前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: Other Instrument  

Stephane Huchard / Panamerican

  Stephane Huchard (ds, perc)
  Jim Beard (p, Rhodes, Hammond B3, keyboards)
  Chris Cheek (ts, ss)
  Nir Felder (eg, ag)
  Matt Penman (b)
  Minino Garay (perc)

  Recorded in January 2012 at Brooklyn Recording Studio, New York City, U.S.A.
  JV570019 (JazzVillage) 2013

  01. Sleepless
  02. Groovy Side
                      03. Just an Herbie Vore
                      04. Boogaloo King
                      05. Bancal Cha-Cha
                      06. El Minino
                      07. Find a New World
                      08. Melodic City
                      09. Happy New York
                      10. Dream Solo All tracks composed by Stephane Huchard

先日来の Emmanuel Bex 関連作聴きの流れの中で、久しぶりにジャケットを見て、思い出したように聴いた一枚。
フランスのドラマー Stephane Huchard(ステファン・ウシャール B1964) は、世紀末の頃、同じフランスのオルガニスト Emmanuel Bexのアルバム “3” で
初めて出会ったのだが、その質の高いプレイが、印象に残っていたこともあり、彼名義のアルバム等をチェックしていた時、その魅力あるメンバーに、即ゲット
してみたというのが本作だった。久しぶりに聴いたので、ついでに記事としておきます。

全曲、ドラマーである Huchard の手による10曲だが、音楽は、あえて狙ったテイストと思われるポップ、ラテンタッチ............など、ライトな 感覚で統一されて
いるとも思える聴きやすいものとなっているのだが、けっこう作り込まれた印象もあり、ライトタッチながら、イージーといった 感覚はない。全体に抑え気味のプレイ
ながら、その多彩でコントロールのきいたドラミングからは、基本となる楽曲とともに、高いセンスも 感じられ、個よりもコンポーザーとしてトータルなサウンドに重き
をおいた姿勢も見える内容となっている。 その辺は、各種キーボード系を、曲調により使い分けバッキングにソロにサウンドに彩りを添える Jim Beard が、リーダー
Huchard の 補佐役としてサウンドメイキングにうまく機能しているといった感じだ。

全体にそんなつくりのサウンドなので、それぞれのソロに大きくスポットが当たるといった場面も、あまりないのだが Cheek, Felderなども この方向性の中で、抑え
気味ながら堅実なシゴトで大いに貢献しており、このサウンドの中にあって、Penman のウッドベースが、いい落ち着き をつくっているようにも思う。

JAZZ-other instrument 43
Stephane Huchard

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Category: Other Instrument  

Mathias Levy / Playtime

  Mathias Levy (violin)
  Sebastien Giniaux (g)
  Jeremie Pontier (ds)
  Matyas Szandai (b)
  Emmanuel Bex (org)

  JMS1062 (JMS) 2013

  01. Birdy
  02. Venus
  03. Rue Myrha
  04. Portrait in Black and White
                      05. Chaloupe
                      06. Canson
                      07. Le Conteur
                      08. Anniversary Blues
                      09. Beyrouth
                      10. Ensoleillement
                      11. Valse Calme

フランスの若手バイオリニスト Mathias Levy のクァルテットに、やはり同じフランスのオルガニスト Emmenuel Bex(B1959)がゲスト参加したもので、
先日来の Emmanuel Bex 関連作聴きの流れで聴いた一枚。 Jazzでは、マイナーな楽器とも言えるバイオリンだが、それでもフランスには、既聴のバイオリニスト
も多く、Stephane Grappelli(B1908 - 1997)、Jean Luc Ponty(B1942)、Didier Lockwood(B1956)、Scott Tixier(B1986 生まれはモントルー)............
......などがいるのだが、本作の Levy に関しては本作が初めてとなる。

冒頭曲 “Birdy” で、いきなり高速4ビートに乗り、Levy のバイオリン、Bex のオルガン、そして Giniaux(ジニオー?)と快調にソロを飛ばすオープニング。
つづくM2 “Venus” では一転、スローな展開で、繊細な Levy のバイオリンがよく歌い、これで掴みはバッチリという感じだが....................
本作でのゲスト Emmqnuel Bex の参加は3曲、高速4ビートのM1、Bex得意のボコーダーを使っての繊細なスローナンバーM4、ミディアム・ハイの
ブルースM8 とバラエティに富んだ3曲で、本作中の魅力のナンバーになっている。
その他の Levy のカルテット曲については、マヌーシュ・ジャズあるいは中東を思わせるようなラインがあったりと、やや曲調が偏ってしまった印象も
なきにしもあらず。
スピード感溢れるキレ味、歌心........とハイレベルのものも感じさせる Levy で、伝統的に良いバイオリニストが存在してきたフランスにおいて、今後も
楽しみな若手とも感じるのだが、あまり狭い範囲の音楽にこだわってしまうと、行き詰まってしまうこともある。
このギタリストも、感性の質からすれば、おそらくそっち系のギタリストではないだろうか?
デビュー作の本作のみで、何とも言えないが、現代的感覚も十分持ち合わせていると思える Levy なので、あまり狭い範囲の音楽にこだわることなく、
また伝統芸の方向に走りすぎることなく、新しい時代にふさわしい Jazzバイオリンの形を求めていってほしい、そこが無いと、この分野も先細りになって
いってしまう。

            

JAZZ-other instrument 42
Mathias Levy
Category: oldies  

Sonny Rollins / A Night at the Village Vanguard

  Sonny Rollins (ts)
  Wilbur Ware (b - 1,2,3,4,6)
  Donald Bailey (b - 5)
  Elvin Jones (ds - 1,2,3,4,6)
  Pete LaRoca (ds - 5)

  Recorded Novvember 3, 1957
  CDP7 46518 2 (Blue Note)

  1. Old Devil Moon
  2. Softly As In A Morning Sunrise
  3. Striver's Row
                      4. Sonnymoon For Two
                      5. A Night In Tunisia
                      6. I Can't Get Started

先日、JD Allenを聴いていて、何となく思い浮かんできた Sonny Rollins のテナー、しかもピアノレスのトリオ、ということで引っぱり出してみた一枚。
昔、LPの時代にはよく聴いた盤だったtが、CDに切り替えてからは、あまり聴いた記憶がない

Sonny Rollins(B1930)が好んだピアノレストリオによる同年録音の “Way Out West” と並ぶ名作、Elvin Jonesの参加も魅力だった Village
Vanguardにおけるライブ。
豪快にドライブする、Rollins も好きだったが、剛柔兼ね備え、デリケートに独特の歌いっぷりを見せる Ballad も好きで、M6 “I Can’t Started”
は、当時好んで聴いていた一曲。
糸を引くように粘る Elvin のブラッシュワークをバックに、太くはっきりしたラインを紡ぎ出してゆく Rollins、こうしてあらためて聴いてみると
濃厚な Jazz Spirit でムンムンとして、むせ返るようだ。まさにJazz だね!

トリオという、ミニマルなフォーマットにおいて、全体にElvin のプッシュが音楽に活力と張りをもたらしており、この我々生物の鼓動、呼吸といった
生命の源とも言えるものと、どこか連動してるかのような流動性もある生きたタイム感覚は、天性のものだね。

            

JAZZ-oldies 22
Sonny Rollins

Category: sax (第2期)  

JD Allen / Radio Flyer

  JD Allen (ts)
  Liberty Ellman (g)
  Gregg August (b)
  Rudy Royston (ds)

  Recorded at Tedesco Studios, Paramus, NJ on January 2, 2017
  SCD2162 (SAVANT) 2017

  1. Sitting Bull
  2. Radio Flyer
  3. The Angelus Bell
  4. Sancho Panza
                      5. Heureux
                      6. Daedalus
                      7. Ghost Dance

ここ一週間ほどは、あれもこれもと、引っぱり出しては聴きの、アバクロにどっぷり浸かった日々になってしまったが、それぞれのアルパムに出会った
頃の状況なども思い出しつつ、これまでの流れを振り返っては、頭の中を整理するいい機会にもなったと、残念なことだが、そう考えよう。
しかしながら、これからは彼の新たな考えの詰まった新作にも出会えなくなってしまうというのは、何ともさびしいことだね.......................合掌!

で、アバクロの記事は、いずれまた機を見てということで、気分を変えます。

ここ10年近く続く JD Allen(B1972) のレギュラートリオに、ギターの Liberty Ellman(B1971) が参加するという私的注目の一枚。
Allen は、ピアノや管などを入れる時は、基本的に本作のこのトリオ以外のメンバーで、ユニットを組むことが多く、その点でも、この互いに知り尽く
した3人に新たな感性を迎え入れることの意味を考えると非常に興味深いものがある。また、Allen としては、珍しいギターという楽器、そしてそれが
コンテンボラリーからフリー寄りといった中間のエリアでの活動も多い Ellman という感性が、このトリオに及ぼす影響がどうあらわれるのか............
と、誠に興味の尽きないところだ。

根っこのところで、Rollins やら Coltrane なども感じさせる Allen だが、本作でも、その音楽の端々に微妙に漂うスピリチュアルなテイストやフレー
ジングなどからは、偉大な先人の影も感じることができる。コンテンポラリー系Sax奏者の中でも特に愚直なまでに硬派一直線といった姿勢には、
昔から一貫したものもある Allen だが、本作においてもその変わらないブレない音づくりの作法も感じられる。
本作の一つの関心事でもあった、感性面では、より先端寄りの尖ったものを持つ Ellman が、混入したことにより、Allen の音楽も変わるのかと、
興味もあったところだったのだが、この男、なかなかの頑固者のようで、音楽は、まっすぐ一直線、ブレを見せていない。
どう変化を見せるのかといった部分で、ある程度の期待もしていた自分としては、多少の不満もあったことは確かだが、その提示された音楽のクォリティ
には十分満足できるし、その不器用なまでの、融通もきかないまっすぐな姿勢には、何か共感させられてしまうものもある。
一般的には、融通のきかない、柔軟さもない音づくりの姿勢には、共感できない自分だが、彼の場合は、その先に自分の音楽を前に進めるといった
強い意志も見え、そこに共感できるのだ。
なので、本作の印象としては、その頑固なまでに自分を通す Allen に Ellman が、歩み寄ったといったところだろうか。まあ、Allen のリーダー作
だから、当然のことなのかもしれないが。
なので、普段はもう少し不穏度の強い空気感を振りまく Ellman のギターも、音そのものの印象とともに、多少ノーマルな立ち居振る舞いといった
印象もあり、Ellman サイドに立って見れば、多少の不満も残るのだが、それはあくまで Ellman 中心に見てということなので、このクァルテットの
トータルな音楽として考えれば、誠に魅力の一枚に仕上がっている。

この瞬間の対応と自由な動きも求められる音楽の中で、変幻自在に攻めのプッシュも見せる Rudy Royston のドラミングは、音楽に活力と推進力
を産み、その貢献度も絶大なものがある。

私的には、好みのテイストを持つ一枚として十分満足できるものだったが、欲を言えば、せっかく参加させた Ellman という自身のトリオには、今まで
無かった先進の感性を利用して、自身の新たな世界を打ち出すといったところまで、踏み込む柔軟性を持ち合わせていたなら、まちがいなく星5つ、いや
もう星半分おまけが付く内容だ。
Allen のSaxは、表面上のテイストにおいては、典型的コンテンポラリー系のものを感じさせてはいるのだが、よくよくそのフレージングなど細部を
聴いていると、先人の残した伝統の影を随所に感じ取ることができる。それは、決して悪いことではなく、むしろ好ましいこととも言えるのだが、
全ては程度問題、まっすぐブレない姿勢も大事だが、度を超すと可能性を狭めてしまうことにもなる。結局、その辺の塩梅を判断するのも才能
ということになるのかもしれないが............。

M5 ”Heureux” あたりでの速めの4ビートの展開における Ellman のソロなどを聴いていると、あらためて Liberty Ellman というギタリストの
独自性もある魅力も感じるという1枚でもあったが、この Ellman の立ち位置とカブるエリアでシゴトのできるところも見せてくれた Rez Abbasi
を、ここにあてはめても、何かまた違ったおもしろいイメージができた。そんな1枚でもあった。

JAZZ-sax 91
JD Allen
Category: guitar (第2期)  

John Abercrombie / Wait Till You See Her

WaitTillYou-1.jpg WaitTillYou-2.jpg

John Abercrombie (guitar)
Mark Feldman (violin)
Thomas Morgan (double-bass)
Joey Baron (drums)

Recorded December 2008 Avatar Studios, New York (Eng.:James Farber)
ECM 2102 (2009)

01. Sad Song
02. Line-Up
03. Wait Till You See Her
04. Trio
05. I've Overlooked Before
06. Anniversary Waltz
07. Out of Towner
08. Chic of Araby           
All music by John Abercrombie except Wait Till You See Her by Richard Rogers/Lorenz Hart

一枚じゃあ、おさまりがつかなくなっちまった.................もう一枚いっときます。

Abercrombieにとっては、今世紀初めのMark Feldmanとの出会いから始まったこのクァルテットですが、本作では、それまでのMarc Johnsonの
ベースに替わり若手のThomas Morganになっての4作目となる。
内容も、アルバムタイトル曲の "Wait Till You See Her" を除いて全てAbercrombieのオリジナル、そのコンセプトに共鳴し、4人の静寂な中にも
緊密で緊張感が持続しながらのインタープレイが繰り広げられる。

極めて現代的でクールな装いながらも温もりある歌心を忘れてないAbercrombieの柔らかくセンシティブなギター・ワークが緩やかな流れを創り
だしている。それに寄り添うように流れに淡い彩りを添えていくFeldmanのヴァイオリンもそれに輪をかけたように極めてセンシティブでもあり、
Morganも加わり3者3様の弦の響きが、絡みあい創り出された音世界は独自の世界観をつくりだしている。
このフォーマットでの活動も長く、新しい一つの形を創った感もあるが、ベースがMarc Johnsonから若手のThomas Morganに替わり、新しい変化
のきざしも見えるのだが........................

今回、こんなことになっちまい、他に Copland とのデュオ曲 “Blue in Green” も聴いたのだが、何とも沁みる泣きの一曲となっちまった。
こういうデリカシーに富んだ語り口のできるギタリストも、もうなかなか出てこないんじゃないかなあ................................さらば、アバ爺!

その他の John Abercrombie(1944.12.16〜2017.8.22) 関連作は → こちらから

JAZZ-guittar 185
John Abercrombie
Category: guitar (第2期)  

John Abercrombie / The Third Quartet

ThirdQ-1.jpg ThirdQ-2.jpg

John Abercrombie (eg, ag)
Marc Feldman (violin)
Marc Johnson (b)
Joey Baron (ds)

Recorded June 2006 at Avatar Studios, New York
Engineer:James A. Farber
ECM 1993 (2007)

01. Banshee
02. Number 9
03. Vingt Six
04. Wishing Six
05. Bred
06. Tres
07. Round Trip
08. Epilogue
09. Elvin
10. Fine

ちょっと危なっかしいところもあり、だいじょぶかなあなどと度々思うところもあったこの頃、やっぱり逝ってしまった。
ここは、何か聴かにゃあ、おさまりがつかんだろうなあ...........ということで、振り返りつつ一枚。

ECMにおいて'02年の "Cat'n' Mouse" から始まったこのメンバーでの作品も間に "Class Trip"('04年)を挟んで本作が3作目となり、次作の
"Wait Till You See Her"('09年)では、ベースがMarc Johnsonから若手のThomas Morganに代わるという本シリーズである。

Orneette Colemanの M07"Round Trip", Bill Evansの M08"Epilogue" 以外は全てAbercrombieのオリジナルとなる全10曲という内容となって
おり、音楽の基本的方向性は、初作から変わっておらず、一貫した姿勢で通してきている感もあるのだが、音楽は初作を "動" とするならば、しだいに
"静" の要素を強めてきているとの印象もある。しかし、音楽は、表面上の "静" とは反し、やはり回を重ねた成果であろうか、阿吽の呼吸もあり、より
緊密な絡みもある、静かな中にも緊張感が持続するものとなっている。
空間を漂うAbercrombieのギターとFeldmanのヴァイオリンが寄り添いながら、そして時に絡み合いながら紡ぎ出す世界は、小さなジャンルという
枠にとらわれない彼ら独自の新しい世界を創り出してきており、地道に積み上げてきたこの成果は評価すべきではないだろうか。

60超えの当時、なお旺盛な創り出す心を維持するどころか推進させている感もある Abercrombie がうれしい、.....................そして惜しい。

その他の John Abercrombie(1944.12.16〜2017.8.22) 関連作は → こちらから

JAZZ-guitar 184
John Abercrombie
Category: organ (第2期)  

Olivier Ker Ourio / Magic Tree

  Olivier Ker Ourio (chromatic harmonica)
  Emmanuel Bex (Hammond organ)
  Philip Catherine (eg,ag)
  Andre Ceccarelli (ds)

  Recorded in September 2009 at Studio Meudon, France
  PL4531 (Plus Loin Music) 2010

  01. Eva
  02. Magic Tree
  03. Sunday
                       04. Libertalia
                       05. Jenn
                       06. Chaloupe Mwin
                       07. St. Jacques
                       08. Okokalypso
                       09. Mirella
                       10. So Long P
                       11. Achille

先日、フランスのオルガニスト Emmanuel Bex(B1959)の新作 “Chansons” を記事とした流れもあり、しばらくご無沙汰していたBex関連作も
聴いてみたくなり、いくつか引っぱり出してチェックしてみた。記事にしてないものもあったので、ついでに記事としておきます。
リーダーの Olivier Ker Ourio(B1964) は、ゲスト参加した “Charlier - Sourisse / Gemini(2000)” で、記事歴はあるのだが、ゲスト参加の
プレイということもあり、ほとんど記憶していない。本作は、あくまで Bex 目当てのゲットだったこともあり、一応カテゴリー「オルガン」の記事として
おきます。

ハーモニカといえば、この世界ではプレイヤーも少なくマイナーな楽器でもあるのだが、 昨年、惜しくも他界した Toots Thielemans(B1922
- 2016)という大先輩がいるが、この分野での彼の残したものは大きく、この Ourio も、その音楽からは、Thielemans の影も感じられる。
また、幅広い音楽性など方向性にも、つながるところがあるといった印象もある。
全体に哀愁漂うサウンドが点在する。これは、この楽器の持ち味といってもよいのだろうか、空気の送り方に違いはあるが、金属プレートの振動
によって音を発するという点で共通する、アコーデオン、鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)といった楽器の音の質感と共通するものがある。
Jazzにおいては、こういった楽器も奏者が少ないだけに、開拓の余地も多分に残していると思えるところもあり、革命家の出現によっては、大きく
前に進むのだろう。Thielemans の後を継いでゆくプレイヤーにも、その音楽を少しでも前に進めてもらいたいものだ。

この音楽の中で、あくまでサポートする立場ながら、フランス人である Bex の持ち味は、発揮されているのではないだろうか。おそらくシャンソン
やらタンゴなどを通して奏者も多いフランスで、アコーデオン、ハーモニカといったものと接する機会もそれなりにあったことで、Ourio の音楽に
馴染んでいる感もある。Ourio が、共演者としてオルガニスト Bex をチョイスしたのも、なんとなくわかるような気もする。黒い空気を振りまく
オルガンは、いくらでもいるけど、こういうフランスのコジャレた質感を持つオルガンは、なかなかいない。

Catherine もアコギでしっとり、エレキでコンポラチックな攻めを見せたり貢献度大。
Ceccarelli もOurioの音楽の中で、ビートを変化させていく曲があったり、好サポートで存在感あり。

その他の Emmanuel Bex 関連作は → こちらから

JAZZ - organ 192
Olivier Ker Ourio
Category: organ (第2期)  

Zeppetella Bex Laurent Gatto / Chansons!

  Fabio Zeppetella (g)
  Emmanuel Bex (org, voc)
  Geraldine Laurent (as)
  Roberto Gatto (ds)

  WJ 113 (jando) 2017

  01. E La Chiamano Estate
  02. Bocca Di Rosa
  03. Buona Notte Fiorellino
  04. A Me Me Piace O' Blues
                      05. Napule È
                      06. Luna Rossa
                      07. Avec Le Temp
                      08. C'est Si Bon
                      09. L' Été Indien
                      10. Les Temps Des Cerises
                      11. Le Bon Dieu

フランスのオルガニスト Emmanuel Bex(B1959)は、90年代に出会って以来、ほぼ全作聴いてきている。もっとも他のコンテンポラリー系の主な
オルガニストについても同様なのかもしれないが、この Bex については、特に90年代に出会った1枚のアルバム(”3” 1998)、中でもある1曲が、
自分の中での彼の高い評価を決定づけてしまい、その爆発的プレイは、自分のOrgan史の中でも特別の1曲として刻み込まれており、私的には、コン
テンポラリーオルガンを語る上では、外せない一曲となっている。そんなことで、以来、常にレーダー圏内においてきたオルガニストでもあった。
本作での Zeppetella Bex Gatto の3名については、過去 “A Tribute to Wes Montgomery(1998)” にて共演歴もあり、その後も度々共演も
ある周知の仲、今回はそれに気鋭の女流アルト奏者 Geraldine Laurent の参加も目を引く。
本作は、共同名義作ということになるのだろうか? リーダーもはっきりしないし、一応 Emmanuel Bex目当てのゲットでもあったので、カテゴリー
“organ” の記事とします。

本作は、シャンソン縁の曲を題材としているようで、フランス人である Bex や Laurent にとっては、昔からよく接してきた曲ということなのかも。
こういったコンセプトのアルバムにありがちな、ヘンな方向に偏ってしまい、Jazzのスピリットも希薄にといったことも、ちょっと心配したが、個性派
Bex のこと、普通にJazzではないものの、十分にJazzとなっていることに、まずは安心。

形としては、ZeppetellaのギターとLaurentのアルトをフロントに配して、Bexのオルガンがバッキングそしてソロに全体をコントロールしつつの
音楽は、Bexの感性が色濃く出たものと感じられ、コンポーズ面ではBex中心のユニットといった印象も持つ。
他の誰でもない、極めて個性的な感性の持ち主である、Bexのオルガンは、 他のコンポラ系オルガンの流れの主流ともなってきた主に米国系の
Goldings, Yahel, Versace.........といったコンポラ系の本道を行くスタイルからは、外れた道を歩んできており、今後も本道に合流してくるような
流れにはならないだろうと予想している。
そんなBexなので、通常のJazzの感覚、あるいは他のオルガニストによく見られるブルースの感覚といったものは、一切、持ち合わせていないので
はと思われる方もいるかもしれないが、前述のアルバム “3” 中の一曲では、濃厚なブルース感覚を放出し、周囲の空気まで振動するかのような
重低音のハモンドが炸裂するのには、かなりのインパクトがあった。個性派ではあるが、Jazzオルガニストとしての基本のところは、しっかり通過して
きており、その上での現在の形というのも確認できる。未聴の方は、問題の一曲 “Where?” とともに、ぜひ体験をおすすめしたい。なぜ、 Bex なのか、
一発屋と勝手に言ってるが、その彼の高い能力が最も高みに達した瞬間をとらえた一曲である。

本作から話が逸れてしまったが、けっしてまずくはない、が、いい時のBexを記憶している身としては、やはりちょっと物足りないものがある。
Zeppetella のギターは、澱みない流れを作り出し巧いのだが、個性派 Bex の音楽の中では、そのソツなく、クセなくといった部分が、やや負の要素
として感じてしまうところもある。

その他の Emmanuel Bex 関連作は → こちらから

JAZZ - organ 191
Emmanuel Bex
Category: guitar (第2期)  

Gene Segal / Matter

  Gene Segal (g)
  Jon Irabagon (ts)
  Sam Sadigursky (cl, bc)
  Sean Conly (b)
  Jameo Brown (ds)

  Recorded December 3, 2014
  SCCD33121 (SteepleChase) 2015

  1. Faint Memories of Home
  2. Ordinary Matter
  3. Mood
                      4. Vortex
                      5. Patiently
                      6. Waiting
                      7. Strange Matter
                      8. Morph
                      9. Sun King

ロシア出身、幼少期に米国移住というギタリスト Gene Segal の2015年作。
前作 “Mental Image” とは、同じメンバーながら Irabagon は、asからtsに、そしてtsとcl系を担当していた Sadigursky は、cl系に専念するといった
楽器担当に変更がある。

g と cl のテーマから始まる冒頭曲、中東を思わせるようなライン、そして一瞬だが、あのジャンゴ・ラインハルトを思い出させるような響きも交えての
Segal のギターソロがなかなか良い。いきなり本作中の魅力の一曲が飛び出してしまった感じだが、コンテンポラリー系ギタリストの中心として
Metheny やら Rosenwinkel あたりを通過してきたといった感性のギタリストに関心が集まる中、こういったそれ系とは、異質の個性ある感性は、
貴重な存在だ。
シングルトーンで押しまくるだけのギタリストではない。コードプレイも多用しつつ、時には浮遊感ある表現、そして時にはエフェクトも加えてワイルドに攻める
M8 “Morph” など、加えて曲調もバラエティに富むなど、多彩なものがある。一瞬だが、Scofield を感じる響きには、通り過ぎてきた過去もイメージされる。
細かくチェックしていけば、もちろんそれなりの個性も感じられる多くのコンテンポラリーギタリストだが、一歩引いて大きな目で見れば、大同小異と
いう感じもなくはないという中で、そんな大きなメインの流れとは、どこか異質という感性は、生まれという血の部分も関係しているかは、わからないが、
やっぱり魅力だ。個性派として、大事にキープしておきたい存在だ。うまく伸びていってほしいね。

Irabagon と Sadigursky も良好だが、本作では、cl系に専念したSadigurskyの存在感が目立つ。
Conly - Brown のリズムセクションも良し、今後もリリースがあるかは、わからないが、次作も聴いてみたくなるユニットだ。

JAZZ-guitar 183
Gene Segal
Category: guitar (第2期)  

Nigel Price / Hit The Road

  Nigel Price (g)
  Pete Whitaker (org)
  Matt Home (ds)
  Vasilis Xenopoulos (ts - 9)

  Recorded in London in February of 2013.
  33JAZZ241 (2014)

  1. Hit The Road
  2. Up Jumped Spring
  3. Chelsea Bridge
  4. Lover Man
                      5. Dreamsville
                      6. Go!
                      7. Detour Ahead
                      8. Bizzy Bee
                      9. Hot Seat (Chas’s Chair)

Nigel Priceは、英国の British Jazz Awards でベスト・ギタリストに選出されていたことなどもあり、名前だけは記憶していたのだが、おそらく今、自分
が求めている方向性のギタリストではないとの推測もあり聴いたことはなかった。が、未聴のオルガニストが入っていたこともあり、2人同時にチェック
もでき、知るには、ちょうど良い機会ということで手を出してみた。
毎度のことだが、この知らない人の音を聴くというパターンが、楽しみとなっている。なので、何が飛び出すかわからないという期待感が薄れるということ
もあり、試聴しての購入はしない。博打買いを原則としている。ハズレも多いが、それを含めての楽しみと考えている。

Price のオリジナルは4曲、他の曲目の状況などから予想していた通りのストレートに押しまくる見事なほどの王道系ギターだ。
このパターンだと、何か新しい発見という点では、期待薄になってしまうのはやむを得ないのだが、あとはいかにノリ良く、気持ち良く楽しませてくれるの
かといったあたりがポイントになる。
Price のギターは、ベストギタリスト選出歴もあるだけに、なかなか巧みだ。細かなピッキングも寸分の狂いもない。バラード系の曲になってもダレないし、
ブルージーに良く歌っている。元をたどれば Wes あたりにたどりつくといった感性なのかな、間に挟んでくるオクターブもそんな感じだし。
かつて、自分も通ってきた道だが、巡り巡って今、自分が求めている方向は違うものになってしまい、積極的にこの伝統に回帰するということもないのだが、
それは決して伝統を軽視しているというわけでもなく、表面には出てこなくても奥の方にしまい込んでいるような感覚は自覚しているし、さらに前の時代に
のめり込んでいたブルースの感覚はすっかり奥の奥まで染み込んじまって、何をもってしても洗い落とすことは不可という感じだ。
この染みついた特にブルースの感覚が、後のいろいろなJazzとの出会いの中で、当初は、白人系ミュージシャンの感性に拒否反応を出したりの悪さを
はたらくことになるのだが、逆に白人系ミュージシャンの音に関心を持ち始めると、その奥に潜んでいるブルースの感覚が邪魔になり、排除しようとする
心の葛藤があったりと、まあ厄介な代物だ。振り返ってみればJazzに入ってからの10年、15年は、そんな葛藤の繰り返しだったように思う。
まあ、その辺は話が長くなってしまうので、やめときますが、かつてよく聴いていた王道のJazzも、今は自分が求める方向性もだいぶ変わってしまい、聴く
機会も極端に減ってしまっては、いるのだが、それでも聴くことはあるし、強く反応するものもある。ただ、この反応するもの、しないものの違いは何なの
か、自分でもことばでは、うまく説明できないような部分だ。
本作の内容も、あまり書ける要素が無いといった内容ということもあり、話をヘンな方に引っ張ってしまったが、Price のギターは、技術面では何の不満も
無いのだが、音楽には反応できなかった。今回初となるオルガンの Pete Whitaker も同じような印象を持った。ただ、Whitaker については、あくまで
ギタリスト Nigel Price の音楽の中でのプレイなので、これが彼本来の感性であるのかはわからない。
本作も、仮に20年前、30年前に出会ったとしたら、その受取も全く違ったものだったと思うが、自分の感性も多くの新種の感性との出会いから、時の流れ
とともに変化してきており、それが生きるということだろう。

本作も、今現在の自分の求める方向性とは違うが、そこを離れてフラットな目で見れば、Jazzの王道を行くギター・オルガントリオとしては、上質の一枚に
なっているのではないだろうか。

JAZZ-guitar 182
Nigel Price

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