなっているのか、大きな関心を持って手を出した一作でもあった。

内容的には、オリジナル無しのスタンダード他、そして曲目などからも、なんとなく推測できるようにバラード集といったものになっている。
Allen のブロウには、Coltrane や遅れ気味に音を置いていくといった部分では D.Gordon なども頭に浮かぶのだが、ここでの Ballad には、
何よりも Rollins の影を強く感じてしまう。
これは、Ballad集ということもありこの傾向が強くなったのか、はたまたこれをやりたいがために Ballad集としたのか、Allen の頭の中までは読めない
のだが、元々そういった伝統のスタイルも根っこのところに潜ませているといったところはあったものの、いつものコンポラ系サックス奏者としての
語法まで変えてしまっていると思えるような語り口には、次作や今後の展開を見てみないと何とも判断に迷うところでもあるのだが、Liberty Ellman
という言わば先を行く感性を巻き込んでの作としては、私的には、納得できないものがある。鋭角的感性を持つ Ellman の魅力は、消されてしまって
いるし、前作では、わずかに感じていた不満な部分だったが、音楽は前作以上に後退したものとも感じられ不満部分も大きく広がってしまっている。
Ellman という今まで自身のトリオにはなかった感性を利用して、新しい何かを引き出すきっかけにでもなればというような前向きな考えがあれば
と期待もしていたのだが、音楽を聴く限り、どうもそんなコンセプトは全く無く、確信犯的にこれをやってる感じだ。こういった展開でも、巧みにバック
をとる Ellman に出会えたことは、発見でもあり、それはそれで嬉しいことではあるのだが、アルバム名義人である Allen サイドに立って見るならば、
Ellman という核爆発を起こすかも知れない程の危険な触媒を取り込んでのこの結果には疑問が残る。
Allen や Ellman を初体験という人が、もしこれを聴いたなら、非常にハイレベルの音楽と感じるかもしれない、私的にも余計なことを考えず無になって
聴くならば、やはりそう感じるだろう。でも、ミュージシャンはそれぞれに、それまで生きてきた背景があり、そこからそれぞれに考え方やら進むべき方向性
みたいなものを持っているものだ。そこを思った時に、どうも素直に楽しめないものが残るのは、自分だけなのだろうか?
Allen にとっては、一時の遊びなのかもしれないが、厳しさの無い遊びは、所詮アソビでしかない、そんな印象も持ってしまう Allen の新作だ。

JAZZ-sax 94
JD Allen
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Category: organ (第2期)  

Clover Trio / Harvest

  Damien Argentieri (organ)
  Benoist Raffin (ds)
  Sebastien Lanson (g)

  01. Isle of Mulobo Berry
  02. Isn’t She Lovely
  03. Softly as in a Morning Sunrise
  04. Played Twice
  05. Imagine
  06. Lamiremi
  07. Gaby’s
  08. Blues for Jim
  09. Joe
  10.Taxi
  11. Prayer to the Unfamiliar

Recorded on 15/04/2017 at Studio Mesa GNP001 (Green Nose Productions) 2018

すっかりご無沙汰しちまったが、いろいろと忙しさもあり、ちょっとの間だけブログ更新を控えるつもりでいたら、その怠けることの心地良さに引きずら
れ、気がついたら季節は冬から、すっかり夏になっちまった。この間、ライフスタイルは「記事とするために聴く」というパターンがなくなり「好きな時に
好きなように聴く」というスタイルが定着してきたこと。これが「心地良さ」の元になっているのでは、ないだろうか。 てな、わけで、しばらくはこの自然な
流れで行ってみよう。結果、また気が変われば、それはその時、それも自然の流れということで..................。

さて、久しぶりの記事だが、当ブログでは “Unitrio/Page1” ”Unitrio/Page2” や “Laurent Cohen Trio/En Retard” で記事歴もある、今の
感性を備えた正統派のオルガニストとして評価もしていたフランスの Damien Argentieri(ダミアン・アルジェンチェリ?)である。
露出も少なく、なかなか新作にも巡り会うこともできないという状態も続いていたのだが、久しぶりに “Clover Trio” 名義でのファーストアルバムが
リリースされていたので手を出してみた。
おなじみの曲を含めてメンバーが、それぞれ2~3曲ずつ持ち寄ったという内容になっている。

Clover Trio名義とはなっているのだが、一聴してみれば organ の露出も高く、また曲の展開等も含めて、実質的には、organの D. Argentieriが
仕切っている感もある。
Argentieri のオルガンは、先の過去作で感じていたように、コンポラオルガンシーンの流れの中で、決してその先端部分で尖ったものをちらつかせる
というタイプではないのだが、現在のシーンのメインストリームを行く感性として、一昔前にオルガンのイメージを支配し、先に進めない大きなネックに
もなっていたオルガン特有の決めつけられた、固定されたイメージから脱却し、今世紀にふさわしい新鮮な空気感があることがうれしい。
私的には、自分が通ってきた道でもあるので「黒さ」を嫌いなわけではないし、そこを否定するわけでもないのだが、そこに固執してしまい、それが無け
ればオルガンではないというような感性は、ゴメンだ。一ヶ所にとどまれば、その先の広がりは、期待できなくなってしまうこともあり、自分の感性も時
の流れの中で取捨選択を繰り返し現在に至っている。
そういう意味で、今現在の自分がオルガンに求めるもの、漠然としたものだが、Argentier のオルガンは、その枠の中にしっかりと収まったものなのだ。
Argentieri のオルガンは、クールで知的、やはりその辺の質感が魅力となっており、今現在を生きるオルガニストとしてコンポラ系の本道を行く感性
の質を持っている。ただし、米国系オルガニストと微妙に違うテイストを印象に持つのは、やはり出自の違い、欧州出身というあたりなのだろうか。そこ
が彼のオルガンの魅力にもなっており、シーン全体の中で独自性にも繋がっているのだろう。

オルガン・ギタートリオという編成、しかも国内ではその知名度の低さも半端ないといった面々ということもあり、国内で何枚売れたのかといったアル
バムなのかもしれないが、特に米国コンテンポラリー系オルガニストの活動が著しく鈍っているという状況もある中、欧州の今の感性を備えたオルガ
ニストの音に触れることができたのは、自分にとっては、何より。現在進行形、まさに今の空気感を放出する正統派のJazz Organ Trioとして評価で
きる。そして、仮に、もう少し前寄りの感性の質を持つギターを共演者としたならば、Argentieriのオルガンも、その化学反応から何かを生み出す余地
を残すと感じられたことが何よりの収穫だったと言えるのかな。
自分の中では、この未来に向かって変化の余地、可能性が感じられることは、音楽を聴く上での楽しみの要素として、大きなウェイトを占めているの
かもしれない。先の広がり、可能性が感じられないものは、先の楽しみという広がりも薄れてしまう。

          
          極オーソドックスな4ビートのブルースだけど、流れているのは今の空気、微妙なその辺かな!

JAZZ-organ 192


Category: 未分類  

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未分類 - 13
Category: guitar (第2期)  

Marnix Busstra / Old School Band

  Marnix Busstra (g)
  Nobert Sollewijn Gelpke (b)
  Eric van de Bovenkamp (org)
  Mark Stoop (ds)

  Recorded 2017, Brooklyn Studio, Breukelen
  BM010 (Buzz) 2017

  1. Medium Rare
  2. Ten Euro Skunk
  3. No Solution
  4. Out of the Incrowd
  5. Little White Lie
  6. Too Hot Tub
  7. A Good Day
                           8. New Canals of the Emperors
                           9. F*cking speedbumps

過去に Mike Mainieri(vib) との共演作なども出していたことで、その個性的な名前もあり、何となく記憶していたオランダのギタリスト Marnix
Busstra のオルガン入りのリーダー作がリリースされたので、手を出してみた。
タイトルとなっている “Old School Band” は、Busstra とベースの Nobert Sollewijn Gelpk が、ハイスクール時代に同級生だったこともあり、
バンドを組んでいたこともあったようで、その辺からのネーミングらしい。

一通り聴いてみて、どうも気になり入り込めなかったのが、全体のサウンドと Marnix のギター。サウンドイメージは、ScofieldとMMWが絡んだ
ジャムバンドあたり、ギターエフェクトとチョーキングなどを含めたギターの歌わせ方は、Scofield を手本にしたとしか思えないほどのブレイ。
本作に限ったことなのかもしれず、他作を聴いてみないと何ともわからないが、Marnix のギターは、普段からこんなに Scofield もどきのプレイをし
てるのか? 技術面では特に気になるようなところも無いが、この「もどき」という部分が何かすごく気になってしまった。
こうして自分が音楽を聴く上で、自分の好みに大きく関係しているのが作者の感性の質、そしてその創り出したものに独自性があるのかといったオリ
ジナリティの面。そのあたりの質が満足されないと、道楽として楽しみにつながらないのだ。
最初に創り出す開拓者がいて、その成果に自分のアイデアを加えて、さらにそれを発展させていくフォロワーの出現、この流れの大事な部分は、ポイ
ントごとに関わる自身のアイデアという部分。これが無いと進化はストップするどころか、時代の流れの中で衰退へと向かう。

Marnix のScofield を手本にする、それをベースにするということ自体は、否定しない。そこに自身のアイデアをプラスして音楽を少しでも前に進め
たのかという部分がどうも見えてこない。この辺の受取、考えなど、全ては程度問題だが、私的には許容範囲をどうも越えてしまったレベルだ。
20年近く前のあの “A Go Go” から音楽は、一歩も前に進んでいない、その間に流れた時の分だけ、むしろ後退してしまっている。
オルガンも、このサウンドだったら、ちょっとだけでもダーティーな味とともに何か一工夫あった方がフィット感が増すと思うのだが....................。

JAZZ-guitar 193     
Marnix Busstra

Category: guitar (第2期)  

2017年 今年出会った極私的この一枚

Gilles Coronado / Au Pire, Un Bien

 CORONADO-2.jpg

Gilles Coronado (g)
Matthieu Metzger (as, effects)
Antonin Rayon (Hammond B3, clavinet, bass keyboard)
Franck Vaillant (ds, electronic perc.)
Philippe Katerine (voice - 5)

Recorded in March 9-11, 2015 at Studios La Buissonne
RJAL397026 (LA Buissonne) 2015

1. La Traque
2. Des Bas Debits Des Eaux
3. La Fin Justifie Le Debut
4. La Commissure Des Levres
5. Au Pire, Un Bien
6. Wasted & Whirling
7. Presque Joyeuse      All compositions by Gilles Coronado

Antonin Rayon 関連聴きの流れの中で最近再チェックしたという一枚だが、マイナー盤だけに気づくのが遅れ、出会いは本年に入ってからだった。
未聴のフランスのギタリスト Gilles Coronado のリーダー作ながら、Antonin Rayon、Franck Vaillantという先鋭性もある2人の名前を発見し、
何かただならぬものも感じ、手を出してみたという本作だったが、内容的には、当初からかなりインパクトを感じていたことや、高品質ながら正当な扱いを
受けていない不遇のマイナー盤にスポットを当てるという当ブログのコンセプトにもふさわしい一枚ということで、もしかしたら年末のこのコーナーにUP
の可能性も感じていたという作ではあった。

現在、聴けるのは参加作のみという Antonin Rayon だが、他作に関しては、あくまで年上のリーダーの元での参加作という形のものが多く、本作に
関しては、情報不足ではっきりしたことはわからないものの、おそらく近い世代のメンバーと思われ、アルバム製作にあたっては、メンバーのアイデアなど
も結集してのこととも想像している。したがってそういう意味では個としての Rayon 本来の感性もより表面に出やすい環境とも考えており、数少ない
参加作のみという中で判断するしかないという現況で、ちょっと強引だが本来のそして今現在の Rayon が最も出ているのかとも考えている。

リーダーのギタリスト Gilles Coronado については、本作が初めての出会いとなったが、ギタリストとしての能力もさることながら、コンポジション面
での能力にも高いものを感じるところもあり、本作を本年のこのコーナーの一枚にしたのも、そのあたりが大きく作用したものとも考えている。
大きな空間とともに、何か物語の映像でもイメージさせられるような豊かな発想も感じられる、それぞれの楽曲にも、ほとばしるセンスが感じられ、ポリリ
ズミックなテイストも加味されたつくりも極めて緻密。ワイルドな攻めを見せつつも、どこかクールに制御する知的な奥の目、そして空間系の響きも垢抜け
したものが感じられるなど、ギタリストとしても独自性十分なものがあるのだが、単なるギタリストというよりも、音楽する上での広い視野を持っているとい
うあたりが Coronadoの持ち味であり、ギタープレイにも、そんな彼の広い視野が反映されているのが感じられる。

メンバーの質もいずれも高いものが感じられ、本作で初めて聴いたこの Matthieu Metzger のアルトの多彩なワザを適所で繰り出してくるプレイにも
惹かれるし、ポリリズム系も巧みに操る Franck Vaillant のドラミングも光る。
そして時には、近未来を思わせるようなソロも飛び出したりもするが、裏方として本作をベーシックな部分でしっかり支えている感もある Antonin Rayon
のシゴトも見逃せない。
そんな個性派個々の高能力をうまく引き出し、それを全7曲、統一感もある一つの作品として、巧みに編み込んだ Coronado の手腕は、やはり、本コーナ
ーにふさわしい一枚に仕上げている。

その他の Antonin Rayon 関連記事は → こちらから

JAZZ-guitar 192
Gilles Coronado
Category: sax (第2期)  

Alexandra Grimal Trio / Shape

 Alexandra Grimal (ts, ss)
 Antonin Rayon (Hammond organ, clavinet)
 Emmanuel Scarpa (ds, perc)

 Recorded live at the Sunset in Paris, june 30, 2008
 MARGE 42 (2008)

 1. Mouvances
 2. En Silence
 3. Le Sang N’est Pas Bleu
 4. Forets Aleatoiles
 5. Petite Plage
 6. Texture
 7. Suite Du Temps Absorbe  all compositions by A. Grimal, A. Rayon & E. Scarpa


先日、”Claude Barthelemy / Roxinelle” を聴いて以来、Antonin Rayon の参加作を、あらためて聴いているのだが、その流れの中で聴いた一枚。
エジプト出身のサックス奏者 Alexandra Grimal のオルガンを加えたトリオによるパリはクラブ “Sunset” におけるライブ作。
当ブログを始める以前に出会ったアルバムで、この3名とは、当時いずれも初めての顔合わせだったが、Antonin Rayon については、この後のいくつか
の参加作で聴く機会もあり、かなりの好印象は、持っているのだが、未だにリーダー作が無く、本来の彼の姿、音楽を掴みかねている、判断しかねていると
いったところもあり、そのわずかな参加作からは、秘めたポテンシャルも感じられ、そんな未知の部分から、より想像をかきたてられるといったことで、私的
には謎のオルガニストといった存在にもなっている。
この “謎” という部分が、道楽でJazzとつき合っている自分としては、想像を膨らませるという点で、より楽しくつき合っていける要素にもなるということ
で都合の良い材料にもなっている。より楽しくつき合っていけるのであれば、思い込みでも何でも結構ということだ。そこを求めているのだから。

内容は全曲、3者の共作、しかもフリー度も強く、ライブということで、しっかりした譜面らしきものもなかったのではないだろうか。
ということで、音楽はポイントでは、多少のキメごとは、あるにせよ、かなり自由な流れの中で流れていくので、すべて予定の行動をとるわけでもなく、曲時間
も20分を越えるものから1分台の短いものまで、まちまちな内容となっている。
おおむね Grimal のリードでスタートする展開が多く、途中、曲調の変化、あるいはそれを求めてか、テナー、ソプラノは半々ぐらいで使い分けているのだ
が、その不穏な空気をまき散らしながら、時にフリーキーにも吠えるブロウを聴いていると女性らしからぬものもあり、まさにこのジャケットの表情だね!
先日、Mike Moreno の新作ジャケットでは、ダメ出ししたが、ジャケ写を含めて、そのアートワークの考え方にも考えさせられるものがある。
その Grimal が浮遊する空間をつくり出し、また時には、Grimal の提示したものにカウンターをあてるように反応し、アタックをかける Rayon のオル
ガンも多彩なものがあり、Grimal そして Scarpa から、新たなものを引き出すという意味でも Rayon の刺激は、次なる化学反応を促し、このトリオの
音楽を構築する上では、重要な役目を担っている。コードプレイ、シングルトーンでのソロ、ベース効果、ワウなどを使ったエフェクト........................など、
バッキングにソロに、このトリオというミニマルなユニットでのオルガンの機能をフルに使った Rayon の貢献度は高い。

本作は、こうしてあらためて聴いてみると、当時、受け取っていた印象とだいぶ違うことを感じている。新しいものとの出会いなどにより、自分の感性も
当然のことながら変化してきており、もちろん好む方向性にも変化があるわけで、当然の結果とも言えるのだが。
この Rayon の果たしている役割という点で、当時は、それほど感じてはいなかったはずだが、今回はその辺を強く受け取ることができ、本作も Rayon
という存在があったればこそとも感じとれたのは、先日来の Rayon 参加作聴きの流れの中で大きな収穫であり、あらためて Antonin Rayon のオル
ガンを高評価できる機会になったことはうれしい限りである。
そして、こういったエリアで威力を発揮する感性を持つ数少ないオルガニストでもあり、引き続きの追跡調査を進めたい。

JAZZ-sax 93
Alexandra Grimal

Category: organ (第2期)  

Brian Charette / Backup

  Brian Charette (B3 Hammond organ)
  Henry Hey (piano)
  Jochen Rueckert (drums)

  Recordeed December 2016
  SCCD31836 (SteepleChase) 2017

  01. Tadd’s Delight
  02. ChelseaBridge
  03. A Shade of Jade
  04. Backup
  05.The Blessing
  06. Dance of the Infidels
  07. Spring is Here
                          08. Dahoud
                          09. Theese are Soulful Days
                          10. Ritha

ジャズメンのオリジナル曲を中心に、変則編成で臨んだ Brian Charette(B1972) の新作。
オルガニストらしく、Larry Young曲が2曲、Don Patterson曲が1曲入っている。
この編成での試みは過去にも、Larry Goldings - Kevin Hays - Bill Stewart の “Keynote Speakers(2002)”、“Incandescence(2008)”、
Andy LaVerne - Gary Versace - ds の “All Ways(2005)”、“Intelligent Design(2007)”、“At the Kitano Vol.1(2009)”、
I Have a Dream(2014rec2007)”、“I Want to Your Hand(2015)” などがあり、他にもこの編成に b を加えてクァルテットにしたものや
ds を抜いてデュエットとしたものなど、いくつか存在しており、これまで聴いてきた経験では、音楽として変則というようなものは無く、オルガンと
ピアノの組み合わせは、コード楽器でない管などと違い、対等の立場がつくれるということで、特に互いの刺激から新たな価値、高みを求めていく
というスタイルにあっては、より可能性も感じられるフォーマットと思える。その点ではオルガン - ギターの組み合わせに通じるものもあるのだが、
楽器の特性上、気軽に持ち運び、はいセッションというわけにもいかない。どちらも常設が原則の楽器ということが、前例の少ない原因の1つとも言える。

これまで、コンテンポラリー・オルガン・シーンの中心にいた Larry Goldings, Gary Versace, Sam Yahel などのオルガニストとしての活動が
極めて鈍くなっている現状もあり、大きな不満も抱いているのだが、そんな中にあってコンスタントに新作リリースもしているこの Brian Charette
には、ついつい期待してしまうところもあり、その分、内容にも高いものも求めてしまうといったこともあるのだが、さて、どうなっているのやら聴かせて
もらいましょう。

編成を変則にしたことも、もしかしたら関係しているのか、音楽の方は逆に、近年の Charette 作では、一番と言ってもいいほどにオーソドックスに
4ビートで攻めている。こうして4ビートでノリ良く快調に飛ばす Charette のオルガンを聴いていると、技術面を含め感性面でも、今を生きるオルガ
ニストとして熟成されたものも感じられ、安心して聴いていられるものとなっているとも感じるのだが、その辺は、相手としてピアノに Henry Hey を
選んだことにも見える気がするし、もともとこういったスタンダードなテイストのものを目指してのことなのだと思える。
ここ何年かの Charette作を振り返ってみれば、一作ごとに私的評価もアップダウンし安定しないものもあり、本作も、たしかに小細工なしで現代Jazz
organ のスタンダードなスタイルとしてノリ良く楽しく聴ける内容とはなっているのだが、そこに既成のフォームから一歩踏み出した +αがあれば
さらにさらに楽しく聴けたはずとも感じており、やはりそこを目指さないといけないという位置にいるオルガニストとも考えている。
安定した確かなプレイで内容的にも平均点はクリヤーしており、フラットな目線で見れば、それなりの評価もできるという本作なのだが、安定を求める
ようになってしまうと、しだいに音楽もつまらなくなってくるということは、過去ずいぶんと見てきている。
リスクを恐れず冒険する心があってこそ、リスナーにとっては、音楽に平均レベルを越えたところでの楽しみという +αも出てくるというものだし、
その +α を産み出すためにチャレンジする姿勢を維持できるかというあたりも、今後のオルガニスト Charette を左右する部分だ。

コンテンポラリー系のオルガンでは、現在最も活発な動きを見せている Charette だけに、時々見せる後ろを向いた目線が、ちょっと気になって
しまう。先日、記事とした Mike Moreno の新作も同様に既成曲をオーソドックスに料理したものでは、あったが、あくまで先を見据えた上での
プレイといった姿勢も感じられ、その辺が結果として音楽の持つ質感を本作とは、全く違うものとしていたのを思い出す。
音創りの姿勢は、驚くほど正直に最終的に音になって反映されるものだ。これは音楽に限ったことではなく、何かを創り出すことにおいて、その基本と
なるのは、そこに向かう姿勢そして心であり、それが源となる。

その他の Brian Charette 関連記事は → こちらから

JAZZ - organ 191
Brian Charette

Category: guitar (第2期)  

Mike Moreno / 3 for 3

  Mike Moreno (g)
  Doug Weiss (b)
  Kendrick Scott (ds)

  Recorded September 22, 2016 at Systems Two Recording Studios, Brooklyn, N.Y.
  Criss1396 CD (Criss Cross) 2017

  1. The Big Push
  2. For Those Who Do
  3. You Must Believe in Spring
  4. Clube Da Esquina No.1
  5. April in Paris
  6. A Time for Love
  7. Perhaps
  8. Glass Eyes

Mike Moreno の古巣 Criss Cross からの新作。
Moreno のトリオでのプレイについては、CD、ライブも含めてこれまで聴いた記憶が無く、オリジナル無しという内容ながら、ダマシのきかないトリオ作
ということもあり、リリース前から強い関心も持っていた作ではあった。
今では、Moreno もギター界では、ビッグな存在になってしまい、そういう位置にいるギタリストとして語られることも多く、隙間商品を並べて細々とやっ
ているようなマイナー、極小の当ブログには、甚だふさわしくない華のある存在になってしまったということで、また、既に各所でしっかりとした Review
もUpされている状況、あえて当方の駄文記事をUPする予定もなかったのだが、ちょっと気になるジャケットのこともあったので、ここは、曲げて記事とし
ておきます。

旧知の中とも言える2人とトリオを組み、既成曲で固めていることで、ある程度、展開の予想もしてはいたのだが、音楽は思っていた以上にオーソドックスな
展開になっているというのが初期印象。
通常、コンポラ系ミュージシャンのこういったケースでは、後ろを向いた姿勢として、私的には、あまりいい印象も持たないことも多いのだが、音楽からは、そ
ういった負のテイストは感じられなく、一時原点に戻って、あるいは軽くリセットしてといった、あくまで先を見据えた上での本作といった位置づけのものと
して、前を向いた姿勢も感じとれること、そして形としてはオーソドックスながら、現代感覚により今の空気感に溢れたものとなっており、コンポラ系ギタリス
トの一作として高評価せざるを得まいという内容だ。

Moreno のギターは、本作の曲調に合わせたのか、以前より重みと太さも感じられるような気もするが、緩急取り混ぜての表現はさすがで、デリカシーに
富んだスロー、スピード感をもって突っ走るところは鮮やかな走りを見せ、単に勢いで行ってしまわず抑える意志も見えるなど、ギタリストとして一段熟成
されてきた感もある。アルバムとしても、変に片寄ったところもなく、動と静をバランス良く取り混ぜた仕上げになっているのは、リスナーとしては、ただただ
Moreno の鮮やかなギターワークに集中し、気持ち良く聴ける要素になっているのではないだろうか。

フラットな目線で見れば、全てがハイクォリティで、高評価の内容、現代Jazzギターのお手本とも言えるような完成度も感じられる本作だが、方や、ひたすら
楽しみのみを求めるJazz道楽者という目線で見れば全ての判断は単純に好き、嫌いの好みになってしまうのは、しかたない。そこで判断するならば、自分が
Moreno に求めていたものとは、ちょっとだけズレがあったかなというのが私的本作の偽らざる感想。

内容とは関係ないところだが、ジャケットにガッカリだ。近年のCrissCrossのジャケットには、同様のパターンのものも多いが、このアートワークのテイス
トは、同一担当者によるものだろう。ジャケットは、内容を正しく表したもの、あるいは内容に期待を持たせてくれるようなものなど、アートワークのコンセプ
トは、その時々により、考え方もいろいろとあると思うが、少なくともアルバム名義人のイメージを悪くしてしまうものであってはならないといのが鉄則。同じ
パターンで統一していくこと自体はアリだが、いかにも「アルバムジャケット用に写真撮りますよ」ってな感じて毎回同じように処理してるんで、顔の表情もそ
んな感じになってしまっている。ギターケース持たせたり、ベース構えたり...........多少の違いはあるが、基本的なワークの考え方は同じ、色調もコンポラ系
ミュージシャンには、なんだかなあという場違いなトーンだ。
コンテンポラリーギターシーンの重要な位置にいるハイスペックで知的なギタリスト Mike Moreno、そんなリスナーが抱いているイメージをぶち壊して
しまうように毎度同じパターン、色調で安易に作っているかのようなワーク、これでは、Moreno がちょっとかわいそうだ。

JAZZ-guitar 191
Mike Moreno

Category: guitar (第2期)  

Richard Bonnet / Warrior

Warrior2.jpg  Richard Bonnet (g)
  Tony Malaby (ts, ss)
  Antonin Rayon (Hammond organ)
  Tom Rainey (ds)

  Recorded on October 13th 2013  MARGE53 (2014)

  1. Quelque chose d’etrange
  2. Warrior
  3. Kala
  4. Coney Island Line
  5. Bonne resolution
  6. Word of Signs


先日聴いた “Claude Barthelemy/Roxinelle” をきっかけとして Antonin Rayon の過去参加作を引っぱり出しては、聴いているが、自分の変化も
あり、以前出会った時とはまた違った受取り、新たな発見などもあり、こうして時々、自分の通り過ぎてきた道の再チェックも必要ありなどとも感じている。
さて本作、フリー系のフランスのギタリスト Richard Bonnet のリーダー作だが、私的には、高関心度のメンバーばかりということで、重い意味もある作
だった。リーダーの Bonnet と Malaby については、本作以前にも共演歴はあり、アルバムとしてもデュオ作(Haptein 2012)を残しており、その辺の
流れが本作に繋がったというところでしょうか。
この Malaby とは、過去度々共演もあり旧知の仲とも言える Tom Rainey がds担当。
そしてオルガンには、フリー系との共演も多いフランスの Antonin Rayon という曲者ぞろいの布陣、平穏無事におさまるわけがないという米仏混合、
異色・異能の面々になっている。

冒頭1曲目、オルガンが静かに滑り出し、その不穏感もある響きをバックにts、そしてgも入りテーマらしきものが、ぼんやりと見えてきたところで次に
ts → g → org とソロになっていくのだが、いずれもその自由度の高い中でのプレイは、それぞれの持ち味も引き出されており魅力十分、Malabyの
しなやかな柔らかさと強さを併せ持つ木質のテナー、危険なエキスを振りまき、場の空気感にテンションをもたらす Bonnet のギター、多彩なイメージ
を噴き出しては、瞬間の場面をつくり出していく Rayon のオルガン、シーンのキープとともに、息をのむタイミングでのアタックにより、それぞれの
アイデアのきっかけをつくる Rainey のドラムス。
特に前半3曲は、息もつけない程の張りつめた緊迫感溢れた展開が続く。

リーダーの Bonnet には、プレイスタイル、音使い、そして感性の質など、Marc Ducret 直系と言ってもいいほど、その濃い影も見える。同じフランス
ということで何らかの接点もあったことは間違いないだろう。
技術面、アイデア、瞬時の対応力.........など、Malaby 相手に対等にやれるハイスペックのギタリストとも感じてはいるのだが、今後は、この Ducret の
引力圏からどれだけ外れて、独自の世界を創り出せるのか、そういうステップにいると思う。
リーダー作も少なく、本作のような通常編成のものも少ないということで、その点ではモロ好みのギタリストながら、なかなかつき合うのにも難しさが
あるギタリストだが、底知れぬポテンシャルも感じているのも事実で、今後が非常に楽しみなギタリストだ。

リーダー作が無く、参加作でしか聴いたことがないというオルガンの Antonin Rayonだが、バックでの環境づくり、そしてソロにと本作での貢献度は
高いものがある。特にイメージを創り出すという部分で、オルガンの機能を巧みに利用した多彩なプレイは、本作に豊かな場面を提供しており、オルガン
の新しい可能性も感じさせてくれる。こういったエリアで活きる、そして次代の感性を持った数少ないオルガニストだけに、自身のさらなる開発のためにも、
その活動範囲を欧州に限ることなく、米国系の先端の感性とどんどん絡んでほしい。あらためて聴き、こうした独創性に富んだ貴重な感性が、広く知られて
いないという現状が実にもったいないとつくづく感じている。

過去にもBen MonderやらMarc Ducretなどとの共演を通し、Malabyの自分の好みとする部分が出やすいという点で、ギターという楽器との相性
の良さも感じていたところもあるのだが、本作もしかり、音楽の質感は妖しさとともに不穏な空気も流れ、いい感じに仕上がっている。加えてオルガンが
加わったことで、そのコードプレイによる場の空気感、シーンのイメージなどもより明確に打ち出され、Malaby サイドに立ってみても、何か今までと
は違ったものも期待させられる編成だし、Rayon のオルガンは、Malaby の音楽感ともフィットしている。

            Richard Bonnet quartet "Warrior" at Reims Jazz Festival 14/11/14
            Richard (the legs) Bonnet / guitar
            Régis Huby / violin
            Antonin Rayon / Hammond organ
            Sylvain Darrifourcq / Drums

            

            

            ラフ、ダーティーで荒々しさもあるが、同時にデリケートに空間を創り出すキメ細やかな感性も持つこのギターは、
            Ducret の血を引いてるね!

JAZZ-guitar 190
Richard Bonnet
Category: Other Instrument  

Nicole Mitchell / Awakening

  Nicole Mitchell (flute)
  Jeff Parker (g)
  Harrison Bankhead (b)
  Avreeayl Ra (ds, perc)

  Recorded March 2 & 3, 2011
  DE599 (Delmark) 2011

  1. Curly Top
  2. Journey on a Thread
  3. Center of the Earth
  4. Snowflakes
                      5. Momentum
                      6. More Than I Can Say
                      7. There
                      8. F.O.C.
                      9. Awakening All compositions by Nicole Mitchell

先日聴いた Jeff Parker(B1967)のトリオでの “Bright Light in Winter” だが、ギタリストとしての実体もはっきり見えてこないモヤモヤ感もあった
ことで、適当な他作も聴いてみたいと思いチェックしていたら、参加作ながら、おもしろそうなものがあったので、早速ゲットしてみた。
フリー系のフルーティスト Nicole Mitchell のクァルテットによるリーダー作である。
全て Nicole の手による全9曲という内容ながら、クァルテットという小編成参加作での Parker の役目も、バッキングにソロにと、ギタリストとしての姿も
何か見えてくるものもあるだろう、そして私的に好きな楽器フルートが絡んだ作ということで、期待するものもある。
先日の Parker作とは、同録音年になるが、自身のリーダー作と、こうした参加作で、プレイの違いはどうなのか?その辺にも興味がある。

さて、フリー系のフルートということで、ノンリズムで、どフリーなものも、ちょっとだけイメージはしていたのだが、意外とリズムもしっかりと、比較的ノーマ
ルな展開のものが多い。これは、冒頭曲にストレートに4ビートで快調に飛ばす曲を配したこともアルバム全体のイメージに関わったような気もする。
Nicole のフルートは、技量面でも高いものがあり、その多彩な技から繰り出される音の色にも表情豊なものがある。フルートの魅力は、リードの振動を利用
する楽器とはまた違い、人の吐息、そして時には声そのものが音に含まれてくることもあり、そういったものが混然一体となった生身の人の息づかいも伝わ
るような音の表情といったところに魅力があるが、必要に応じて、技を使い分ける Nicole のフルートには、巧みなものがあり、色、艶、そして時には香りさえ
感じるような音の動きは、生に溢れている。

音楽は、ノーマルなテイストのもの主体ではあるのだが、アドリブパートでは、かなり自由な動きも見せており、元来フリー系の感性も持っているというメン
バーだけに、ノーマルなテイストの中で見せるそういった感性の混入が普通ながら微妙に普通でないという状況をつくり出しており、その一見普通ながら
一味違った部分を含んだ仕上がりが今の自分には、なかなか心地良い。

本作での Jeff Parker のギターからは、元来、彼がベースに持っているものなのか、プリミティブ、アーシーといったものが感じられるのだが、この辺は
Parker自身を含め、シカゴベースのメンバーになっているということも大いに関係しているのかもしれない。
先日聴いた前述のリーダー作とは、参加作ということもあり全く違ったプレイをしており、違った面を見る事ができたのも収穫だった。印象では、こちらが
素なのかな?
先日の盤では、Parker のギターにたどたどしく感じられる場面もあったのだが、本作でもやはり同じようなところがあった。これは多分に、今時のハイテ
クギタリストに耳が慣れてしまっているのも一因として考えられる。ミュージシャンは、表現上必要ないことまでやらんでいいのだ。その技術を見せるために、
やらんでいいことまでやってしまい、そのムダな動きにより、音楽のクォリティを落としてしまっていると感じることも度々ある。
とは言え、この Parker にも、ややヘタウマ的傾向があるとも言えるかもしれない。が、2作を聴いてみて感じたことは、そういった技術面での小さなマイナ
ス面を大きくカバーできる独創性もある豊かな感性を持っており、実際、彼のギターは、ヘタな今時のハイテクギタリストの音と比べれば、人間味もある音
として自分の耳には入ってくる。
時々、華麗な技に見とれてしまい、ついつい己を見失ってしまうこともあるが、音楽は、やはり感性、技は単なる手段にすぎないこと、時々思い出したい。

M3 “Center of the Earth” での、Nicole の生き物のようにあちこちに自由に飛び、跳ね回る生命感に溢れたフルート、そして独創的な Parker の
ギター、捨て曲なしだが、これがベストかな。
全編に渡り、Nicole のcompositionも光る。

JAZZ-other instrument 44
Nicole Mitchell

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